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好きなゲームはまさかの『電車でGO!!』。シューター界のニューカマー『SYNCED』開発プロデューサーが目指すのはプレイヤーとともに変化・進化し続けるゲームだった

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 シュータージャンルの多様化が著しい。戦略と連携が肝のタクティカルFPSから、だれでも遊べるポップなバトロワまで、多種多様なヒットタイトルが肩を並べるこのジャンルは、今日ではまさにレッドオーシャンの様相を呈している。そんなシューター界に、今夏ニューカマーが名乗りを上げる。それが『SYNCED(シンクド)』だ。

 gamescom 2019で発表されて以降、東京ゲームショウのブース出展やβテストの実施などにより、日本でも確実に認知され始めている本作。まさに「巷で噂されている」タイトルだと言えるだろう。独自性のあるシステムが話題となっているのだが、それが「つえー敵を捕まえて仲間にする」というシステムだ。

 『SYNCED』の特徴をざっくりと説明すると、NExT Studiosが開発する基本プレイ無料かつ、ローグライトやルーターシューターの要素が盛り込まれた”オンラインSFシューター”。テクノアポカリプスである近未来を舞台に、プレイヤーは「ランナー」と呼ばれる超人的なヒーローになって、「ナノ」と呼ばれる凶悪な敵とのバトルを繰り広げる。

 本作の特徴は、倒した「ナノ」を仲間にできるというシステムにある。ひとつとして同じ戦闘のないローグライト要素と、この「敵を捕まえて仲間にする」要素、そしてレベリングやスキル強化でキャラクターを育て、さらなる強敵に挑むという要素を組み合わせたシューターは、おそらく『SYNCED』が初めての試みだろう。

 さらに、PvP・PvE・ソロモードといった多様なゲームモードが用意されているなど、とにかくさまざまな要素を詰め込みまくった本作。今回、電ファミニコゲーマーは『SYNCED』のプロデューサーを務めるクラーク・ヤン氏に話を伺った。

クラーク・ヤン氏
クラーク・ヤン氏

 本作の多彩な要素はどのような経緯で生まれたのだろうか? ゲーム業界で輝かしいキャリアを持つヤン氏のゲーム制作哲学とは?

 日本のファンに向けてのメッセージもいただいたので、ぜひとも最後までお付き合いいただきたい。

聞き手/豊田恵吾
文/植田亮平


ユーザーの声に耳を傾け続ける

──本日はよろしくお願いいたします。

ヤン氏:
 よろしくお願いいたします。

──まずはゲームについてお聞かせください。『SYNCED』は3人パーティーでのプレイのほか、ローグ(収集)要素やルーターシューター、敵を取り込み自身の力とするなど、さまざまな要素が盛りだくさんとなっています。2019年のgamescomで発表された本作ですが、どのようなアイデアから生まれたゲームなのでしょうか? また、本作の魅力についてもお聞かせください。

ヤン氏:
 このタイトルでユーザーに面白さを提供するにあたって、「変化」という要素をとても重視しました。もちろんローグ要素による変化がありますし、敵を味方にし、コンパニオンとして一緒に戦うという変化もあります。こういった「変化」によって他タイトルとの差別化ができるのではないかというのが、アイデアのきっかけです。

 じつは本作には膨大な世界観設定がありまして、とくに大きなポイントとしては「ネットにつながる」という部分です。脳を直接インターネットに接続する、自分の意識でいろんなものをコントロールできる、そういったことが現実味を帯びてきた現代で、そこから敵をコントロールできる、自分のものにするという発想が生まれました。

──敵を味方にするというのはすばらしいアイデアですが、バランス調整といった面などを考えるとすぐに実現するのは難しいように思います。そういった問題に対してはどのように臨まれたのでしょうか。

ヤン氏:
 おっしゃる通り、敵を味方にすることはバランス面では難しいことで、じつはこのシステムについてはすでに5回、バージョンアップが行われています。当初はどの敵でも自分の味方にすることが可能だったのですが、プレイが混乱してしまう恐れがありました。
 現在は4つのナノ(キャラクター)にまとめられていますが、これは先ほどの問題を解決すると同時に、結果的に「敵が友達のような存在になる」というコンセプトを強調することもできたと思います。

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──本作では3人チームでのPvPや一人用のソロモードなど多彩なモードが用意されていますが、ゲーム自体の着想はどちらを想定して始まったのでしょうか?

ヤン氏:
 最初はPvPをイメージして作ったタイトルでしたが、PvEの要素を入れたことによってユーザーから良い反響をいただいたんですね。敵を味方にする遊び方もPvEと相性がよく、開発部内でも可能性を感じたので、制作に踏み切りました。

 とくにソロモードに関しては、去年実施したβテスト時に日本のユーザーからいただいた「ソロモードがほしい」という声によって生まれた部分もあります。最初は”3人チーム”にこだわっていたのですが、日本の声に応えるかたちでソロモードを開発できたんです。

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──そんな経緯があったんですね。開発チームとしてユーザーの声はどのように捉えていますか?

ヤン氏:
 『SYNCED』開発チームとしては、「ブラッシュアップ」という言葉をすごく大事にしています。過去の開発も、そしてこれからのバージョンアップも含めて、私たちはしっかりプレイヤーの意見を聞いて改良することをすごく意識しています。

──βテストの反響をどう分析されていらっしゃいますか? うれしかった意見、意外な声などがあればお聞かせください。

ヤン氏:
 βテストの結果で驚いたのは、日本人プレイヤーがすごくこのタイトルを気に入ってくれたということです。日本人プレイヤーの熱意は私たちとしては想定外でした。なぜなら、シューターゲームが人気なのはおもに欧米で、日本でどうなるかはわからなかったからです。

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 日本のファンの反応でうれしかったのは、Twitterにドット絵で描かれたグローリー(本作のキャラクター)のファンアートを見つけたときです。開発チームとしてもうれしかったですね。
 ユーザーがゲームに慣れたあと、いろいろな遊び方を動画コンテンツとして拡散してくださったことにも驚きました。とあるユーザーが、装備の組み合わせを考えて映画『ジョン・ウィック』の真似をしてゲームをプレイするという動画をアップしてくれたりとか、そういった反応が見られたことはとてもうれしかったです。

 もちろんβテストの反響からゲームをブラッシュアップしていくことも行っています。「ナノリープ」(仮称)というスーパージャンプのようなシステムもユーザーの声を取り入れた結果、生まれました。

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──ブラッシュアップという言葉が出ましたが、「もう出来上がってて直せない」といった状況も起こりうる中で、本作がここまで柔軟な対応ができている理由は何なのでしょうか。

ヤン氏:
 まずはチームが謙虚であることです。まだまだ若いチームですし、「ユーザーの意見を聞くのは当然でしょ」という気持ちが強いんです(笑)。

 それに『SYNCED』はF2Pで継続的に運営するタイプのゲームですので、こういった細かいブラッシュアップが発生することも当然、あるべき姿だと考えています。

 始めはパーフェクトじゃない部分があるかもしれませんが、そこに対してずっとブラッシュアップし続ける、ユーザーに応え続けることが、私たちの望んでいるゲーム開発のスタイルです。

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ライター
大阪在住のゲーマー。ゲームに限らずアニメ、映画など気になったものは何でも取り込む雑食系。オープンワールドのゲームやウォーキングシミュレーターなどが大好き。最近はオンラインゲーム『League of Legends』にドハマりしているが、プレイの腕はイマイチ。
副編集長
電ファミニコゲーマー副編集長。

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