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『プロセカ』新コンテンツ「マイセカイ」では、好きなキャラの祭壇部屋が作れたり、普段見れないキャラ同士の掛け合いを覗くことができる。コンセプトは「キャラクターに関する体験を広げる」─「マイセカイ」開発陣インタビュー

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リズムゲームへの影響はエリアアイテム」に近いイメージ

──先ほど、『プロセカ』をプレイして獲得できたアイテムを持ち込めるという話もありましたが、「マイセカイ」には具体的にどのようなものを置くことができるのでしょうか?

杉山氏:
所持している称号やメンバー、カスタムプロフィールで使用するコレクションなどを、家具として配置することができます。それ以外にも、いわゆる「普通の家具」が存在する形です。

ほかにも少し特殊な家具で、たとえば「Leo/need」だったら「あの日のジャングルジム」のような、ユニットファンならピンとくる家具があったりします

『プロセカ』「マイセカイ」開発陣インタビュー:コンセプトは「キャラ体験の拡大」。リズムゲームと箱庭クラフトゲームの橋渡し_008

──ストーリーに関連するアイテムも登場するのはすごくいいですね……。

杉山氏:
ハウジングゲームとしての面白い部分を担保しつつ、キャラクターゲームとして「こういうものが欲しいよね」という需要も両立して運用していきたいと考えています。

──逆に「マイセカイ」をプレイすることによって、本編のリズムゲーム部分に影響する要素はあるのでしょうか。

杉山氏:
特定の家具を作ることで、メンバーのパフォーマンスが上昇するシステムがあるので、リズムゲームのスコアアップにつながる要素はあります。

──手に入れることで対応するキャラの総合力が上がる「エリアアイテム」に近い感覚でしょうか。

杉山氏:
まさにそんなイメージです。メンバーの家具を作ることでそのメンバーのパフォーマンスが上昇したり、ゲートのレベルを上げることで対応するユニットのパフォーマンスが上昇したりもします。「エリアアイテム」と近いイメージになるかと思います。

──「マイセカイ」を遊ぶことがスコアに影響があるとのことですが、イベントで最上位層を狙う「ガチ勢」への影響などは議論されたのでしょうか。

杉山氏:
「マイセカイ」を遊んでいる方と、そうでない方がまったく同じ条件で同じプレイをしたら、もちろん「マイセカイ」を遊んでいるほうが有利にはなります。

だからと言って、順位が100位、200位など高い順位になるようなバランスにはならないよう作っています。そこに関しても「エリアアイテム」くらいの感覚だと思っていただければと思います。

少なくとも、「マイセカイ」がイベントに強く影響して「プレイしていないと絶対に上位は取れない」ということはないように調整しています。「少し楽になるかな」くらいのものをイメージして設計しています。

『プロセカ』「マイセカイ」開発陣インタビュー:コンセプトは「キャラ体験の拡大」。リズムゲームと箱庭クラフトゲームの橋渡し_009

「マイセカイ」開発のきっかけ

──「マイセカイ」を導入しようと思った理由や、プロジェクトが動き出した時期について教えていただけないでしょうか。

杉山氏:
もともと、「マイセカイ」の企画が立ち上がる前から「プレイヤーのセカイを作りたい」という構想はありました。時期としては2021年、『プロセカ』のサービスが開始されて2年目のころです。

じつは、「カスタムプロフィール」の実装も「プレイヤーさん自身のセカイを表現できるもの」というコンセプトから作られています。本来であれば「マイセカイ」のようなものにしたかったのですが、当時は工数面などの難しさから、あのような形になりました。

そうした経緯があったうえで運用を続けていたのですが、遊びの部分でも「プレイヤーさんには新しい体験をしてほしい」ということを常日頃から考えるようにしています。その中で、前々から構想していた「プレイヤーさんに、自分自身のセカイを提供する」という話が膨らんできました。

──開発に携わったメンバーは何人くらいなのでしょう?

大平氏:
「マイセカイ」だけで40人は関わっていると思います。外部で関わっていただいている方を含めると、もっと多いですね。

──すごいですね。「マイセカイ」を最初に見たときには、これまでの『プロセカ』とは大きく異なるコンテンツという印象でした。それこそ別アプリで出してもいいのでは? と思うほどに。ただ、実際にプレイしてみると、『プロセカ』の体験を広げるアップデートなんだなと感じました。

杉山氏:
開発チームとしてもその意識はすごくあります。「マイセカイ」は、これまで『プロセカ』を遊んでいただいて、登場するキャラクターを好きになってくださっている方々に届けたいコンテンツとして作ってきました。そして、それは今後も変わりません。

『プロセカ』と切り離した別物になってしまうと、「これまでやってきたことは何だったんだろう」という気持ちにさせてしまうこともあると思います。『プロセカ』ユーザーの方が遊んで楽しい箱庭ゲームを作る、というのは意識している部分ですね。

大平氏:
もともと「マイセカイ」は、小規模なプロジェクトから始まっているので、「別アプリで出す」という話は出たことがないかもしれません。

──「マイセカイ」は1日どのくらいプレイしてもらう設計なんでしょうか。

杉山氏:
気合を入れて毎日1時間、がっつり遊ばないといけない設計にはしていません。

『プロセカ』にはリズムゲームの部分もあるので、どちらもたくさんプレイが必要になってしまうとユーザーの皆さんも大変だと思うんです。そういう負担をかけるゲームにはしたくないと考えていました。

