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“『龍が如く』らしさ”とは?──新体制となった龍が如くスタジオ、キーマン7人に聞く開発哲学。ジャンルが変わっても、主人公が変わっても、作り手が変わっても損なわれない、スタジオの芯にあるものとは

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時代を反映し続けてきた『龍が如く』

──『龍が如く』は、そのときそのときの時代性を反映していますよね。時代の移り変わりとともに、ゲーム中で表現されていることも都度対応されてきたと思うのですが、その姿勢は貫かれていくのですか?

横山:
 『龍が如く』シリーズはずっとそうだと思います。ナンバリングタイトルに関しては、ずっと時代を拾い続けていくものだと。いまはリメイクとかリマスターも発売されて、そのときの時代を追体験できるようにもなりましたが、まさかそんな時代が来るとは思っていなかったですから。

 『龍が如く』1作目の発売日は2005年12月8日で、ゲーム中でも2005年の12月を描いています。発売された時代を、そのままゲームに落とし込んでいるわけです。『龍が如く0 誓いの場所』は過去を描いたタイトルですので1988年が舞台でしたが、仮に『龍が如く8(仮称)』が202x年に発売されるのであれば、その時代を反映すればいい。作り手も老いるけど、登場人物たちもしっかりと老いると。寿命を迎えるキャラクターもいるだろうし、生まれる人も出てくるのが『龍が如く』というシリーズだと思っているので、今後もそこは変えるつもりはないですね。

『龍が如く』は発売された時代をそのままゲームに落とし込んでいる

──1作目に登場したときの遥は9歳でしたが、2016年に発売された『龍が如く6』では20歳に成長していますからね。時代性といえば、2005年に発売された『龍が如く』1作目と2021年に発売された『LOST JUDGMENT 裁かれざる記憶』を比較すると、シリーズは異なりますが、暴対法や条例によって極道は活動しにくい時代になり、半グレと呼ばれるような勢力が活発化しているなど、現実の状況や変化をしっかりと反映されていますよね。

横山:
 任侠モノを作っているっていう感覚はないんですよ。任侠というよりは裏社会がトレンドになっているだけです。きっちりと劇中に登場する組織や勢力の“理由”をいまのトレンドに合わせて表現しないと、リアリティが感じられませんからね。前々からインタビューなどでは話しているのですが、我々がつくっているのはリアルな世界ではなく、リアリティのある架空の世界です。

 たとえば次回作とかで神室町でキャバクラが再流行して雑居ビルの全フロアに店舗がある……という設定を作ったら、かなり嘘っぽいですよね? それってキャバクラというものの今のリアルな立ち位置と設定にギャップがあるからです。夜の街にあって然るべきものなんだけど、その量や扱いはトレンドに合わせて調整していく。そういうことを積み重ねてリアリティのある架空世界を作り出していくようにしています。

『龍が如く6』のキャバクラ
『龍が如く6』のキャバクラシーン。

阪本:
 キャバクラなどは特に時代を感じますね。16年前に『龍が如く』がヒットした要因の一つが、「キャバクラに行けるゲーム」っていうふれこみでしたからね。

横山:
 つまり16年前は夜の街のトレンドのど真ん中にキャバクラがあったわけです。当時のキャバクラって一部の大人の限られた遊びだった。そのキャバクラを疑似体験できるっていうのが、おもしろかったんだと思います。その後『龍が如く2』でも話題が続き、『龍が如く3』で頂点を迎えたんですが、以降はキャバクラが大衆化され、ユーザーの興味も徐々にですが消えていった。

阪本:
 現実世界で実際にキャバクラというものを体験された方が増え、疑似体験としてのゲームは必要なくなったんですよね。あれから我々も会話するだけのゲーム性から変えていくのが大変でした。

横山:
 まさかひとつのシリーズで、扱う題材の隆盛から衰勢までを見ることになるとは思わなかったので、なかなか感慨深いものがありました。ミニゲームというかプレイスポットも、今後はどんどん変わっていくでしょうね。そういった理由から、キャバ嬢オーディション【※】はしばらくは実施しないと思います。

『龍が如く』のキャバクラオーディション

※キャバクラ嬢オーディション
『龍が如く4 伝説を継ぐもの』にて第1回が開催。応募総数は1500通以上にもおよび、“Web一般投票”の投票総数は約30,000件と大きな注目を集めた。オーディション合格者はゲーム中のキャバ嬢役として登場したほか、東京ゲームショウでのコンパニオンとしても活躍。

阪本:
 一周回ってブームが戻ってきたらやるかもしれないですが(笑)。

──『龍が如く』はPC版も発売されるようになりましたが、その反響などはどう捉えているのですか?

阪本:
 Steamで発売した影響によって、海外で一気に広がっていったという感触は、たしかにあります。

横山:
 ちゃんと翻訳してブランディングを考えて海外版を出そうとしたのは『龍が如く0』ぐらいからなんですよ。当時は「ニッチな作品だよ」という感じのローカライズをして、一部の人が手に取ってくれればいい、と作っていて。

──ニッチな作品のつもりだったけど、発売後に予想以上に話題になったと。

横山:
 『龍が如く0』だった、というのも受け入れられた要因としてはあると思います。ストーリーもシステムも、シリーズの中でも評価が高いですし、アクションもおもしろいですから。そこからは、海外でも『龍が如く』が売れることがわかったので、多言語対応をして、過去作のリメイクも積極的にやってきたわけです。そういったことを何年も続けてきたおかげで、北米とかヨーロッパにドッと広がったと。『龍が如く0』のころから動き始めて、本当によかったと思っています。

