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海洋探検&寿司屋経営ゲーム『デイヴ・ザ・ダイバー』は決してネタゲーではない。怒涛のストーリーとゲームシステムを兼ね備えた神ゲーだった

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寿司屋経営

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バンチョ

 さて、こちらがコブラの連れてきた寿司職人、バンチョ。私もこの記事を書くまでずっと間違えていたのですが、パンチョではありません。バンチョです。彼が大将として切り盛りする寿司屋、バンチョ寿司のロゴが “番長” なので、お間違いなきよう。

 それはともかく、バンチョは一人称が拙者で二人称はお主であるなど、何かとインパクトの強いキャラクター。かなりの職人気質で、「寿司は海と大地の魂が一つに合わさった大自然そのものといっていい料理である」という熱い持論を持つ、寿司職人魂を滾らせ拗らせている人物です。

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 そんな彼は基本的に寿司道を極めること以外には興味がないため、デイヴがお手伝い兼スタッフとして、バンチョ寿司の経営に積極的に携わっていくこととなります。

 ちなみに、バンチョ寿司は日中は店を開けず、夕方からのみの営業です。
 どうして日中は営業しないのかと言うと、これは、寿司への拘りが猛烈に強いバンチョが、提供する魚の下ごしらえをせずに店をオープンさせることを断固拒否したため。昼はダイビングで夜は寿司屋経営。分かりやすくていいですね。

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 さて、デイヴがバンチョ寿司で行う重要な業務の1つが、その日のメニューを作ること。バンチョ寿司では、メニューに上げたものしか販売することができないため、ここにどのような料理を並べるのかが重要。プレイヤーの寿司監督としての采配能力が試されます。

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 メニューを決める際には、実際に店頭に用意しておく食材の数を、自分で決めることができます。このようなシステムだと、「深く考えても仕方ないし、とりあえず食材を用意できるだけ全部並べちゃえばいいか」と思ってしまいがちですが、店頭に並べた食材は、その日の営業中に売れ残ってしまうと、「人と寿司の出会いは一期一会」と語るバンチョが、店の威信にかけて全てを即日廃棄してしまうため、場合によってはとんでもなくモッタイナイことになってしまうこともあります。

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 仮に営業中に食材が尽きてしまった場合は、追加で食材を補充したりメニューごと交換したりすることで対処はできるので、食材を多く準備してしまうよりは、食材が足りない方がまだマシです。

 ちなみに、寿司を一度メニューに乗せてしまった場合、それが操作間違いだったり営業前であったとしても、一度置いた食材を全て廃棄してからでないとメニュー変更をすることはできません。バンチョの熱く燃え盛る職人魂と融通の利かない感じを反映したシステムではありますが、「営業前なんだから、ちょっとくらい戻したっていいだろ!」とほんの少しだけイラついてしまうのもまた事実。うっかりミスには気を付けましょう。

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料理強化

 さて、バンチョ寿司で提供する寿司や料理にはレベルがあり、デイヴが獲ってきた食材を一定数消費することで、これらをレベルアップさせていくことができます。
 レベルアップをすることで、寿司や料理にそれぞれ設定されている販売価格と味のステータスが上昇するため、店の売り上げと評判が更に高まっていくこととなります。多く獲れた分は料理の強化に使い、寿司屋の恒久的な利益の礎にしてしまいましょう。

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 あと、これは完全に余談な上にとっても細かい話なんですが、バンチョ寿司に置かれている食材を確認する際に表示される、それぞれの魚に添えられた日本画風イラストがメチャクチャ好きです。

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 オリーブオイルという和をあまり感じない調味料にも、このテイストのイラストが添えられているのがまた最高ですね。図鑑を眺めているだけで楽しいゲームは神ゲー。私の勝手な持論ですが、本作も見事にこの条件に合致しています。

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新メニューを開発するバンチョ

 話を戻しますが、バンチョ寿司では、職人の炎というアイテムを消費することで、握り寿司以外のメニューを新たに開発することもできます。
 素材そのままをお刺身で美味しくいただく寿司とは違い、料理には調味料などの他の食材も必要になってくるため、寿司よりも販売価格が高いものが多いです。調味料は主に海底にある鍋から獲得することができるため、実質仕入れ代は0。新たに開発したメニューは、より多くの利益をデイヴにもたらしてくれることでしょう。

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 さて、本日のメニューを決めて店をオープンさせたら、デイヴはカウンターに立ち、店に訪れるお客さんたちをもてなすこととなります。

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 営業中にお客さんからの注文が入ったら、デイヴは店の奥にいるバンチョから完成した寿司や料理を受け取り、お客さんの下へ歩いて直接提供しなければなりません。店に来るお客さんはずっと注文を待ってはくれず、あまりにも寿司の提供が遅い場合、怒って帰ってしまうので、なるべく早く注文を捌いていく必要があります。

