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本棚に並ぶのは『寄生獣』、『人魚の森』……。新作ホラー『野狗子: Slitterhead』を発表したBokeh Game Studioのオフィスはバーカウンターのある素敵空間だった

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本棚に並ぶのは『寄生獣』、『人魚の森』……。新作ホラー『野狗子: Slitterhead』を発表したBokeh Game Studioのオフィスはバーカウンターのある素敵空間だった_001

 The Game Awards 2021(以下、TGA)にて発表された、新作ホラーアクションアドベンチャー『野狗子(やくし): Slitterhead』

 『野狗子: Slitterhead』の開発を手がけるのは、Bokeh Game Studio『SIREN』シリーズや『GRAVITY DAZE』シリーズのディレクターとして知られる元SIE外山圭一郎氏と、氏と長年ゲームを作り上げてきた佐藤一信氏、大倉純也氏が中心となって設立されたゲームスタジオだ。

 2021年8月13日に設立され、わずか1年でTGAにて新作ティザートレーラーが発表されたわけだが、キャラクターデザインは吉川達哉氏、楽曲は山岡晃氏が担当するなど、各所で話題となっている。

 実際、弊誌のTGA記事の中でも『野狗子: Slitterhead』は反響が高くTwitterでは1万6000RT超えを記録するなど、TGAでもっとも話題となったタイトルと言っても過言ではない。

 注目を集めるBokeh Game Studioだが、じつは2021年11月、電ファミ編集部宛に「オフィスが完成したので見学に来ませんか?」との連絡が届いていた。

 「ぜひ!」とふたつ返事で快諾した編集部は、かくして目黒某所にあるBokeh Game Studioへの潜入を果たした。

 新作発表前の見学のため独占情報などの掲載はないが、テレワークが当たり前の状況の中、Bokeh Game Studioがなぜオフィスを用意したのか、その理由や過程などをうかがっている。どのようなオフィスで新作が作られているのか、写真をメインにお伝えしていきたい。

 ちなみに、業界では有名なのだが外山さんは大の写真好き。Bokeh Game Studioの「Bokeh」も写真用語の「ボケ」が由来となっているほど。せっかくなので本稿では外山さんから提供いただいた写真をふんだんに使わせていただいている。「外山さん撮影」と注釈を入れているものは、すべて外山さんが撮影し、ご提供いただいたものだ。貴重な改装前の写真とあわせて、オフィスの全容をお伝えしていこう。

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※外山さん撮影。

 都内、目黒某所。オフィス入り口には「Bokeh Game Studio」のロゴ看板がたたずむ。

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※外山さん撮影。

 ロゴ看板はコンクリートに塗装を重ねて装飾されており、制作にかなり苦労したそうだ。

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 オフィス内に足を踏み入れると、奥にあるバーカウンターで佐藤さん(写真左)と外山さん(写真右)がお出迎え。後ろには各種お酒が鎮座。バーカウンターのあるオフィス、憧れます。まるでご自宅にお邪魔させていただいたような不思議な感覚に。

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※外山さん撮影。
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※外山さん撮影。
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※外山さん撮影。

 上の写真はカウンター施工中の1枚。元居酒屋の物件を内見したときにカウンターがあり、「カウンターのあるオフィスっていいよね」と考えるようになったそうだ。

 2021年2月ごろから以下の条件で物件を探し始めたのだという。

・内装を好きにできること
・チーム全員が参加できる飲み会を行うスペースがあること
・みんなでバーベキューができること

 外山さんによると、開発作業はテレワークで困っていなかったのだが、コロナ禍であってもみんなで確認会を行う場所があったほうがいいと考え、オフィス探しをスタート。蔵のある元居酒屋、高級住宅街にある民泊、古民家を改装した元料亭など、特徴的な物件を回ったそうだ。あるときは先に契約されてしまい、あるときは内装に費用がかかりすぎるために断念し、あるときはバーベキューができないから諦めるなど、なかなか条件に合う物件がなかった中、目黒の物件に出会ったのだという。

