モバイルの経営シミュレーションゲームの老舗「カイロソフト」が、バスケットボールチームを運営するアプリを公開しています。
『バスケクラブ物語』です。
『サッカークラブ物語』や『テニスクラブ物語』、『野球部ものがたり』に続く、スポーツ系のカイロソフト作品。
内容は『サッカークラブ物語』をバージョンアップし、バスケに変えたような感じですね。
今作の大きな特徴は、難易度がやや高めなこと。
新たなチームやリーグに挑めるようになっても、無計画に挑むと連戦連敗することになります。
試合や練習で疲労が溜まるため、選手の体力や調子のケアも必要で、計画的な育成が必要。
このため、ストアレビューでは「ぜんぜん勝てない! クソゲー! ★1」といった意見が散見されますが、ここ最近のカイロゲームは簡単なものが多かったため、むしろこの歯応えのある難易度は、やり応えがあって良いですね。
初回のプレイでは世界リーグで勝つのは困難で、データの引き継ぎを利用し、周回しながら挑む必要があります。
これも、最近のカイロ系では乏しかった「2周目以降の楽しさ」を生んでいて、長く楽しめる内容に繋がっています。
価格はiOS/Androidとも600円。
買い切りゲームなので課金・広告・スタミナ等はありません。
このページの画像は横向きになっていますが、縦でも横でも遊べるゲームです。
選手を獲得し、特訓を重ね、クラブ施設を充実させ、世界に通用するバスケットボールチームを育てていきます。
最初、クラブにはコートとロッカー、倉庫、自販機ぐらいしかありません。
選手も素人レベルの人が数人いるのみ。
ただ、必要最低限の人数はそろっているので、とりあえず試合はできます。
また、通常の練習は自動のため、眺めているだけでもゲームは進行します。
しかし練習でも選手の体力は結構減少し、特訓や試合を行えばもっと下がります。
体力が下がったままでは実力を発揮できず勝てません。
コートをタップし、練習メニューを「調整重視」に変えるなどして、体力をキープする必要があります。
そして、試合をする相手の選択も重要。
まだ勝ったことのないチームに勝利することで、新しい対戦相手が登場しますが、このゲームは勝てないと特訓ポイントもお金もあまり得られません。
格上に挑んで負けるぐらいなら、格下と戦って経験を積む方が得られるものは多いです。
もしここで、無理な練習や挑戦で負け続けていると、得られるポイントが少ないので育成がままならず、お金が貯まらないから設備も整えられず、新しい選手と契約することもできず、ずっと勝てないということになりかねません。
「全然勝てない!」と言っている人は、おそらくこの悪循環。
「勝てないなら、勝てる相手と戦う」のがこのゲームの鉄則なので覚えておいて下さい。
試合シーンも、ほぼ眺めているだけで進行します。
しかしユニークなドットキャラがちょこまか動いて試合をする様子は、見ているだけでも楽しめますね。
プレイヤーは監督として、作戦の選択や選手の交代ができますが、他に選手の「オーラ」の発動も指示できます。
選手は試合中に「オーラゲージ」が溜まっていき、最大になると任意のタイミングでオーラを出してパワーアップさせられます。
ステータスが上がるのはもちろん、移動速度も上がり、目に見えて活躍するため、いつ使うかはかなり重要。
オーラゲージは次の試合に引き継げるため、楽勝の試合では温存する、格下と練習試合をして強い相手と戦う前にゲージを溜めておく、といった戦略も必要になります。
試合をすれば、ハートや特訓、買い物の各ポイントと、経験値、そしてお金を得られます。
前述したように、勝った方が実入りは良いです。
「買い物ポイント」はショップでアイテム、そして「お店」を買うのに必要。
このゲームのクラブハウスには練習コートの他に「ショッピングエリア」があり、そこには自由にお店を配置することができます。
最初は自販機や食堂しかないクラブにも、ハンバーガー屋やピザ屋、シューズ屋などを建設することができ、そのうち床屋やゲーム屋、学校や博物館など、もはやバスケクラブとは思えない施設も建設可能に。