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 そして、お客さんの中には寿司を注文する前に飲み物を頼んでくる人も。この場合も、お客さんのところへ直接足を運んで飲み物を注いであげなければなりません。多すぎず、少なすぎず、いい感じの量を入れることができれば、そのお客さんは寿司や料理に対して通常よりも多くのお金を支払ってくれます。

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 また、店の奥に用意されているワサビが無くなると、バンチョの寿司は完成せず、お客さんに一切提供することができなくなってしまいます。このワサビを準備しておくのもデイヴの大事な仕事の1つですから、営業中は適宜店の奥に表示されたワサビメーターを確認し、足りなくなりそうになったら摩り下ろさなければなりません。寿司作りを完ぺきにこなすバンチョのサポートに徹し、店を切り盛りしていきましょう。

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 こうして1日の営業が慌ただしく終了すると、その日の営業成果が表示されます。ここでは、最も売り上げた商品や、売り上げの伸び具合などを確認することができ、この良し悪しによって店は最大★5つの評価を受けます。私だけかもしれませんが、こういうデータって眺めてるだけでも楽しいんですよね。

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クックスタにバンチョが投稿した写真。
バンチョのサングラスにスマホのレンズが映っているという細かさが好きです。

 さて、バンチョ寿司にやってきてくれるお客さんを増やすためには、店の宣伝が必要不可欠ですが、本作では、“クックスタ” というSNSを駆使して宣伝活動をしていきます。
 先ほど、潜水装備をアップグレードするためにアプリを使うという話をしましたが、『デイヴ・ザ・ダイバー』はかなり現代的な要素が強いゲームですね。

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 クックスタではバンチョ寿司のアカウントでバンチョの慣れない写真投稿を見ることができる他、店を訪れたお客さんの投稿を眺めていいねを押しまくることもできます。いいねのスタンプラリーをしているだけでも意外と楽しめてしまうあたり、SNSの恐るべき魔力を感じます。

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 そして、アカウントのフォロワー数や料理の味などといったクックスタの定める条件を満たすと、クックスタ内でのバンチョ寿司のランクを上げることができます。これにより、訪問するお客さんの数が増え、新しい料理開発への道も開かれるため、寿司屋経営ではクックスタでのランクを上げていくことを1つの柱としてプレイしていくことになります。SNSにたっぷりと踊らされましょう。

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 店を訪れるお客さんの数が増えるということは非常に嬉しい話ではありますが、それは同時に人手が不足するということを意味します。カウンターにデイヴ1人、職人がバンチョ1人だけでは店を回しきれなくなった結果、お客さんが怒って帰って店の評判が下がることも日常茶飯事に。

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 この状況下でバンチョ寿司に必要なのは、もちろん新しいスタッフ。新たなスタッフを雇用し、人員を配置することも当然デイヴのお仕事ですから、これもしっかりとこなしましょう。

 スタッフ候補はチラシやテレビCMなど広告を出すことで集まってきてくれます。どうでもいい話ではあるんですが、この新規スタッフ募集の宣伝がテレビよりネットの方が強力というところも、近年の世相が反映されている感じがしますね。

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赤貝、ミル貝、ナイスガイ

 宣伝を見てやってくるスタッフ候補たちにはそれぞれステータスが設定されており、料理が得意なスタッフもいれば、配膳が得意なスタッフもいるため、それぞれの能力を見極めて人員配置をしていきます。料理スタッフが欲しいのに配膳が得意な人しか応募してこないなんていう状況も普通にあるため、スタッフ雇用はギャンブル色が濃いですね。そこがまた楽しいところなんですけれども。

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 ただ、スタッフは教育によってそのステータスを高めることができるため、「1日だけでもいいから、今日どうしても人手が欲しいんだよ!」という場合、料理が苦手なスタッフをとりあえず雇ってすぐに教育して、料理をそれなりにできるようにしてから厨房に配置するというやり方もアリっちゃアリです。次の日に別の人を雇いなおして、店には立たせずに待機室にいてもらうということもできますしね。まぁ、オススメの攻略法とは到底言い難いんですが。

 また、スタッフは教育を繰り返し受けることで、各自に固有のスキルを獲得することができます。実は、通常のスタッフは配膳か料理しかできず、飲み物を注いだりワサビを摩り下ろしたりすることができません。こういった業務を手伝って欲しい場合は、それ専用のスキルを持つ人員を配置する必要があり、ステータスだけでなくスキルも加味して人員配置をする面白さもこのゲームにはあるのです。

