考察6. ロールプレイングゲーム
写真は『ドラクエIII』【※1】です。敵が出現! どうしよう……。
で、敵をよく見てみて……。
この敵は炎に弱そう、と当たりをつける。
“攻撃属性”を考えてみましょう。
たとえば、直接攻撃、炎の魔法、電撃の魔法があったとします。
これで攻撃をするわけですが……。
敵に攻撃耐性などがなく、すべてにおいて平均だった場合。
もしも飛び方や攻撃範囲が全く同じなら、なんの「かけひき」も生まれません。
直接攻撃でも、炎の魔法でも、雷の魔法でも、お好みでどうぞということになります。
実際、こんなゲームも少なくないです。
ただ、魔法はMP(マジックパワー)を消費する分、攻撃力なり範囲で少し優遇しておきます。
使用する時にすでに対価を払っているのだから、リスクに対する変化を最初から持たせておくということです。
で、敵が「炎に弱く」「電撃に強い」状態ならどうするか?
さっきの敵はそのように見えました。枯れた体でよく燃えそうだし、土の属性で通電には強そうだという。
で、それにちなんだ属性を元気に設定します。
対処を考え、頭を使えば使った分、パーティがより強い敵と戦えるわけです。
このあたりを理解してバランスを取れば、単純に「炎の魔法がある」「電撃の魔法がある」と、既存のゲームを模倣したゲームバランスから、脱皮できるのです。
これは非常に単純でわかりやすい例でしたが、MPを消費するのとしないのとではどちらが得か?
MPを攻撃にするのか回復にするのか?
などの、パーティ内での多彩な組み合わせにより、「かけひき」がエスカレートしていくわけです。
で、そのあたりの「かけひき」をより極端にしたものが、『ポケモン』【※2】です。
属性の「かけひき」は、非常に多種多様、複雑になっています。
が、柔軟な子どもは、「虫は火で焼いてしまえ!」とか、かえって大人よりも直感的に楽しめたりすることもあります。
ここでのポイント。
同じパーティ構成、同じ戦力でも、「かけひき」次第で大きな成果を得られる戦略性をもって、ゲームをスリリングにしましょう!
モンスターデザインも、ゲーム性と切り離せるものではありません。
見た目から弱点をハッキリさせて、そこをうまく突いたら、たくさんのリターンを与えてやりましょう!
先に進む困難とメリット
ロールプレイングの場合。
『ドラクエ』では、橋を渡るたびに強い敵が出てくるという……。
強敵をかろうじて退けていると、絶妙すぎる位置に町があったりします。
継戦力はほとんど尽きた。前の町にパッと戻ってしまうのか、それとも無理してでも先に進むべきなのか?
そこには「リスクとリターン」がきちんと存在する、というわけです。
ここでのポイント。
危険を冒すプレイには、リターンをタイミングよくはさむことで、バランスを取る!
単純なことに感じるけど、そうすることで単なる岩肌や平原、未開の地に意味が出てくることもあります。
また、RPGにおける経験値稼ぎは、リスクを自然にコントロールできる役割を持っています。
手強い場合は稼げばいい、という安心感は、プレイ意欲につながります。
オーソドックスなRPGだけではなく、オンラインRPGなどでも、ギリギリの相手から強力なリターンを得るようにしており、そこが面白みにつながることは言うまでもありませんね。
自分の戦力だけではなく、相手の戦力やパーティのバランスなどが重要で、仲間の役に立つことによってより深みや中毒性を生んでいます。
ついでにもう1つ、リターンだけを使ったテクニックをお話ししておきます。
これは、PC版の初代『イース』【※4】ですが、赤い矢印の部分に注目。
メイン画面を小さくして描画負荷を軽減するために入ったのだろうと思いますが、ゲームウィンドウが小さいですね。
で、レベルアップするための経験値と、現在の経験値が常に表示されています。
これを私は、“馬の前にぶらさげたにんじん”と呼んでいます。
リターンを常に明示すること。現在得たものと目標を常に見えるところに置くこと。
昨今のUI(ユーザーインターフェイス)表示を簡略化しようという流れには逆らいますが、これはリターンを強調するのに効果が高いので、検討すべき課題です。
考察7. 戦略シミュレーションゲーム
これは、『ファイアーエムブレム』【※5】の一画面。
赤は敵軍。青は自軍です。
赤い敵は、戦力で自軍を上回っていたとしても、なぜか青の自軍が完全勝利してしまいます。それは何故か。
ユニットの特徴を活用し、勝てない戦を勝利に導く!
