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『Fate/Samurai Remnant』でジャンヌオルタ…っぽい「ランサー」と戦ってきた。「クー・フーリン」を操作して“ゲイ・ボルク”も撃てたボスバトルの模様をお届け【TGS2023】

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 『Fate』シリーズに触れた方なら、一度は「サーヴァントの強さ」について考えてみたことがあるのではないだろうか。

 サーヴァントという存在は強い。そして彼らの強さがあるからこそ、我々はそれと同じ戦場に立つ“人間(マスター)”にドラマを見出せる。まして「サーヴァントに立ち向かう人間」など現れれば、ただならぬモノを感じずにはいられない。

 そんな「尋常でない人間」の視点を、アクションゲームという形で文字通り体感できるのが『Fate/Samurai Remnant』。本作でプレイヤーは剣客・宮本伊織というひとりの人間を操作して、圧倒的な力を持つサーヴァントと戦う。一見すれば無謀にも思える挑戦、しかしだからこそ面白い……!

 今回は「東京ゲームショウ2023」コーエーテクモゲームスのブースにて出展された『Fate/Samurai Remnant』の試遊版のうち、おもに“業火に身を墜とす者”に関するインプレッションをお届けする。前述の通り「サーヴァントに立ち向かう人間」の視点を存分に体感できたため、その緊迫感を少しでも感じ取っていただければ幸いだ。

  なお、同じく試遊スペースでプレイできる“花と散りゆけ、野暮ふたり”については、以前に行われた先行プレイのレポート記事を弊誌にて掲載している。気になる方は、ぜひこちらも合わせてご一読いただきたい。

サーヴァントの“強さ”を身をもって味わえるボスバトル

 今回のTGS2023で初めて解禁された“業火に身を墜とす者”は、「地右衛門」と「ランサー」のふたりを相手にするボス戦。マスター&サーヴァントのコンビと戦う……つまるところ、人間の主人公・伊織の視点でサーヴァントと直接刃を交えなくてはならない、ということだ。

『Fate/Samurai Remnant』ボス戦試遊レポート【TGS2023】_001
(画像は『Fate/Samurai Remnant』公式サイトより)

 ここで感じる“サーヴァントとの力の差”こそが本作の肝。例えば、英霊であるランサーは「外殻」によって守られているため伊織の攻撃の大半が有効打にならないが、ランサーの一撃は伊織のHPを大きく削っていく。真っ向から単純に殴り合っても勝ち目がないという事実が、戦いはじめてすぐに伝わってくる。

 ではどうやって攻略するのか? そのカギを握るのがセイバーとの連携だ。戦闘中に溜まっていくゲージを使って力を合わせた「共鳴絶技」を繰り出したり、操作をセイバーや同行する「逸れのサーヴァント」に切り替えて畳みかけたりと、こちらもサーヴァントの力を借り、外殻を破ることで攻撃が通るようになっていく。

 特にサーヴァントに操作を切り替えるシステムは非常に分かりやすい“チャンス”の演出であり、その圧倒的な力を身を持って体験できる。敵のサーヴァントの強さ・恐怖を伊織の視点で味わっているからこそ、自分でサーヴァントを動かせるようになったときの「ここで攻めるぞ!」という高揚が心地いい。このメリハリこそ、『Fate』のアクションゲームとして作られた本作ならではの魅力と言えるだろう。

 とはいえサーヴァントに切り替わったからと言って無敵になるわけではなく、攻撃を受ければダウンしてしまい、貴重なサーヴァント操作時間を無駄にしてしまう。サーヴァントとの戦いにおいては常に緊張感がつきまとう、ピリピリとしたボスバトルに仕上がっていた印象だ。

 そして今回の試遊版ではセイバーのほか、逸れのランサー「クー・フーリン」がプレイアブルに。あの“ゲイ・ボルク”も放つことができるので、現地を訪れた方はぜひお試しあれ。

『Fate/Samurai Remnant』ボス戦試遊レポート【TGS2023】_002
(画像は『Fate/Samurai Remnant』公式サイトより)

全力で連打しても勝てない“鍔迫り合い”……!?