──『龍が如く』の魅力は万国共通なんですね。

横山:
 楽しんでいただいているポイントの根っこはいっしょなんだけど、細部はけっこう違うんですよ。

 ウケるポイント、ツボにハマるポイントが違うなって。「オチで笑わず、出だしで笑っていたり」といったことがけっこうあるんです(笑)。コントで言うと、「ここで笑ってほしい」ってポイントで日本人はちゃんと笑うじゃないですか。でも、海外だと違うんです。ボケてないところで笑ったりするんですよ。

──笑いのツボの違いというか、文化の違いなんでしょうね。

横山:
 でも、笑ってくれているんだからいいかなと。笑っていなかったら問題ですけども(笑)。だから、我々が海外の人の感性を理解するように努めて、笑いのツボを海外に合わせる、ということはしないようにしています。

笑いのツボを海外に合わせることはしないと説明する横山氏

──海外での広がりかたとしては、アジア圏が最初ですか?

横山:
 そうですね。文化が近いので親和性が高いとは思っていました。ですが、最近は本当にボーダーレスな感じになってきていると感じます。

阪本:
 『龍が如く7』は韓国でかなりウケましたね。韓国の方がRPG好きだからなのかもしれません。

──『龍が如く7』はどこの国でも高く評価されている印象があります。

横山:
 韓国はいつもの倍以上の盛り上がりを見せて、ある意味異常と言えるくらいでした。

阪本:
 それ以外だと、海外では欧米がメインですね。

横山:
 我々の“いまの”感性で作っているゲームが海外でそのまま売れているので、アメリカのスタッフ、マーケティング担当のスタッフからは、「変わらないで!」とか「そのままでいて!」みたいに言われ続けていますよ。いや、言われなくても変えないからっていう(笑)。

──(笑)。そのほかの話題ですと少し前に『ばかみたい』の楽曲が海外でネットミーム化【※】するほどの盛り上がりを見せましたが、これはどのように捉えていますか?

※『ばかみたい』
『龍が如く5 夢、叶えし者』のカラオケソングのひとつ。主人公の桐生一馬のほか、秋山や冴島が歌うバラード。海外では「Baka Mitai」、または曲中の歌詞から「Dame Da Ne(だめだね)」の名称で知られている。2020年に、なぜか有名人の顔を使って「ばかみたい」が歌われたり、インフルエンサーが歌う動画がミーム化した。2020年8月には、チャンネル登録者数が1億人を超えるPewDiePie氏が自身の動画にて「Baka Mitai」を紹介。

「シノギ」を英語で言うと何? 主人公の春日一番の名前はローカライズすると“ナンバーワン”? 『龍が如く』欧米版ローカライズプロデューサーに日本文化、極道世界をどう翻訳したのかを聞いてみた

堀井:
 いや~、最初は何がなんだか分からなかったです(笑)。なんで今更? と。

阪本:
 作詞を担当した堀井と同様、スタッフ全員、まったく理由がわからなくて。

堀井:
 8年くらい前に作った楽曲ですし、こういうバズりかたを狙って作ったわけじゃ当然ないので……。でも、この楽曲でやりたかった「シリアスな歌とアホな写真のギャップ」とか、無駄に情熱的な歌い方のシュールさとか……そういったこだわりに世界の人にも刺さる部分があったのかな、と思っています。

 この曲から『龍が如く』を知ってくださった方もいっぱいいるようで、とてもうれしいですし、ありがたいことですね。当時一生懸命作ってよかったな、と思いますし、良いものを作れば時間が経ってから評価されることもある、夢のある時代になったな、とも思います。

『龍が如く7』をプレイしていて「これを書いたやつは誰だ!」となった(褒め言葉)

──『龍が如く』シリーズはサブストーリーなど、メインシナリオ以外も魅力のひとつですが、物語を考えるうえで意識されていることはあるのでしょうか。

横山:
 最近のタイトルでの評価は、サブストーリーのメイン担当を務める千葉(弘隆氏)【※】のおかげだと思いますよ。

※千葉弘隆
「龍が如く0誓いの場所」から龍が如くスタジオに参加。以降アドベンチャーパートに所属し「龍が如く7光と闇の行方」ではアドベンチャー企画チーフを務める。

阪本:
 たしかに、それはありますね。

横山:
 『龍が如く7』で言うと、シナリオはメインシナリオとサブシナリオで担当を分けて作っているんです。メインは私とかを中心にやっていて、それ以外の部分は堀井と千葉が率いているサブストーリーチームで作っています。『龍が如く7』で“パーティチャット”という仲間との会話が流れるシステムがあって、そこは特に千葉が頑張ったところなんですが、“キャラクターのいじりかた”みたいな能力がめちゃめちゃ高くて。

 たとえば、ナンバ【※】って『龍が如く7』で初登場したキャラクターじゃないですか。それなのに、あれだけうまくいじってくるし、それがまったく間違っていないというのは、シナリオの魅力のひとつになったと思っています。ゲームをプレイしていて何度も「これ、おもしろい」って言ってたもん。本当に。

『龍が如く7 光と闇の行方』安田顕が演じるナンバ
※ナンバ……俳優、安田顕が演じる『龍が如く7 光と闇の行方』の主要キャラクター。勤めていた病院の薬を闇で横流ししていたことから、看護師免許をはく奪され、伊勢佐木異人町へと流れつき、ホームレスとなる。主人公、春日一番の命を救ったことをきっかけに、春日と行動をともにする。
(画像はナンバ | 出演 | 龍が如く7 光と闇の行方(PlayStation®4) | セガ公式サイトより)

堀井:
言ってましたね(笑)。

横山:
 「これを書いたやつは誰だ!」ってね。

堀井:
 怒られるのかなと思ったら褒められるという。

横山:
 そうそう(笑)。これがやっぱり我々が培ってきた“ブランド”、スタジオの力なんだという、一例だと思います。

阪本:
 どんどんみんなが力をつけてきた証拠ですね。

横山:
 で、それは紡がれていくんですよ。

──「龍が如くスタジオ」の魅力は、属人的ではないと?

