すいません、突然ですがこの星空を見てください。
鹿児島県、奄美大島の星空です。
この奄美大島で、
みんなでゲームしたり、
マシュマロを焼いたり、
ゲーム音楽を合奏したり、
ゲームについて語り合ったりしました。
この、
・星空
・マシュマロ
・合奏
の時点で「ははん、あのゲームについて語ってるんだな」と、ピンと来た人は僕から「相当なゲーマー」認定をさせて頂きます。おめでとうございます。
綺麗な夕焼けにテントサウナ、カヌーに乗ったりもしたよ。
詳細は後述するのですが、この体験を通じて「ゲームと旅って、実はめっちゃ相性が良いのではないか!?」という事に気付いたので本日はそのことについて語らせて頂ければと思います。
改めましてライターのヨッピーと申します。よろしくお願いします。
文/ヨッピー
そもそも『Outer Wilds』って?
「人生のベストゲームはなに?」と聞かれたら『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』と『Outer Wilds』の2本を選ぶ。今のところはこの2本だ。
このうち、「ブレス オブ ザ ワイルド」は特に説明不要だと思うのだけど、『Outer Wilds』はまだ知らない人も多いゲームなので一応説明しておきたい。ネタバレはしてないよ!
・22分後に超新星爆発によって滅びる星系が舞台
・爆発が起こると主人公は22分前の世界に再び目覚め、ループする。
・そのループするまでの22分間を利用して星系をくまなく探索。宇宙の謎を解き明かす。
といったゲーム。
散りばめられた伏線を一気に回収するストーリーや、壮大なのに箱庭感もあって楽しくなる探索、星ごとに用意された数々のギミックなど、最初は「操作が難しいなー」とか「何をどうすれば良いのかサッパリわからん」などとブツブツ言いながらブン投げそうになっていたのだけど、コツを掴んでどう進めていけば良いのかを理解してからはどっぷりハマった。
そして音楽もめっちゃ良いのである。クリアしてからもAmazonミュージックで『Outer Wilds』のサントラを聞きまくっている。
「うわー新しい!」
というのがハマる過程に抱いた素直な感想で、ひょっとしたら他にも似たようなゲームがあるのかもしれないけど、少なくとも僕にとっては新しく、FPSやRPGといった既存のカテゴリに当てはめるのが難しいゲームでもある。
その新しさもあるので一応、「ハマる人にはめっちゃハマる(人生ベストゲームもありえる)けど、合わない人にはサッパリ合わないかも」というゲームである事は言っておきたい。
独特な操作方法もあるし、それなりの難易度で頭を使う場面も多いので3D酔いをする人、普段あんまりゲームで遊ばない人や、あれこれ悩みながら進めるゲームが苦手な人には向いてないかもしれない。
探索出来る星のひとつ、「砂時計の双子座」は片方の星からもう片方の星へ砂時計のように砂が落ち続けており、時間の経過とともに探索できる範囲が変化する(時間が経つと砂に埋まって行けなくなる ⇔ 時間が経つと砂が消えて探索出来る箇所が増える)。
探索する順番が決まっているわけでもないので、22分のループが起こる度にとにかく宇宙船に乗って宇宙に飛び出し、時間をずらしたりルートを変えたりしながら片っ端から探索し、この星系のあちこちにある、「ノマイ」と呼ばれる別の種族が残した痕跡を辿る。
この痕跡と、彼らが残した情報を紡いでゆくと、壮大なストーリーが少しずつ全貌を現して来るのだ。「おお……!そういうことか……!」と鳥肌が立った瞬間は一度や二度ではないし、伏線を一気に回収してエンディングに進んだ時は放心状態になった。
このゲームを知ったのは新型コロナウイルスが世に蔓延しはじめて1回目の緊急事態宣言が出たころで、そのころの僕は緊急事態宣言の影響で取材やイベントといった仕事のスケジュールが全部飛んで頭を抱えていたのである。
仕事がなくなったからといって旅行だのなんだのって遊びに行ける世の中でも無いので、大人しく自宅でnetflixをひたすら眺める日々を送っていたのだけど、外出出来ないことで思いのほか病んでしまったのか、不眠になるわ原因不明の胸のつかえ(のちに医者に「ストレスやで」と言われる)に悩まされるわで鬱々とした日々を送っており、「けっこうやばいな、これ」と自覚したのを覚えている。
