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奇妙な物語系ホラーかと思ったら、突然スーパー呪物をゲットして人を呪い殺せるようになった。スクエニの新作ホラゲー『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』が意欲的すぎる

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 アクション、RPG、シューティング、対戦格闘、パズル……ゲームのジャンルには様々な物が存在しますが、それらの中でも昔から存在するのが、ミステリーゲームです。 
 古くは『ポートピア連続殺人事件』『ファミコン探偵倶楽部』『かまいたちの夜』などの名作があり、その他にも『逆転裁判』『ダンガンロンパ』のような人気シリーズや、『クロス探偵物語』『TRICK×LOGIC』のような隠れた名作も存在する、奥の深いゲームジャンルです。

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 そして、今回取り上げますミステリーゲームは、スクウェア・エニックスの『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』。そのゲームジャンルは、群像劇ホラーミステリーADV……そう、本作はただのミステリーではありません。
 ミステリーゲームの中に、『街 〜運命の交差点〜』『428 〜封鎖された渋谷で〜』に代表される群像劇ゲームと、『ルイージマンション』『The Last of Us』『四八(仮)』に代表されるホラーゲームを融合させたゲームとなっているのです。

 さて、たった今挙げました各ジャンルの代表作の濃度からもお分かりいただけますように、私はミステリーゲームが大好きで、ホラーゲームが大の苦手。
 正直、ホラーゲームはほぼプレイしたことが無く、ゲームジャンルがホラーという時点でかなり気乗りはしないのですが、愛してやまないミステリーゲームとあっては黙って見過ごすわけにはいきません。

 そこで今回は、『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』がどの程度ホラーに寄っていて、どの程度ミステリーに寄っているのか。そのバランスについても触れつつ、本作の魅力についてお話していきたいと思います。

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文/DuckHead

※この記事は『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』の魅力をもっと知ってもらいたいスクウェア・エニックスさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


プロローグからジャンルを見失う、怒涛のストーリー展開

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 早速ゲームを起動してみますと、タイトル画面等は表示されず、いきなり物語がスタート。能で使われる翁面らしきものを付けた、案内人を名乗る人物が登場。その表情は見えず、素性は一切不明です。

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 そんな案内人は、人々の営みには常に死が付きまとっていたこと、古来より死に抗うための儀式や風習があったこと、誰か生き返らせたい人はいるかなどなど……今回紡がれる物語の前口上を語り、プレイヤーをゲームの世界観へと誘います。

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 加えて案内人は、物語の舞台がカラーテレビが各家庭に普及し始めた昭和の時代であることを教えてくれます。この時代には携帯電話はなく、外出先では公衆電話を利用して電話をするということにも触れてくれているあたり、若年層への配慮も感じますね。

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 「本日これより展開されるパラノマサイトは、蘇りの秘術という呪いを巡って、壮絶な命の奪い合いを繰り広げることになった9人の男女が紡ぐ世にも怪奇な夜話にございます。」
 案内人はそうプレイヤーに語りかけ、いよいよ物語が始まります。雰囲気はバッチリですね。

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 そして、物語は興家彰吾(おきいえしょうご)の視点からスタート。「おーい、興家くーん」と、彼の名を呼ぶ声で目を覚ますと、そこは屋外。目の前には声の主である女性が立っていました。
 ひとまず、この場所がどこなのか、彼が今どのような状況にあるのかを確認するべく、周囲を見渡します。

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 さて、このゲームにおいてプレイヤーは、周囲を調べるために操作キャラクターの視点を動かすことができます。中にはその範囲に制限がある場合もありますが、基本的には周囲360°を見渡すことができ、上下左右様々な場所に目を向けることが可能になっています。

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 周囲を調べた結果、興家くんが今いる場所は、深夜の東京都墨田区の錦糸町の錦糸堀公園と判明。随分と具体的な地名が出てきていますが、こちらは実在する公園なのだそう。

