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RMT、ポケストップ勝手設置、ゲーム実況…って違法? 注目の法律家がネットで論争の話題を丁寧に回答してみた【『法のデザイン』水野祐氏インタビュー】

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Q4. 「ゲーム実況」ってダメなの?

RMT、ポケストップ勝手設置、ゲーム実況…って違法? 注目の法律家がネットで論争の話題を丁寧に回答してみた【『法のデザイン』水野祐氏インタビュー】_019

――では、まさに消費者側から巻き起こってきたムーブメントとして、次は「ゲーム実況」についてお聞きしたいです。ゲームプレイ画面をオンラインで動画配信する「ゲーム実況」は動画投稿サイトにおける一大コンテンツです。日本が世界の先を行っていたものの、表では口にするのも御法度だったのですが、いつの間にか海外のゲームメーカーが全く問題視せず、むしろプロモに繋げている状況が生まれてしまい、近年なし崩し的に表でも認める動きになっています。とはいえ、不特定多数に配信する行為は、法的にはグレーということですよね?

水野氏:
 ケースバイケースとしか言えないんですよ。

 例えばソシャゲの釣りゲームの画面について著作物性が否定された最高裁の判断がありますが、シンプルな構成のゲームなので画面であればそれ単体での利用は著作権侵害に該当しない可能性もあります。ただ、ゲームをまるごと映像で流せば、それは著作権侵害を免れないのは確実です。いわゆる「引用」の要件【※】も満たさないことが多いと思います。

※「引用」の要件
著作権法上正当な引用と認められるための要件は、主に次の7点に集約される。1.引用する資料等は既に公表されているものであること 2.「公正な慣行」に合致すること 3.報道、批評、研究などのための「正当な範囲内」であること 4.引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること 5.カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること 6.引用を行う必然性があること 7.出所の明示が必要なこと。

――映画を勝手に流すときと同じように、「公衆送信権」【※】の侵害にあたるということですよね。

※公衆送信権
著作権の一部で、著作権者が自らの著作物について、有線無線を問わずに公衆に向けて送信することをコントロールできる権利。たとえば自分の著作物ではないコンテンツをインターネット上にアップロードして、公衆に閲覧可能な状態にした場合、公衆送信権の侵害となる。

水野氏:
 その通りです。
 ただ、これはとてもおもしろい議論なので『法のデザイン』でも書いたのですが、ゲームは一部例外もありますが、著作権法上では「映画の著作物」に分類されると理解されています。著作権法にはゲームの著作物というカテゴリはなく、実は映画のルールが準用されているんです(プログラム部分については別途「プログラムの著作物」にも該当します)。

――えっ!? そうなんですか。さすがにいまだにゲーム専用の項目がないのはマズいのでは……。

水野氏:
 しかも、ゲームは映画と違ってユーザーが「操作して」楽しむものですよね。ゲームの表現はユーザーが操作して初めて完成する。特に最近はオープンワールドとか、ユーザー参加型のゲームも増えてきていますし。すると、それはゲームを「道具」としてユーザーがストーリーを作った、とも言える。そのときに、それはむしろユーザーの著作物であるのでは……とも言えてしまう。

――それこそカメラで撮影した写真は、カメラのメーカーではなくて撮影者に著作権が帰属しますよね。

水野氏:
 ゲーム実況の問題を突き詰めていくと、面白いんですよ。実は「ゲームとは、ユーザーがプレイして初めて著作物として成り立つ」のではないか――という議論は、以前から一部で提唱されていたものなのですが、今後再燃する可能性は十分にあると思いますよ。だから、本当はそんなに簡単な話ではないと思います。

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ゲームのプレイ画面を見せながら「実況」するのがゲーム実況
(画像はNintendo Switch「ARMS」実況者対抗バトル@ニコニコ超会議2017より)

 それに「ゲーム実況」は、もっと積極的にライセンスしていくことでビジネスに繋げる方向も十分に考えられますよね。ゲームソフトを売っている会社も、機器を売っている会社も、ゲーム実況が人気を博している状況を見て、使い方次第ではむしろ販売促進に繋げられる可能性を感じているみたいですしね。

Q5. eスポーツは「賭博行為」なの?