これが戦略シミュレーションゲームに発生する「ゲーム性」です。
たとえば……。
ペガサスナイトがおりました。
これは鳥のようなもので、弓矢に当たると3倍のダメージを受けてしまいます。
だからアーチャーが出てくると、すごく弱い。
そしてそのアーチャーは、接近戦ができないという特徴があります。
だから剣士が出てくると、一方的にやられてしまう。
だけど剣士は、高い防御力を持つ相手が苦手です。
鋼鉄の鎧に身を包んだアーマーナイトは、直接攻撃ではまさに鉄壁。
しかし、筋肉を鍛えてばっかりで、ぶっちゃけ頭が悪いのか……。
魔法がよく効きます。魔導師には一方的にやられてしまうのです。
バカでもいいじゃん、戦士だから。
だけど、最初に出たペガサスナイトが、実は魔法にかなり耐性があり、魔導師をあっさりやっつけられる…という。
まったく同じ戦力が、ぶつけかた次第で大勝と大敗を分ける!
これが戦略です。
先ほどのような5タイプのキャラクターが、敵軍、自軍に1体ずついたとしましょう。
これを戦略もなしに、ただぶつけ合えば、リスクもリターンも同じ。つまりかけひきも生じない。
しかし、敵の弱点を突けるようにずらしてぶつけるのとでは、結果はぜんぜん違うわけですね。
これが上手い攻略であり、上手いゲーム性のつけかたです。
属性のあるゲームだけでなく、将棋やチェスなども、移動特性の組み合わせによって差異が出ます。
ここでのポイント。
ユニットや駒のぶつけかたに、戦略が発生するバリエーションを持たせ、ゲームの幅を広げましょう!
また、ビデオゲームなので、リセットすることは自由です。
もちろん何回もやり直せたほうが有利ですが、これは悪いことではありません。
リセットや“やりなおし”も視野に入れたゲームデザインをしましょう!
考察8. カードゲーム
ここまで説明すれば、もうおわかりだと思います。
『マジック:ザ・ギャザリング』【※7】、『ポケモンカード』【※8】 、『カルドセプト』【※9】……と多く存在するカードゲームは、コストや特性によって、いろいろな「リスクとリターン」を生み出しているのです。
この話を今日受けたからには、観点を変えてカードゲームを見てやってください。
カードを使ったゲームにも善し悪しありますが、何が面白く、何が面白くないのか見えてくるのではないかと思います。
単純に武力をぶつけ合うより、奇策的なカードがあったほうがよいですね。
ここでのポイント。
「リスクとリターン」をよく考えれば、各カードの役割が見えてくる!
多くの場合、カードは意図があって組まれています。自分の払うリスクに対して、最良のリターンを得るように遊びましょう。
適度な“運”は上手に使えば、ワンパターンな遊びを防げる!
