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今度はカニに騎乗だ!『カニノケンカ・ニ Fight Crab 2』はさらにカオスに進化、マルチプレイも最大5人まで可能に。「防衛戦」では踊る人間たちを悪いカニから守ろう【TGS2023】

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 知性と力を授かり、不死身となったカニたちが支配する地上世界で、最強のカニを目指してライバルたちを”ひっくり返す”ためのケンカを繰り広げる。もはやどこからツッコめばいいのか分からない先鋭的にも程がある世界観、ルールは簡単ながらも動かすのにコツが必要な独特すぎる操作性、そしてセンスのよすぎる副題を売りとした3D対戦型格闘ゲーム『カニノケンカ -Fight Crab-』

 2020年7月30日より、Nintendo SwitchとSteamで販売中の本作だが、その待望(?)となる続編が2023年8月20日に放送された「PLAYISM Game Show 2023.8.20」で発表された。その名も『カニノケンカ・ニ Fight Crab 2』

 相も変わらずセンス抜群というか……「確かに2を付ければカニだった!」と納得してしまう違和感のなさに笑いを禁じ得ない。

『カニノケンカ・ニ Fight Crab 2』試遊レポート。さらにカオスに進化、マルチプレイも最大5人まで可能に【TGS202】_001

 『カニノケンカ・ニ Fight Crab 2』は、2023年冬にSteamで早期アクセス版として発売予定となっている。Steamストアページ記載の情報によれば、早期アクセス版としての発売はプレイヤーから多数のフィードバックを受けながら制作を進め、最終的な完成度を上げることを目的にしているようだ。期間は1年から1年半を予定しているとのこと。

 そんな早期アクセス版を先行して遊べるプレイアブルデモが東京ゲームショウ2023のPLAYISMブースに出展された。その体験レポートをこのたび綴ることになったのだが……結論を言うと、なんだかすごいことになっていた

 どうすごいことになっていたのか、一言で言えば“カオス”である。

取材・文/シェループ


今回のあなた(プレイヤー)は「ヒト」です!

 基本のゲーム内容とルールは前作『カニノケンカ』とほとんど変わりない。物理シミュレーションによる生々しい操作感が特徴のカニたちを操作し、ライバルたちとの戦い(ケンカ)を繰り広げていくというものである。戦闘の勝敗条件は冒頭で言及したように相手をひっくり返すこと。

 厳密にはひっくり返して、3秒以内に復帰できなかったらその時点で勝敗が決する。カニたちには体力も設定されているが、基本的に全然ダメージを受けてなかろうが、前述の復帰に失敗すれば問答無用でジャッジが下る。それがカニの掟であり、摂理だ。

『カニノケンカ・ニ Fight Crab 2』試遊レポート。さらにカオスに進化、マルチプレイも最大5人まで可能に【TGS202】_002

 今回の続編で、最も目につく特徴はカニの上に「ヒト」(ニンゲン)が搭乗していることである。前作もSteamのPC版限定で、3Dキャラクタープラットフォーム『VRoid Hub』との連携機能があり、カニの上にオリジナルのアバターを乗っけることができるようになっていた。

 あくまでも乗っけられるだけで、アバターを個別に動かすことはできない仕組みだったのだが、今回はそれが可能に。カニから降りて、武器(※本編では「ブキ」表記)を運搬したり、ステージ内の仕掛けを起動させて戦闘をサポートできるようになった
 このため、今回の続編でプレイヤーが扮するのはカニではなくヒトであると、設定も一新されている。そもそも、舞台となる世界も前作とは異なる”異世界”とのことなので、直接の関連性はない独立したものになっているようだ(ゆえに前作未経験でも支障はなさそうである)。

 戦闘に関しても1対1の直接対決に加え、集団戦、防衛戦といった新種が追加。また、それと共にシングルプレイの内容も充実化が図られ、直接対決だけに終始しないバリエーションに富んだ戦いが楽しめるようになっている。

多彩な戦闘とカニたちの育成も楽しめる、パワーアップしたシングルプレイ

 そんな今回のシングルプレイモードは「キャリアモード」と称されていて、カニたちを成長させられる要素が備わっているのが大きな売り。各種戦闘を乗り越えることで様々なスキルにブキが手に入って戦術の幅が広がるだけでなく、レベルを上げることによるステータスアップも図れるRPG的な遊びも楽しめるようになっている。