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 そして、彼の目の前にいた女性は、福永葉子
 彼女は興家くんのガールフレンド……というわけではなく、彼らは一か月前にこの錦糸掘公園で知り合ったばかり。

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 公園で不審な動きをする葉子さんに興家くんが声をかけたのがことの始まりで、オカルトが大好きな彼女は、江戸時代からこの地域に伝わる “本所七不思議” を調査しているところでした。

 なんでも、錦糸掘公園は、置いてけぼりという言葉の語源になった『置いてけ堀』の伝説が残る土地で、実際にこの付近に置いてけ堀があったんだとか。

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 そして、そんな珍妙な出会いからおよそ一か月経った今日、興家くんは葉子さんに七不思議探しの続きをやるからと公園に呼び出されていたのです。

 ……なるほど、タイトルで七不思議と言われていたので身構えていましたが、この手のやつでしたか。霊的なものが絡む怪談話は物凄く苦手なんですが、妖怪とかこういう類の伝承話は大好きです。どうやら、当初思っていたのとは違う方向へ話が転がり始めているようです。

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 さて、本作においてプレイヤーは、物語の観測者として、ストーリーの中の好きな場面で、人物紹介や話の中に登場した事物の詳細を、確認することが可能となっています。

 今回の興家くんと葉子さんの出会いの会話を見終えたことで、本所七不思議に関する資料が追加されたため、ひとまずストーリーを中断し、七不思議について調べてみることに。

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 資料によると、本所七不思議の中身は、『置いてけ堀』『馬鹿囃子』『送り提灯』『送り拍子木』『落ち葉なき椎』『津軽の太鼓』『足洗い屋敷』『片葉の葦』『消えずの行灯』。『置いてけ堀』『送り提灯』『足洗い屋敷』『消えずの行灯』あたりは聞き覚えがあるような気がしますね。

 ……聡い皆さまであればお気づきになられたかとは思いますが、七不思議なのに九つあります。何が七不思議だよと思いつつ、その疑問を葉子さんにぶつけてみたところ、

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 一説によると七不思議の数はさらに多いとのこと。昔ながらの伝説なので、その辺はおおらかなのでしょう。

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 さらに七不思議に関する資料を読み込んでみると、その内容は、油が無いのに常に灯りがともり続けている『消えずの行灯』や、落葉しているところを誰も見たことがない『落葉なき椎』などのように、こちらの想像を下回るものばかり。

 中には妖怪の類が絡む話もあるのですが、基本的には不思議な小話レベルであり、『落葉なき椎』に至っては、椎は常緑樹なのでそもそも葉を落とさないにも関わらず、人々がそれを不思議と捉えたことが不思議という結論に至っている有様です。

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 この点についても葉子さんにぶつけてみたところ、こういった伝承は、いわば何百年とかけた伝言ゲームのようなもので、本来の話とは違う形でこの時代にまで伝わってきている可能性があるとのこと。
 いいですねー。こういう物語のルーツを辿る研究の話も大好物です。

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 そして、二人の会話は、“蘇りの秘術” の話へ。葉子さんによると、つい最近、郷土史研究家が蘇りの秘術について記された江戸時代の古文書の存在を発表し、オカルト界隈がざわついているんだとか。

 実は葉子さんもオゴポゴを生き返らせるために蘇りの秘術を探しており、蘇りの秘術と本所七不思議には密接な関係があることを知った彼女は、深夜の錦糸堀公園で、七不思議『置いてけ堀』の調査をすることにしたとのこと。
 ちなみに、オゴポゴは事故死してしまった柴犬の名前。ペットの犬に付ける名前としては中々にエキセントリックですが、朧げな記憶を頼りにすると、そんな名前のUMAがいたような気がします。

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 そんな話をしていると、突然興家くんが何か変な空気、異変を感じとります。

 ……今のは一体全体何だったのか。ひとまず葉子さんの様子を確認してみると

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 先ほどまでとは明らかに様子が違い、驚愕の表情を浮かべ狼狽しています。話しかけてみましたが、彼女は興家くんの背後を指さし、言葉にならない声をあげ続けています。

