韓国のアニメファンってどんな感じ? 韓国でアニメ・ゲームの総合イベント「AGF」が3年ぶりに開催されたので現地に行って主催者に韓国のアニメ事情を聞いてみた

 12月3日と4日の2日間にわたり韓国のKINTEX展示場で開催されたアニメやゲームの総合イベント「Anime x Game Festival 2022」(以下、AGF Korea 2022)。2018年の第1回開催まで、韓国にはこのような大規模イベントがなく、韓国のアニメファンやゲームファンにとって “念願のイベント” となっている。

 第1回開催は3.2万人、第2回開催は3.5万人、そして今回の第3回開催は4.7万人と着実に来場者数を増やしている本イベントはどのような経緯で誕生したのだろうか。

 今回電ファミは韓国のKINTEX展示場にてAGF主催者にインタビューをする機会をいただいた。お話をうかがったのは、Aniplus Incのヒョン・ミンウ氏、大元メディアのイ・サンソク氏、そしてソニー・ミュージックエンタテインメントの後藤秀樹氏だ。

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左からイ・サンソク氏、ヒョン・ミンウ氏、後藤秀樹氏

 本稿では、韓国でのアニメ文化やAGFの来場者が増え続けている要因について主催者に直接うかがったインタビューをお届けする。

文/柳本マリエ


「RETURNS」はみんなの気持ちが込められたキャッチコピー

──2日間のイベントを終えていまのお気持ちをお聞かせください。

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ヒョン・ミンウ氏(以下、ミンウ氏):
 たくさんの方が来場してくださり、ありがたい気持ちでいっぱいです。気持ち的にはとても幸せですが、体力的には大変でした(笑)。

イ・サンソク氏(以下、サンソク氏):
 大きなトラブルなく終えることができたので自分にとってはそれがいちばん満足したポイントでした。このあと、今回のイベントを振り返って「さらによいサービスを提供するにはどうしたらいいか」についてアイディアを出していきたいです。

後藤秀樹氏(以下、後藤氏):
 いままででいちばん多くのお客さまにご来場いただき、このイベントが無事に終えられるということをうれしく思います。女性や小さいお子さんも増えているのを今回のイベントで感じました。初日に開場するときにみなさんが歓声をあげながら入場していく姿を見たんですけど、それがすごく印象的でした。

 キービジュアルの「RETURNS」(リターンズ)はお客さまの待望していた気持ちや我々が開催のために尽くしてきた気持ちが表現されたキャッチコピーだと思っていて、それが無事に叶ってうれしいです。

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「Anime x Game Festival 2022」

コロナ禍の “おうち時間” で新しいアニメファンが増えた

──これまで韓国での大規模なアニメ関連のイベントは聞いたことがないように思います。そのなかでAGFが2018年、2019年、そして今回と開催されましたが、立ち上げの経緯や狙いについておうかがいできますでしょうか。

ミンウ氏:
 10年ほど前に日本のアニメイベントに行ったとき、韓国でアニメを扱っている会社として「韓国でもそういうアニメイベントを開催したい」と思ったんです。そのとき韓国では大規模なアニメ関連のイベントはなかったのですが、ニーズがあることは確信していました。

──第1回開催は3.2万人、第2回開催は3.5万人、そして今回の第3回開催は4.7万人と来場者数が増えていますが、どのような要因が結果につながっているとお考えでしょうか。

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ミンウ氏:
 新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となりましたが、ファンのみなさまが待っていてくださったことをありがたく思っています。出展企業・コンテンツが増えていることや日本の声優さんにも来ていただいていることが、足を運んでいただくきっかけになっていると思います。

後藤氏:
 日本だとアニメやゲーム関連のイベントはたくさんあると思いますが、韓国ではアニメ・ゲームの名前がついたイベントがAGFだけなので「3年ぶり」というのは大きかったと思います。いまお話がありましたとおり、出展者さまが大幅に増えました。特に韓国の企業さまの出展が多かったことも要因になっていると思います。

サンソク氏:
 開催できなかった3年間の間に人気の作品が増えたことも要因になっていると思います。コロナ禍でアニメやゲームのコンテンツに触れる機会が増えて、新しいファンも増えているように感じました。

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──来場者の方々の反響で印象に残っているものはありますか?

