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まさに“上質”なソウルライクがここに。 『ピノッキオ』×『ブラッドボーン』なソウルライク『Lies of P』を遊んでみた

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 韓国のゲーム会社NEOWIZ社による新作ソウルライクRPG『Lies of P』(偽りのP)。弊誌でもたびたび話題となった本作が11月17日より開催された韓国のゲームショウ「G-STAR 2022」に出展されました。

 今回電ファミではNEOWIZさんにお呼ばれし、韓国・プサンでの先行試遊会に参加させていただくことができました。

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 すでに公開されているゲームプレイトレーラーから薄々感じてはいましたが、
 本作は元祖『ソウル』シリーズや『ブラッドボーン』への多大なるリスペクトが感じられる、まさに“上質”なソウルライクというべき仕上がりとなっていました。

 試遊時間は約40分と限られたものでしたが、それでも本作の手触りの良さ、細部にまで行き渡るクオリティの高さを味わうことができました。
 ということで、本稿では『Lies of P』のプレイインプレッションをお届けしたいと思います。

取材・文/実存


ダークで退廃的な雰囲気がバツグンの世界観

 『Lies of P』は、フランス19世紀末の「ベル・エポック時代」を背景とするソウルライクRPGです。プレイヤーはパリをモチーフとした架空の街・クラット(Krat)を舞台に、機械の左腕を持つ人形「P」を操作し数々の困難へと立ち向かっていきます。ゲームの最終的な目標は、原案の童話『ピノッキオの冒険』と同じく“人間になる”こと……となっています。

 本作をプレイしてみてまず目を惹くのは、美しくもダークで、退廃的なそのビジュアル。

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 「ベル・エポック・パンク」と名付けられたそのビジュアルは、「奇妙だが、美しい」というコンセプトに沿って作り上げられたそうです。

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総合的なクオリティの高さが光る、“上質”なソウルライク

 さて『Lies of P』を遊んでみた感想なのですが……とにかく、クオリティが高い!
 ゲームプレイの見た目から想像できる通りのソウルライクとなっており、随所に『ソウル』シリーズへの高いリスペクトが感じられます。
 『ソウル』シリーズ経験者なら、なんの違和感もなくゲームプレイにのめり込めるでしょう。

 たとえば高低差のあるマップ。

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 「篝火」的なチェックポイントである「Stargazer」を灯しながら、じりじりと進んでいく感触。

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 「ソウル」にあたる「Ergo」を集めて、レベルアップや武器を強化。

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 初見殺しの嫌〜な敵の配置。

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 ガードや回避を駆使しながら、巨大な敵と戦ったり。

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 もちろんソウルライクならではの高い難度もバッチリです。

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 総合的なプレイ感としては、敵を切りつけなぎ倒すアクションの手触り、ゲーム全体のテンポ感なども含め、本家『ソウル』シリーズに負けるとも劣らない出来栄えです。まさしく“上質”なソウルライクと言って過言ではないでしょう。

本作ならではの工夫

 そんな本作がソウルライクとしてのオリジナリティを発揮する箇所が、武器の融合システム。
 「P」が右手に持つ武器は「柄」と「刃」が別々となっており、これをそれぞれ組み合わせることで、何通りのもの武器を編みだすことができるというわけです。

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▲「Freezing」という柄と「Honor」という刃を組み合わせることで、「Freezing Honor」という武器に。

 「どんな武器で戦うか」というのもソウルシリーズの楽しみのひとつ。武器の組み合わせはStargazerで手軽に切り替えられるので、敵やエリアに合わせて臨機応変に戦っていくのもよさそうです。

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▲武器によっては大剣のように背に担ぐものも。

 余談ですが、筆者は閉所でサーベルを振り回していたら、壁に剣がぶつかってしまって敵を殴れない!という場面に遭遇しました。リーチが長い武器はそれだけ有利ですが、逆に狭いところだと振り回しづらいということです。試遊会では見つけられませんでしたが、短刀やダガー的な武器は閉所で輝くサブウェポンになるかもしれません。

 なお、「P」の左腕は義手兼武装である「Legion Arm」となっており、最大8種類の武装を付け替えることができるとのこと。

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 試遊会では、敵に飛ばして引きつけるグラップリングフックのようなものや、爆弾を投げつけるものが確認できました。
 とくにフックのほうは『ソウル』シリーズで悪名高い犬型の敵を簡単に対処することができるので、使いやすそうです。

 また、戦闘システムは『ソウル』シリーズと『ブラッドボーン』を足して2で割ったようなシステムとなっていました。

 回復薬は「エスト」式で、「Stargazer」ごとに最大まで補給できるほか、敵を倒していくと徐々にゲージが溜まっていき、使用量が回復していきます。
 それにくわえ、敵の攻撃をガードするとHPゲージが一時的に灰色に削られます。このときすかさず敵を殴り返すと、ガードで削られた部分をある程度回復できる、という仕様になっていました。

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ガードで削られたHPが……
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殴り返して回復!

 「パリィ」は存在しないものの、いわゆる「ジャストガード」は存在し、敵の攻撃タイミングに合わせてガードすると、削りダメージなしに敵の攻撃を受け流すことができます。

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 このように『Lies of P』の戦闘システムはどちらかというと「攻め」寄りのものとなっていると感じました。とはいえ回避の性能も高いように見えたため、ジャストガードが苦手な方は回避中心に戦闘を組みたてるのもよいかと思います。


 ほかにもまだまだたくさんの要素があるのですが、残念ながら時間が限られていたこともあり、そのすべてを体験することはできませんでした……。
 いま思うのは、とにかくもっと遊びたい!ということ。発売が楽しみでなりません。

 そんな『Lies of P』は2023年内に発売予定。日本語は字幕対応がなされる予定です。
 なお、電ファミではG-STAR2022で開催された、本作のプロデューサーへのインタビュー、ならびにアートディレクターによるカンファレンスも掲載予定しています。ぜひこちらも合わせてご覧ください。

デスク
電ファミニコゲーマーのデスク。主に企画記事を担当。 ローグライクやシミュレーションなど中毒性のあるゲーム、世界観の濃いゲームが好き。特に『風来のシレン2』と『Civlization IV』には1000時間超を費やしました。最も影響を受けたゲームは『夜明けの口笛吹き』。
Twitter:@ex1stent1a

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