巨大工場建設シミュレーションと全方位型タワーディフェンスが融合した話題作、日本語化されてPCとモバイルで公開中【レビュー:Mindustry】

 ベルトコンベアで鉱石を搬送する巨大工場を建設しつつ、防衛兵器を配置して襲いかかる敵を撃退する、開発シミュレーションとタワーディフェンスを高度に融合させたゲームが登場しています。
 『Mindustry』です。

 Androidでは2018年、iOSとSteamでは2019年の夏に公開された作品ですが、最初に見たとき、私はスルーしました。
 理由はインターフェイスが悪く、操作が難解、ルールも複雑、日本語にも未対応で、あまりに遊び辛かったから。

 昨年末のアップデートで日本語に対応し、かなりわかりやすくなりましたが、今でも(特にスマホ版の)操作性はお世辞にも良いとは言えません。
 加えてiOS版には正常に起動しないバグがあり、今でも諸手を挙げて人に勧められるゲームではありません。

 それでも今回取り上げるのは…… すごく面白いから。
 自由度の高い開発と防衛、自機を操って戦うアクション性を備え、多くの資源が運ばれていく様子は眺めていて楽しく、シミュレーションファンなら没頭して楽しめること請け合いです。
 プレイ中は操作性との戦いになりますが…… それを越えて遊ぼうという気にさせてくれる作品です。

 Android版の価格は、なんと無料。iOS版も120円と格安。
 Windows/Mac/Linux版も無料公開されており、これらは開発バージョンという扱いのようです。
 Steam版は620円で製品版のようですが、内容に違いはありません。
 ただ、Steam版以外はマルチプレイやMODの導入などを正式サポートしていないようです。(機能自体はある)

 ※まずは注意点を。
 起動時は言語が英語になっており、設定(Settings)の言語(Language)を日本語(Japanese)にしても、アプリを一度再起動しないと反映されません。
 スマホ版の場合、タスクからも消して起動しなおして下さい。

 起動しなおすとチュートリアルがキャンセルされてしまいますが、設定の「ゲーム」の中にある「チュートリアル」のボタンを押すとやり直せます。
 操作が独特なので、やっておいた方が無難です。

 チュートリアルの最初のメッセージが英語のままですが、メッセージ表示をタップして進めるところまで進めたあと、基地の下にある茶色のツブツブ(銅鉱脈)をタップすれば先に進めるようになります。

 iOS版はステージ開始時や復帰時、画面が真っ黒になったり、ボタンが一切表示されない場合があります。
 この時はアプリを落としてタスクからも消し、再起動して下さい。
 ゲームデータは直前にセーブされているので、そこから復帰可能です。

各ボタンの役割はこのようになっています。
コンベアやパイプは長押し後にスライドすることで、任意の方向にまとめて設置することができます。
なにも選択されていない状態で設置済みの施設をタップすると稼働状況を確認可能。
施設の設置予約はポーズ中でも行え、確定前なら左下に出てくる×ボタンでキャンセルできます。

 ステージが始まると、基地(コア)からプレイヤーの戦闘機が飛び立ちます。
 開発ゲームですが「自機」がいて、建設だけでなく敵への攻撃も可能、これを操ってプレイを行います。
 やられてもすぐ復活でき、ペナルティもありませんが、コアが攻撃を受けて破壊されるとゲームオーバー。
 資源を集め、兵器を作り、防衛体制を整えなければなりません。

 コアの近くにある銅鉱脈に採掘ドリルを設置し、ベルトコンベアをコアまで伸ばすと、鉱石が運ばれていきます。
 コアに集められた資源は建設に使えるので、これで砲台を設置して敵の襲来に備えます。

 ただし、このゲームの砲台には弾薬となる資源が必要。
 砲台にもベルトコンベアを伸ばして、銅鉱石を運び込みましょう。
 この作品は、こうしてコンベア網を築いていくのも楽しさと言えます。

 一定時間が経過すると敵の皆さんがワラワラやってきますが…… 序盤は数が少ないので、稼働する砲台がいくつかあれば容易に撃退できるはず。
 砲台は射程に入った敵を自動で迎撃してくれます。

 Wave5(5度目の敵の襲撃前)になれば、エリアからの「発進」が可能。
 これを実行するとゲームが終わりますが、コアに集めている資源を持ち帰れ、それを技術の研究や、次のステージの初期資源として活用できます。

 Wave5を過ぎた場合、Wave10まで進まないと帰還できません。
 最初は基本のドリルと弱い砲台、単なるコンベアしかないので、さっさと帰って研究を行いましょう。

 帰還して「テックツリー」のボタンを押すと、ツリー形式の研究画面に。
 新型ドリル、防壁、ビーム砲、新機体、戦闘マシンなど、新たな技術がどんどん登場し、その数100以上!