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――なるほど。では昨今、物議を醸している「eスポーツ」と法律の関係はどうでしょうか。日本でeスポーツが盛り上がりに欠けるのは、大会の運営が「賭博行為」や「景品表示法」【※】の違反に当たってしまうために、高額賞金の大会を開けず、選手が食べていけないからというのが一つありますよね。例えば2016年10月に、消費者庁の判断を受けて、スクウェア・エニックスが『ガンスリンガー ストラトス3』の賞金を最高500万円から10万円に引き下げたという話もありました。

※景品表示法
「不当景品類及び不当表示防止法」の通称。メーカー、販売、サービス業者による売上・利益の増大のための誇大広告や不正表示、過大な景品付き販売を防止する法律。公正取引委員会はこの法律に基づき、上記に違反する製品に対して排除命令を出すことができる。

水野氏:
 500万円と10万円では参加意欲もだいぶ変わってきますよねえ(笑)。まずここで焦点になるのは、そもそも「賭博罪」にあたるかどうかです。
 賭博とは「偶然の勝敗により財物や財産上の利益の得喪を争う行為」をいい、囲碁や将棋などのように、当事者の技量に差がある場合でも、偶然的要素があれば賭博にあたると解されています。

――まあ、麻雀なんかは「上手・下手」が明らかにありますが、同時に偶然の要素もありますよね。だから、博打である、と。

水野氏:
 そうですね。競技としてゲームを行う場合、当事者に技量の差があっても、どうしても偶然的要素が入ることは多いでしょう。なので、偶然性についてはeスポーツの大会でも満たされることが多いと思います。

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eスポーツ……electronic sportsの略称。対戦型ゲームを競技として扱う際の名称で、格闘ゲーム、MOBA、FPSなどジャンルは問わない。主な人気タイトルに『League of Legends』や『Overwatch』が挙げられる。1997年には初のプロフェッショナルリーグ「Championship Gaming Series」が設置された。アメリカや韓国で特に競技者人口が多く、高額な賞金のかけられた世界的な規模の大会もある。日本ではプロゲーマーの梅原大吾氏などの存在で知られる。
(Photo by Getty Images)

――そうなると、結構な数のデジタルゲームが厳しくないですか?

水野氏:
 ここは大事な話なので、少ししっかりと解説しましょう。
 実は、そもそも「賭博罪の成立」には、勝者が得る財産と敗者(競技参加者)が失う財産の関連性があることが必要です。ですから、eスポーツの大会でも「競技参加者に参加費が課されていて、かつ、その参加費から賞金が出ている」ような場合に限ってしか、賭博罪の成立可能性が出てこないはずなんです。
 特にプロゲーマーが参加するようなeスポーツの大会は、通常これにあたらないでしょう。

――つまり、そもそもeスポーツは「賭博罪」に当たらないのでは……と。まあ、勝者が獲得する賞金を、別に敗者が払ってるわけじゃないですからね。うーむ……じゃあ、「景品表示法」で問題になるという議論はどうですか?

水野氏:
 ここも結論から言うと、一概には言えない話なんですよ。
 先日、景品表示法を所轄している消費者庁が、この点について以下のような回答をしたということでネット上で話題になりました。

「ゲームメーカー自身が開催する家庭用ゲームやアーケードゲームを利用した賞金制大会では、ゲームを購入したプレイヤーが勝利する可能性が高いため、購入に対する報酬とみなされ規制対象となる」

※カジノ産業専門の研究者である木曽崇氏が消費者庁にeスポーツの賞金制大会についての判断を問い合わせ、それに対する消費者庁からの回答を公表したもの。(参考:日本においてゲーム大会が適法なeスポーツと認められるには?消費者庁に問い合わせた結果

 景品表示法は、一般消費者を保護するための法律です。その法律によって「元商品の20倍の金額もしくは10万円が賞金の上限となる」という規制になっています。しかも、これは一定の条件を満たした場合での話ですね。スクウェア・エニックスによる大会の賞金が10万円になったのも、この消費者庁の見解に拠るものだと言われています。

ちょっと難しいけど大事な話……「景品表示法」とは?

――ちょっと話が難しくなりそうですが、しっかり聞いていいでしょうか。その「一定の条件」とはなんでしょうか?

水野氏:
 法律用語でしっかりと言うと、「顧客を誘引するための手段として」かつ「事業者が自己の供給する賞品又は役務の取引に付随して」、ということです。その上で、「相手方に提供する経済上の利益」の金額を「元商品の20倍の金額もしくは10万円が賞金の上限となる」ということですね。

――ちょっと難しいのですが……(笑)、つまり商品のPRのためなら、お客さんにお金をあげていいけど、それも「10万円以内」か「価格の20倍」までってことですかね。となると、日本の法律では10万円程度の賞金でしか大会は開けませんね……。ただ、「事業者が自己の供給する賞品又は役務の取引に付随して」とは、どういうことでしょうか。

