ある日、わたしが電ファミ編集部のオンライン会議に召集されていた時のこと。唐突にある編集者からこんな質問をされた。
「Jiniくん、君ってパソコン詳しいよね?」
え? なんですかそのヤンキーがオタクを弄る前振りみたいなの……。まぁ最低限、自分で使うゲーミングPCぐらいは組みましたけど。
「いやぁ、このあいだTSUKUMOさんから『DEATH STRANDING』のケースが発売されたじゃん?
あれかっこいいし、そろそろクリスマスだから、読者プレゼントのゲーミングPCにいいやん? でもPCっていろいろパーツあるし、どれとどれ組み合わせたらいいかわかんないから、Jiniくんに聞いたほうが早いかなって」
まぁいいですけど。うーん、PCってもろに予算が性能に直結する世界ですからねぇ。予算いくらぐらいですか?
「30万」
えっ
30万!!!!!!!!!!!!!!!!
「ちなみに編集部持ちね(TSUKUMOさんタイアップだから)」
太っ腹かよ!!!!!!!!!!!!!!!
(俺のPCより予算たけえじゃねえか……)という気持ちで早くも嫉妬からSSD10TBとか意味不明な構成にしたろかと思いましたが、普通に“あの”TSUKUMOさんのファクトチェックが入るとのことで、早々に断念。
でも確かに、ゲーミングPCって予算もさながら選択肢が多すぎて結局何選んだらいいかわからなくて買わない人も多いよなと思い、真面目にゲーミングPCの組み方を考えてみることにした。
先に断っておくと、PCは極めて奥が深く、それこそ自作PCそのものを趣味や仕事にする方もいらっしゃる程なため、ここの記載が必ずしも正解とは限らない。
識者にとっては見苦しい表現や明白な事実も含まれるかもしれないが、筆者個人としての一提案として読んでいただければ幸いである。
※この記事はもっと快適なゲーミングPCでゲームを遊んでもらいたいTSUKUMOさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。TSUKUMO公式サイトから購入できるパーツでPCを構成しています。
ゲーミングPCにとっての生命線はグラフィックボード
さて、PC(デスクトップPC)、とひと言に言っても用途がさまざまある。ただネットサーフィン(死語)を楽しめばよいという人、ゲームを作ってみたい人、Adobeを使ったデザインをしたいという人もいるだろう。こうしたそれぞれの用途に応じてOSを含めたパーツを変えられるのが、PCの醍醐味だ。
しかし今回はゲーミングPC。それもコンセプトとしては『DEATH STRANDING』は余裕で動き、可能なら3年は最前線で戦えるようなハイスペックなゲーミングPCを期待されることだろう。ありがたいことに予算は潤沢にある。ではどこから決めるべきなのか。
ズバリ、ゲーミングPCにとっての生命線は、グラフィックボードだ。グラフィックボードとはパソコンのグラフィック処理を担当する拡張ボードのことで、特にエフェクト、バーン!ポリゴン、モリィッ!ライティング、ピキーン!アニメーション、ヌロォッ!(?)と表現するには、性能マシマシのグラフィックボードが欠かせない。
なのでゲーミングPCを組むなら、まずどの程度のグラフィックボードを導入するのか考え、それから他のパーツをピックアップすることをおすすめしたい。
さてこのグラフィックボード──厳密にはボードの中にある演算用のプロセッサ「GPU」のメーカー──は、2社の大企業から販売されている。それがNVIDIAとAMDだ。
NVIDIAからは主にGeForceシリーズ、AMDからは主にRadeonシリーズという名称で販売されていて、おそらくPCに詳しくない方でも名前ぐらいは聞いたことがあるのではないかと思う。
ではこの2社からどちらを選べばいいのか?
