『Graveyard Keeper』のクリエイターが送る放置型RPG。アップデートと同時にiOS版も販売開始【レビュー:Swag and Sorcery】

 墓地運営シミュレーション『Graveyard Keeper』や、格闘家育成シミュレーション『Punch Club』を手がけたクリエイターの新作。
 カジュアルな自動進行のゲームでありながら、豊富な装備と多彩な特殊効果、少し歯応えのある難易度のおかげで延々とやり続けてしまう、放置型のRPGがSteamからiOSに移植されています。
 『Swag and Sorcery』です。

 自動進行のRPGはスマホにはたくさんあり、あまり物珍しさはありません。
 しかし特殊効果の付いたユニークな装備を集めるハクスラらしい楽しさがあり、手軽にテンポ良く遊べ、ドット絵の描き込みも細かく、ハマるゲームの要点が押さえられています。

 また、スマホの放置型RPGはソーシャルゲームか広告ゲーである場合が多いですが、このゲームは買い切り型で、それも嬉しいところ。

 Steam版は2019年5月に発売されたのですが、評価は賛否両論。
 日本語化されていない、バグが多い、素材ドロップが渋い、薬の装備が面倒、手軽に再探索できない等々…… 批判も少なくありませんでした。
 しかし年明けにこれらの問題を一通り改善したアップデートが行われ、iOS版はその最新バージョンなので、Steam版の評価はあてはまりません。

 まあ、新たなバグが散見されたり、ボスの強さに異様に差があるなど、気になるところも多いのですが…… このメーカーのゲームはバグも味でしょうか……
 ともあれ、iOS版は普通に楽しめます。

 価格はiOS版860円、Steam版1300円。
 起動時は英語ですが、オプションで日本語に変更可能です。

 酒場で冒険者を雇い、馬に乗せて探険に出発させます。
 当面、やることはこれだけ。

 探険は自動で進行し、冒険者が勝手にモンスターと戦って、様々な素材を集めます。
 画面を見てわかるように、複数のパーティーを同時に進行でき、ひとつのパーティーには3人まで含めることができます。
 冒険者が増えれば、1人ずつ3箇所で探険することも、3人で1箇所を探険することも可能。

 探険は1回1~2分ほどで、一定の距離を進めば帰還します。
 放置型RPGといっても、オフライン中に進行するタイプではなく、ちゃんと画面を見ながら遊ぶゲーム。
 帰還後は教会と療養所で回復させて再び探険に出しますが、iOS版は報告画面に回復と再出発のボタンがあるので、これですぐにリプレイできます。

 最初は弱いので、やられることも多いでしょう。
 白旗ボタンで撤退できますが、逃げるときに探険で見つけたものの大半を没収されてしまいます。
 しかし発見物のアイコンをタップしてバッグマークを付けておけば、撤退してもひとつだけ失わないようにすることができます。
 もちろん探険を成功させれば、すべて持って帰れます。

 探険を最後まで成功させると達成度が増え、最大になるとボスに挑戦可能に。
 勝てればストーリーが進んで次の目的地が現れますが、どのボスもかなり強敵。
 まずは探険を繰り返して素材を集め、装備を作ってパワーアップしなければなりません。

合間に出てくるドット絵劇場なストーリーシーン。動きが細かい。
ナレーションのセリフがウィットに富んでいて、ロシアのゲームですが、いかにもアメリカン。

 町には鍛冶屋、狩猟小屋、魔法店などがあり、ここで装備を作れます。
 作成には設計図が必要ですが、これも探険でドロップします。

 作ったアイテムの品質は作成ごとにバラバラ。
 良品もあればガッカリ品もあり、付属される特殊効果の数と種類も異なるので、良いものを作るには何度も作成を繰り返す必要があります。
 同じ装備は1回作ったら終わり、ではありません。

 使わないものは商店で売却。これがメインの収入源。
 お金は冒険者のレベルアップに必要で、強力な装備を使うのに必要です。
 もちろんレベルが上がればステータスもアップ。
 また、敵とのレベル差が大きいと攻撃がヒットしません。

 重要なのは装備に付く特殊効果で、ステータス補正や属性攻撃はもちろん、HP吸収、1度だけ復活、全員回避アップなど、本当に多種多様。
 低級装備でも特殊効果が強力なら有用で、その組み合わせも大切です。

 最初は冒険者は1人、パーティーもひとつしか作れませんが、丁寧な説明と共に、徐々に町の施設が増えていきます。
 『Punch Club』『Graveyard Keeper』は自由度が高い反面、難解さのあるマニア向けの作りでしたが、今回は正反対に、カジュアルでわかりやすいゲームを作ろうとしたのが伺えます。

 まだ未完成感があるのは否めず、一通りクリアしても利用されていない町の建物や、意味ありげなスペースが残ったまま。
 やり込み要素である「無限なる冒険」がありますが、本当にただ冒険を繰り返すのみで、拡張の余地を残しつつ、まだ本格的な拡張はこれからといった印象もあります。

 しかし今の状態でも、しっかり没頭して遊べるゲーム。
 ほぼ眺めているだけで進行し、通信もないので出先でも遊べる作り。
 最初からスマホを想定していたのではないかと思う内容で、iOSの買い切りカジュアルRPGとしてお勧めできる一品です。

Swag and Sorcery

ドット絵バトルの自動進行RPG

(画像はSwag and Sorcery – AppStoreより)

・RPG(オートバトル)
・開発:Uroboros Games、Lazy Bear Games(ロシア)
・販売:tinyBuild Games(アメリカ)
・iOS版860円、Steam版1300円

文/カムライターオ

著者
『Ultima Online』や『信長の野望 Online』、『シムシティ4』など、数々のゲームのファンサイトを作成してきた。
iPhone 解説サイト『iPhone AC』を経て電ファミニコゲーマーのお世話に。
シューティングとシミュレーションが特に好き。
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