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過労死寸前の死神を操り、プレイヤーも過労死寸前!ハイスピード戦闘で部下を“わからせていく”『Have a Nice Death』がメチャクチャ面白い

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 かわいいは正義。これは、この世の掟、自然の摂理というものでしょう。
 かっこいいは正義。これもまた、この世の掟、自然の摂理というものでしょう。

 では、その両方の要素を兼ね備えるものがあるとしたら……?

 そんな欲張りがすぎるとも言える夢のような話を実現しているゲームが、今回ご紹介する、PCやNintendo Switchで発売されている『Have a Nice Death』です。

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 見ての通り、デフォルメされたかわいらしいキャラクターを主人公とする本作は、会社のCEOである死神が言うことを聞かずに暴走する部下たちを分からせるローグライクゲーム。

 ……ローグライクというゲームジャンルに聞き馴染みのない方のために簡単に説明させていただきますと、ローグライクとは、ローグのようなゲームのこと。

 「……じゃあ、ローグってなんだよ」という話に当然なってくるかと思うのですが、ローグ(Rogue)とは、PCゲーム黎明期の頃に製作された、プレイごとに毎回マップが自動生成されるという特徴を持つRPGのことであり、その何度遊んでも飽きがこないシステムから、多くのファンを獲得。

 この、マップ自動生成というアイディアはその後のゲーム作品へも脈々と受け継がれ、ローグのようなゲーム、ローグライク(Roguelike)と呼ばれる一大ジャンルを形成するに至ったのです。『トルネコの大冒険』『風来のシレン』に代表される、『不思議なダンジョン』シリーズも、このジャンルに分類される作品のひとつですね。

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『Crypt of the NecroDancer』

 そして近年、成長を続けたローグライクの様式は多様化しており、リズムに合わせてキャラクターを動かすという、音ゲーと融合したようなゲーム性の『Crypt of the NecroDancer』や、

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『Cult of the Lamb』

 ローグライクの中にカルト教団経営シミュレーションというまさかの要素をを取り入れた『Cult of the Lamb』、

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『Rogue Legacy 2』

 何度もプレイを重ねる中でプレイキャラクターのステータスを強化していく成長要素が世代継承という形で取り入れられた、『Rogue Legacy』シリーズなどの名作が誕生しています。

 この『Rogue Legacy』、そのまんまタイトルにローグという言葉が入っていますが、メトロイドやキャッスルヴァニアのような探索アクションゲームを表すジャンル、“メトロイドヴァニア” の要素も強いゲームとなっています。

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『Dead Cells』

 また、『Rogue Legacy』シリーズのように、メトロイドヴァニアのような探索要素を入れたローグライクゲームも次第に増えてきており、特に、ローグライクとキャッスルヴァニアを融合させたゲームジャンルとして、“ローグヴァニア” を標榜する『Dead Cells』は、名作として多くのファンに愛されています。

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 少々話が脱線気味になってしまいましたが、今回の『Have a Nice Death』は、探索要素や成長要素もあるローグライクアクションゲームで、その魅力は、何と言ってもスピーディーでスタイリッシュな戦闘。つまり本作は、ローグライクにハックアンドスラッシュの要素を入れ込んだゲームとなっているのです。

 今回は、戦闘面はもちろんのこと、ゲームシステムやキャラクターデザインなどもしっかりと作りこまれている本作の魅力を、可能な限りお伝えしていければと思います。

文/DuckHead


キュートなキャラクターたちが織りなす、皮肉たっぷりのブラックなストーリー

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 ゲームを起動すると、画面には早速注意書きが。
 何が書かれているのかということを確認する前に、まずはその字の細かさと薄さに目を奪われてしまいますが、簡単にザックリとまとめると、「本作は酷い労働環境をダークユーモアたっぷりに描いた作品です。本作での表現を不快に思う方もいらっしゃるかもしれません」と、書かれています。ゲーム画面だと普通に読めるんですが、画像だと異様に見えにくいですね……。

 それはともかく、労働という題材をブラックユーモアを交えて描く。笑いとしては中々取り扱いの難しいところへ手を出しているという感じがします。

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 まずはそんな本作のストーリーをご紹介しておきましょう。主人公は、死者の魂を集める仕事に従事する死神。

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 生物が時を刻みだしたその瞬間から、魂回収業に真摯に取り組んできた死神ですが、この仕事は常に1人での作業。世界中の魂をワンオペで回収するという、致死量に値するくらいのとんでもない業務量に死神は辟易し、疲弊していきます。

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 そして、この状況を如何ともしがたくなった死神は遂に会社を設立。CEOとして会社のトップに君臨し、新たに従業員を雇い、彼らに世界中の魂を回収させることにします。