ミンウ氏:
 「3年ぶりの開催」とSNSで発信してくださっている方を多く見ました。

サンソク氏:
 先ほど帰られたお客さまが「また来年も来ます」と言ってくださって、うれしかったです。

──過去の開催では来場された方々は学生の方や若い方が多いとうかがっております。狙っているターゲット層はありますか?

サンソク氏:
 私はフィギュアが好きな男性の方がブースにいらしたときに喜んでもらえるようなブース作りを目指しています。今回の目玉は「これから発売されるフィギュア」で、メーカーさんと交渉し、発売前のサンプルを展示しました。

──AGFの特徴やほかのイベントとの違いはどのようなところでしょうか?

ミンウ氏:
 AGFはステージイベントに力を入れています。めったに会えない声優さんをお招きしたり、ファンの方々が一緒に参加できるようなプログラムがあるところが特徴です。

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自分が好きなものを「好き」と言える場所がAGF

──たとえばパリの「Japan Expo」ではフランスの方々の熱狂的な姿を何度も目にしていますが、他国の私たちからするとこれまで韓国のアニメファンの方々を目にする機会があまりありませんでした。韓国でのアニメ人気・文化についてどのように分析されていますか?

ミンウ氏:
 会場をご覧いただいたらおわかりいただけると思うのですが、韓国のアニメファンも熱狂的です。もともと韓国はジャンルを問わず熱狂的なところがあると思います。

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サンソク氏:
 韓国で日本の漫画は20年以上も前から出版物としてたくさんありました。それが近年では形態を変えてYouTubeやNetflixになり、接する機会が増えたと思います。形態がデジタルに変わっただけで、もともとみんな好きでした。

後藤氏:
 韓国でもアニメを好きな人はずっといると思うんですけど、それを表現する場が少なかったんだと思います。自分が好きなものを「好き」と言える場所がAGFなのではないかと。第1回開催のときに来場された方々の表情を見てそう思いました。

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──最後に今後の展望についてお聞かせください。

ミンウ氏:
 将来的には日本語や英語にも対応していきたいので、多くの方に足を運んでいただけたらうれしいです。「AGFに行けば自分の好きなコンテンツがある」という韓国でいちばんのイベントにしていくことが目標です。

サンソク氏:
 日本のピッコマなどでも韓国のウェブトゥーン作品が上位に入っているので、韓国ウェブトゥーンのグッズやプログラムがあったらもっと楽しいイベントになるのではと思っています。日本や海外からも来ていただけるイベントに育てていきたいです。

後藤氏:
 さまざまな趣味嗜好の方々が「出会いの場」になるイベントにしていきたいです。ソニーミュージックグループとしてはアニメの楽曲や歌っているアーティストまで好きになってもらえるよう引き続き努力していきます。


 韓国のアニメファンにとってAGFは「自分が好きなものを表現できる貴重な場所」となっている。

 実際に会場に足を運んでみると、来場者の方々が全力で楽しんでいる姿が印象的だった。大規模なイベントでありながらプログラムによってはコンパクトなものもあり「自分がそこに参加している」という “一体感” が強い。

 出展者数・来場者数を伸ばし続ける本イベントは今後どのように変化していくのだろうか。日本から韓国までは2時間ちょっとで行くことができるので、会場でその “熱気” をぜひ体感してほしい。

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編集部
幼少期からホラーゲームが好き。RPGは登場人物への感情移入が激しく的外れな考察をしがちでレベル上げを怠るため終盤に苦しくなるタイプ。著作『デブからの脱却』(KADOKAWA)発売中
Twitter:@MarieYanamoto
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