Chiyo氏はなぜ『FFXIV』を始めたのか──。キッカケはまさかの愛車だった
──『FFXI』からプレイされていたとお聞きしましたが、『FFXIV』はどのような理由でプレイされ始めたんでしょう。
Chiyo氏:
実は『FFXIV』は『旧FFXIV』のベータを少しやったんですが、PCのスペックが圧倒的に不足していて。もう何も出来ないという感じだったので、製品版は買わなかったんです。
──とにかく凄まじく重かったと聞いています。
Chiyo氏:
それから大学卒業を機に生活も変わって、『FFXI』も自然と引退したんです。その後、『FFXIV』が新生してから1カ月くらいした頃ですかね。「そんなスペック高くなくても遊べるようになったらしいよ」って聞いたので、その流れでプレイしてみたんです。
で、丁度その頃にクルマを買っちゃっていたんですよ。
──クルマですか。
Chiyo氏:
毎日ドライブしてたらガソリン代と高速代が凄いコトになっちゃって……。なので「家で遊べる趣味を作って節約しよう」って思ったのが『FFXIV』を始めたキッカケなんです(笑)。
──ガソリンをガツガツ食べる車がなければChiyoさんが『FFXIV』を始めることはなかった。
Chiyo氏:
あるかもしれない……(笑)。
──もしかして、その時の車がトヨタ・86ですか?(筆者注:本インタビュー前、Chiyoさんとのやり取りの中で車の話題になったことがある)
Chiyo氏:
そうです。その時はハイオクもめちゃくちゃ高かったんですよ。燃費も決して良くはない……スポーツカーだと良い方かも?しれない?
──街乗りだとどれくらいかな。10(1リッターで10キロ走る)行くかくらいですかね? 高速とかだともう少し伸びそうですが。
Chiyo氏:
10は行ってましたね~【※】。でもプリウス【※】とかと比べると「あわわわわ」って感じですよ。
※86の燃費
エンジンの最大出力の関係や技術進歩の関係もあるが、街乗りでリッター10走る86はスポーツカーという分類では燃費はいい方である。筆者が思い当たる節で燃費が悪い国産スポーツカーはマツダRX-7(FD3S、すでに生産終了)だが、知人の現役オーナー曰く、街乗りではフルノーマルで3~5、良くて6程度しか走らないとのこと。筆者も同乗させてもらったことがあるが、みるみる燃料計が減るので恐怖した思い出が残っている。ちなみに燃料タンクの容量は86が50リットル、FD3Sが76リットル。
※プリウスの燃費
以前、筆者の家族がプリウスの3代目に乗っていたが、街乗りで平均燃費は18程度だったらしい。単純計算でChiyoさんの86の1.8倍は走っていたということである。
──トヨタさんに感謝。モリゾウ【※】さんにも感謝。
Chiyo氏:
章男社長!ファンなんです(笑)。
※豊田章男氏
トヨタ自動車株式会社の「役員 取締役 代表取締役社長 執行役員 社長」(トヨタ自動車公式ホームページより引用)。車好きとしても有名であり、「モリゾウ」と名乗って世界的なレースにも参戦する。レースドライバーは無論、開発段階の車のテストを行うテストドライバーとしての腕も高く、86を始めとするトヨタブランドのスポーツカーの誕生にも大きく寄与している。これらを含め、昨今の自動車業界の社長としては異色の存在だ。なお、2023年4月1日付の役員人事により、代表取締役会長となる(本稿執筆時は社長)。
──「章男社長!」っていうFFコミュニティのインタビューはあまりなさそうですね。“とある光の戦士にインタビューしてる”感があってスゴくイイ(笑)。
Chiyo氏:
節約のために『FFXIV』を始めたら本当に乗らなくなっちゃって(笑)。今はもう年に1、2回乗るくらいなんですけどね。
──年に数回だと、MT(マニュアル車)なら坂道発進も怖そうですね……。
Chiyo氏:
後ろにマセラティ【※】とかがつくと「うわっ!」って。「もっと離れて~!」って(笑)。
──マセラティっていう単語がスラっと出てくるあたり察せるものがありますね。「後ろにマセラティがつくと怖い」ってあんまり言わない気が……。いや、確かに怖いんですけど。
※マセラティ
イタリア・モデナに本社を構える高級自動車メーカー。この一連の会話では「マセラティ社の車」のことを指している。
Chiyo氏:
全然クルマには詳しくないんですけどね!音とか聞いても分からないし!
──……少なくとも詳しい方だとは思うのですが。
Chiyo氏:
あはは!(笑)。そんなことないですよ!