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 ……優秀な人材に仕事を奪われ、他の従業員がやってくれないお茶くみやワサビを摩る以外にやることのないデイヴを眺めるのもまた乙というもの。程よい休憩時間にもなりますしね。

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 このようにして店の評判を高めつつ営業を続けていると、店の噂を聞きつけ、バンチョ寿司に特別なお客さんが訪れることもあります。語弊のある言い方かもしれませんが、こういった特別なお客さんは、その人の求める料理が提供されるその日まで、毎日バンチョ寿司に居座り続けます。

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 そして、命がけのスキューバダイビング漁で食材を確保し、お客さんの要求に応えることが出来れば、彼らは新たな情報や施設を提供してくれたりします。ゲームをより楽しくするためにも、メインストーリーを進めていくためにも、鬱陶しがらずに彼らの願いを聞き入れてあげましょう。

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 更に、バンチョ寿司では内装を変更することもできます。当然そこにはお金がかかりますが、自分好みの店を作り上げることができるのです。

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 自分の好きな内装の店で、お客さんには自分の好きな魚で作った最高の寿司と料理で楽しんでもらい、その売り上げで潜水装備を整え、新たな魚と出会い、漁をし、店で提供して、お客さんに更に楽しんでもらう。なんとも素晴らしい正の相乗効果、美しいスパイラルではありませんか。

 そんな最高の環境の中、デイヴは今日もワサビを摩り、お客様にお茶を注いでいくのです。

濃い脇役と細かい小ネタ

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 さて、ここからは、メインとなるダイビングと寿司屋経営以外の部分を見ていきたいと思います。

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 既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、本作に登場するキャラクターたちは、かなりアクの強い面々が揃っています。

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 主人公のデイヴの時点で「ダイバーはマッスルボディと相場が決まっているはずなのに、あえて逆を行くキャラクター」だの、「細マッチョを想像してたのにガッカリ」だの散々な言われよう。実際、この年代でこの見た目の主人公はあまりいないんじゃないかなと思います。私の狭い守備範囲だと、さっきも名前を出したトルネコくらいしかこういった主人公は思い浮かびませんでした。『ピクミン2』の社長も年代や見た目が近い感じがしますが、主人公ではないですしね。オリマーがもっと太ければ。

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 話を戻しますが、本作に登場する脇役たちの個性は、胃もたれを起こしてしまいそうなほどの濃い味。そんなキャラクターの中でも、先ほどから登場しているコブラやバンチョは個人的にかなり好みです。元来、ネイキッド・スネークやリヴィアのゲラルト、ジオといった渋いオッサンキャラが大好きなものでして。

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 ただ、本作には無類のオッサン好きである私ですら「オッサンキャラって、そういうことじゃねぇんだよなぁ」と思ってしまうようなキャラもかなりいるんですよね。

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 要するに、若干の気持ち悪さを携えたオッサンがチラホラといるんですが、第一印象では生理的に全く受け付けなかったとしても、プレイを進めていくと次第にそんな彼らでさえも魅力的に見えてくるんです。これが、『デイヴ・ザ・ダイバー』の恐ろしいところなんですよ。

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 アクの強いキャラがノイズにならないのは、ゲーム作品としての面白さがそれを凌駕しているからに他ならない……と、私は思っています。彼らが他の作品に登場してきたとして、こうまでも魅力的に見えたかどうかは怪しいところ。

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 あ、ちなみにですが、デイヴはカワイイの権化です。彼には渋さも気持ち悪さもなく、ここまでのオッサンキャラとは完全に別カテゴリー。私は彼のことを、主人公というよりマスコットキャラとして認識しています。

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 本物のマスコットキャラと比べても遜色ありませんしね。

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 オッサン以外にもマダムやレディもしっかりと登場し、個性豊かなキャラクターたちがストーリーを盛り上げ彩りを添えてくれている本作ですが、ゲームやアニメをパロディした小ネタが随所に含まれているというのもまた、魅力の1つです。

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 例えば、魚人族のいる場所を追跡することのできるレーダー。知っている方にとっては形状や色合いがあまりにもそのまんまなので、改めて言う必要もないかもしれませんが、これは『ドラゴンボール』に登場するドラゴンレーダーのパロディですね。
 それにしても、ドラゴンレーダーは色々な作品でパロディされすぎているような気もします。

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 そして、とある回想シーンの全体的な作りが、『逆転裁判』シリーズのパロディっぽい……ような気がします。考えすぎなだけかもしれませんが、ここから先のパロディ紹介は全編そんな感じで進行していきますので、御承知ください。この台詞枠の感じは狙ってやっているんじゃないかなと思うんですよねぇ。

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 そして、次は一気に細かくなりますが、画面右上に表示されたダフの無線画面、恐らく『メタルギアソリッド』のパロディなんじゃないかなと。これは結構自信があります。何に裏付けられた自信なのかは分かりませんが。

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 眩暈がしそうなほどの強い個性とパロディ。この2つをかけ合わせたキャラクターが本作には何人か登場します。その代表例の1人が、美食家のヴィンセント。
 彼の強烈な個性は、「お馴染みの素材が脈々と受け継がれている、You know.」といった具合の、英語と日本語が混じったルー大柴のような言葉遣いにも現れています。ところで、この言葉遣いって英語版だとどんな感じで表現されているんでしょうかね?