横山:
 いや、属人的ではあるんですけど、そのタレントがどんどん出てくるような感じです。さっきの話に戻すと、あのパーティチャットは本当に千葉じゃないと作れないと思ってはいるんですけど、未来を見れば、書ける人はどんどん出てくるんじゃないかなという予感はあります。

──そういったスタッフの育成、属人が出てくる仕組みについて、もう少し詳しく聞かせてください。

阪本:
 最初は本当に「ちょっとサブストーリーを書いてごらん」とかからだよね。

堀井:
 そうですね。基本的な流れとして、サブストーリーのネタ出しは企画チーム全員で行っています。何百という案を出してその中から採用をしていくんですが、そのチェックの際に「これはこういう理由で合格」「これはこういう理由でダメ」「これはこういう形にすれば合格」といった形で、合格理由と不合格理由を全員の前で明確に説明していきます。そうすることで「これはいい」「これはダメ」という基準を浸透させていき、ネタ出しや考え方の精度を上げていくような教育をしています。

 採用になったネタは、ネタを出した本人に基本的には執筆してもらっています。そこでも「ここはダメ」「ここはいい」というように具体的なリテイクを繰り返していき、完成に持っていく中で、書き方の基準や価値観を教えていっています。

教育方針について話す堀井氏

──ふだんの仕事の中で鍛えられる環境があるわけですね。ちゃんと打ち返しをしていると。

横山:
 「龍が如くスタジオ」は、その機会が多いと思います。プログラマーも含めて、自分が持てる仕事が幅広いし、考えることを求められる。その中からどんどん出てくるんですよ。さっき言ったようなタレントが。

堀井:
 学べる機会とヒントは明確に与えているので、それをちゃんと考えてモノにできる人が台頭しますね。なんとなくではなく、考えて出してくる人のアイデアがやっぱり採用されやすいです。
 採用されるようになった人はどんどん仕事をとっていけるし、自分で作っていけるので、アグレッシブなクリエイターにはやりがいのある環境だと思いますね。当然、僕や横山のようなめんどくさい人とアイデアを戦わせないといけないので(笑)。きびしい面もあるとは思いますけど。

──放置せず、ただダメと伝えるのではなく、ひとつひとつにしっかりと向き合っていますよね。ちなみに、若手というとどのくらいの年齢が多いのでしょうか。

堀井:
 新卒もいますし、20代前半の若いスタッフも多いですよ。女性スタッフも半分とまではいかないですけど、割合は年々増えていますね。『龍が如く』が作りたいというパッションを持って入ってきてくれる人も多い印象です。

──サブストーリーなども含めて、シナリオはすべて内製で作られているのでしょうか。

堀井:
 かつては開発期間が極端に短いときなどは、キャバクラシナリオやサブストーリーを外部のライターさんに協力してもらっていたこともありますが、数年前からは完全内製でやってます。
 うちは世界観が一番大事なゲームなので、キャラが何を語るか、何を語らせるかはとても大切に扱っています。なのでそこはストーリーとキャラクターに最も触れている時間が長い内部のプランナー中心に作っていますね。

──シナリオを作る専属の部署があるわけでもないんですよね?

堀井:
 ないですね。

横山:
 シナリオしか書かないっていう人は本当にいないんですよ。シナリオを書いた人は、それにまつわる仕事をなにかしら持つようになっています。たとえば、スケジュールとか予算とか役者の手配とか契約回りとか。だから、シナリオを書いているだけの専属ライターはいないんです。

阪本:
 そういった流れのため、どういう形でシナリオがゲーム映像になっていくのかっていうのはすごく理解できる環境だと思います。テキストを書いて、あとはどうなるかわかりません、っていう人はいないので。

横山:
 シナリオを書いても、それがゲームの映像としてきちんと成立しないとダメなんですよ。成立しないような文章を書いてきちゃう人もけっこういます。もちろん、そういうのはボツを食らうわけですが(笑)。そういったことをくり返していくうちに「こうすればいいんだ」と覚えていくと。

──ボツになるテキストというのは、たとえばどんなものになるのでしょうか。

阪本:
 たとえば、とあるシーンで、キャラクターが凝った表情になるシナリオを書いたとします。でも、その表情を作るのって、すごく難しかったりするんです。そういうのはボツにされますよね。

──なるほど。ゲームとしての作る工程を踏まえたうえでシチュエーションやシーンを描く必要があると。表現できない、または表現するのに労力がかかり過ぎるシーンを、理由も必然性もなくシナリオとして書くべきではないということですね。