 研究には鉛やチタンなど、銅以外の資源も必要になるので、各ステージで集めてこなければなりません。
 また、資源の”黒鉛”は”石炭”を採掘して黒鉛圧縮機に運び、加工しなければ手に入りません。
 黒鉛圧縮機を建設するための技術も必要。

 ”シリコン”という資源を得るには砂地にドリルを設置して”砂”を掘り出し、石炭と共にシリコン溶鉱炉に運ばなければなりませんが、これを稼働させるには「電力」も必要です。
 電力は発電施設で生み出されますが、石炭などの燃料が必要で、電線も繋げなくてはなりません。

 複雑そうですが、これらが一気に登場するわけではないので、段階的に学んでいくことができます。
 上位ステージをアンロックするには下位ステージで一定のWaveに到達し、さらに特定の技術を習得しなければならないので、まずは出撃と帰還を繰り返して資源を持ち帰り、技術のアンロックに勤しみましょう。

どんどん枝分かれしていくテックツリー。できることが増え続けるので、やっていて楽しいです。
研究を進めるため、新素材の採掘や加工は優先して行いましょう。
研究に使えない砂、石炭、スクラップ、液体などは、コアには入れられません。
なにが必要なのか確認しておくこと。
画面右下の書類ボタンを押し、ドラッグで範囲を指定すると、中のものをコピーや保存できます。
範囲指定後、左下に出てくるフロッピーディスクのボタンを押し、ファイル名を入力すると「設計図」として保存されますが、入力中もゲームは進行するので事前にポーズしておくこと。
設計図は左上にある書類ボタンで呼び出すことができ、簡単に再設置できるので、敵の攻撃でボロボロになっても手早く再建できます。

 ボスも登場する上位ステージで長く生き残るには、様々な加工資源を活用する必要があります。
 弾薬として使える資源は複数あり、初期の砲台も簡単に掘れる銅より、加工品である黒鉛やシリコンを使った方が強く、さらに弾薬用の加工品”ピラタイト”を使えば焼夷弾を撃つことができます。
 冷却水を供給することでリロードが速くなるという要素も。

 資源と兵器によっては爆発弾や誘導弾も撃てますが、鉱脈の有無によって使えるものは変わってきます。
 また、扱う資源が増えるとコンベアによる搬送経路が複雑化するので、配置に工夫が必要になるでしょう。
 同じステージでもプレイごとにコアや敵の出現場所が変わるため、再プレイ時に防衛場所を変えなければならないことも。

 ユニークなのは、敵も基地を築いているステージがあること。
 敵のコンベアや生産設備を攻撃し、兵器への資源供給を遮断すれば、相手の防御を弱めることができます。
 攻撃機や戦闘ロボなどを派兵しつつ、強力な自機で破壊の限りを尽くす、タワーディフェンスとは逆の展開を楽しむことができます。

飛行ボス大襲来! 対地砲では迎撃できず、地形も防壁も無視して飛んでくるので対策が必要。
ザコ戦闘機は耐久力が無いので対空砲の”スキャッター”で対処できますが、ボスクラスだと……。
弾薬もちゃんと強力なものを使わないと撃墜できません。
ビームや放電で攻撃する”ランサー”や”アーク”は弾薬が必要ないので、配置しやすくて弾切れなし、しかも多数攻撃や貫通攻撃なのでお手軽かつ強力なのですが、戦闘時には大量の電力が必要。
上位のドリルや工場、修理装置も電気が要るので、発電が中盤以降のポイントになります。
最初は石炭を使って火力発電を行いますが、発電量が少ないのでこれだけでは辛い。
画像は水力発電の一例。”機械ポンプ”で水を汲み、”培養機”で水から胞子を生成、胞子と水で発電を行える”タービン発電機”に送って電力を生み出しています。発電量は火力発電機の6倍。
施設を隣り合わせればコンベアやポンプは必要ありません。
水がない場合は”ウォーターポンプ”で代用できますが、ポンプが結構電気を使うのがネック。溶岩地帯があるなら”サーマル発電機”が手軽で高効率。
ただし発電機を動かすための電力も要るので、それは火力かソーラーで賄う必要があります。
襲撃ステージで敵の採掘施設をボコボコにしているシーン。
ここは耐えるだけではダメで、敵のコアを破壊しないと資源を持ち帰れません。
味方の戦闘ロボや攻撃ドローンは主にここで使いますが、正直、あまり頼りにならない……。
やはり自分で襲撃して、敵の防御網をある程度破壊することが必要。

 冒頭で述べたように、操作性には難があります。
 コンベアの設置操作が「しばらく長押しして、それから伸ばしたい方向にスライドする」なので、長押し時間が不十分でうまく設置できないミスが多発。
 さらに前回選択していた設備を誤って置いてしまったり、削除モードを解除し忘れていたり、画面をスクロールさせるときに余計なものが設置されてしまうといった、誤操作が起こりやすいインターフェイスになっています。
 慣れないとイライラすることもあるかもしれません。

 しかし、全方位型のタワーディフェンスにベルトコンベアによる運搬要素を加えたこの作品は、本当に開発と防衛を両方同時に楽しむことができます。
 敵の出現パターンが乏しく、ただ数が増えていくだけなので、そこがディフェンスゲームとしては難点ですが、それでも後半ステージや襲撃ステージは手強く、やり甲斐があります。

 まだ未完成感はありますが、それでも十分に面白い作品。
 アップデートも頻繁で、さらに完成度が上がっていくことを考えると、今後が楽しみになるアプリでもあります。

Mindustry

ベルトコンベア網を築く開発+タワーディフェンスのRTS

(画像はMindustry – AppStoreより)

・開発ゲーム+タワーディフェンス
・制作:AnukenDev
・Steam版620円、iOS版120円、Android版無料

文/カムライターオ

著者
『Ultima Online』や『信長の野望 Online』、『シムシティ4』など、数々のゲームのファンサイトを作成してきた。
iPhone 解説サイト『iPhone AC』を経て電ファミニコゲーマーのお世話に。
シューティングとシミュレーションが特に好き。
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