それはひと言では言えない。
言わないんじゃなく、言えない♠(ヒソカ風)
どういうことかというと、実は過去長きにわたり「NVIDIA派」と「AMD派」はつねにそれぞれ一定の人気があり、一長一短あるために、安易に「GeForceでおk」なんて言うのは、「たけのこの山食ってる奴とかマジでいるの?」と言うレベルに迂闊な言動なのである。【※】
※ちなみに、ロシアではNVIDIAとAMDどちらが優れているかを巡り、<刺殺される>事態に発展している。俺は殺されたくないのでどちらが良いとは言いません。
とはいえ、どちらでも良いというのは無責任に過ぎるので、あくまで「どちらも高品質で良い」という前提の上で両社を比較すると、やはりGeForceは王道な売れ筋商品が多く、中でも近年注目されるリアルタイムレイトレーシングのハードウェアアクセラレーションに対応したGPU(2000シリーズ)を発売するなどで注目を浴びた。
一方のAMDも自社開発のRDNA 2ベースのパーツがXbox Series XやPlayStation 5で採用されるなど、実はコンソール業界まで浸透するなど安定性もあり、こちらも決して劣っていない。
ただ今回、偶然、運命、たまたま、空から降ってきたNVIDIA製品をベースに筆者がゲーミングPCを組んでいるため、あくまでその経験に照らした上で、GeForce RTX 3080を採用することにした。
GeForce RTX 30 シリーズは昨年9月に発売されたばかりのシリーズで、性能が従来より2世代近く向上した点からも極めて注目されている。なお、現状GeForce RTX 30 シリーズには、RTX 3090、RTX 3080 Ti、RTX 3080、RTX 3070 Ti、RTX 3070、RTX 3060 Ti、RTX 3060が発売されているが、予算を考えてここは3080にした。
グラフィックボードの性能を最大限引き出せる環境を作ろう
さてグラフィックボードを決めたら、残りのパーツも併せて決めていきたいところだが、ここでPC初心者が陥りがちな罠について説明しよう。
それが、「グラボに予算をつぎ込んだから、他のパーツは控え目にしておこう」という考えだ。気持ちは理解できるが、実はこのような考えでPCを構築すると、後で思ったより出力が出なかったりする。いわゆる「ボトルネック」と呼ばれる現象である。
なぜなら、グラフィックボードも他のパーツと連携することで初めて真価を発揮するからだ。たしかにグラフィックボードは要となるパーツではあるけれど、それでもPC構成の全体からみれば、ひとつの拡張パーツにすぎない。
特にグラフィックボードと同様に重要なのがCPUで、こちらがPCの主な演算処理を行っているため、なるべくグラフィックボードと同程度のランクのものを使っていきたい。
さてCPUにも例によって2大メーカー、IntelとAMDが存在する。やはりこちらも「〇〇社でよい」等とは口が滑っても言えないため、ここはユーザー個人の信仰に基づいて選んでいただくべきだろう。
とはいえ、当然ながらAMD製のGPUを選んだ場合、CPUも同じAMDのRyzenシリーズで揃えるとシナジーが期待できる。一方Intelは半導体ではトップクラスを誇るまさにキング。今回はプレゼントにするということもあり、ネームバリューからIntelのCoreシリーズのCore i7-11700Kを採用した。
CPUを決めたらマザーボードも決めてしまおう。これはCPUやGPUなど拡張パーツを装着する土台となる電子基板で、これはGPUのサイズとCPUの相性で決めてしまっていい。
今回はIntelを採用したので、マザーボードはIntel対応のASRockからZ590 Steel Legendを採用。
さらにCPUを冷却するためにクーラーを使おう。クーラーには水冷式と空冷式の2択があるが、水冷はよく冷える代わりに大きくコストも嵩む。今回はケースのサイズを考慮して、空冷式のAINEX SE-226-XT-BLACKを使う。
もうひとつ、忘れてはならないのがメモリ(RAM)だ。メモリはCPUが直接データを読み書きする装置で、CPUやGPUの性能を十分に引き出すためには、それ相応の容量のメモリも必要になる。今回は若干余裕をもたせて、32GB用意した。
またゲームを大量に保存し、高速に読み込むため、データを保存するストレージには1TBのSSDを使う。同じストレージであるHDDはSSDより安いが、ゲームをプレイするなら間違いなくロードが速いSSDがおすすめだ。
HDDとSSDではとくにロード時間に明確な差があり、あまり性能のよくないHDDでは、対戦ゲームによっては「ロードが遅すぎて味方に置いて行かれる」なんてこともある。
今回はせっかくなので、最新規格「M.2」対応のSSDを採用しよう。旧規格・mSATAの転送速度は6Gbpsだが、M.2では転送速度が10Gbps~32Gbpsに進化している。これでロードもサクサクだ。
最後に電源。これに関しては説明の必要もないだろうが、当然高性能なCPUやGPUには相応に電力が必要になるため、電源もある程度はほしい。
特に最新のRTX 30シリーズの消費電力はスペック同様大きく増大しており、余裕を持たせて1000Wのものを使った。一応800Wでも動かなくはないが、今後パーツの更新を検討しているなら多めでも問題ない。
ケースは前述の通り、TSUKUMOオリジナルの『DEATH STRANDING COMPUTER CASE』を使う。RTX 30シリーズ、特に3080以降はかなり大きいため入るか不安だったが、本ケースはかなりゆとりのある大きさなのでしっかり入った。