 それはともかく、ヴィンセントの風貌は、髪色こそ違い、サングラスも着用していますが、グルメ漫画の金字塔『美味しんぼ』に登場する美食家、海原雄山にそっくりです。そして、彼のフルネームはヴィンセント・ヤマオカ。雄山の息子で『美味しんぼ』の主人公、山岡士郎が元ネタなのはほぼ確定でいい気がします。

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 ただ、ヴィンセントが料理を食べた時のリアクションは『ミスター味っ子』の味皇のそれ。まぁ、本作の実食リアクションは全体的に『ミスター味っ子』のようなぶっ飛び具合なんですけれども。

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 そして、パロディキャラクターの中でも大きなインパクトがあるのが、こちらのサトーさん。サトシ、どこからどう見てもサトシであります!……顔以外は。

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 サトシが年齢を重ねてオッサンになったかのような風貌をしたサトーさんは、海洋生物トレーディングカード「マリンカ」を愛してやまない男。
 このマリンカとは、AI認識システムにより、本物の魚を獲ると自動的にその魚のカードがプレイヤーに与えられるという、未来に行き過ぎているカードゲーム。高いランクで捕獲すればするほど、カードはより一層派手なものとなっていきます。捕獲したときのランクでカードの柄が変わるというのは、『ルイージマンション』のオバケの絵を思い出しますね。

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 そして、マリンカは専用のアプリで管理されており、このアプリを開くことで、デイヴがどこまで魚を収集できているかを確認することができます。ポケモン図鑑ならぬ、マリンカ図鑑というわけですね。めざせマリンカマスター。

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 マリンカを紹介してくれるサトーさんという「オッサンキャラって、そういうことじゃねぇんだよなぁ」と私に思わせてくれる素敵な専用キャラクターもいるくらいですから、これもまた、本作の枝葉となる重要な要素といえるでしょう。
 となると『デイヴ・ザ・ダイバー』は、ローグライクスキューバダイビング漁寿司屋経営養殖場運営海洋生物調査生態系保護魚人族文明探求トレーディングカードゲームと言わざるを得ないでしょう。

プレイヤーに常にドキドキとワクワクを与えてくれる『デイヴ・ザ・ダイバー』

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 さて、ここまで『デイヴ・ザ・ダイバー』の魅力について色々とお話させていただきました。
 プレイ開始当初は、“スキューバダイビング漁寿司屋経営ゲーム” だと思っていたこのゲームも、プレイを進める中でいつの間にか ローグライクスキューバダイビング漁寿司屋経営養殖場運営海洋生物調査生態系保護魚人族文明探求トレーディングカードゲーム” という、最早理解不能な域に達したジャンル名へと成長を遂げていました。やはり、ジャンル名を “ハイブリッド・海洋アドベンチャー” と簡潔にまとめた公式の判断は正しかったようです。

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 しかし、今回文章中で触れたのはネタバレになりすぎない領域のみ。つまり、氷山の一角に過ぎません。『デイウ・ザ・ダイバー』の深淵はこんなものではありません。本作では常に新たな仕掛け、新たな展開が用意されており、プレイヤーにはドキドキとワクワクが波の如く押し寄せます。

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 そして、この記事の中で成長したジャンル名も、ゲームプレイを先へ先へと進めていくことで更に伸び続け、寿限無の如き長さになっていくことでしょう。

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 興味を持った方は是非、この夏デイヴと共に不思議の海へと潜って、キューバダイビング漁と寿司屋経営と養殖場運営と海洋生物調査と生態系保護と魚人族文明探求とトレーディングカードを満喫してみてはいかがでしょうか。 

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ライター
レトロゲームから最新ゲームまで、面白そうだと感じた家庭用ゲームを後先考えず手当たり次第に買い漁る男。500を越えてから、積み上げたゲームを数えるのは止めました。 ディズニーアニメ・お笑い・音楽・漫画などにも広く浅く手を伸ばし、動画投稿者としても蠢いています。
Twitter:@DuckheadW

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