阪本:
 こういう表情にするのは無理だけど、違うアプローチから同じ意図の演出を表現することはできるかもしれないから、別案を考えてきなさいと。

堀井:
 テキストで「どんちゃん騒ぎをする」みたいなことが書いてあった場合、当たり前ですが、どんちゃん騒ぎをゲームとして作らないといけないですよね。複数のキャラがさまざまに動く画を作る必要があるわけで、そのためにたくさんのモーションを撮ったり、それをデザイナーが編集したりしないといけなくなります。
 そこまでのコストをはらってまで、そのどんちゃん騒ぎを入れる必要があるのか、というのはきちんと聞きますし、その理由が不十分なら変えさせます。そういう中で、制作にかかるコスト感覚を学ばせている、という部分もありますね。

伊東:
 ほかの例で言うと、『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』の1章序盤は神室町だけでしか遊べないようになっているんですが、その理由は、ダウンロード版では神室町を先にインストールして、プレイしている最中に横浜・伊勢佐木異人町のデータをインストールするからなんですね。
 なので、1章の初めに伊勢佐木異人町に行くシナリオが上がってきたときには「ダウンロードが終わるまでは神室町で遊べるようにしてほしい」と修正してもらうようなこともありました。

『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』イベント
『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』イベントシーン。

横山:
 あと、シナリオでいえば、いつも悩むのが“相手を殴る理由”ですね。

堀井:
 そこは一番大事ですね。

横山:
 『龍が如く』はとにかく拳で決着をつけないといけない。戦いに発展させないといけないというのが、悩みどころですね。『龍が如く』は敵と戦うのを楽しむゲームなので、そこは外しちゃいけない。プレイヤーが介入できるバトルが発生しないんだったら、映像作品でもいいわけですから。『龍が如く』は、あくまでゲームなので。

『龍が如く4』バトルシーン
『龍が如く4』バトルシーン。

──『龍が如く』はもともとはアクションゲームですが、『龍が如く7』ではRPGとなりました。そのほかにも時代劇になったり、ゾンビものになったり、果ては主人公が変わったりと、どんなジャンル、どんな切り口でも魅力が損なわれない、ほかのゲームにはない不思議な魔力があるシリーズだと感じているんです。“『龍が如く』らしさ”が芯にあることで、揺らがないと言いますか、シリーズとしての魅力を担保していると思うのですが、みなさんはこの“『龍が如く』らしさ”を具体的にどう考えていらっしゃるのですか。

深川:
 『龍が如く』はヤクザとか裏社会を描く作品ではあるんですけど、一番見せたいのは重厚な人間ドラマだと思っています。ですが、それがありつつもサブストーリーのユーモラスな部分も楽しい。シリアスな部分とそうじゃない部分が融和しているのが、ひとつの“らしさ”かなと思っています。この人はこうあるべきというキャラクター性はもちろんあるんですけど、それを崩していいっていうのは『龍が如く』1作目からの流れですよね。

三嶽:
 いま深川が言ったように、メインストーリーというゲームの土台がありつつも、「これはちょっといきすぎかな」と思えるような演出でも、スッと収まる懐の深さがあるゲームなのかなと思っています。デザイナーとしては、ひとつのルールに縛られずに、いろいろなものが作れるのがいいところで、自分も長いあいだシリーズに携わっていますが、つねに挑戦をしていけるのも『龍が如く』の“らしさ”のおかげかなと思っています。

懐の深さについて語る三嶽氏

阪本:
 やっぱり、なんでもアリなところですね。任侠モノ、極道ドラマが前面に出していながらもキャバクラのような、ある意味羽目を外した要素を両立させているところですね。あと、費用対効果はいったん置いておいて、とにかくユーザーを楽しませるサービス精神みたいなものをすごく大事にするのも、“らしさ”だと思っています。それが脈々と受け継がれているというのが、ほかのゲームとのいちばんの違いかなと思っています。

堀井:
 他の方ともかぶる部分がありますけれど、やはり熱い人間ドラマを軸とした重厚な世界観とバラエティ豊かなエンタメ要素という対極のものが、絶妙に引き立てあって両立しているバランスこそが「らしさ」であり、ユニークポイントなんだと思います。

 僕は今まで散々桐生たちに変なことやバカなこと、ぶっ飛んだこととか、ハメを外すようなことをやらせてきた側の人間ですけれど(笑)その際に一番大事にしているのが「これはハメを外しているんだよ」ということをしっかり分からせる、という点です。

 桐生たちは真面目でまっすぐな熱いキャラクターで、そこは絶対に揺るがしてはいけないポイントです。もし変な要素を入れて、それで桐生が不真面目なチャラいキャラだと思われたら、完全なキャラ崩壊ですし、世界観とのバランスが崩れて、軸である熱いドラマ体験が陰ってしまう。なので変なことをやらせても、きちんとそれが「まじめな人がハメを外しているんです」「まじめに頑張りすぎてこんなになっちゃったんです!」という形に見せないとダメなんです。

 なのでキャバクラ経営を入れるとなれば、桐生がなぜ経営しなければならなくなったかをしっかり納得できるようなドラマで描きますし、カラオケで変な合いの手をするのも、ただふざけているわけではなく、真剣に合いの手というものに向き合っているからこそ、ああいう形になった、という見え方になるように作っています。

 そうやって、世界観を壊さないようにする中でやることを広げていく、という努力を積み重ねてきた結果、たどりつけたのが今のスタイルだと思いますし、それこそが僕らが獲得できたノウハウであり“らしさ”なんじゃないかと思います。

