ハイセンスな和テイストが世界的人気の“侍ボードゲーム”がiOSに登場。歯ごたえあり!【レビュー:MIYAMOTO】

 センスの良いフィギュア風のサムライたちが、4×4のマスの上で死闘を繰り広げる、頭脳派のボードゲームアプリがiOSで公開されています。 
 『MIYAMOTO』です。

 和風のミニチュアゲームのようなビジュアルが評判となり、特に欧米で高い評価を受けている作品。
 力士や歌舞伎、オークや空手家など、ユニークで海外ウケを狙ったキャラクターが見られますが、開発者が日本人ということもあって、動きや雰囲気に違和感はありません。

 将棋のようにボード上でコマを取り合うゲームですが、カードを使ってコマを配置します。
 ややカード運に左右されますが、実力で勝負する、じっくり考える戦術ゲームです。

 とにかくハイセンスでオシャレな作品。
 価格は360円。買い切りアプリのため課金・広告・スタミナ等はありません。

 まず目につくのはビジュアル。
 タイトル画面はボードゲームのパッケージのようになっていて、タップでフタが開きます。
 箱の中には庭園があり、日本刀がシャキンと抜かれてゲームスタート。
 その演出に思わず惹きつけられることでしょう。

 ゲームは前述したように、4×4のマスで区切られたボード上で行われます。
 まず双方の「大将」のコマが自動で配置され、プレイヤーには手札が最初は3枚、2ターン目以降は2枚ずつ配られます。

 ターン制のゲームで、プレイヤーの番になったら兵士のカードを使ってコマを置くか、戦術カードを使って特殊効果を発動させます。
 「マナ」や「コスト」といったものはなく、手持ちのカードは好きなだけ使うことができます。

 ただし新たなコマは、すでに置かれているコマのとなりにしか置けません。
 また、置いたばかりのコマは、いわゆる「召喚酔い」の状態であり、次のターンにならないと行動できません。

 しかし各コマには「スキル」が備わっていて、忍者や修行僧といったコマは、配置してすぐに動ける「目覚め」のスキルを持っています。
 他にも範囲攻撃や遠距離攻撃、味方の強化といったさまざまなスキルがあり、その使い方が重要になります。

 次のターンになれば、配置したコマは移動や攻撃が可能に。
 コマには赤色でHP、青色で攻撃力が記載されていて、多くのコマは上下左右に1マス動いてからの攻撃を行えます。
 与えるダメージは攻撃力と同じで、攻撃された側の反撃はありません。
 HPがなくなったコマは取り除かれ、大将のコマを倒せば勝利。
 忍者が跳び上がって手裏剣を放つなど、攻撃時のフィギュアの動きも見どころです。

 TCG(トレーディングカードゲーム)の要素がありますが、プレイ感としては戦略シミュレーションゲームの方が近いですね。
 もしくは「コマに攻撃力と体力がある将棋」といったところでしょうか。

 敵大将を倒して勝利すると、カードが3枚提示され、その中から1枚をデッキに加えることができます。
 全8ステージで、最後には「宮本」が待ち受けます。

 前半戦は敵大将が弱いので速攻をかけることもできますが、後半戦は敵大将のHPが増え、慎重に挑まないと勝てなくなります。
 また、「半蔵」や「夜叉」といった強力なキャラも登場。
 能力的に互角の勝負ではなくなります。

 これらの特殊キャラは勝利により得られるコインを貯めればプレイヤーキャラにすることもできますが、必要なコインは一部を除き高額で、そう簡単には得られません。
 購入した特殊キャラはボスのときほど強くないので、お金を貯めて強くなる類いのゲームではなく、その都度、実力で挑むストイックな作品です。コンティニューもありません。

 ただ、一昔前のアーケードゲームのような難しさがあり、それはそれで挑戦しがいがあって良いと思います。

 やや気になったのは、表示される情報が少し足りないこと。
 忍者や空手家といったキャラは2マス動けるのですが、移動力の表示がないので、移動範囲がわからない。
 遠距離攻撃もキャラによって、貫通型だったり単体攻撃だったりしますが、使ってみないとわからない。
 ボスとして出てくる「半蔵」は2マス移動で遠距離の範囲攻撃をしますが、それを示す表示がないため、初見殺しのキャラになっています。

 そして、カードゲームなのにデッキ構成を確認できないので、ステージをクリアして新カードを取得しても、どれだけ手札に来る確率に影響しているのかよくわかりません。

 とはいえ、そんなにコマが多いゲームではないので、何度かやれば特徴はわかります。
 デッキの編集ができず、手札に来たカードでやり繰りするゲームなので、デッキ内容がわからないのも致命的なわけではありません。
 最初は不便に感じますが、どちらもある程度やれば気にならなくなるでしょう。

 センスの良いビジュアルと演出、シビアで頭脳的なゲーム内容は、いかにもApple好み。
 登場してすぐApp Storeで特集された秀作です。

 「宮本」を倒したら終わりですが、そう簡単に攻略できるゲームではないため、育成要素などはありませんが、何度も繰り返し楽しむことができるでしょう。

 玄人向けのカジュアルゲーム(?)として、おすすめしたい作品です。

MIYAMOTO

和の美しさを感じられるサムライ・ボードゲーム

(画像はMIYAMOTO – AppStoreより)

・ボードゲーム(将棋/チェス型)
・HIDEKI HANIDA(日本、個人)
・360円

文/カムライターオ

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著者
『Ultima Online』や『信長の野望 Online』、『シムシティ4』など、数々のゲームのファンサイトを作成してきた。
iPhone 解説サイト『iPhone AC』を経て電ファミニコゲーマーのお世話に。
シューティングとシミュレーションが特に好き。
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