 こ────────れは、振り向きたくねええええええでございますですね。絶対に後ろに霊的な何かがいて、振り返った時に驚かしてくるやつじゃないですか。私がホラーが嫌いなのはこういう演出のせいなんですよ。分かっててもダメなんですよ、こういうもんは。むしろ来ると思ってる方が嫌かもしれないです。

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 しかし、先ほど触れましたように、このゲームではキャラクターの視線を操作し、周囲360°を見渡してゲームを進めていかなければなりません。つまり、キャラクターが勝手に背後に振り返ってくれるなんていうことは、待てど暮らせど起こり得るはずがなく、プレイヤー自身の手で視線を動かし、背後の様子を窺わなければならないのです。

 ……本当にふざけんなって話。勝手に首振って欲しいのよこっちは。わざわざ操作を委ねるんじゃないよ。煩わしい。人が驚くの見てそんなに楽しいか。性格悪いわ本当に……恐怖を紛らわせるべく、ブツブツと文句を呪詛のように垂れ流しつつ背後へ視線を移すと……

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 何もありませんでした。「いや、この後急に何かが起きるんじゃないか?」と警戒を怠らずに周囲を調べてみましたが、そこには街灯の薄明かりと暗闇が広がるのみ。やはり、おかしなところはどこにもありません。

 「っっってことは、今度振り返ったら葉子さんの方に異変が起きているパターンだ!」と、謎の天啓を受け、再び恐る恐る葉子さんの方へ向き直ってみると……

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 彼女の方にも特に異変は無し。
 「何だよ、ビビらせやがって」などと思いつつ、物語に進展も見られないので、ひとまず葉子さんに話しかけてみると

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 ただただ悲鳴を上げ続けるばかりで、とても会話の出来る状態ではありません。これはとんでもないことになってきています。とんでもないことになっているということまでは分かるのですが、何がとんでもないことなのか、その具体的な内容は皆目検討がつきません。

 再び背後に振り返り辺りを調べてみますが、どこにも異変は見当たらず。背後と葉子さんを行ったりきたり、考えられる場所をしらみつぶしに見ていきますが、やはりどこにも何もありません。

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 そんな視線のシャトルランを繰り返していますと、興家くんが突如として揺れのようなものを感じました。「何だよ!何なんだよもう!」と心臓が高鳴りますが、目の前の景色は先ほどと同じ薄明かりと暗闇が広がるのみ。またもや特に変化はありません。

 しかしながら、こんな奇妙な演出が繰り返されているのに、実は何も起きていませんでしたなんてことがあるとも思えません。
 「もしや今度こそ……?」嫌な予感が沸々と湧き上がり、葉子さんの方へ振り返って見ると……

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 やっぱりな!そんなことだろうと思ったよ!……そこには変わり果てた葉子さんの姿がありました。なんとなく予想ができていたとは言え、ビビるものはビビります。なんと言っても恐ろしいのはその表情。先程までの可愛らしい雰囲気はどこへやら、苦悶の表情を浮かべるその顔には生気が感じられません。
 
 ……幸いといいますか何といいますか、ミステリーゲームで死体には見慣れているので、驚きこそしたものの、すぐに気持ちは冷静になりました。「なんだぁ、死体かぁ。霊じゃなくてよかったー。」。倫理観は終わっています。

 それはともかくとして、今はミステリーゲームのプレイヤーとして、葉子さんの身に一体何が起きたのかを調べなければなりません。彼女の死因が何なのか、そもそも、これが死体なのかどうかすら分からない状態です。何かしらの情報を得るべく、調べていると……

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 女性の悲鳴と共に、霊のようなものが一瞬画面に大きく映し出されました。そっちはそっちであんのかよ!あまりにも急だったので、深夜にも関わらず情けない声が出てしまいました。ほんっっっっとうにこういうのが一番嫌いなんですよ!