『龍が如く3』カラオケ
『龍が如く3』のカラオケシーン。

伊東:
 だいたいもう、みんなが言っちゃってるんですけど(笑)、桐生や春日の体験がユーザーさんの体験になるというのが『龍が如く』の“らしさ”かなと。ゲーセンでゲームをプレイするにしても、キャバクラで遊ぶにしても、プレイヤーが自分の体験として楽しめる、それが『龍が如く』なんですよね。

 あと、我々作り手にとっても、いろいろと挑戦しやすい場だなとも思っています。たとえば、『龍が如く3』で「ボクセリオス」というゲームをゲーセンに入れたのですが、あれはああいうゲームを作るのが好きなプログラマーがひとりで勝手に作ったものなんです。『LOST JUDGMENT 裁かれざる記憶』では、八神の事務所でマスターシステムをプレイできますが、これも、とあるひとりのプログラマーが趣味で仕組みを作っていて「よくできたから入れよう」ってなったという経緯があって。そういう、開発者の趣味みたいなものもゲームに違和感なく実装できたりするので、いちクリエイターとしてもすごく楽しく、モチベーション高く仕事をさせてもらっています。

反町:
 『龍が如く』ってなんでもできる自由さがひとつの魅力ですが、やりすぎてしまうと世界観が壊れてしまうので、その納得できるラインを考えるのが作っていて難しいところだなと思っています。僕はそのときのタイトルディレクターと直接やり取りすることも多いのですが、「ここまでやってみたい」とか、「ここまでやれるんじゃないか」っていうギリギリのラインを攻めた結果、自由度の高さを保ちつつ、違和感のないゲームに仕上げることができています。そこも、ひとつ魅力なのかなと。

横山:
 前からたとえ話で言っているんですけど、「『龍が如く』はカレーのルー」みたいなものなんですよ。カレーじゃなくてカレーのルー。ルーだから、カレーライスにしてもいいし、カレーうどんにしてもいい。トッピングも自由にできるように用意しようと。でも、“カレーであることは守りましょう”ね、と。カレーっておいしいけど、カツカレーばかりを食べてたら飽きちゃいますよね。同じカレーを食べるにしても、その日の気分によって変えたいじゃないですか。

 カレーくらいの汎用性の高さを目指そうというのが、スタジオ内でもよく言っていることですね。あと、やっぱり器作りだと思っています。この器は、シリーズが始まってから約16年、スタジオができてから10年間、我々が磨き上げてきたもので、どんなカレーができあがっても受け止めることができる。『北斗が如く』だったり、『龍が如く 見参!』だったり、『龍が如く 維新!』だったりが成立してしまうのも、この器があるからだと思うんです。僕らが作ると、ジャンルとか時代背景が違うものでも、ちゃんと『龍が如く』になる。これは1日ではできないことだし、積み重ねの大切さを感じますね。

──どんなカレーにするのか、作り手が自由にできるという懐の深さは、クリエイターにとっても魅力的ですね。

横山:
 そうそう。堀井がつぎに「魚をトッピングしたいっス」と言ってきたとしても、白身魚のフライとかもありますから、きっとおいしいカレーにできる。「刺し身にしたいっス」と言ってきたら……さすがに刺し身はやめておこうか(笑)。

──(笑)。

横山:
 最低限、火は通したほうがいいだろうしね(笑)。だから、自分にとっては、この10年は器作りの10年でしたね。器ができてしまえば、あとはもうその時々の作り手の自由にできるので。フランチャイズのカレー屋と同じです。人が入れ換わったりしても、ちゃんと同じ味にもできるし。……で、こういうたとえ話がうまい人って、だいたい胡散臭いんですよ。

阪本:
 なんでそんなマイナスにまとめようとするの(笑)。

──改めてとなりますが、「龍が如くスタジオ」が装いを新たに始動することになりました。その意気込みをみなさんにお聞きして、記事の締めとさせてください。

反町:
 自分はキャラクターアニメーションのディレクターをやっているのですが、まだまだ技術的にも表現的にも追いつけていない部分はあるなと、正直感じています。

──たとえば、それはどういう部分でしょうか。

反町:
 例えば、会話中の本当に細かい表現ですね。やはり単体の動作が並べられて成立している会話表現については不自然さを拭えていないと感じています。また街中の人々の動きなんかも、いまは動作自体のバリエーションも少ないですし、不自然な行動に見えているので、もっと自然にできるはずだと考えています。ただ、“『龍が如く』らしさ”という部分はしっかり表現できていると思うので、そこを守りつつ、キャラクターの魅力を引き出すモーション表現をどんどん伸ばしていきたいです。

 『龍が如く』スタジオの最新作で、ファンの皆さんに安心してもらえるものを作りますので、アニメーションにもぜひ注目してほしいですね。つぎの作品をしっかりと作ることが、名越さんや佐藤さんに対する恩返しになるとも思っているので、しっかりとアウトプットしていきたいです。

伊東:
 自分は『バーチャファイター』のころからセガの3D格闘ゲームが大好きですし、『龍が如く』シリーズのバトルもその流れを受け継いで作られています。これからも格闘アクションというものをどんどん進化させていって、皆さんから「龍が如くスタジオのアクションゲームはやっぱり面白いよね」と言われるようになるのが、自分の使命かなと思っています。

自分の使命について語る伊東氏

堀井:

 僕は現在『龍が如く8(仮称)』のディレクターを担当させていただいているのですが、とにかくそれをシリーズ最高傑作だと言えるようなものにしたいというのがいちばんです。新体制になって、ここでつまらないものを作っちゃったら本当に台無しになってしまうので、とにかくいちばんおもしろいものを作る。そこに全力を注ぎたいと思います。