『カニノケンカ・ニ Fight Crab 2』試遊レポート。さらにカオスに進化、マルチプレイも最大5人まで可能に【TGS202】_003

 今回のプレイアブルデモでは体験できずだったが、キャリアモードで育て上げたカニは、マルチプレイでも使用可能とのこと。育成も単純にステータスアップを図っていくに限らず、4つまで装備可能なブキはどれを選び、最も高い効果を発揮させる組み合わせを作るかなど、戦略を練る面白さを演出する要素が揃っており、なかなか極め甲斐のあるものになっていそうな感じだ。

 ちなみにマルチプレイには最大5人まで遊べる「ルームマッチ」が新たに搭載されていて、ルールをカスタマイズして遊べるようにもなっているとのこと。自らの実力の限界に挑む「ランクマッチ」と、気軽に対戦を楽しむ「カジュアルマッチ」も用意されている。

 甲殻類たちが1対1の勝負を繰り広げると同時に、武器まで手に取って戦い合うその内容から、絵面が強すぎることにも定評がある前作『カニノケンカ』。続編の本作もその魅力は継承しつつ、内容面とシステム周りの充実化が図られたことで、より一層やり込み甲斐のあるゲームへと進歩している感じだ。

 それと同時にカオスっぷりも極まって……否、極まりすぎている。そもそも、カニの上にヒトが搭乗し、その戦いをサポートするという構図の時点で「どういう世界なんだ……」となってしまうこと請け合いだ。極め付けには防衛戦にて、プレイヤーたちが守り通す人間たちがお立ち台のような所で踊り続ける。これをカオスと言わずとして何と言えばいいのか……。

『カニノケンカ・ニ Fight Crab 2』試遊レポート。さらにカオスに進化、マルチプレイも最大5人まで可能に【TGS202】_004
なんでダンスしているの……?

 さらに言えば成長要素の実装で戦略を練る幅も広がっているため、対人戦もカオスを極めそうである。なるほど、これならば最初に早期アクセス版として発売し、フィードバックを求めるのも分からなくもないというのが、各種新要素の一端に触れての感想だ。

やり込み甲斐とカオスが極まった続編爆誕の時が迫る

 純粋に対戦格闘ゲームとしても、戦闘バリエーションが増えたことで、変化に富んだ遊びが楽しめるようになっているのは大きな強みであり、シングルプレイだけでも高い満足感が得られる内容なっていることが予感される。

 そもそも、育成できるカニたちこと甲殻類は1種類だけではない。最初から数十種類が選べる上、その中には明らかに甲殻類でないものも存在する。それらすべてを育て上げ、色々な可能性を検証するだけでも、勢いを誤れば100時間以上遊び込んでしまうのではないだろうか(そもそも、前作の時点でそれ以上遊び込んでいるヘビーユーザーはいるとのことだが……)。

『カニノケンカ・ニ Fight Crab 2』試遊レポート。さらにカオスに進化、マルチプレイも最大5人まで可能に【TGS202】_005

 たくさんの要素が追加された分、若干ながら複雑になっているのも否めないが、相手をひっくり返すという基本のルールはそのまま。戦いが白熱してくると、ひたすらにボタンをガシャガシャしながら遊んでしまう面白さもあり、存分にキャラクターを動かす手応えを味わいたい人から一風変わった対戦格闘ゲームを求めている人には必見の新作だ

 もちろん、前作経験者とやり込んだ人にも注目である。特にシングルプレイの充実ぶりと豊富な育成要素は目を見張るものがあるので、早期アクセス版の配信が始まった暁にはお確かめいただきたい。そして、なぜかお立ち台で踊りまくるヒトたちの醸し出すカオスな雰囲気に浸って……みるかどうかは各々の判断に委ねます。

ライター
新旧構わず、色々ゲームに手を伸ばしては積み上げるひよっこライター。アクションゲーム(特に『メトロイド』、『ロックマン』)とストラテジーが大好物。フリーゲーム、VRゲームの動向もひっそり追いかけ続けている。
Twitter:@shelloop

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