 ホラー苦手なのに深夜にホラーやるんじゃねぇって話ではあるんですが、夜行性故に仕方がありません。それにしても、葉子さんの変わりようばかりに気を取られていたので、完全に不意をつかれました。怪談レベルの低い七不思議で油断していましたが、やっぱり霊的なホラーもしっかりとあるんですね。よ───く分かりました。

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 葉子さんの異変と、霊のような何か。立て続けに起こったあまりにも衝撃的すぎる出来事に、軽いパニック状態になっていたのですが、それは当事者である興家くんも同じ。彼もまた、あまりにも突然すぎる一連の出来事を目の前に、パニックに陥ります。

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 どうにかこうにか119番へ連絡し、救急車を呼びましたが、既に葉子さんは亡くなっているようでした。どうしてこんなことになってしまったのか。途方に暮れていると、

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 「蘇らせろ!」彼の脳裏にそんな言葉が響き渡ります。
 祟りとしか思えないような死を遂げた葉子さん。ならば、その逆の蘇りの秘術があってもおかしくはないはずだ。そう考えた興家くんは、この異常事態を打開するべく、周囲の様子を入念に観察します。

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 すると、彼女の亡骸の隣に、何かが落ちているのを発見。

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 呪詛珠『置いてけ掘』……?
 何だこれは……?と思いつつボタンを押してみると

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 急に大音量の音楽が鳴り響き、先ほどの霊らしきものの怨みの記憶が流れ込みます。いやいや、この短時間で何回驚かせてくれやがるんですか。

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 肝が冷えるような演出とストーリー展開を全身に浴びていると、なにやら画面に文章が現れました。

 自分の前から立ち去ろうとする者を呪い殺せるようになりました

 …………は?

 更に読み進めると、対象が立ち去るタイミングで[呪詛行使]ボタンを押下してください……とのこと。
 いやいや、冷静に呪い殺し方のレクチャーされても困るんですよ。これだけ丁寧にしっかりと教えてくれるってことは、この後使う場面が何度か出てくるってことじゃないですか。

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 思いがけない展開に困惑しつつテキストを読み進めていくと、日常生活では中々お目にかかれない「さあ、殺せ」という言葉が画面に大きく映し出されました。かなり物騒なことになってきましたね、これは。

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 その後、呪詛の言葉はこう続けます

 「きこえるか呪主よ、蘇りの秘術を得たくば、この呪いの力によって人々を屠り、魂の残滓を集めよ。幾人なる滓魂(さいこん)を呪詛珠に捧げることで、それを贄に環魂が為され、蘇りの秘術は発現しよう。又、他の七不思議の呪主をひとり呪い殺さば数十人に相当する滓魂を得られよう。」

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 「さぁ、呪い殺せ!」……呪殺奨励の霊圧が凄いことになっていますが、ここまでの展開を雑にまとめますと、

 ① 葉子さんが、謎の死を遂げた
 ② 七不思議の呪いを受けた興家くんは、『置いてけ堀』の呪主になった
 ③ 『置いてけ堀』は、立ち去ろうとするものを溺死させる能力
 ④ 誰かを呪い殺して一定数の魂を集めれば、蘇りの秘術が使えるようになる
 ⑤ 他の呪詛珠の持ち主を呪い殺すことができれば、数十人の魂を集めたのと同じ効果が得られる

 ……何と言いましょうか、バトルものの漫画で何度か聞いたことがあるような設定です。⑤の魂買取アップキャンペーンの辺りが特に。

 え、そういうゲームでしたっけ? 確か、群像劇ホラーミステリーADVでしたよね?もしや今から、呪詛珠による呪いバトルロワイヤルが始まるってことなんでしょうか?