カードゲームなどにダイスはよく使われますが、ワンパターンを防ぐには有効です。公平でないということではないのです。
考察9. 「悪魔の釜」システム
それと、ゲームジャンルではありませんが、ついでに。
「悪魔の釜」システムについてもお話ししておこうと思います。
「悪魔の釜」というのは、『新・光神話パルテナの鏡』【※10】に入れた、リスクコントロールのためのシステムです。
ハート、つまりお金をつぎ込むと難易度が高くなるけど、拾える神器の質がよくなり、攻略に役立てられます。
ゲームオーバーになると、釜の中身をこぼしてハートを失うため、自動的に難易度が下がるという難易度調整システムを兼ねています。
発想としては、自分の腕前と戦力に賭けをする遊びです。ゲームをハードにしすぎる欠点もありますが、非常に理にかなったリスクシステムだと思います。
が、これは、あくまで“強い神器を得ることがステージクリアに役立つために成立しているシステム”なのです。
『スマブラ for 3DS / Wii U』【※11】に入れた「戦士の天秤」という、ほぼ同じシステムがありますが、「悪魔の釜」ほど重要に感じません。
それは、パワーアップアイテムの仕様と取得バランスのためです。
『スマブラ for〜』におけるパワーアップは、3つのアイテムを装備する形でした。
これは直接的な攻撃手段までは変えないし、このゲームの他にも取得条件がいっぱいありました。
ゲームのそれぞれで、仕様やバランスを適切に変える必要はあるのです。
もちろんそれでよいと思ってそうしているのですが、単純な模倣を疑ってみるのはよいことだと思います。
「かけひき」と「リスクとリターン」こそがゲームの本質
……と、いろいろな例を挙げてきましたが、「かけひき」、「リスクとリターン」や「攻略」はゲームの本質そのもの。
今まで雲をつかむようなものだった非常に多くのゲームの「面白さ」の芯をしっかりつかむことができます。
ゲーム作りの核、“リスク”と“リターン”を使いこなしましょう!
ただ、ちょっと注意しておきたいところもあります。
私が昔、この講演をいくばくかのところで展開し、「リスクとリターン」の話がさまざまな人に伝わった頃。
とある大手で起こった話を聞きました。
比較的若い企画スタッフが、作っているものに対して「そこにリスクとリターンはあるんですか!」などと言ってしまうという。
私はこういった現象を……。
勝手に「リスクとリターン症候群」と呼んでいます。
「リスクとリターン」と言っても、ゲームの面白さのすべてを内包しているわけではありません。
それぞれのゲームには狙いがあるわけで、みんなゲームらしければいいというものでもありませんね。
また、強引に結びつけないよう、注意してください。
今日お話をしたことは、ゲームの面白さをすべて内包しているわけではありません!
ゲームは、そんなに浅いものではないのです!
考察10.「ゲーム性」以外の楽しみ
で、これから8つほど、代表的な例外を挙げます。
「ゲーム性」や「かけひき」以外の面白さを持つゲームのジャンルについて。
ビデオゲームは、操作をしているだけでも楽しいと思わせることができます。
モニターの中という、自然の法則から解き放たれた空間は、現実世界に生きる我々にとって、実に不思議かつ魅力的なものです。
操作をするだけで楽しいと思わせるには、作り手から見てみれば適切な仕様や、敏感に操作感をくみ取り調整する技術が必要です。
一番最初に、操作だけを楽しむのはゲーム性があるのかないのか? という問題点を投げかけましたが、つまり、“ゲーム性はないけれど楽しさはある”という結論になります。
『カービィ』の項目で語りきれなかったところも、ここです。ラジコンなども、操作感で楽しくさせる媒体ですね。
このジャンルのゲームは、「かけひき」などよりもストーリーを読み進めることによる面白さが先立ちます。
小説や映画などの延長線上ですが、だからと言ってお話さえ面白ければゲームが成り立つわけでもありません。
小説などと異なる表現方法、コンピューターを活かしたシステム。それを活用したシナリオ作りをすることが、ゲームとしてのお話の妙、面白さを生みます。