──では話を戻しまして。それまでにプレイされたFF作品は、『FFXI』のほかにもあったんでしょうか。
Chiyo氏:
それまでに自分の手でプレイしていたのは、携帯に移植されていた『ファイナルファンタジー』くらいです。全般的にゲームが得意じゃないので、兄がやっていたのを横で見ていたという感じで。
──「ゲームが得意じゃない」という信じがたい発言が飛び出しましたね。
Chiyo氏:
どのゲームでも基本的に最初のボスが倒せなくて詰むんですよ。前にも「暁月が来る前に4をやっておくともっと楽しめると思うよ」って言われて、『ファイナルファンタジーIV』をやってみたんです。
最初のミストドラゴンだったかな?を3日間くらい掛けて倒したのはいいんですが、周辺の雑魚キャラで全滅してしまう感じで全然進めなくなっちゃって。そのまま止まっています……。「ゲームが苦手」って言ってもなかなか信じてもらえないんですが、本当なんです。
──正直、私もあまり信じてないですね……。
Chiyo氏:
でも『FFXIV』だけは不思議とできますね、なんででしょうね……? キャラクターコントロールは今でもあまり得意ではないんですけど(笑)。
エレメスとの出会い。そして紡がれる記憶
──エレゼンはプレイ開始時から選択されていたんでしょうか。
Chiyo氏:
そうですね。『旧FFXIV』ベータ版の時からでした。選択した理由は恐らくなんですが、2009年のトレーラーに一瞬だけ映ったエレメスがすごく綺麗だったからだと思います。「あ、イイ!」って。
1:49頃に映るエレメスがChiyo氏の運命を決めた
──今の「イイ!」の部分はカタカナにしておきます。
Chiyo氏:
イイ!(笑)。最初はミッドランダーでプレイしようかなとも思ったんですが、エレメスを見た瞬間に「これだ!」ってなって。髪型も基本的にベータの時から変わっていませんね。新生で作ったキャラの髪型は違っていて、その後も美容師が実装されてからはコロコロ変えたりしていましたが、今ではこの髪型に落ち着いています。首元が隠れないので、装備に被りにくいのもお気に入りポイントです。
──確かにロングヘアだと、どうしても隠れちゃいますもんね。
Chiyo氏:
背の部分にこだわりを感じる装備も多いので、隠れちゃうのは勿体ないかなーと。
──プレイ開始の時の心境や思い出はありますか。
Chiyo氏:
新生してからは日本DC(データセンター)にキャラクターが作れなくて、海外DCでプレイしていたので、会話もなく、交流もなく、IDにも行かず、ひたすらF.A.T.E.でレベルを上げるか、クルザスのカラクールを狩り続けてお金を稼いでました。黙々とやっていましたね。
──何か目的があってやっていたというより、ひたすら目の前の敵を……(笑)。
Chiyo氏:
「お金はいくらあってもいいだろう」と思って(笑)。
──私は最近始めた人間なので「ひとまずルレ回せばいいや」みたいな考えなんですけど、当時は環境も違っていたんですね。
Chiyo氏:
当時はルレもなかったし、IDでの経験値もそんなに多くなかったような……。それこそIDでの全滅も多かったので、そんなに美味しい経験値稼ぎという印象はありませんでしたね。はっきりとは覚えていないので、多分ですけど。
──すごく遊びやすくなってるんですね……。
Chiyo氏:
遊びやすくなってると思います。私も産後は、プレイできるのが1日10分とかで。IDには行けないですけど、クラフターしようかなとか、F.A.T.E.ちょっとだけやろうかなとか、ハウジングしてみようかなとか……。
グループポーズも凄くアップデートされてSSも撮りやすくなりましたし、DCテレポが実装されたので他DCの方とも遊べたり、自分のペースでフェイスとIDに行けるようになったり……。遊びやすくなっているのは勿論ですが、同時に色々な遊び方が増えたと思います。
──なるほど。でも、そういう時期だからこそ、息抜きって大事というか。一瞬でも、肩の荷を降ろせるような時間とでも言うべきか……。
Chiyo氏:
あの時は本当に「やっててよかった」って思いましたね。出かけられないですし、家にいてもお世話をしているか、家事をしているかだったので。その僅かな時間に少しでもログインして、画面に映しているだけでも気持ちが違いましたね。
──ありがとうございます。今回は「エレゼンについて好きなだけ熱く語っていただくコーナー」を設けておりますが、時間の関係上、もう少し先延ばしにさせていただきます。
Chiyo氏:
あはは(笑)。楽しみにしてます!