水野氏:
 消費者庁の見解では、「付随して」とは「商品の購入により経済上の利益の提供を受けることが可能または容易になる場合」が含まれるとされています。

――つまり、景品表示法が対象としているのは、「お菓子に付いてくるおまけのおもちゃ」とか「パック旅行についてくるお土産」のようなものなんですね。それはやはりeスポーツの賞金とは違う性質のもののような気がしますね。

水野氏:
 ですが、これはあくまでも消費者庁の見解です。実のところ、裁判所まで行ったら、彼らは別の解釈を示す可能性があります。
 また、プロゲーマーが参加する大規模なeスポーツの大会って、大会の開催自体は賞金獲得目的というより、ゲームという競技を鑑賞して盛り上がるためのものでしょう? すると、「付随性」は直接的ではなく、間接的だと思います。

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 なので、私はeスポーツの大会での商品や賞金が、景品表示法上の「付随性」を満たすかについては、各々の場面で判断せざるを得ないと考えています。そもそも競技の参加者と鑑賞者を区別して検討されるべきですし、プロゲーマーによる大規模な大会と、アマチュアゲーマーが自分のアイテムを強化して臨むくらいの小規模な大会でも、話は違ってくるでしょう。

――まさに、一概に「eスポーツはこういう見解のもとで開催しなさい」とは言えない、と。そう聞くと、消費者庁の見解は素人目にも「雑だなー」と思えてしまいます。

水野氏:
 そもそも、景品表示法は、私たちが自分でしっかりと判断して、ヘンな形で損をせずに消費活動をするためのものです。法的には、「一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止」を目的とする……という言い方になるのですが。でも、eスポーツの大会の勝者に賞金を出すことがこういう選択を阻むものでしょうか。

 個人的には、消費者庁の回答は「付随性」の捉え方が、あまりにも硬直的で、法律の趣旨から離れてしまっているように感じます。でも、そもそもゲームメーカーや販売者以外の第三者が賞金を提供する場合は、事実上当該メーカーなどから賞金が拠出されているとみなされない限り、景品表示法の規制対象にはなりませんけどね。

――え、そういう話なんですか……じゃあ、どこかの富豪が勝手に大会を開いたりする分には、むしろ「景品表示法」の問題はないんですか(笑)。こういう話は、しっかりと聞く機会がないので、勉強になります。それにしても、そもそも海外では、eスポーツは賭博ではなく、テニスや水泳の国際大会と同じようなスポーツの大会として認められているので、どうしたらいいのか……と思いますね。

水野氏:
 日本でも目立つプレイヤーは出始めましたが、ゲームがスポーツだという文化や認識が薄いと思います。日本のゲーム会社も上記のような法律の議論に尻込みしているのかもしれません。

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eスポーツの大会の様子。会場には多くのファンが集まっている
(Photo by Getty Images)

 RMTの話と違って、eスポーツの話は一般の人も「え、eスポーツが賭博なの?」という感覚を持つものだと思います。そこで考えられるのは、業界団体や一般市民が動いて世論形成をして、法のほうを柔軟に変えていける可能性です。

法律を「デザイン」する

――まさに、今日は最後にそこの話を聞きたいと思うんです。
 ここまでずっと、法律というのが、理系の学問で探求するような「自然法則」みたいな不変の真理ではなくて、私たちが「社会を円滑に運営していくためのルール」でしかないという視点でお話を聞いてきたように思うんです。でも、じゃあどういうアクションを取れば、「法をデザインする」行為に参加できるのでしょうか。

水野氏:
 さまざまな方法があると思いますが、eスポーツを例に挙げて言えば、「業界団体を組成して、健全なeスポーツの大会を開催するためのルールを作って、ロビイング【※】をしていく」のが、よくある手法です。
 まず関連企業や団体などで業界団体を作り、一般消費者を誤導しないようなルールや基準を作って、自分たちでガイドライン化する。eスポーツ勉強会みたいなものを、国と業界団体の間で立ち上げて、各国の制度を洗い出してみるというのも、よく行われる手法です。

※ロビイング
ロビー活動。もともとは各種団体や陳情団が政策決定に影響を与えようとする活動を指す言葉だが、政治以外の分野で使われることも。

――なるほど。

水野氏:
 かつては日本の「お家芸」だったゲームの大会化は、経済的にも文化的にも日本のウリになる可能性を秘めているので、こういったビジョンを上手に作ってプレゼンテーションするとよいでしょう。

 重要なことは、そのようなビジョンだけではなく、さきほどお話しした賭博や景品表示法上の法律的なロジックもしっかり法律家に組み立てさせておくことです。ビジョンと法律的なロジックの二輪をしっかり走らせろとクライアントには最近良くアドバイスしています。