ちなみに写真の例は『かまいたちの夜』【※13】ですが、『逆転裁判』【※14】あたりになると、「かけひき」色が強くなっていきます。
ゼロかイチかしかないわけではなく、非常に曖昧な境界線を持つ場合もあります。
このジャンルのものは、「映画」「おもちゃ」「カード」など、その作品のファンのために向けた商品群として見るのが良いと思います。
なので一般的には、ゲームが本当に面白いか、面白くないかそのものより、その作品世界でしっかり楽しませることができるかどうかの方が重要視されます。
逆に言えば、その作品のファンでもない人が評論するのは、あまり意味がありません。
このジャンルにおいてゲーム性だけを語るのは、野暮です。
また、原作がどうであれ、それがゲーム的に面白ければ、それがユーザーに認められ、原作ファン以外も巻き込むという現象も、よく見受けられます。
たとえば『女神転生』【※16】などは、もう原作小説があることを知っている人の方が少数派でしょうね。
ここで言う映像は、ムービーなども含めます。
映像やストーリーに“ゲーム性”は発生しない、ということはおわかりだと思います。
しかし、ゲーム性以外の重要なエッセンスにはなっています。
まず、映像でキャラクターや世界を見せることで、ユーザーがよりイメージを深めることができ、ゲーム画面の体感度を高めることができます。
また、ムービーを含めてお話が面白ければ、先が見たくなりますから、ゲームを進める欲求をかき立てることができます。
演出でこれを満たすことができるのであれば、結果的にゲームはもっともっと面白くなります。
本物のスポーツ自体が、なんらかの「かけひき」が元々あるものなので、それをコンピューター上で体現した時点で、すでになんらかのゲーム性は兼ね備えているものです。
これは、レースゲームで話したこととよく似ています。
また、スポーツ観戦は、応援するチームがあってこそ成り立ちます。
実在のチーム、実在の選手で構成されたゲームは、それだけで楽しくなるものですが、ゲームは操作するチームが明らかになっているので、その試合展開に入れ込み、一喜一憂できます。
次も少し関連することです。
実在の世界をゲームでそっくりに表現することを目指しても、やはり表現上、限界があります。
そしてその違和感が、また面白みを生むことも多いです。
疑似世界でごっこ遊びを楽しむ。ありえないことをして遊ぶ。これも、ゲーム性以外の非常に楽しい要素です。
上に電車のゲームを表示していますが、たとえば駅に着いた時、扉が開く「ガラガラガラ」という音を出すと、プログラムから見れば効果音を1つ呼んだだけなのに、プレイヤーはあたかも扉が開いたかのような、モニター外の世界を感じることができます。
これは現実に近づけることにより情報量が増したという例です。
エディット系とかクラフト系は、工作するだけでもゲーム性と関係なく楽しむことができます。
が、その仕様の中に、高所から落ちたら死んでしまうとか、敵から防衛するために工作するとか、素材を得るために危険を冒すなど、「リスクとリターン」をからめると飛躍的に面白くなる可能性があります。
なお、前出の実在モチーフの再現と通ずるところもあります。
これを併せた例は、『マインクラフト』【※20】よりも、『どうぶつの森』【※21】の家具などが身近で顕著かもしれませんね。
リズムに合わせて音を鳴らす、という楽しみは、ゲーム性を問う前に、もっともっと原始的な喜びに基づくものです。
人間は、純粋にそれを楽しめるようにできています。
それと、このジャンルは、何度も聴いて馴染んだ曲であればあるほど楽しめることと思います。
曲を覚えることを前提として、それに合わせてリズムを刻むことは、やっぱり楽しいのですよね。
ただ、作りによっては「かけひき」も生まれるし、「リスクとリターン」を取り入れることも可能です。
『ビートマニア』【※23】シリーズなどがそうなっていますが、最高によいパーフェクトのタイミングから少し遅れると失敗。
これをパーフェクトから離れるほどグッド、バッドなどになるようなやわらかいシステムにすると、少しつまらなくなるはずです。
8つの例は、以上です。
総括:ビデオゲームとはどのような遊びなのか?