試合に勝ったり、「ハート」を使った「地域活動」を行うことで、新たなお客さんが招待され、これらのショップを訪れてくれます。
序盤の収入源は主に試合ですが、中盤からはショッピングエリアが収益の中心になります。
お金がないと有力選手の獲得は行えません。
また、お店の利用によっても、ハート・特訓・買い物の各ポイントは増えていきます。
カイロソフトのゲームらしく、ショップの経営もクラブの強化には必須です。
育成面で重要なのは「特訓」。
ポイントを使い、特定の能力を狙ってアップさせることができます。
特訓にはレベルがあり、例えばスタミナ特訓の「ジョギング」は、何度も繰り返していると「水泳」、「シャトルラン」、「フルマラソン」と強化されていきます。
Lv3以上になると全能力が上がるため、まずはどれかひとつを集中して繰り返すのが良いでしょう。
ただ、特訓にはもうひとつ、スキルの修得という重要な役割もあります。
シュート練習なら「シュートフェイント」や「3Pシューター」、ジャンプ練習なら「ダンク」や「アリウープ」といった、関連した特技をたまに獲得できます。
上位のスタミナ練習ならシュート能力も上がりますが、だからと言ってシュート練習をしなかった場合、シュート系のスキルを獲得できません。
スキルのことも考えると、それぞれの特訓の使い分けも必要です。
もうひとつ、特訓や地域活動、選手獲得で重要になるのは「スポンサー」。
このゲームのスポンサーはお金をくれるだけでなく、それぞれ固有の効果を持ちます。
例えば、新聞社は特訓の効果をアップさせ、旅館は特訓のポイント消費を軽減します。
よって特訓前に新聞社や旅館をメインスポンサーにセットしておけば、特訓をより効率的に行えます。
地域活動のハート消費を抑えたり、選手の獲得交渉を有利にするスポンサーもいます。
メインスポンサーは一度セットすると3ヶ月変更できないので、計画性を持ってスポンサーとポイントを使うことが大切ですね。
クラブは最初Eランク、ご町内レベルのチームですが、各ランクにある「リーグ戦」で優勝することで、上のランクに挑めるようになります。
プロリーグやワールドリーグ、ちびっこリーグなど8つのリーグがあり、それぞれに5~10前後のチームがいて、挑める試合はかなり豊富。
プレイ期間(スコア集計期間)は10年で、11年目の3月末に終わりますが、最初は期限内にSランクまで進むことは困難でしょう。
しかし1周目のデータを引き継いで、2周目を始めることができます。
引き継がれるデータはすべての選手の能力と、お店やスポンサーのレベル。
(特訓のレベル、お客さんのレベルは引き継がない)
そしてゲームが倍速で進む「高速モード」も解禁されます。
選手のデータをそっくりそのまま引き継ぐため、2周目はかなりサクサク進められ、Sランクの制覇も夢ではありません。
序盤をラクにするため、初期選手を鍛えておくといった、2周目を考慮した育成も有効です。
『サッカークラブ物語』の経営面の乏しさ、『テニスクラブ物語』のやれることの少なさ、『野球部ものがたり』の育成面の乏しさなどを、すべて解消したカイロ型スポーツゲームの決定版です。
過去作で物足りなかったところを補っていて、買い切りのカイロゲームとしては最近のイチ押しですね。
なにも考えずにプレイしていると負けまくるため、運営ゲームが苦手な人には厳しい難易度なのは否めません。
でも、だからこそ選手とチームを育成し、格上に打ち勝っていく楽しさがあります。
なにより、高い目標があり、久々に「2周目が楽しい」のが良いですね。
運営シミュレーションゲームが好きな方や、カイロファンなら必携の作品。
「最近のカイロゲームはちょっとヌルくて……」と思っている方には、特にオススメです。
バスケクラブ物語
カイロソフトのバスケットボールクラブ運営シミュレーション
・運営シミュレーションゲーム
・カイロソフト(日本)
・iOS/Android版600円
文/カムライターオ
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