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グレーゾン解消制度……企業が新事業を始める場合に、なんらかの規制に該当するかどうかを事前に確認できる制度。
(画像は経済産業省HPより)

 私だったら、経産省の「グレーゾーン解消制度」「レギュラトリー・サンドボックス」という、「適度な規制で自由度の高い実験場を作り、イノベーションを促進する」という考え方も活用するかもしれません。政府だって、日本を元気にする起爆剤となるアイデアを求めてるんです。
 景品表示法上の取り扱いにグレーな部分があるとしても、日本社会にとって必要なことで、かつ、現行法上の解釈にもある程度道筋をつけてあげれば、政府の方も柔軟に対応してくれることも昨今、実は少なくありません。法律を変えるとなるとそれなりに大事ですが、解釈や運用を変更するということだって、立派なルールメイキングの手法なんですよ。

――その話って、要は「自分たちの要求」を通すために正当な手法を用いさえすれば、ちゃんとルールとして認められるんだぜ! という話ですが、ぶっちゃけ日本人はその手の発想そのものが苦手そうなのが、なかなか……。結局、私たちは「法律をデザインする」という発想そのものに、馴染みが薄いのではないでしょうか。

水野氏:
 「法律」とは何のためにあるのか、ということです。社会契約論のロジックからすれば、法律とは国家と私たち一般市民との間の契約であり、私たちが普段交わしている契約の集積なんです。

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ローレンス・レッシグ……1961年生まれの法学者。専門は憲法学及びサイバー法学。ハーバード大学及びシカゴ大学ロースクールの教授を歴任し、現在はスタンフォード大学ロースクールの教授を務めている。また、クリエイティブ・コモンズの創始者で、理事を務める。
(Photo by Getty Images)

 例えば、新しい技術や社会現象やサービスが出てきて、何か問題が出てくると、すぐに日本では規制の必要性が議論されます。
 ローレンス・レッシグは、「その技術の活用方法が見えない段階で規制をするなら、可能な限り規制は弱い方がいい」という話をしています。実際問題、早々に議論をし過ぎると、人間って委縮してしまい、要らぬ規制をかけてしまいだすんですよ。

――一見、「議論を尽くそう」というといい話に聞こえるんですけどね。実際にはよくわかってない人間同士で話していると、人間って単にネガティブ要素ばかり気になってきて、「不安だから止めよう」になるんですよね。会社の、ダメな上司の意思決定とか、企画会議とかが典型ですけど(笑)。

水野氏:
 とはいえ、じゃあ規制が全くない方がいいわけじゃないですね。『法のデザイン』でも書きましたが、適度な規制は、資本を呼び込んだりその業界が活性化する契機になったりするんです。

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(Photo by Getty Images)

 昨今で上手くいった例としては、ドローンが挙げられるでしょう。色んな規制を作ったことで、参入する企業が続々と増えてきています。仮想通貨に関する資金決済法の改正もそうなるかもしれません。

――結局、そういう事例をもっと私たちが知っていくべきなのでしょうね。

水野氏:
 でも、ネットの世論が可視化されて法律に結びつくことが、少しずつ増えています。
 風営法でナイトクラブが摘発されたことを契機に風営法の改正につなげたり、条例レベルですが、渋谷区で同性カップルを公的にパートナーとして認める制度を始めたりとか、そういう時代に確実になってきています。機運が変わってきているのではないでしょうか。

――今日はありがとうございました。ゲームと法の話を聞きに来たのに、大変に勉強になりました。

水野氏:
 私も法律家として、ゲームは学ぶことが多いジャンルだと思います。

 最近、学生や若手の弁護士と話していると「知的財産権の専門家になりたいです」とか「労働法の専門家になりたいです」という話を聞きます。でも、「◯◯法」とか「◯◯権」と付いている時点で、残念ながら、その分野は学問のフロンティアではないですね。「◯◯権」と呼ばれる時点で、遅いと言われている法学の研究がすでに追いついてしまっているわけです。
 そういう意味で、例えば「ポケストップを付けられた」みたいな話は、まさに今後何らかの「◯◯権」と称される権利になりうるものだと思います。それに、ゲーム内のアーキテクチャやユーザーが自主的に作ってきたコミュニティでのルール形成大会なども、いろいろと研究される価値があるでしょう。
 今後、現実世界とゲームの境界はますます曖昧になっていくのは確実で、私もその辺りは興味を持って追いかけていきたいと思います。(了)

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電ファミニコゲーマー編集部員。映画を観るのとアナログゲームをするのが好き。
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インタビュアー・著者
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