やはり人間たるもの、日々の楽しみを奪われると相当なストレスになってしまうのだ。
そんな時に友人がこの「『Outer Wilds』」を激推しし、ハマりまくっている様子をTwitterで呟いていたので「どうせ暇だしやってみるか」と手を出したのがきっかけなのだけど、緊急事態宣言中の、あの辛い時期を乗り越えられたのはこのゲームが果たした役割も大きいのではないかと思っている。「日々の楽しみ」をこのゲームに見出せたからだ。
僕の場合は『Outer Wilds』だったけど、今これを読んでる人達もきっと「あの時、このゲームに救われた」みたいな体験はあるのではなかろうか。
なのでそれ以来待ち受けを『Outer Wilds』の画像にしている。
そんな『Outer Wilds』なのだけど、謎解き系のゲーム、という事で周回プレイでは初回クリア時の感動を再現する事は難しく、やりこみ要素があるわけでもない。そのため、「もっと『Outer Wilds』の世界観に浸っていたい!」という人々を大量に生み出し、そういう人々を指した「『Outer Wilds』ゾンビ」という言葉まで生まれた。
※『Outer Wilds』ゾンビ……『Outer Wilds』にハマりすぎたせいで、ゲーム、映画、小説その他問わず「『Outer Wilds』っぽいコンテンツ」を求めて日々徘徊し、初見プレイ配信者によるゲーム実況に張り付いて感動の追体験をしたりする人々。僕の知人は他人のプレイ動画を100回は見たそうです。やりすぎ。ちなみに『Outer Wilds』にハマった人には小説の「三体」がおすすめ。
と、信じられない事にここまでが余談です。実はこの、僕を含めた『Outer Wilds』ゾンビの方々を集めて、奄美大島に行って参りました。何故かというと別件で訪れた奄美大島で、『Outer Wilds』っぽい場所を見つけてしまったからです。
それがここ。ホシゾラヴィレッジ。なんとなく、主人公が暮らす「木の炉辺」っぽいんですよ。
完全に一致!とは言わないんですけど、「っぽい」んですよね。
ここもあの場所に似ている。
あの場所。
更に奄美大島は星空が綺麗なので宇宙に思いを馳せるにはバッチリだし、
楽器がひととおり揃っていて、演奏だって出来る!
…というわけでこの場所に『Outer Wilds』ゾンビの面々を集め、
・ゲームをプレイして
・星を見たり
・マシュマロを焼いたり
・みんなで合奏したり
・『Outer Wilds』の良さについて語り合う
「『Outer Wilds』ナイト」を開催してきたのでご報告致します!
発端
発端となった、僕とWEBメディア編集者池谷(いけや)さんのやりとり。
その後、「どうせやるなら記事にしたいし、記事にするなら許諾を取らなきゃ」という事で、『Outer Wilds』を開発したメビウス・デジタルのメールフォームに「やっていい?」とダメ元で問い合わせてみました。ダメなら記事化は諦めて、個人的な趣味としてやるしか無い……。まあ記事にしたところで個人的な趣味なんだけど……。
Thanks for checking in with us about this and apologies for the delayed response. This sounds like a cool event, and we’d be happy to grant you permission for most of your requests.
そしたらこんな返信が来たのであります。日本語にすると「連絡くれてありがとね!返事遅れてごめんよ!めっちゃクールなイベントじゃん!だいたいの事は喜んで許可するよ!」って感じです!やったー!
「あくまで公式ではなくファンイベントであることを明記する」などといった条件があったり(当然ですね)したのだけど、これは嬉しい!
よーし、やるぞ~~!
奄美大島にて
そんなわけで集まった『Outer Wilds』ゾンビのおっさんが5人!
「けい飯」や鳥刺しといった奄美の郷土料理を食べながら、レンタカーを借りて最南端にあるホシゾラヴィレッジを目指します。
そして到着!
ビーチが目の前!
しかしながら天気が悪く、いつ雨が来るかわからなかったのでプロジェクターは諦めてレストランのテレビをお借りしました!