ゲームデザインの理論ではかなり有名なので、知っている方も多いかもしれませんが、『遊びと人間』【※24】という本があります。
フランスの哲学者、ロジェ・カイヨワが1958年に書いた著書。
その中で、人間が持つ遊びの要素を4つに分類しています。
1. アゴン=競争:対戦や勝負事、受験やテーブルゲームなど
2. アレア=偶然:ギャンブル、じゃんけん、ダイスで振って決めるのものなど
3. ミミクリ=模倣:ごっこ遊びや、演劇、テーブルトークロールプレイングゲームなど
4. イリンクス=めまい:ブランコやジェットコースターなど、感覚に訴えるもの
これらにパイディアとルドゥスという別の軸が加わります。ひと言で言えば「自由と規則」。
で、「かけひき」の考え方というのは、他にいくばくかのつながりはあれど、とてもアゴン的であると言えます。若干アレア的。
しかし、ゲームの要素にはこれらすべてが内包されているというのは解りますよね。
「リスクとリターン」で、ゲームが持つ面白さの多くを理論的に、多方面で解釈することが可能であることは判っていただけたのではないかと思います。
一方で、総合的な娯楽としてのゲームはまだまだ謎が深く、手法も方法論も、またその面白さも可能性も、多岐にわたると思います。
しかし! 冷静に市場に出ているゲームを見つめてみれば、言ってしまえば既存のジャンルやルールを強化したものが大半です。
ゲームは面白くなければ意味がありませんから、私は他のゲームと全く違うルールを持つことばかりが価値だとは思いません。
ゲーム自体もっともっと可能性があるはずです。
色々な手だてを使って、今後もより新しく面白いゲームができていけばよいなあ、と考えております。
しかし、ゲーム性を高めていくと…?
ところが、今までの話をみんな覆しかねないことを言ってしまいますが……。
私自身、確信を持って考えていることがあります。
それは……。
ゲーム性を高めると、一般性が下がるということ。
かつての対戦格闘ゲームは、マニアックな仕様でお客さんを減らしました。
より「かけひき」が深いものにしようとすると、ついていけないお客さんが出てきます。
ゲームをより広めたいなら、よりアバウトにしていくことも考えたほうがよいです。
『カービィ』も『スマブラ』もそうしています。ゲーム性が高いことが必ずしも正義ではないのですね。
ただ、一般的なゲームになるほど、ゲームの評価なども無茶苦茶になる傾向も感じていますが……。同じように、一般性を求めるだけが正しいのではないとも思っています。
昔と今とでは、考えることもいろいろ変わりますが、ゲームを作る、あるいは作ろうとする皆さま、一緒にがんばっていきましょう。
最後に。
いついかなる時にも、ゲームの作り手ならば、ゲームを遊んでくれるユーザーを最優先に考えてください!
開発がつらくても、楽しんでもらうためにがんばりましょう。
それで多くのユーザーが楽しめるのであれば、安いものです。
今回の話が、さまざまな判断に役立つことを祈りたいと思います。
以上、ゲームを作る方々には、皆さんが作るゲームを遊べるのを楽しみにしています。
ありがとうございました。(了)
※1 ドラクエIII
正式タイトルは『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』。1988年にエニックス(当時)より発売されたファミリーコンピュータ用RPG。エンディングの衝撃的な展開などが相まって爆発的な人気を誇った。
※2 ポケモン
ゲームフリークが開発し、任天堂から1996年に発売された『ポケットモンスター 赤・緑』に端を発する大人気シリーズ。第1作目から151匹という多数の個性豊かなモンスター(ポケモン)が登場し、それらを捕まえ、育て、戦わせるという基本システムをもつ。
※3 ファイナルファンタジーXIV
2013年8月にサービスインしたMMORPG。『FF』シリーズのオンラインタイトルとしては、『FFXI』に続いて2作目となる。プレイヤーは「光の戦士」となり、エオルゼアと呼ばれる世界の各地を冒険することができる。戦闘以外にも様々なコンテンツが用意されているのが特徴で、釣りや部屋作り、ファッションなども楽しめる。『FFXIV』では3~4ヶ月ごとに大型パッチを配信。さらに2年に一度のペースで拡張パッケージがリリースされており、2017年6月に4.0『紅蓮のリベレーター』がリリースされた。
※4 イース
日本ファルコムが手がけるアクションRPGシリーズ。第1作目の『イース』は1987年にPC-8801向けにリリースされた。当時まだメジャーではなかったアクションRPGの人気を一気に押し上げ、後のアクションRPGブームの先駆けとなった。
※5 ファイアーエムブレム
