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【今日は何の日?】『アンダーテイル』が生まれた日(9月15日)。ファンアートや考察が大いに盛り上がりを見せた超人気作品、名曲「Megalovania」をはじめとする音楽面でも高い評価を獲得

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 9月15日は『UNDERTALE』のSteam版がリリースされた日だ。

 本作はトビー・フォックス氏がほとんど個人で制作したRPGで、世界的な人気を博しているインディータイトルである。
 本作の世界設定では、かつてニンゲンとモンスターは同じ世界に住んでいたが、現在は地上と地下に分かれて住んでいる。
 プレイヤーは「のぼったものは にどと もどらない」という伝説があるイビト山から落下した、地下世界で唯一のニンゲンだ。地下世界では様々なモンスターたちとの出会いがあり、ある時は友として、またある時は敵として相対することになっていく。

『UNDERTALE』ゲーム画面
(画像はSteam『UNDERTALE』販売ページより)

 ゲーム内はいくつかのエリアに分かれており、各エリアでパズルや戦闘をクリアして地上を目指すのがゲームの流れだ。
 
 道中の戦闘はランダムエンカウントとなっている。戦闘はターン制で、モンスターのターンでは自機を操作して、シューティングゲームの弾幕のような攻撃を避けなければならない。
 プレイヤーのターンでは、「たたかう」「アイテム」「にげる」以外の「こうどう」を選ぶことで、様々なモンスターと一風変わったコミュニケーションを取ることが可能となっている。

 本作には『MOTHER』シリーズや『東方Project』シリーズ、『女神転生』シリーズなど、作者のトビー・フォックス氏が日本のゲームに慣れ親しんできたことがうかがえる要素が随所に散りばめられている。
 その上で本作は、RPGというゲームデザインを利用し、あるいは逆手に取ることで、オーソドックスな「見下ろし型ドット絵RPG」とは異なる感動をプレイヤーに体験させることに成功している。

 本作のキャッチコピーは「誰も死ななくていい優しいRPG」だが、プレイヤーがモンスターに対してどのような行動を取ったかによって、エンディングは何種類にも分岐する。

『UNDERTALE』ゲーム画面2
(画像はSteam『UNDERTALE』販売ページより)

 本作は2013年に、クラウドファンディングサービスのKickstarterで資金を募って開発が進められた。ここで公開されているDEMO版は、現在も北米版公式ホームページからダウンロードが可能となっている。
 また、『UNDERTALE』のクラウドファンディングの説明文では、本作が「第四の壁」※】に触れることが既に記されている。

※作品世界と受け手(プレイヤー)を隔てる見えない壁のこと。『UNDERTALE』はプレイヤーが一方的にプレイするだけの作品ではなく、作品世界もまたプレイヤーに干渉することがほのめかされている。

『UNDERTALE』クラウドファンディングキャンペーンコンセプトアート
(画像は『UNDERTALE』Kickstarterキャンペーンページより)

 2017年8月16日、ハチノヨンが翻訳を手掛けた公式日本語版がPS4とPS /Vitaでリリースされた。
 新たに追加された要素は、言語が英語と日本語から選べるようになったこと、プレイ画面の余白を好みのフレームで装飾できること、そして「イヌじんじゃ」と呼ばれるいうトロフィー要素だ。

 2018年9月15日にはNintendo Switch版がリリースされた。こちらにも新たな追加要素があり、これまで作中で名前だけが挙がっていた「キスキスキューティみゅうみゅう」のキャラクターが登場するイベントが追加されている。同イベントには専用の戦闘とBGMも用意されている。

『UNDERTALE』ゲーム画面3
(画像はYouTube「UNDERTALE [Indie World 2018.5.11]」より)

 2021年3月16日にはXbox One、Xbox Series X|S に対応し、合わせてXbox Game Passでのプレイが可能となった。こちらにも追加要素があり、リールを止めて役を揃えるスロットマシーンのミニゲームを遊ぶことができる。

 ゲーム以外のグッズ展開として、通販サイトのFangamerでは、マグカップなどの日用品やTシャツ、フィギュアなど、『UNDERTALE』の様々なファンアイテムを取り扱っている。

 『UNDERTALE』以外のトビー・フォックス氏の活動としては、2020年に開催されたオンラインイベント「INDIE Live Expo 2020」で、インディーゲーム開発者に向けてメッセージを寄せている。
 こちらはゲーム開発者でなくても勇気づけられる、とてもゲーム愛に溢れたメッセージとなっているため、ぜひ一読いただきたい。

 他にも「ポカリスエット」のCMソングや、『beatmania IIDX 30 RESIDENT』にプレイアブル楽曲を提供するなど、近年はコラボ音楽制作も手掛けている。

 そしてトビー・フォックス氏は現在、インディータイトルの新作RPG『DELTARUNE(デルタルーン)』を制作中だ。
 『DELTARUNE』はPC、PS4/5、Nintendo Switch向けに、Chapter1とChapter2が無料公開されている。『DELTARUNE』は『UNDERTALE』の姉妹作で、別世界のストーリーという位置づけだ。

 『UNDERTALE』とは別世界だとされているが、『DELTARUNE』には多くの考察要素が散りばめられている。トビー氏も「『UNDERTALE』をクリアしたあとで、お好みでプレイできるゲーム」と発言している。

『DELTARUNE』ゲーム画面
(画像はSteam『DELTARUNE』販売ページより)

 『UNDERTALE』はストーリー、音楽、戦闘システム、アートワークなどあらゆる面から高評価を得たインディーゲームだ。先行する作品からエッセンスを受け継ぎながら、魅力的なキャラクターや演出を新たに打ち出し、そのうえに築かれた本作ならではの体験と普遍的なテーマが、非常に多くのプレイヤーの胸を打った。

 現在制作中の姉妹作『DELTARUNE』はどのような展開を見せていくのか、今後の続章のリリースが非常に待ち遠しい。

 現在、トビー・フォックス氏はメールマガジンを配信しており、登録サイトにアクセスすることで無料で購読することができる。

 配信内容は4種類のコースから選択可能。『DELTARUNE』新チャプターのリリース情報だけが配信される「ミニマム」コースから、トビー・フォックス氏が関わるプロジェクトの最新情報など、「なんでもいいから、とりあえず全部送って」という「マニアック」コースまで、ユーザーが望む濃さの情報を選ぶことができる。

 ゲーム制作以外にも活躍の場を広げているトビー・フォックス氏が、この先どのようなプロジェクトに関わっていくのか、期待していきたい。

ライター
『討鬼伝』シリーズを3000時間やり込んでいる元麻雀プロ。家を出て5メートルで職務質問されたことがある。中世ヨーロッパ風ファンタジーが好きで『ファイナルファンタジータクティクス』が最も好きだが、三国志など古代~近世の東洋も好き。好きな武将は細川政元。
Twitter:@natsukawa77tem

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