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 こうして、死神の勤務形態は大きく変わり、これまでの現地に直接赴いて魂を回収する肉体労働から、部下たちが集めてきた魂を書類とハンコによって処理していく事務的なデスクワークに変わりました

 これで彼の仕事は一気に楽になる……かに思われたのですが……

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 部下たちの大暴走により、会社にはキャパシティを越えた数の魂が集められ、死神は書類の山に追われることに。次第に増えていく業務に忙殺され、せっかく立てたバケーション計画もボロボロにされた死神は、次第に仕事に対するやる気を失い、その体のサイズも日増しに小さくなっていってしまいます。

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 続けても続けても、いつまでもいつまでも終わらない仕事。そして、傍若無人で全く言うことを聞かない部下たち……

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 遂に死神はブチギレ。誰がこの会社の “ボス” であるのかを部下たちに分からせ、会社に秩序を、自身にバケーションをを取り戻すために、鎌を片手に立ち上がります。

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 以上が『Have a Nice Death』のおおまかなストーリー。これまでのお話は、台詞らしい台詞のないアニメーションで語られるため、私が感じた印象でその内容を文章に書き起こしてみたものとなります。もしかすると、全くもって見当違いなことを書いてしまっているかもしれませんが、その点はご容赦ください。

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 そんな言い訳がましい話はさておき、こちらが本作の主人公である死神です。
 アニメ界では、ホラーマン、ブルック、ジャック・スケリントン。ゲーム界では、サンズ、パピルス、しりょうのきし……といった具合に、古今東西、骸骨をモチーフとしたキャラクターとは魅力的なものですが、今作の死神も、『悪魔城ドラキュラ』『シャドウゲイト』といった偉大なる先人死神達にまったく引けを取らない魅力を持ち合わせています。

 これはもう、たまんないデザインですよね。かわいい!好き!!!お持ち帰りしたい!!!!!飼いたい!!!!!!!

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 ……少々取り乱してしまいましたが、画像をご覧いただければ分かりますように、本作のキャラクターのデザインは、かなりデフォルメされています。そのデフォルメ具合は、『パワーパフガールズ』などのカートゥーンを彷彿とさせますね。

 そんなブラックさとは無縁に見えるキャラクターを使って描いているのは、ワンオペや、単純労働、部下との関係など、確かに過酷な労働環境に関する話。キャラクターの可愛さや雰囲気の軽さを盾に、ブラックユーモアへ突き進んでいるという印象です。

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 さて、先ほどから言っていますように、『Have a Nice Death』の大きな特徴のひとつが、カートゥーンらしい可愛さに溢れる死神が、スピーディーでカッコイイ戦闘を繰り広げるということ。全体的に漂う緩い雰囲気からは俄かには信じがたいかもしれませんが、ここからは、本作のゲームとしての中身についてじっくりと見ていきたいと思います。

サブ武器に呪文、多彩な攻撃方法

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 さて、ゲームの舞台となるのは、“DEATH INCORPORATED” 、通称 “Death.Inc” の社内。この会社のCEOたる死神は、会社に秩序を取り戻すため、エレベーターで少しずつフロアを突き進み、暴走する部下たちを暴力を以て鎮圧していくこととなります。

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 そして、本作で重要なのが、部下たちにボスが誰なのか分からせに行く途中で、逆に部下に分からされてしまう、すなわち死神の体力が0になってしまった場合、死神はご冥職をお祈りされ、最初のフロアからゲームがやり直しになってしまうということ。ローグライクの基本であるこの仕様があるために、クリアまでの道のりは長く苦しい戦いとなっています。

 ですが、やり直しになるたびにダンジョン……もとい、Death.Incの内部構造が変化するのはもちろんのこと、死神が入手することのできる武器やアイテムも毎回変わっていくというローグライクの特徴のおかげで、常に新鮮なゲームプレイを楽しむことができるのです。

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 それでは、次は死神の戦闘アクションを見ていきましょう。死神の基本攻撃は、その右手に握りしめたる鎌。これにより繰り出されるコンボ攻撃を軸に、部下たちに武力を伴う説得を執行します。なお、ボタン長押しでチャージ攻撃、上キーを押しながら攻撃ボタンで飛び上がり攻撃、下キーを押しながら攻撃ボタンで通常とは異なるモーションの攻撃といった感じで、基本攻撃にはいくつかのバリエーションがあります。

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 この鎌は、スタート地点で3種類の中からひとつを選択することができるようになっているため、どの鎌を選択したかによっても、ゲームのプレイ感が大きく変わってきます。
 ちなみに、鎌は4種類以上あるため、常に第一希望の鎌が使えるとは限りません。