インテリジェントシステムズが開発し、任天堂が発売しているシミュレーションRPGシリーズ。略称は「FE」。第1作目の『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』は1990年にファミコン用ソフトとして発売された。シミュレーションRPGというジャンルとその人気を確立した作品で、現在も続編が制作されている。
※6 カルドセプト リボルト
2016年に大宮ソフトとジャムズワークスが開発し、ニンテンドー3DS用に発売した「カルドセプト」シリーズのうちの一作。ジャンルはボードゲーム+トレーディングカードゲーム。ダイスを振って止まったマスに、カードからモンスター(クリーチャー)を召喚・占領しながら、資産を目標額以上に増やしてスタート地点に戻ることが目的。相手からもクリーチャーを出され、戦闘で領地を奪われることもある。必勝法は存在せず、多様な戦略を生むゲームシステムはコアなファンを生み出し続けている。
※7 マジック:ザ・ギャザリング
Wizards of the Coast社が1993年に発売したトレーディングカードゲーム(TCG)。世界的にもっともプレイヤーの多いTCGであり、基本セットが1年に1度程度、エキスパンションが年に数回のペースで販売され続けている。世界中で絶えず認定トーナメントが催されている。
※8 ポケモンカード
正式名称は『ポケモンカードゲーム』。開発元は株式会社クリーチャーズ、発売元は株式会社ポケモン。「ポケットモンスター」シリーズを題材としたトレーディングカードゲーム(TCG)。国産では初の本格的TCGであり、のちのTCGブームの火付け役になったと言われる。
※9 カルドセプト
大宮ソフトが開発、セガから1997年に発売されたセガサターン用ゲームソフトおよび、そこから続くシリーズ名。ジャンルはボードゲーム+トレーディングカードゲーム。ダイスを振って止まったマスに、カードからモンスター(クリーチャー)を召喚して占領させる。占領したマスに他のプレイヤーが止まったときには通行料を得ることができるが、相手からもクリーチャーを出され、戦闘で領地を奪われることもある。資産を目標額以上に増やしてスタート地点に戻ることが目的である。必勝法は存在せず、多様な戦略を生むゲームシステムはコアなファンを生み出し続けている。
※10 新・光神話 パルテナの鏡
プロジェクトソラによる、2012年に発売されたニンテンドー3DS専用アクションシューティングゲーム。1986年に発売されたディスクシステム用ゲーム『光神話 パルテナの鏡』の続編。ディレクション、シナリオを桜井政博氏が担当し、当時敷居が高いジャンルであったアクションシューティングの新たなスタンダードを目指して製作された。
※11 スマブラ for 3DS / Wii U
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』。2014年発売の「スマブラ」シリーズ4作目と5作目。ニンテンドー3DSとWii Uの2ハードで同時に発売された。
※12 ARKANOID RETURNS
1997年にタイトーが開発したブロック崩しゲーム「アルカノイド」シリーズのうちの一作。アーケードゲームとしてリリースされたが、同年8月にPlayStationに移植された。「アルカノイド」シリーズの特徴として、パワーアップアイテムと敵キャラをもち、シンプルな操作はそのままに、爽快感と中毒性をもったゲームであることが挙げられる。1986年に発売された第一作目『アルカノイド』は、第二次ブロック崩しブームのきっかけとなった。
※13 かまいたちの夜
1994年にチュンソフトより、スーパーファミコン用として発売されたサウンドノベル第2弾。密室となった雪山のペンションで展開される殺人事件の謎を解く。我孫子武丸氏が外部スタッフとしてシナリオを担当。第1弾の『弟切草』(チュンソフト・1992)が基本的にホラーテイストのノベルであったのに対し、本作では作家の我孫子武丸氏の手によって本格的なミステリー要素が導入され、これが人気を博し大ヒットを収めた。リメイクや移植も数多くなされ、2017年には『かまいたちの夜 輪廻彩声』(MAGES.) がPlayStation Vita用ソフトとして発売されている。
※14 逆転裁判
2001年に発売された、カプコンが手がける法廷バトルアドベンチャーゲームおよび、そこから続くシリーズ名。プレイヤーは弁護士となって、無実の罪を着せられた被告人の無罪判決を勝ち取ることを目的とする。探偵パートで証拠を集め、法廷パートで証人の矛盾に鋭く「異議あり!」と食い込んでいくテンポの良いゲームシステムが人気。国内外におけるシリーズ累計販売本数は660万本(2017年9月30日現在)と大ヒットを記録している。
※15 ミラクルちゅーんず! ゲームでチューンアップ!だプン!