 同じシリーズを作り続けるとなると、普通は挑戦しなくなったり、今まで通りのものを作ればいい、となりがちですが、うちのスタジオは『龍が如く7』でRPGに挑戦したように、続編であっても思い切ったチャレンジをする勇気と、それを成功に導ける技術と情熱を持ったスタジオです。これからも日本の家庭用ゲーム業界の中で「おっ⁉️」と思ってもらえるような驚きをつねに提供していきたいですし、その中心を担えるクリエイターでい続けたいな、と思います。

阪本:
 プロデューサーの立場から言うと、『龍が如く』のシリーズも含めて「こんなものか」って思われないようにするのがいちばんですね。ナンバリングを重ねていっても「まあ、こんなものだよね」と言われないように、ずっと勝負し続けています。『龍が如く7』でRPGになったのは、俺たちが作るものにはたくさんの可能性があるんだ、っていう意思の表れでもあります。この先も予定調和を崩しつつ、いかに驚きと喜びが提供できるように、全力を尽くしていきたいです。

 あと、『龍が如く』は日本では知名度のあるシリーズですが「知ってるけどやってない」という人に対して、いかにアプローチしていくのかも今後の課題ですね。おかげさまで海外でもかなり盛り上がっていただいていますが、まだまだ余地があるなと考えていますので、世界中に『龍が如く』シリーズを広げていきたいなと。発表した『龍が如く8(仮称)』も含めて、新体制となった「龍が如くスタジオ」が生み出す今後のタイトルにぜひ期待してください。

三嶽:
 ハードのスペックが上がっていくごとに、リアルさみたいなものが要求されていきますが、『龍が如く』らしい絵作りというのを今後も突き詰めていきたいです。リアルさと『龍が如く』らしさはイコールではありませんが、「これが『龍が如く』だよね」って思っていただけるような絵作りを、これからも続けていきたいと考えています。

 さきほど自由度みたいな話も出ましたが、『龍が如く』シリーズは本当に自由度の高い、いろいろなバリエーションがあり得るゲームだと思っていますので、今後もそういったバリエーションを楽しんでもらえたらうれしいです。

『龍が如く』の自由度の高さを楽しんでもらいたいと語る三嶽氏

深川:
 最近だと、よく「リアルになった」と言っていただけますが、私としてはまだまだリアルに届いていないと捉えています。ハードのスペックが上がって、プログラマーさんの表現力も上がって、昔に比べてキレイにはなっているんですけど、実写にはまだまだ届いていない。実写を目指しているわけではありませんが、目標としては実写と見間違うほど、実写を凌駕するリアルな絵作りを目指し、そこをつぎのスタート地点にしたいと思っています。

 今後ますます世界中にアピールしていくわけですから、海外の美麗グラフィックのゲームたちと戦っていかないといけません。「『龍が如く』はストーリーやシステムはおもしろいけど、絵がしょぼいよね」と言われないよう、絵作りをステップアップしていきたいですね。

横山:
 ここまで6人が話してくれたことって、方向性が違うように見えるかもしれないんですけど、こういったそれぞれの積み重ねで『龍が如く』はできているんだと思っています。本当に、全部やればいいんですよ。それを受け止める器になるのが『龍が如く』だと思うし、「龍が如くスタジオ」が作るゲームなんじゃないかな。

『龍が如く』はぞれぞれの積み重ねでできていると語る横山氏

 いま話せるタイトルは『龍が如く8(仮称)』だけですが、それ以外にも開発を進めている未発表タイトルはたくさんあります。どこかのタイミングで、皆さんを驚かせるような話ができると思うので、どうぞお待ちください。

 先人たちから引き継いだのは“信念”だけで、やり方ですとかアイデアは継承していません。これからも自分たちが考えたもので勝負していきますし、取り組んでいきます。今回のインタビューでしゃべったような技術にもトライしていくし、新たなジャンルにもトライしていきますが、あくまでそれをゲームとしてお届けしていくのが、このスタジオの使命です。いまはオフラインのイベントはできていないですが、2022年はいろいろな形でユーザーの皆さんと接点を持って、「龍が如くスタジオ」のゲームをアピールしていきたいと考えています。ご期待ください。

「龍が如くスタジオ」の信念

──新生「龍が如くスタジオ」のこれからに注目していきたいと思います。本日はありがとうございました。(了)


 じつは筆者は、ゲーム開発者とゲームメディア編集者という関係で、横山さんとは16年以上の付き合いがある。誤解してほしくないのだが、仲がいいから今回の取材を行ったわけではない。横山さんが名越さん、佐藤さんから受け継いだこと、そして新生「龍が如くスタジオ」の何が変わり、何が変わらないのかを伝えたかったからにほかならない。

 横山さんを含めた7人の開発陣が、どういう経歴で、どういう想いで、どういった矜持を持って今後開発を行っていくのかを正直に伝えたかったというのが、今回の記事の真意である。おそらく、メディアとしての在り方としては、発表された『龍が如く8(仮称)』のあれやこれやを聞くのが正しいのだろう。だが、今回うかがうべきは新作の情報ではなく、2022年の「龍が如くスタジオ」の“いま”をこそ聞くべきだと考えた次第だ。