どのようにPCを組むべきか?の一例
かくして以下の構成のPCが出来上がった。
グラフィックボード:NVIDIA GeForce RTX 3080 GAMING Z TRIO 10G LHR
CPU:Intel Core i7-11700K BOX BX8070811700K
マザーボード:ASRock Z590 Steel Legend
クーラー:AINEX SE-226-XT-BLACK
メモリ:Corsair CMK32GX4M2E3200C16
ストレージ:Crucial P2 CT1000P2SSD8JP
電源:CoolerMaster 1000W電源 V1000 RSA00-AFBAG1-JP
OS:Windows 11 Home 64bit DSP版【※】
ケース:DEATH STRANDING COMPUTER CASE
※ディスク版のため、今回の構成では別途外付け光学ドライブかインストールイメージをいれたUSBメモリが必要になります。
占めて32万2,150円(TSUKUMO参考価格、税込み)。ちょっと足が出てしまったが、電ファミの編集者に聞いたら「プラス1〜2万ぐらいなら誤差の範囲内じゃないっすか?」と言ってたので大丈夫でしょう。
今回は予算30万円ということもあって、RTX 3080ベースのかなりスペックマシマシな豪華な構成となったが、もちろんこれより予算を減らしてもAAA級ゲームを十分楽しめるだけのPCは組める。
いずれにせよ、ゲーミングPCを組むうえで大切なのは、まずグラフィックボード(GPU)のメーカーとランクを先に選ぶ。そのメーカーとランクに応じたCPU(それらを基盤となるマザーボードやメモリー、ファン)、電源、ストレージを選ぶという順序だ。 パーツのひとつだけが高級でも持て余してしまうし、GPUが十分でなければ他のパーツがいくら良くてもゲームは満足に動かせない。電源やケースのサイズを間違えて、そもそも動かない(入らない)なんてことになったら、目も当てられない。
もちろんこれはごく一例であり、冒頭に述べたようにPCは用途次第で構成を変えられるため、ゲームをプレイしないならグラフィックボードを入れないという選択肢もあるだろうし、他にもこのパーツや構成の方が良いというアイディアはいくらでもある。それは実際に自分で組んでみて、不満点などを自分で改良していくのが一番楽しいと思う。
また、「そもそも自分で構成を考えるのが面倒くさい」という人には、BTO(受注生産)パソコンという選択肢もある。こちらも概ねグラフィックボードのランクを見て決めれば問題ない。
さらにTSUKUMOでは「PC組立代行サービス」も受け付けており、こちらではパーツ選出の相談や組み立て代行も受け付けている。
【オンラインで一式ご相談出来ます!】
— ツクモパソコン本店 (@TSUKUMO_HONTEN) December 23, 2021
「〇〇のゲームが快適に遊べるパソコンを作りたい」
「この構成で上手く動くか心配・・・」
「LEDで派手に装飾したい😆」
オンラインで一式のお見積もりが可能です。
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もちろん料金は発生するが、ぶっちゃけ「パーツを買ったけど動かない」「ってか組み立てるのしんどすぎてやばい休日終わる」(筆者経験談)という思いをするぐらいなら、素直に組み立ててもらったほうがよいだろう。
なおTSUKUMOのPC組立代行サービスでは、メモリチェックやエージング(慣らし運転)をかけてから出荷するため、「届いたけど動かない」なんてことはないから安心だ。
さて今回はゲーミングPCを組み立てる一例をお見せしたが、いかがだっただろうか。ゲーミングPCを検討する方にとって少しでも参考になれば幸いである。
PCはつねに最高水準の環境でビデオゲームをプレイできるのみならず、デュアル・トリプルモニターにすればゲームをプレイしながら攻略サイトを覗いたりDiscordでやり取りも簡単にできるし、HTC VIVEやVALVE INDEXと繋いだVR環境もプレイ可能、さらには『Inscryption』など挑戦的な作品にもアクセスしやすいと、汎用性という点で実はコンソールにない大きな魅力がある。
それはそうと、さすがに予算30万円も貰ったことだし、PC組んで余った分だけ原稿料に回してもらえないかな~(チラッ
ん?
じゅ・・・・・・
16万!?
グラボ一枚、
16万円!!!?!?!?!?!?
読者の方々へ。今は半導体不足につきグラボが凄まじく高騰しているため、ゲーミングPCの購入は余裕を持って望んだほうがいいと思う。
【あわせて読みたい】
『デス・ストランディング』とコラボしたPCケースがオシャレすぎたので、BTOゲーミングPCの中身をお引っ越ししてみたこちらの記事ではPCケース「DEATH STRANDING COMPUTER CASE」をレビュー!
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— 電ファミニコゲーマー (@denfaminicogame) December 24, 2021
TSUKUMOさんで買えるパーツで
電ファミが本気出して組みました。
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