 まぁ、確かに冒頭で案内人が「壮絶な命の奪い合い」と言ってはいましたけれど、本作がミステリーということで、シンプルに殺人事件のことを指しているのかと思っていました。 まさか、こういう意味での命の奪い合いだったとは……。先ほどまでとは種類の異なる驚きに身を震わせる中、当の興家くんはというと……

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 呪殺にかなり前向き。葉子さんを蘇りの秘術で蘇らせるべく、誰かを呪い殺して滓魂を収集することを決意します。色々と言いたいことはありますが、プレイヤーはあくまで観測者。彼の思考回路、彼の倫理観を咎めることはできません。

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 するとそこへ、謎の男が登場。弓岡と名乗るその男は、七不思議の力を得た呪主が何人もいるということ、呪主は呪詛珠に触れた際に流れ込む恨みの記憶に支配され、誰かを呪殺することにためらいがなくなっていることを語り、呪詛珠を手放すよう要求してきます。
 なるほど、興家くんがかなり前向きだったのは、呪詛珠の呪いのせいだったというわけですね。

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 呪詛珠の返還を求められた興家くんでしたが、呪詛珠の狂気に触れてしまった彼には既にためらいなどありません。呪詛珠を大人しく渡すなどということがあろうはずもなく、『置いてけ堀』の呪いの条件を満たし、弓岡を呪殺します。

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 こうして、弓岡の魂を得た呪詛珠には、1%の滓魂が追加されました。滓魂が完全に満たされれば蘇りの秘術が使えるというシステムになっているようですが、どうやらその道のりはまだまだ遠そうです。

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 このままのペースでは、蘇りの秘術に辿り着くことができない。そう考えた彼は、効率的に滓魂を得るため、自分以外の呪主を探し出して呪殺する決意を固めます。果たして興家くんは、無事に葉子さんを救うことができるのでしょうか……?

 さて、ここまで本作のストーリーを簡単にお話させていただきました。
 本所七不思議、蘇りの秘術、呪詛珠、滓魂……。既に中々の情報量で、
 ストーリーも怒涛の展開を見せていますが、最初にお伝えしましたように、本作は群像劇。ですが、現状では興家君以外の操作キャラクターは出てきておらず、彼は誰のストーリーとも交わっていません。つまり、この物語はここまでで最序盤。起承転結の起。プロローグもプロローグというわけです。

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 この後は、数日前の警察官の不審死、1週間前の女子高生の自殺、1年前の誘拐殺人事件、20年前の猟奇殺人事件といったさまざまな殺人事件が絡み合いながら物語は展開し、遂には江戸時代の本所事変と呼ばれる事件にまでさかのぼり、本所七不思議の起源に迫っていくこととなります。

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エグみすら感じる、強烈な個性を持つキャラクターたち

 さて、本作のような群像劇ゲームでは、物語の中に登場するキャラクターたちの個性が非常に重要になってきます。キャラクターたちの魅力が強ければ強いほど、「はやく話の続きが見たい」という気持ちが湧き上がり、より一層プレイに熱が入りますからね。

 それではここで、物語の鍵を握る主要人物、操作キャラクターを簡単にご紹介しておきましょう。

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 まずは、警察官の不審死を追う中で、一連の奇妙な変死事件の捜査にあたることになる捜査一課のベテラン警部、津詰徹生

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 私の大好物、ただただ渋くてカッコいいオッサンである津詰警部ですが、その反社会的勢力にしか見えないようなコワモテな見た目に反して意外とノリがよく、仲間思いの心優しい性格です。

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 そんな彼は、以前 “心霊対策室” と呼ばれる警視庁の部署に所属していたことがある人物。心霊対策室とは、その名の通り、霊災・霊障による事件の調査及び解決にあたる部署であり、超常現象が絡んだ事件専門のチーム。その存在を知るものは警察内部でもごく少数という秘密部署です。

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 こういった特殊な経歴を持つ津詰警部は、図らずも七不思議の呪いを受けることとなり、呪主になります。

 さきほどお話した呪主の能力と蘇りの秘術に関するルールを理解した彼は、これから起こりうるであろう惨劇を回避するべく、人が出払っていて事件の捜査に当たることができない心霊対策室チームの代わりに、全ての呪詛珠の回収と、七不思議の呪いを発現させた黒幕の正体を追いかけることとなります。