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 また、鎌以外に用意されている攻撃手段が2種類あり、そのうちのひとつが “マント” です。

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ジャベリン

 マントと言ってしまうと、具体的な用途が少し分かりにくいですが、要するにサブ武器のこと。高威力な遠距離攻撃である “天啓の弓” や、敵に向かって突撃する “ジャベリン”、死神の周囲にカラスを出して攻撃する “無数のカラス”などの様々な種類があり、基本攻撃の鎌と絡めることで、多彩なコンボを生み出すことができます。

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アレイスター

 そして、もうひとつの攻撃手段が “呪文”。これは魔法による攻撃で、マントと同様、サブ装備として扱われます。
 その呪文が、マントと大きく異なるのは、“マナ” を消費するということ。マナとは、画面左上の体力バーの下に表示されているステータスのことであり、呪文の使用により消費され、時間経過で最大値まで回復します。雑に言ってしまうと、自動回復機能付きのMPですね。

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貫通光線

 この呪文にも様々な種類があり、その場に毒霧を巻き散らす “ポイズンミスト” や、2つの弾が波打って交差しながら飛んでいくトラブルクロス、無数のプリズム弾が敵を追尾して攻撃する “貫通光線” などがあります。

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 これらのマントと呪文は、合計で2種類までしか装備することができません。その組み合わせは、マント&マント、マント&呪文、呪文&呪文のいずれでも構わないのですが、それぞれの特性を理解して攻撃プランを組み立て、現状における最適な組み合わせを考える必要があります。この過程もまた、『Have a Nice Death』の楽しいポイントのひとつ。

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機械室
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機械室での装備強化

 また、マントと呪文は、社内の1フロアである機械室を訪れ、“ソウルリー” と呼ばれる通貨を消費することでパワーアップすることができます。

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 色々なアイテムや呪文を試して自分に合った最強装備を探し、その完成を目指してプレイしていくことも、死神に課せられた重要なお仕事。これは『Have a Nice Death』、ひいてはローグライクゲームの醍醐味の1つと言えるでしょう。

シビアな体力設定と、死神を強化していく面白さ

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 さて、『Have a Nice Death』のようなローグライクゲームにおいて重要な要素となってくるのが、体力と回復手段です。基本的に、ローグライクは最初から最後まで走り切らねばクリアとならず、一度体力が0になってしまえばその場で最初からやり直しになってしまうため、どのくらいの体力と回復の機会が与えられているのかが、ゲームの性質や難易度を決めるキーポイントとなってくるのです。

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体力ゲージと怪我

 本作では、攻撃によるダメージを受けると、体力ゲージが削られると同時に、削られた部分の一部が灰色になります。この灰色の部分は “怪我” と呼ばれ、低級な回復アイテムでは、最大でも怪我の部分までしか体力ゲージを回復させることができません。

 ……特にこれと言った説明もなくしれっと出してしまいましたが、“低級な回復アイテム”とは、“青色のアニマ” のこと。

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青色のアニマ

 ……特にこれと言った説明もなくしれっと出してしまいましたが、“アニマ” とは、本作で死神生存の鍵を握る、ストックして持ち運び可能な回復アイテムのこと。通常のアニマは、“青色のアニマ” と呼ばれ、先ほどもお話しましたように、怪我の部分まで体力を回復させることができます。

 通常、この青色のアニマは最大で3つまでストックすることができ、4つ目の青色のアニマを取得すると、1つの青色のアニマが “金色のアニマ” に変化します。そして、この金色のアニマを使えば、怪我以外の部分の体力ゲージも回復させることができるようになります。つまり、金色のアニマこそが、本作における高級な回復アイテムというわけですね。
 ちなみに、金色のアニマをストックの最大まで所持すると、それ以上アニマを取得してもアニマが変化したりましてや増えたりすることはありません。

 そして、このアニマを除くと、時々敵が落とすショート・コーフィーなどの、その場で効果が発揮されるアイテムくらいでしか、死神の体力や怪我を回復させることはできなくなっています。

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 私の個人的な感想ですが、本作の回復にはかなりの制限がかかっているという印象です。
 ……となると、体力が尽きてご冥職をお祈りされないようにするためには、なるべく敵の攻撃を食らわないようにすることが重要です。

 ゲームをクリアしたければ攻撃を食らわなければいい。至極当然なことを言っているように聞こえるかもしれませんが、今回私が言いたいのは、『Have a Nice Death』ではゴリ押しが通じにくいということ。これまた基本的なことではありますが、後半にいくにつれて敵の攻撃1発1発が非常に重くなってきますから、何も考えずに普通に歩いているだけでは、即ご冥職になってしまうでしょう。