大平氏:
素材を集めるには「スタミナ」が必要となっていて、1日に集められる素材の量には限りがあるんです。その中で少しずつ遊んで、「マイセカイ」を育てていってもらう。毎日少しずつ遊ぶというのが、想定されているところです。

杉山氏:
1日10分、15分くらい触っていただければというイメージですね。

大平氏:
もちろん長時間遊んでくださる方はいると思います。僕も「部屋作り」に関してはかなり熱中したので

『プロセカ』「マイセカイ」開発陣インタビュー:コンセプトは「キャラ体験の拡大」。リズムゲームと箱庭クラフトゲームの橋渡し_010

──マルチ要素についてもお聞きしたいのですが、「マイセカイ」のマルチプレイやコミュニケーションに関しては、基本的にはこれまでの「バーチャルライブ」の待合エリアの延長のようなものになるのでしょうか。

大平氏:
そうですね。待合エリアのように、共通の部屋がひとつ置いてあるわけではありませんが、友達の家に遊びにいくような感覚で、10人くらいで集まって遊ぶような形になります。

コミュニケーションの内容も、チャットやスタンプなど、ほぼ同じような体験になります。

──アバターや服装に関しても、今まで「バーチャルライブ」で使ってきたものを使用できるんですね。

大平氏:
はい。使えます。

杉山氏:
着せ替えがより楽しくなってきた感じがしますね。これまではイベント終わりのバーチャルライブでちょっとお披露目する程度でしたが、「マイセカイ」ではより日常的に他のプレイヤーと会う形になります。

可愛いアバターになるように力を入れて作っているので、今まで興味がなかった人にも見て頂けると嬉しいですね。

『プロセカ』「マイセカイ」開発陣インタビュー:コンセプトは「キャラ体験の拡大」。リズムゲームと箱庭クラフトゲームの橋渡し_011

気になる課金要素や必要容量について

──「マイセカイ」の課金要素に関しては、どういったものを想定しているのでしょうか。

杉山氏:
基本的には「カラフルパス」のような形になります。「マイセカイ」発表映像にも登場したアイテムを別のアイテムに交換する「ヘンカンマシン」の、変換に必要な時間が短くなったり、採集行動で木を切る動作のモーションが早くなり採取にかかる時間が短縮されたり。

あとは「プレミアムミッションパス」のように、ライブPをためることで、そこでしか手に入らない「マイセカイ」で使えるアイテムを報酬として獲得できる仕組みもあります。

──「マイセカイ」を遊ぶうえで、加入することで便利な機能が解放されるイメージですね。

杉山氏:
ただ、「マイセカイ」をプレイしていないと損をしてしまう形は避けたいと考えているので、「プロセカ」をプレイしているユーザーさんならば誰でも魅力的に感じるような内容にできればと考えております。

加えて、課金をしないと体験できない「遊び」を実装することはしないつもりです。たとえば、課金をすることでミニゲームが解放されるような、そのようなものは考えていません。

──先ほどの話にもありましたが、リズムゲームと「マイセカイ」を交互に遊ぶことで『プロセカ』の魅力がより感じられる形になっていると思います。可能なら、両方のモードを遊んで楽しんでほしいですね。

大平氏:
そうですね。「マイセカイ」でいろいろと集めて飾って、そしてまたリズムゲームをして。ぜひ両方を遊んでいただき、より『プロセカ』を楽しんでいただけると嬉しいです。

──本日はありがとうございます。最後にユーザーの方へひと言ずつメッセージをいただけますでしょうか。

大平氏:
この「マイセカイ」機能が、『プロセカ』に彩りを”もうひとつ”添えるような体験として、ユーザーさんにお届けできると良いなと思っています。最後の最後まで調整していきますので、アップデートされたら是非プレイしていただけると幸いです。

杉山氏:
「マイセカイ」を通して新しい体験とともに、新しいキャラクターの魅力を伝えられればと思っております。また、リリース後も多くの可能性を秘めた”セカイ”となるかと思いますのでぜひプレイいただけると嬉しいです。

『プロセカ』「マイセカイ」開発陣インタビュー:コンセプトは「キャラ体験の拡大」。リズムゲームと箱庭クラフトゲームの橋渡し_012


リズムゲームと、箱庭クラフトゲーム。一見すると何の関わりもないふたつのゲームモードだが、それらを橋渡ししているのは『プロセカ』ならではの「キャラクターの魅力」だった

本記事を通してそれが「これまでの『プロセカ』をより楽しめるようにするアップデート」だと理解いただけたのではないだろうか。

気軽に触れるプレイボリュームになっているものの、好きなキャラの新たな一面が見られるかもしれない「マイセカイ」。さらに広がり続ける『プロセカ』ワールドの今後に期待したいところだ。

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ライター
過去には『電撃王』『電撃姫』『電撃オンライン』などで、クリエイターインタビューや業界分析記事を担当。また、アニメに関する著作も。現在は電ファミニコゲーマーで企画記事を執筆中。
Twitter:@ito_seinosuke
サブデスク
美少女ゲームとアニメが好きです。「課金額は食費以下」が人生の目標。 本サイトではおもにインタビュー記事や特集記事の編集を担当。
Twitter:@takepresident

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