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 続いては、一週間前の幼馴染の自殺を不審に思い、その真相の究明にあたりつつ、彼女を蘇らせようと考える高校生、逆崎約子

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 明朗快活かつ義理人情に厚く涙もろい。生まれも育ちも墨田区本所である彼女は、チャキチャキの江戸っ子です。先ほどの警部に続き、これまた私の好きなタイプのキャラクターですねー。

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 昔はよく一緒に遊んでいたものの、数年前から疎遠になってしまっていた幼馴染、白石美智代の自殺にどうしても納得がいかなかった彼女は、独自に事件を調査するも、無駄骨に終わっていました。

 事の真相は知りたいものの、次に打つべき手立てが分からず成す術がなくなってしまった彼女は、藁にもすがる思いで、オカルトに詳しいクラスメイトと共に深夜の高校でこっくりさんを実行し、こっくりさんに事件の真相と蘇りの秘術について尋ねることにします。

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 そして、そのこっくりさんの最中に七不思議の呪いを受け、呪主となった彼女は、一連の変死事件に巻き込まれていくこととなります。

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 お次は、一年前の誘拐殺人事件によって、小学生だった一人息子を喪った主婦、志岐間春恵

 彼女が息子を喪った誘拐殺人は、本来であれば大々的に報道されるであろう大事件でしたが、春恵の父が警視庁の幹部だったことから、警視庁幹部の孫が誘拐犯に殺害されたとあっては警察の沽券に関わるとして、事件は徹底的にもみ消されました。
 しかも、この事件の犯人は現在まで捕まっていないため、彼女は私立探偵を雇い、誘拐殺人事件の真相究明を求めます。

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 そんな彼女、金田一耕助シリーズに出てきてもおかしくないような、憂いや儚さを帯びた人物なのですが、

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 いやー、もう……本当に表情が豊かですよねー……。時折表情の恐ろしさだけで霊の恐ろしさを上回ってくることもある、 中々刺激的なマダムです。彼女以外にも本編の随所で感じるところではありますが、やはり一番怖いのは人間

 彼女の境遇を考えますと、この情緒不安定っぷりも仕方がないとは思うのですが、正直、お近づきにはなりたくないところではあります。

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 彼女もまた、七不思議の呪いを受け呪主となった一人なのですが、息子を蘇らせたいという思いが非常に強く、いつ何をしてもおかしくないという危うさがあり、その動向と表情に目が離せません。

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 そして、本作は脇役たちも非常に個性的。中でも私が特に好きなのが、こちらの私立探偵、櫂 利飛太(かい リヒタ)です。

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 『探偵物語』の松田優作、金田一耕助、若いころのジュリー……。少し思考を巡らせただけでもさまざまな人物が頭をよぎる、インパクト抜群な見た目をしている彼は、プロの探偵、彼が言うところの “プロタン” として、志岐間春恵の依頼で一年前の誘拐殺人事件の調査にあたります。

 櫂 利飛太(かい リヒタ)、とても読めたもんじゃない名前なんですが、これも探偵にはよくあることですね。

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 基本的にはキザな色男といった趣の彼ですが、駄菓子屋巡りが趣味で、子供相手に本気でムキになれるという可愛らしい性格の持ち主でもあります。……この見た目でそんな性格だと、ただのヤバいやつって感じもしますけれど。

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 そんな彼は、ほぼほぼ常にシリアスな雰囲気が漂い続ける志岐間春恵のパートナーとして、その強い個性で物語を明るくしてくれる存在。

 しかしながら、カッコよく決めるところはバチッと決めてくれるので、3枚目もできる2枚目が1番かっこいいという持論を持つ私からしますと、好きになる要素しかないキャラクターというわけです。

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 その他にも、本作には個性豊かなキャラクターが多数登場。ゲームをプレイしていれば、お気に入りのキャラクターが自然と増えていくのではないでしょうか。