 もとは工場だっただけあって天井が高く、ちょっとしたイベントだったら行えるのではないかと思える広さに驚いていると、「じつは将来的にそういったことも考えています」と佐藤さんが笑顔で答えてくれた。また、1階のスペースはモーションキャプチャーを行う場所としても活用しているとのこと。

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 オフィスに入ってまず目に入る、『SIREN』シリーズ開発時に使われた衣装や小物。『GRAVITY DAZE』のグッズや販促物も。

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 オフィス入り口から右手を見たときの風景。奥にカウンターと、2階への階段がある。

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 オフィス入り口から左手側。奥の壁には巨大な本棚が。どんな本が並んでいるのかは、写真から読み取っていただきたい。

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 下の写真は2階スペースのもの。アート、モーション担当者の固定席になっており、「これどうなってるんだっけ?」といったすり合わせがすぐに行えるように配慮されている。

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 ここからは外山さんからご提供いただいた改装前の写真を掲載。

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※外山さん撮影。
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※外山さん撮影。
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※外山さん撮影。
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※外山さん撮影。
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※外山さん撮影。

 ちなみに、机や棚などの配置を行うにあたり、すべて事前に3Dでシミュレーションしたとのこと。「さすがゲーム開発会社!」と納得。

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※外山さん撮影。

 1階デスク周辺の壁には『人喰いの大鷲トリコ』のポスターが飾られている。佐藤氏によると現在スタッフは30名ほどで、『SIREN』、『パペッティア』、『GRAVITY DAZE』、『人喰いの大鷲トリコ』に関わっていたスタッフがBokeh Game Studio設立時に「いっしょにやりましょう」と集まってくれたそうだ。
 オフィスでの作業も許可を出しており、テレワークとの併用で自身が効率のいいやり方を選べるシステムにしているとのこと。

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 いかがだっただろうか? 個人的には天井の高さと床面積の広さがとても開放的で、内装デザインのセンスもあいまって、ゲーム開発会社とは思えないスタイリッシュさを感じた。また、これはBokeh Game Studioならではの特徴だと思うが、非常にアットホームな雰囲気に包まれているのが印象的だった。

 CEO外山さん、COO佐藤さん、CTO大倉さんの人柄だと思うが、アットホームな雰囲気というのは意図的に作り出せるものではない。オフィスを選ぶのに元料亭や古民家を回ったり、みんなでバーベキューができるかどうかにこだわったり、カウンターを設置しようと考えるスタジオ代表は、そうそういるわけではない。実際、弊誌がオフィスを見学させてもらっているときもスタッフの方々は皆、笑顔だったことが記憶に残っている。外山さんから提供いただいた、スタッフが集まったときの写真を見ても、それは明らかだろう。

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※外山さん撮影。
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※外山さん撮影。
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※外山さん撮影。

 ちなみに、Bokeh Game Studioは現在スタッフを募集中。外山さんのコメントをいただいたので、気になった方は応募してみてほしい。

TGAでの発表を終え、いよいよここからが我々の初回作『野狗子: Slitterhead』の本格的な制作期間に突入していきます。

現状はプロトタイプでのコアコンセプトの検証を終え、2022年は制作に没頭する年となりますが、この機会に、新たに制作に参加いただけるスタッフを募集しています。

今回のティザートレーラーを観て、このスタジオで一緒にゲームを制作したいと思ってくれる方がいらっしゃいましたら、是非ご連絡ください。

特にゲームプログラマー、アーティストは厚く募集しております。

新機軸のホラーエンターテインメント作品を共に追及する意気込みを持った方、お待ちしております!

代表取締役 CEO/クリエイター 外山圭一郎

 最後に、Bokeh Game Studioの広報業務は、コミュカ・プロモーション合同会社の西島さんが担当されている。名前でピンときた方も多いと思うが、西島さんは元SIE JAPANスタジオのプロモーション担当。今回のオフィス見学も西島さんに同行いただいている。『野狗子: Slitterhead』に興味を持った業界関係者の方は、ぜひ西島さんにご連絡を。

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※外山さん撮影。
ライター
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