 取材の前後に横山さんと会話を交わしたときに伝えたのは、「10年前の「龍が如くスタジオ」発足発表会を「あのときこうだった」と話しているのと同じく、今回のインタビュー記事を5年後、10年後に読み返したときに「あのときの決意はいまも変わってないね、と確認できるものにしたい」ということ。新生「龍が如くスタジオ」の志は、「​​開発に携わった人たちがみんな“誇り”を持ってもらえるようにする」という横山さんの発言がすべてを表しているのではないだろうか。こう断言するスタジオ代表がまとめ上げて作るゲームが、魅力のないものになるはずはない。この決意表明に対して、次作をプレイして答え合わせをする瞬間を楽しみに待ちたいと思う。

 最後に、「龍が如くスタジオ」の“いま”をもっと深堀りすべく、横山さんを除く6名のセッション責任者の皆さんに、それぞれのメンバーをどう思っているのか印象をうかがってみた。以下に皆さんの回答を掲載し、本稿を締めたい。

「龍が如くスタジオ」 各メンバーに対しての印象

横山さんについて

阪本さん回答

とにかく博識。圧倒的なコミュニケーション能力で味方がどんどん増えるカリスマ。一見、感情的と思いきや、実はかなり論理的。情にもろく、裏ではかなり気遣いしている優しさがある。あらゆるこだわりが強い。絶対に敵に回したくないタイプ。

堀井さん回答

僕はいつも『龍が如く』のことばかり考えている人間ですが、その僕よりも『龍が如く』のことをいつも考えているのは横山さんだと思います。ノリと勢いで言っているように見えることにも実は深い考えやロジックがある、情熱系理論派の頂点。クリエイターとしてもっとも影響を受けている方であり、いまも毎日刺激をいただいてます。

三嶽さん回答

『龍が如く』という作品に対して、つねに筋の通ったポリシー、指針を出しチームの進むべき方向を示してくれます。また、常時チャレンジングで開発スタッフを停滞させない原動力です。

伊東さん回答

どうすれば売れるのかを考えることに関しては天才的。ザ・プロデューサー。ただしゲームは苦手っぽい。

深川さん回答

いままでいくつかの会社で働いてきたが、その中でいちばんの天才。知識と発想力が桁違い。恐いですが凄いという印象。

反町さん回答

ユーザーや聴き手が納得できるよう説得力のある言葉で伝えてくれる。分析型で気になる物事をめちゃめちゃ調べていてよく知っている。歯に衣着せぬ物言いでオラオラ系に見えがちだが、意外にさみしがり屋で心配性なところがある印象。ずっとしゃべってる。

阪本さんについて

堀井さん回答

ゲーム制作面で行き詰ったときや悩んだときに相談できる、ゲーム企画職としてもっとも頼らせていただいている方です。経験やゲームの知識が本当に豊かで、いつも助けていただいています。また、僕が大キライな数字関連(予算・収益関係の書類など)作業をプロデューサーとして多岐に渡りこなされていて、感謝とリスペクトの気持ちでいっぱいです。阪本さんのサポートのおかげで僕はゆっくりとアホなサブストーリーとかを考えることができています。

三嶽さん回答

私がアートディレクターを担当してから、いちばん長くいっしょに多くのタイトルを作ってきたディレクター、プロデューサーです。なので、多くの言葉を交わさずともアートに関しては同じ感覚を持って仕事ができる人です。器がでかいです(見た目的にも)。

伊東さん回答

体と声がデカいので威圧感があるが、意外と人の意見を聞いてくれるので逆に驚いたり。

深川さん回答

屈強な精神力の持ち主。もし自分がその立場だったら病んでしまうのではという状況でも平然と笑ってる。

反町さん回答

若干胡散臭いレベルで圧倒的な包容力を持っている。めちゃめちゃハードな開発時期でもニコニコ笑っており、強靭なメンタルで周囲のスタッフに安心感を与えてくれる。プロレスとプロテインを愛するプロデューサー。

堀井さんについて

阪本さん回答

「龍が如くスタジオ」企画のエース。地頭が本当にいい。性格が温厚で若手の目標的存在。中身は、普通じゃないことにこだわる根っからのマニア。プライドが高い。SEGAのカラーをある意味象徴したような人間。

三嶽さん回答

入社時から、並々ならぬ『龍が如く』への情熱を持ち続けているディレクターです。また、カラオケのコンテを描いたり、小野ミチオのキャラクターデザインを行うなどアートへの造詣も深いです。

伊東さん回答

いつまでたっても若い。永遠の若手という言葉がよく似合う感じ。プロカラオケ師。

深川さん回答

普段はひょうきんなキャラを演じてるがたまに見せる鋭い目が本性を表してる。じつは緻密に計算して行動してると思う。

反町さん回答

桐生一馬というキャラクターを崩壊させるかと思わせたが、幅を広げたカラオケ大好き敏腕ディレクター。ふだんはニコニコしたおふざけキャラだが、ときどき鋭い視線と口調で的確に開発スタッフの急所を突く。ゲーム大好きだけど『龍が如く』のバトルプレイはうまくない印象。

三嶽さんについて

阪本さん回答

デザインのビッグダディ的存在。でも、結構アナーキーな一面がある。見た目の威圧感とは裏腹に、性格は温厚で何でも相談できる広い心。何か新しいことに挑戦する際に、まず相談するプロジェクトのキーマン。

堀井さん回答

『龍が如く7』からディレクター・デザインリーダーという関係性でいっしょにやらせていただいています。僕や企画のやりたいことや意図を理解していただき、的確な指示を出して、ハイクオリティなデザインを作り上げてくださいます。ありがたい存在すぎて最近は三嶽さんに甘えてばかりです。自由人の多いデザイナー陣を物静かにビシっとしめてくださるところも素敵です。

