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【今日は何の日?】『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』が発売された日(7月15日)。『レジェンド オブ マナ』通称『LoM』、自分だけのワールドマップを作る「ランドメイク」が唯一無二の体験を生んだ

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 7月15日は『聖剣伝説LEGEND OF MANA』(『レジェンド オブ マナ』、以下『LoM』)が発売された日だ。

 1999年7月15日にプレイステーション(以下、PS)向けに発売された本作は、絵本のような色彩のピクセルアートと、美しい音楽によって描かれるアクションRPGだ。
 2021年6月にはHDリマスター版がPS4、Nintendo Switch、Steamで展開され、同年12月にはiOS、Android用も登場した。

 本作はニューゲームで主人公を男女どちらかから選ぶことができ、ストーリーは短いシナリオを好きな順番でプレイできるオムニバス形式となっている。
 最初はマイホームとドミナの町しかランド(移動先)がないが、シナリオを攻略していくごとにランドが増え、ファ・ディールの世界の成り立ちや住人たちへの理解が深まっていく作りになっている。

『聖剣伝説 レジェンド オブ マナ』
(画像は『聖剣伝説 レジェンド オブ マナ』公式ページより)

 『LoM』はアクションRPGだが、全滅によるペナルティはなく、敗れてもすぐに再戦することができる。そのためゲーム自体の難易度はそれほど高くはない。

 しかし、戦闘中に活躍するペットやゴーレム、武器や防具にはすさまじいやり込み要素がある。
 特にオリジナル版では、メニュー画面で表示できる限界を超えて武器を強化することが可能であった(※HDリマスター版では再現できなくなっている)。
 オリジナル版の『LoM』の最強武器は、強さよりもロマンを求めたプレイヤーたちの行き着く果てにあった。最強武器について、詳しくはこちらの記事を参照されたい。

 2021年に本作のHDリマスター版が発売されるという報は、オリジナル版のプレイヤーたちからおおむね賛意で受け入れられた。

 しかし中には、「フォントがオリジナル版と違いすぎる」というネガティブな意見も少なくなかった。そのため、HDリマスター版ではアップデートで「オリジナル版の再現フォントを追加する」という対応がされている。

 結果として、このプレイヤーの思いに寄り添うアップデートには「やっぱりこのフォントなんですよ」「これは神アップデート」など、多くの歓迎の声が集まった。そして、『LoM』がプレイヤーだけでなく、開発スタッフからも愛され大切にされていることが改めて分かるひとつの例と言えるだろう。

 2022年10月から12月にかけて、同作のメインシナリオのひとつである「宝石泥棒編」『聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop Crystal-』の題でアニメ化され、放送・配信された。本稿執筆時点で、各種配信サイトで視聴可能となっている。

 アニメ放送に先立ち、アニメ『聖剣伝説LoM』公式Twitterでは、2022年6月28日から7月15日まで『LoM』の思い出を募集していた。ハッシュタグ「#LoM思い出」から、さまざまなプレイヤーの思い出を垣間見ることができる。

 ちなみに筆者の『LoM』の思い出は、交差点で拾った財布を警察署に届けたら書類を作成している最中に落とし主が現れ、謝礼として少額ながら財布の中身を分けてくれたので、「このお金と貯金を合わせれば『LoM』が買える」とゲーム屋に向かったことだ。

 後にも先にも財布を拾った経験はこの一度しかない。ほどなく『LoM』にドハマりしたことを思うと、我が事ながらマナの女神か何かに導かれたように感じられる話だ。

『聖剣伝説 レジェンド オブ マナ』とHDリマスター版
当時は財布の落とし主の力を合わせないと買えなかった『LoM』が、今では自分の財布だけで買えるようになりました

 アニメは全12話で、宝石泥棒編をメインストーリーで扱いつつ、「サフォー」「マリーナ」といったゲーム本編には登場しなかった珠魅のほか、エメロードの姉妹たち、煌めきの都市の過去のエピソードなどが掘り下げられている。
 アニメの主人公はゲーム本編でいう男主人公で、「シャイロ」という名だ。それとは別に、女主人公も「セラフィナ」という名で登場する。

 シャイロ、瑠璃、真珠姫を中心に、セラフィナ、ボイド警部、宝石泥棒サンドラといったファ・ディールの住人たちがどのように珠魅の歴史と交錯していくのかが、『聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop Crystal-』の見どころだ。


 現在、『LoM』のおもだった開発スタッフは株式会社ブラウニーズを立ち上げており、東京都吉祥寺からゲームを発信している。
 同社は2022年4月、JR吉祥寺駅に広告看板を出した。こちらの広告に描かれているのは、同社開発タイトル『エグリア』のマイホームだ。

 2023年の駅看板は、華やかさと落ち着きを備えたデザインとなっていた。

 2024年の駅看板は、今後どのようなタイトルが展開していくのか、想像が膨らむデザインとなっている。

 『エグリア』は『LoM』と同じく、キャラクターのメインイラストが亀岡慎一氏で、背景などのアートディレクションを津田幸治氏が担当。シナリオは『LoM』でエスカデ編などを手がけ、「サボテン君日記」も書いた井上信行氏(さよならおやすみ株式会社所属)となっている。

 『エグリア』はiOS、Android向けタイトルで、追加要素がある移植版『エグリア リバース』はNintendo Switchでダウンロード販売されている。興味を持った方はチェックしてみてほしい。

『エグリア リバース』
(画像はニンテンドーeショップ『エグリア リバース』販売ページより)

 『聖剣伝説』はシリーズ誕生から30年以上を数えており、現在も新規グッズの展開などが精力的に行われている。

 『聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop Crystal-』の最新グッズ情報は、アニメ公式ホームページの「GOODS」からチェックすることが可能だ。
 定番のアクリルスタンドや缶バッジだけでなく、Tシャツや文具など、多種多様なグッズが取り揃えられている。事前予約が必須の商品もあるため、買い逃して後悔することがないよう、グッズ情報はアニメ公式Twitterと合わせてチェックすると良いだろう。

『聖剣伝説 LoM』は7月15日が誕生日。「ランドメイク」が特徴のアクションRPG_001
(画像は『聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop Crystal-』公式サイトより)

 発売から四半世紀を数え、今なお愛される『LoM』。ランドを自由に配置して自分だけのワールドマップが作成でき、あらゆる種族の物語があり、バラエティに富んだシナリオを縦横無尽に攻略できる体験は、どのプレイヤーにとっても唯一無二のものであった。
 HDリマスターやアニメ化をきっかけに、本作ならではのオンリーワンな体験を愛するプレイヤーがこの先も誕生していくことを期待したい。

ライター
『討鬼伝』シリーズを3000時間やり込んでいる元麻雀プロ。家を出て5メートルで職務質問されたことがある。中世ヨーロッパ風ファンタジーが好きで『ファイナルファンタジータクティクス』が最も好きだが、三国志など古代~近世の東洋も好き。好きな武将は細川政元。
Twitter:@natsukawa77tem

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