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ダッシュ

 そこで本作の鍵となるアクションが、“ダッシュ” です。これを使えば、死神は無敵状態で一定距離を瞬間移動できるため、敵の攻撃を避けたり、敵をすり抜けて背後に回って攻撃したりすることが可能となります。本編攻略の上で必要不可欠なアクションですね。

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 このダッシュによる回避と回復面の厳しさがあるため、敵の攻撃をしっかり避けてしっかり攻撃を返していく戦闘は気の休まる時がなく、非常にスピーディーでスタイリッシュ。
 万全の準備をしているにもかかわらず、一瞬の気の緩みでご冥職一直線ということも日常茶飯事ですから、プレイ中はこれまで時間をかけて積み上げてみたものが一瞬にして崩れ去るかもしれないという恐ろしさも常に付きまといます。この緊張感もまた、本作の面白さを高めているのです。

 とは言うものの、ご冥職を避けてゲームをクリアするためには、ダッシュにばかり頼ってはいられません。だって私はアクションゲームがそこまで上手くないのですから。それどころか寧ろ下手だろうがという話は一旦脇に置いておくとしまして、私のようなノーダメージクリアなど夢のまた夢でしかないプレイヤーにとっては、敵の攻撃を食らっても死ににくい状態にまで死神を強化しておくことも大切です。

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 その分かりやすい手段のひとつが、基礎ステータスの強化。死神の体力とマナは、社内で入手できるアイテムによって最大値を増やすことができます。

 シンプルに生存確率を上げてくれる体力増強が重要なのは勿論ですが、呪文を有効活用したい場合は、マナの最大値も高めておかなければなりません。

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 そして、死神を強化する上で大切なもう1つの要素が、“呪い” です。
 呪いと聞くと多くの方がマイナスな効果を想像してしまうかと思いますが、本作における呪いは一般的なイメージとは真逆の効果を持っており、死神の能力を高めてくれる特殊能力のことを指しています。

 この呪いは色によって3種類に分けられており、赤色は鎌とマント青色は回復と防御緑色は呪文とマナに関する特殊能力を獲得することができます。そして、それぞれの呪いを囲んでいる枠の色は、その呪いのレアリティを表しており、コモンアンコモンレアエピックレジェンダリーとレア度が高くなっていきます。

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 また、同じ種類の呪いを獲得すればするほど、次に取得できる呪いのランクが上がり、より強力な能力を手にすることができるようになるため、どの色をどう強化していくのかの選択も非常に重要です。

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 基本的には死神に利益をもたらしてくれる呪いですが、悪い効果、ペナルティが付随してくることも。このペナルティの効果は、特定の敵が強化されたり、アイテムを購入するショップの値段が高騰したりと様々です。

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ペナルティ “目隠し”

 中には、ステータスや装備など、通常画面に表示されている情報が全て隠され遮断される……なんていう、とてもゲームどころではなくなってしまうような鬼畜すぎるペナルティもあるため、ペナルティ選びは慎重に進めなければなりません。

 そして、先ほど呪いにはレアリティがあるという話をしたところからもお分かりいただけるかもしれませんが、呪いを獲得する際に死神に提示される呪いの種類はランダムになっています。
 そのため、もう一度呪いの抽選をしなおしてくれる呪いリロールや、ペナルティを無くしてくれるアンチ・ペナルティなどを上手く使って、理想の死神像を作り上げていくことが、クリアへの近道となるのです。

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 さて、呪いや装備品などといった強化アイテムは社内で入手することができるのですが、フロア選択時にフロア名を見れば、次のフロアで確実に手に入るアイテムがどれなのかが分かるようになっています。

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 このフロア名を頼りに、その時の状況に応じて必要なものを適切に選択することが、優秀な死神になるための必須条件。しっかりと死神を強化しつつ部下を教化していきましょう。

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狂乱ゲージがマックスになると発動可能な狂乱攻撃。通常攻撃よりも強力。

 さて、ここまで色々と『Have a Nice Death』のシステムについてお話ししてきました。「結構覚えることが多いな」と感じられたかもしれませんが、実はこれでも基本中の基本。書き切れていないシステムがまだまだあります。

 ただ、覚えることが多いというのは事実なんですが、実際にプレイをしていると、これらの内容がビックリするくらいスルスルと頭に入っていきます。この不思議な現象は、もしかすると『Have a Nice Death』のゲームとしての面白さがなせる業なのかもしれません。

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ライター
レトロゲームから最新ゲームまで、面白そうだと感じた家庭用ゲームを後先考えず手当たり次第に買い漁る男。500を越えてから、積み上げたゲームを数えるのは止めました。 ディズニーアニメ・お笑い・音楽・漫画などにも広く浅く手を伸ばし、動画投稿者としても蠢いています。
Twitter:@DuckheadW

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