ゲームプレイを快適に進める、洗練されたシステム

 さて、続いては本作のゲームシステムについてお話していきたいと思います。

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 本作はアドベンチャーゲームということで、行動の選択が求められる場面が度々登場します。そして、選んだ選択肢によっては、

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 操作キャラクターに死が訪れたり、

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 物語が陰鬱で凄惨な結末、バッドエンドを迎えたりします。

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 バッドエンドもエンディングの1つではありますが、真のエンディングにたどり着き、事件の全容を知ることこそがプレイヤーの目的。異なる結末へ、話の軌道を修正しなければなりません。

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ストーリーチャート

 そこで重要になってくるシステムが、物語を好きなタイミングからやり直せる “ストーリーチャート” 。これを使用することで、プレイヤーは選択肢を選び直してキャラクターの行動や状況を変化させることができます。

 それによって、物語はそれまでとは異なる方向へ分岐し、新たな結末へと導かれるというわけです。群像劇もののゲームではお馴染みのシステムですね。

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 そして、これもまた群像劇もの特有のシステムですが、誰か一人のストーリーを進めていくだけでは物語は展開していきません。

 別の操作キャラクターで何かしらの行動を起こすことにより、それが他の登場人物の行動や状況に影響を与え、ストーリーが前へ前へと進んでいくのです。この操作キャラクターたちの行動がお互いのストーリーに干渉しあうというところが、群像劇ゲームの醍醐味と言っていいでしょう。

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選べない選択肢

 また、本作では物語の途中で選べない選択肢に遭遇することも。このような場合は、他のキャラクターの物語を進めたり、あえてバッドエンディングを見たりすることで、この時点では操作キャラクターが知り得ない情報を入手し、選択肢の幅を増やすことができます。

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条件を満たし、選択肢が選べるように

 このように、本作では物語のやり直し、リプレイを求められる場面に何度も遭遇することとなります。そのため、物語の全容を把握し、ストーリーを異なる方向へ分岐させるためのストーリーチャートが攻略のメインとなってくるわけですが、本作のストーリーチャートは、チャプター分けが細かく設定されているのが良いポイント。

 オートセーブ機能もあるため、ストレスフリーで物語をやり直すことができ、サクサクとプレイを進められます。

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 そして、先ほども少し登場しましたが、本作では好きなタイミングで物語の資料や登場人物の設定を確認することが可能。これらの資料は選択肢が出ているときにも閲覧することができるため、細かい内容を忘れてしまったとしても、その都度確認し、正しい選択肢を選ぶことができるようになっています。

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 推理もののゲームをプレイしていると「あー!なんだったっけこれ!ド忘れした!」となる局面がしばしばあるのですが、そうなったとしても、落ち着いて資料を確認することができるのはありがたいですね。
 漢字表記が思い出せなかったりすることもあったので、非常に助かりました。

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 また、作中に登場する過去の大事件は、ストーリー上では有名事件であるため、既に皆知っていることとして話が進んでいき、その詳細が語られない事も多く、しっかりと資料を読み込んで頭の中を整理しておくことで、物語の読解がスムーズになります。

 登場人物の設定についても同じことが言えるので、これらの資料は内容が更新されたら可能な限りチェックしておくのがいいでしょう。

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 そして、本作では、行動の選択だけではなく、周囲の探索・調査も重要な要素の1つです。よーく目を凝らして見なければ見逃してしまうかもしれないようなレベルの微細な変化が起きていることもあるため、360°、上下左右をじっくりと見渡して調べる必要があります。

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 目の前の事だけに集中していては、見つけられるものも見つけられません。物語を進めていくためには、冷静に周囲の様子を観察する余裕を常に持っていなければならないのです。 ……最初からそれができれば苦労はしないんですけどね。

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 ちなみに、本作の背景は、墨田区の観光課、郷土資料館、観光協会、商工会などの全面協力によって360度カメラで撮影された “全天球背景デザイン” で制作されたものとのこと。
 実際に錦糸堀公園の背景を写真と見比べてみたのですが、かなりの完成度。非常にリアルに風景が再現されています。