2017年にフリューよりニンテンドー3DS向けに発売された、アイドル戦士体験アドベンチャーゲーム。テレビ東京系日曜10時30分・BSジャパン火曜17時から放送中(2017年11月現在)の特撮テレビシリーズ「アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!」を初のゲーム化した作品。プレイヤーはアイドル戦士「ミラクルちゅーんず!」の一員となって、アイドル活動を行う。
※16 女神転生
1986年に発表された西谷史による小説『デジタル・デビル・ストーリー』の第1作目、およびそれを原作としたゲームシリーズ名。『女神転生』ゲームシリーズの第1作目は、アトラスが開発しナムコ(当時)が1987年に発売したファミコン用ソフト『デジタル・デビル物語 女神転生』である。実在する世界中の宗教の神が悪魔として登場することでも有名。
※17 ファイナルファンタジーX
2001年にスクウェア(当時)が発売したRPG。「FINAL FANTASY」ナンバリングタイトルのうちの一つで、日本国内ではPlayStation 2向けに発売された。東洋的モチーフを世界観に取り込んでいることが特徴。
※18 ウイニングイレブン 2018
2017年にKONAMIが発売したサッカーゲーム「ウイニングイレブン」シリーズ最新作。プレイヤーは選手や監督の獲得を行い、理想のクラブチーム作りを楽しめる。徹底的な現地取材によるリアルデータを元に実在の選手やクラブチーム、スタジアムを再現しており、サッカーファンを中心に人気を博している。
※19 電車でGO! 新幹線EX 山陽新幹線編
2007年にタイトー(当時)がWii用に発売した、鉄道(電車)運転シミュレーションゲーム「電車でGO!」シリーズのうちの一作。実際に存在する路線の電車を運転し、時刻表通りに運行することと、指定された停車位置に正確に停めることを目的とする。
※20 Minecraf
マルクス・ペルソン(Notch)が開発し、2009年に公開されたサンドボックスゲーム。様々な種類の立方体のブロックで構成された世界で、ブロックを配置して自由な形のものを作り上げるゲーム。
※21 どうぶつの森
2001年に発売された、任天堂開発・販売のコミュニケーションゲームおよび、そこから続くシリーズ。どうぶつたちが暮らす村にプレイヤーが引っ越してきて、住民たちとの交流を通して四季の中でスローライフを送ることができる。虫や魚の収集や、家具を配置して素敵な家を作る、はたまたカブ売買でお金稼ぎなど、多彩なプレイスタイルで楽しむことができる。
※22 太鼓の達人 セッションでドドンがドン!
2017年にバンダイナムコエンターテインメントからPlayStation 4専用ソフトとして発売された、「太鼓の達人」シリーズの一作。太鼓型の専用コントローラーを、バチで音楽に合わせて叩くという直観的なゲームプレイが特徴。
※23 ビートマニア
KONAMIが1997年に稼働したアーケードゲームおよび、そこからさまざまなプラットフォームで続くシリーズを指す。上から落ちてくるノートが画面下の線と重なったときに対応するボタンを押し、そのタイミングの正確さに応じて得点が得られる。1998年以降の音楽ゲームブームの礎となった。
※24 遊びと人間
フランスの社会学者ロジェ・カイヨワによる1958年の著作。前述したホイジンガの『ホモ・ルーデンス』の影響を受け、「遊び」を定義し、その分析を起点に文化全体を考察する名著。「遊び」について、競争(agon)、偶然(alea)、模擬(mimicry)、めまい(ilinx)という有名な4分類をしている。記事で使用した書影は、1970年に岩波書店から刊行されたもの。
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