伊東さん回答

いつも冷静だけど中身は熱い。味方にするととても心強く頼りになる。決して敵にまわしたくはない。

深川さん回答

見かけとは裏腹で、声が小さくあまり聞こえない。圧が強い、たまにですが。同年齢ということもあり、いろんなことを相談できる人。

反町さん回答

『龍が如く』をアートという側面からつねに考え、ゲーム開発のアーティストとしてのプライドを示しデザインチームを牽引している。
常に本質を見極めようと意識し、目が鋭すぎて威圧感が半端ないけど、実はゲーム以上にマンガ大好きおじさんという印象。

伊東さんについて

阪本さん回答

SEGAプログラマーのこれまでの歴史を歩む生き字引的存在。目コピでゲームを移植するような常人が理解できない胆力の持ち主。大ベテランでありながら、ゲームに対する情熱は若手より強い。プログラミングの工夫次第でどんなゲームも作れることをお教えてくれる。最後の最後で困ったときにプログラムで助けてくれる。

堀井さん回答

おもしろいゲームを作る、というところに並々ならぬプライドと情熱を持たれています。技術的な側面からの意見が出がちなプログラマーの中で、つねに「楽しいかどうか」を第一に考えて意見を言ってくださり、本当に助かっています。その結果何度もぶつかってきましたが(笑)、結果的に伊東さんとぶつかった末におもしろくならなかったことは一度もないです。敵にまわしたらたいへんですが(笑)、味方になってくれたらいちばん頼れる、まさにベジータのような最強戦士です。

三嶽さん回答

ゲームのデザイナーにとってプログラマーがいないと望むものになりません。そのプログラマーをまとめている頼れる人です。業務内外とコミュニケーション能力が高いです。

深川さん回答

職場では厳しい感じだが、じつは楽しい人。とても頼りになる先輩というイメージ。

反町さん回答

開発からゲームをおもしろくしようとつねに意識し、プログラマーを牽引する熱い情熱を持った方。プログラマーの中ではかなりフランクに話しかけてくださる先輩という印象。セガを代表するナンパコミュニケーションに長けた敏腕プログラマー。

深川さんについて

阪本さん回答

『龍が如く』シリーズのイベントシーンをこれまで作り上げたトップ映像クリエーター。横山監督と阿吽の呼吸でストーリーを映像化する手腕は業界No.1のスキル。状況判断と対策のスピードが速い。『龍が如く』シリーズがこれまでスケジュール通りに作られたのも深川さんのおかげ。性格はかなりドライで好き嫌いがハッキリ。昔、ホストみたいな見た目だった。

堀井さん回答

話しかけやすくとても気さくないい方ですが、クオリティに関してはとても厳しい目を持たれており、なぁなぁを嫌うプロフェッショナルな方でもあります。チェックの細かさも半端なく、中途半端なものは絶対に通しません。その鬼チェックを横目に見て「ああ俺は深川さんチェックを受ける立場じゃなくてよかった~♪」といつも思っています。『龍が如く』の主役はやはりドラマ。かっこよくて熱い作品として続けていられるのは、深川さんのおかげです。信頼しかしておりません。

三嶽さん回答

アートセクションの切り込み隊長。つねに先陣を切って戦ってます。プロジェクトの佳境のお祭り状態では神輿の上に乗ってハッパをかけている人です。

伊東さん回答

チャラそうに見えて、仕事はとてもしっかりとこなすギャップが素敵。でも若いころは本当にチャラかった模様。

反町さん回答

ユニークなキャラクターが揃った龍チームのデザイナーをまとめ上げ、牽引している。画作りへの責任感が半端ない。忙しい局面ほど目をギラギラさせて突き進もうとするやる気と推進力がヤバい。お祭り大好きの特攻隊長的な存在。

反町さんについて

阪本さん回答

『龍が如く』シリーズのアクション監督。これまでのバトル演出を長年担ってきたバトルのキーパーソン。格闘技やアクション映画の知識が豊富。スタジオのムードメーカー的存在。黙っていればカッコいい。

堀井さん回答

若手のころは私は企画バトル班所属だったのですが、その際に反町さんに『龍が如く』の仕組みや構造を幅広く根気強く教えていただきました。そのときの知識がいまのディレクションにも役立っていたりします。厳しさを表にそんなに出さないけれど熱いものを持っている方で、パート関係なく多くの人に慕われています。ゴリゴリオラオラ系ばかりの(笑)うちのリーダー陣の中で唯一無二のムードメーカー的な存在でもあり、チームが明るくポジティブでいられるのも反町さんのおかげだと思っています。

三嶽さん回答

シリーズのモーション(ADV、BTL)を背負ってきた人です。アートセクションでは、ムードメーカーであり続け、いい意味で緊張感を楽しさに変えてくれます。飲み会前半でテンション高く後半では寝る人。

伊東さん回答

昔から独特のノリで周囲を明るくしてくれるムードメーカー。ただ、年齢的にそろそろ落ち着いたほうがいい気も。

深川さん回答

ユーモアがあり、ムードメーカー。部下からの信頼が厚いが、たまに仕事の邪魔と煙たがられていることを本人は気づいていないと思う。


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副編集長
電ファミニコゲーマー副編集長。
ライター
ジャンルを問わずゲームをプレイするよろずゲーマー。なかでも好きなジャンルはRPGとアドベンチャーゲーム。気に入ったゲームはトロフィーをコンプリートするまでやり込む派です

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