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 また、先ほども触れましたが、キャラクターの視点を360°動かすというこの探索システムは、本作のホラー演出に一役買っている部分があります。

 視線を移してみたら急に人が立っていたり霊が出てきたりするパターンで何度驚かされたことか……。ミステリーとしての調査のワクワク感と、ホラーとしての探索のドキドキ感が両立している、良いシステムだと思います。

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 更に本作には収集要素もあり、特定の時期に特定の場所を調べることで、不良のような衣装を着させられた鳥、“なめどり” のシールを集めることができます。言及するまでもないかもしれないですが、元ネタは昭和の時代に流行したなめ猫ですね。全部で20種類あるなめどりを集めることができれば、幸運が舞い込むとか舞い込まないとか。

 こちらの全回収を目指すならば、周囲の探索は必須。物語のそこかしこで、入念に調査をしていきましょう。

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 また、本作ではオプションからBGMやボイス音量を調節することができます。

 今回のプレイでは、案内人の勧めに応じてボイス音量を0にしてプレイさせて頂きました。ノベル的な要素の強いゲームで遊ぶときには、本を読んでいるような感覚にするのが好きなんですよねー。急にビビらせるようなボイスが出てこないようにするためではありません。断じて。

ホラーとミステリーが程よい塩梅で混ざりあうストーリー

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 さて、ここまで本作の魅力について色々とお話させていただきましたが、何といっても本作の大きな特徴は、ホラーとミステリーが融合したストーリーにあると言えるでしょう。

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 ミステリーゲームにも、怪談や霊的な事象になぞらえた殺人を扱い、全体的におどろおどろしい雰囲気に包まれている作品は数多く存在しますが、実際に霊が出てきて事件に関わってくるとなるとまた話は別。これさえなければ、もっと楽しくプレイできるんですけどね……。

 というのは、ホラーを避け続けているビビリの意見。そんな私がこんな風に感じているということは、裏を返せば、本作のホラー演出が効果的に働きまくっているということであり、寧ろ私のようなタイプの人間が普通にプレイできてしまっていては、ホラーゲームとしてどうなんだという話にもなってきます。

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 そして、苦手なホラーを乗り越えてまで私がプレイを続けてしまうのは、本作のミステリー要素が非常に引き込まれるものであり、話の続きが気になって仕方がないからに他なりません。

 ホラー展開でビビらされたかと思えば、ミステリー展開に引き込まれる……。ホラーとミステリーのバランスが絶妙である本作ですが、作中で発生する事件の中に呪いや霊といった超常現象が絡んでくるため、その構造は中々に複雑。これらの超常現象があるのは当然のこととして考えなければならないため、一般的な推理ゲームで使わないであろう思考回路で事件の究明にあたることになります。

 他ではあまり経験しない感覚とはやはり楽しいもので、プレイしている間、脳内は心地よい汁で溢れかえっていました。そうです、私がミステリーゲームをプレイし続け、推理小説を読み続けているのは、この汁のためなんです。この脳を回転させている感覚、謎が解き明かされた時の快感こそが、ミステリーゲームの醍醐味と言って差し支えないでしょう。

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 さて、探索の楽しさ、物語を読み進める楽しさがあるのはもちろん、ホラー要素もあり、群像劇ゲームとしての面白さをしっかりと押さえた本作は、やりごたえ十分。ホラーゲーム好き、ミステリーゲーム好き、群像劇ゲーム好き、アドベンチャーゲーム好き。どのジャンルのファンにもオススメできる作品です。是非プレイしてみてはいかがでしょうか。

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ライター
レトロゲームから最新ゲームまで、面白そうだと感じた家庭用ゲームを後先考えず手当たり次第に買い漁る男。500を越えてから、積み上げたゲームを数えるのは止めました。 ディズニーアニメ・お笑い・音楽・漫画などにも広く浅く手を伸ばし、動画投稿者としても蠢いています。
Twitter:@DuckheadW

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