 もうひとつ、このボス戦で体験できた重要なファクターが敵対するマスター・地右衛門の存在。強烈なルックスではあるが人間ではあるようで、少なくとも今回のバトルでは外殻もなく、ランサーほどの脅威ではない。彼をダウンさせるとサーヴァントであるランサーを弱体化させられるため、積極的に狙っていくのが良さそうだ。

 ただし地右衛門を集中的に攻撃していると、たびたびランサーが割り込み、ボタン連打を要求される“鍔迫り合い”の演出が発生する。そしてこの鍔迫り合いイベントでサーヴァントに勝つのは非常に難しい。

 筆者は特段連打に自信があるわけではないが、連打イベントがクリアできなくて困った経験はない。それでも伊織vsランサーの鍔迫り合いは一度も勝てなかったし、公開されている映像では人外のものとの鍔迫り合いに普通に勝っている様子もあるので……恐らくは“そういうこと”なのだろう。

 逆に伊織がラッシュをかけられているときにはセイバーが駆けつけてくれる場合もあり、セイバーvs地右衛門の鍔迫り合いは驚くほど簡単に勝利できる。こういった部分で「人とサーヴァントの力の差」を徹底的に描き切っており、何とも『Fate』らしさへのこだわりがうかがえる。
  
 ちなみに今回の“業火に身を墜とす者”はボス戦単体で、ストーリー部分についてはほとんど触れられていなかった。依然として地右衛門やジャンヌオルタ……っぽいルックスのランサーがどう物語に関わってくるのかは不明であり、こちらは非常に気になるところ。気になる方は製品版を楽しみに待っておこう。

 ……いま改めて見ると、“業火に身を墜とす者”というタイトルも気になりますね。

『Fate/Samurai Remnant』ボス戦試遊レポート【TGS2023】_003
(画像は『Fate/Samurai Remnant』公式サイトより)

回復アイテム使用には時間が止まるアクション面の優しさも

 ボス戦に関するご紹介は以上とし、ここからは“花と散りゆけ、野暮ふたり”の体験も合わせて感じたアクションに関するプレイフィールをお届けしていく。以前の記事と被る内容もあるかと思うが、ご容赦いただきたい。

 基礎アクションは□ボタンで通常攻撃、△ボタンで強攻撃【※】を繰り出せ、通常攻撃による連撃から強攻撃に派生することでスタイリッシュなシメの一撃となる。このあたりは非常に『無双』シリーズに近い操作感で、特に“花と散りゆけ、野暮ふたり”の序盤でザコ敵に囲まれるシーンには『無双』っぽさを感じた。サーヴァントが規格外なだけで、宮本伊織さんはちゃんと強い。

※ボタンの表記はPS5版に準拠しています。

 特徴的な要素としては“型”の存在がひとつに挙げられるだろう。今回の試遊版では、ひと振りの刀で戦う防御に優れた「地」、素早い連撃ができる二刀の「水」、そして体力が減るほど攻撃力が増していく「火」の3種類の型を切り替えながら戦うことができた。試遊の限りでは切り替えを強要されるようなことはなく、自分好みのスタイルで遊べる模様だ。

 アクション面で特に“優しさ”を感じたのは、回復をはじめとするアイテムの使用、サーヴァントへの切り替え、魔術や共鳴絶技の発動などの操作時に「時間が止まる」点だ。特に回復は即時に行われるため、なんと被ダメージ中や吹っ飛ばされているときも回復可能。きわどいボス戦の最中でも、落ち着いて立て直せる仕様となっている。

 同じくTGS2023で行われたインタビューでは『Fate』シリーズのファン層にあわせた難易度調整を行うとともに、決して「サーヴァントの強さ」のイメージを崩さないよう凝らした工夫の数々を語っていただいている。興味を引かれた方はぜひ、こちらの方にも目を通していただけると幸いだ。


 “業火に身を墜とす者”の本格的なボス戦では、まさに「人とサーヴァントの差」というものを強く感じさせられた。特に、どんなにボタンを連打しても押し返せないサーヴァントの力は『Fate』という作品の設定が浸透しているからこそできた演出であるし、同時に本作の『Fate』らしさを象徴するパートだったようにも思える。

 本作の開発を手掛ける「ω-Force」というブランドには『無双』のイメージが強い方も多いかもしれないが、今作では『無双』の良さを随所に採り入れつつも、また異なるアプローチで『Fate』の世界を巧みに描いている。このあたりは数々の著名なIPとコラボを行ってきた「ω-Force」の技量を感じた。

 『Fate/Samurai Remnant』はNintendo Switch、PS4、PS5、PC(Steam)にいよいよ発売を迎える。TGS2023でのコーエーテクモゲームスブースでは本作の試遊が楽しめるほか、等身大の「宮本武蔵」フィギュアなども展示されているので、現地を訪れる方はぜひお立ち寄りいただけると幸いだ。

『Fate/Samurai Remnant』ボス戦試遊レポート【TGS2023】_004

ライター
1998年生まれ。静岡大学情報学部にてプログラマーの道を志すも、FPSゲーム「Overwatch」に熱中するあまり中途退学。少年期に「アーマード・コア」「ドラッグ オン ドラグーン」などから受けた刺激を忘れられず、プログラミング言語から日本語にシフト。自分の言葉で真実の愛を語るべく奮闘中。「おもしろき こともなき世を おもしろく」するコンピューターゲームの力を信じている。道端のスズメに恋をする乙女。

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