この日の参加者である、ゲームキャストの中の人トシさん(@gamecast_blog)が「まだDLC(追加コンテンツ)終わってない」との事だったので、とりあえずDLCクリアまでみんなで進める事に。
『Outer Wilds』ゾンビの面々が待ちに待っていたDLC。もちろん僕もすぐ買ったしすぐにハマった。
流れる川が印象的な新しい星。もちろんここにも様々なギミックが用意されている。
「あれだけ完成度が高く、完璧に作り上げられたゲームのどこに追加するコンテンツがあるんだ?」と心配していた『Outer Wilds』ゾンビの面々も大満足のデキです。
DLCをクリアすると、「本編のあれは、こういう背景だったのか……!」と驚愕することうけあい。まじで作った人の脳味噌どうなっちゃってんのこれ。
綺麗な夕焼けにはしゃぐおっさん。
そしてマシュマロを焼く。何故ならこのゲームにおいての「マシュマロ」は象徴的な存在でもあるからです。
あとはテント型のサウナを建ててサウナを満喫したりしました。これはゲームとはまるで関係ない、完全なる僕の趣味です。
このテントサウナはお借りしたものなのだけど、今後奄美大島含む奄美群島では「サウナやるぞ~~!」みたいなテンションになっていて、テントサウナをレンタル出来るプランなんかがあれこれ出始めているので良かったらこちらもチェックしてくれよな!
JALが「奄美群島」をサウナでも盛り上げていくらしいから行ってきた
そしてみんなで合奏したりもしたよ。
翌日はマングローブの原生林でカヌー体験。
何故ならゲーム内でも川下りするからね!
他にも良い景色を眺めたり、美味いジェラートを食べたりしたのですが、
「これで星さえ見れていればな~~」と落ち込む一同。滞在中はずっと曇り!
天候ばかりは仕方ないけど、この星空が見たかった……。
奄美大島を含む、奄美群島では天気さえ良ければ年中天の川が観測できるらしい。
緯度的には沖縄とあまり変わらないのですが、沖縄に比べて都市化が進んでおらず、市街地からちょっと走ると真っ暗な場所にたどり着けるので、『Outer Wilds』だけではなく宇宙をモチーフにしたゲームが好きな人は奄美群島に来て星空に思いを馳せるのが良いと思います。
そしてこれは別の日に撮ったやつですが、同じく奄美群島の与論島もめちゃめちゃ海が綺麗!
ゲーム×旅のあれこれ
そんなわけで「参加者一同大満足!」みたいな結果になったのですが、みんなが口々に言ってたのが「ゲームと旅行って実は相性が良いんじゃないか」みたいな話です。
僕以外の皆さんは普段ゲームばっかりであんまり旅行はしないそうなのですが、「旅行って、楽しいじゃん!」みたいなテンションになってました。いまさら!?
今回は『Outer Wilds』っぽい場所を求めて奄美大島に行きましたが、
例えばこちらは「SEKIROっぽい!」と話題になった熊本にある上色熊野座(かみしきみくまのいます)神社ですが、SEKIROにハマった人みんなでこういう場所に出かけても良いと思いますし、
・モンスターハンター好きが集まってキャンプ場で「上手に焼けました~」をやる
・龍が如くにハマった人が歌舞伎町探検ツアーをやる
・桃鉄にハマった人が夜行列車で「いずもそば」を食べに行く
などなど。「ゲーム×旅」でいろんな切り口があるんじゃないかと思います。
「艦これ」にハマった人が広島・呉の軍港に行ったり、信州渋温泉がモンハンとコラボ、みたいな話は聞きますが、アニメと比べてゲームの聖地巡礼ってまだそこまで盛り上がってはないのかな、みたいな印象を受けるので今後盛り上がるといいな~。
そして、別に聖地じゃなくても、「旅行先でゲームする」っていう体験も「けっこうアリなのでは」と思います。
例えば以前、雪中キャンプ中、テント内でブレス オブ ザ ワイルドを遊んでみたらゲーム内で雪山行った時の臨場感がすごかったですし、
メガドラミニが発売された時に温泉旅館に持って行ったら異常に盛り上がりました。
PS4を持ち歩くは流石にちょっとハードルが高いですが、SwichやSteamで遊べるゲームなら割と気軽に持っていけますし、お気に入りの小説を持って温泉旅館でのんびりするような感覚で、お気に入りのゲームを持ってどこかに旅に出るのも楽しいのではないかと思った次第です。などと書いている内に、2泊3日くらいどっかの温泉旅館に籠ってエルデンリングをやりたい衝動に駆られる。
カヌーを漕ぐのが下手すぎて見かねたガイドさんに曳航される二人。
たまには外に出て運動しましょう。