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『FF5』ピクセルリマスターの「ビッグブリッヂの死闘」アレンジ版が最高すぎる。植松伸夫氏完全監修で、当時ハードの制約で表現できなかった部分を「再表現、復元」したアレンジが心に刺さる

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発売日から長い年月が経ち、現代では「レトロゲーム」と呼ばれて親しまれている作品たちがあります。そんな「レトロゲーム」の中にはグラフィックやシステムなどが進化した最新の作品たちに並ぶほど魅力的な作品がいくつも存在しています。
今回、本稿で紹介するピクセルリマスター版『ファイナルファンタジーV』(以下、FF5)は、「レトロゲーム」として魅力的な作品のひとつであると自信をもって断言することができます。

『FF5 ピクセルリマスター』インプレッション。植松伸夫氏完全監修の「再表現、復元」したアレンジ版BGMが胸に刺さる_001

本作のオリジナルとなるスーパーファミコン版(※以下、SFC版)は、今から約30年ほど前に発売された作品ですので、本作が思い出深い作品のひとつという方も読者の方の中には多いのではないでしょうか。

とはいえ、長く愛されてきた作品であるほど「でも、思い出補正も込みの面白さなんでしょう?」と疑いたくなってしまう方の気持ちもよく分かります。なので、今回は冒頭で明言させてください。思い出補正、あんまりないです

実は、筆者が『FF5』のオリジナル版をプレイしたのは大人になってからなので、遊んでからまだそれほど年月が経っていないんです。
なので本稿では純度高く、そして忌憚なく本作の良さをご紹介できればと思います。「『FF5』が好きだ」という方も、「これから遊んでみようかな」と気になっている方も、本作の懐かしくも新たな魅力について知っていただけたらうれしいです。

文/SINSI


“ピクセルリマスター”の“ピクセル”部分がイイ。当時のムードを残しながらも進化したグラフィックで描かれるクリスタルの輝きや水面のゆらめき

本作は“ピクセルリマスター”と銘打っているとおり、グラフィックの一新やBGMのアレンジ、便利機能の数々などさまざまな要素が追加されています。

本作のプレイを開始してまず気になったのは、やはりグラフィック部分です。なんといってもわざわざ“ピクセルリマスター”というタイトルを名付けているわけですから、ここを紹介しないわけにいきません。

グラフィック面の進化に関しては実際にその目で確認していただいた方が分かりやすいかと思い、比較用にオリジナル版(スーパーファミコン版)冒頭部分のスクリーンショットを用意しました。

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画像は、本作のヒロインの一人である「レナ」とその父である「タイクーン王」が会話をする場面です。2枚を見比べていただければ分かるように、カメラアングルが変更されたことによってタイクーン城の大きさがよりわかりやすくプレイヤーに伝わるようになっていたり、光源の処理がよりリアリティのあるものに変更されています。

筆者もオリジナル版とピクセルリマスター版の画像をしっかりと比較するのは本稿の執筆時が初めてなのですが、元のグラフィックの魅力を残しながら進化していることに驚きました。オリジナル版の時点でも充分すぎるほど美しい表現だと思っていましたが、こうして並べてみるとその進化がより際立つかと思います。

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▲風の神殿のクリスタルが砕け散るシーン。エフェクト系の演出は比較せずとも分かるくらい進化しており、このシーンを初めて見た時には思わず「ピクセルリマスターすげぇ!」と声が出ました。

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静止画でも本作の美しさは十分に伝わるかと思いますが、ピクセルリマスター版での水面の揺らめきっぷりも見ていただきたくて、動画もご用意しました。(1枚目の画像と動画は別のシーンです)。反射する光を描くことで、水面のゆらめきを表現しているのめちゃくちゃすごくないですか?

ゲーマーって、ゲーム内で綺麗な水の表現を見るとテンションが上がる生き物だったりしません……?この画面が目に入ってきたとき、つい「めっちゃ水じゃん!」ってこちらも声が出ちゃったほどです。

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▲本作の主人公「バッツ」が初めて登場するシーン。こちらも当時の雰囲気はそのままに美しく蘇っています。

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▲フィールド画面の「広大な世界を冒険している感」は健在。右上にミニマップが追加されて便利になりました。

そしてなんと……。

な、斜め移動が実装されている────!!!!

この進化はこれから初めて『FF5』に触れる方はもちろん、オリジナル版をプレイしていたプレイヤーにとっても非常に喜ばしいものです。斜め移動が存在するだけで、探索の快適って段違いになりますよね。

『ファイナルファンタジー』お馴染みの植松伸夫氏が完全監修したアレンジBGM。​​スーファミでは表現できなかったことを「再表現、復元」したアレンジ

『ファイナルファンタジー』(以下、FF)といえば、植松伸夫氏の手がける楽曲を語らないわけにはいきません。本作では原曲とアレンジ版を選択することが出来るようになっているうえ、なんとBGMのアレンジはすべてオリジナルと同じく植松氏の完全監修のもと行われています。ご、豪華すぎる……!

公式サイトの情報によると、当時のハードの制約などで表現することができなかったことを「再表現」、「復元」するようなアレンジに仕上げているとのことです。

プレイを開始した当初、「BGMの音源をオリジナルとアレンジのどっちで遊ぼう」と頭を抱えました。既プレイのタイトルとはいえ、やはりスーファミのピコピコした音源で育ってきた世代としてはオリジナル版は捨てがたい……という気持ちをグッとこらえ、せっかくのリマスター作品なのでエンディングまでアレンジ版でプレイすることにしたのですが、これが本当に大正解でした。

結論から申し上げますと、筆者の心にはアレンジがぶっ刺さりました

音楽の持つ力というものは本当にすごい。オリジナル版を遊んでいる最中にも終始『FF5』の世界に没頭して感動することはありましたが、本作をプレイしていて思わず涙してしまった場面が何度もありました。これは間違いなく本作のアレンジBGMが持つ力です。

中でもガラフ【※】のイベントがね、本当に泣かせにくるんですよ……。

※ガラフ
FF5に登場する仲間キャラクターのひとり。記憶を失った老年の男性だが戦闘能力を有しており、主人公たちの仲間として冒険に同行する。

そして本作には、サウンドプレイヤー機能が備わっています。ピクセルリマスターから追加されたアレンジ版は勿論のこと、オリジナル版の楽曲まで余すことなく楽しむことができちゃいます。

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▲サウンドプレイヤーではゲームの進行状況に関係なく、最初から全ての楽曲を自由に聴くことができます。

せっかくなのでアレンジ版のBGMを読者の方にも少しだけ聴いていただきたく、動画を用意しました。今回選んだのは、「マンボdeチョコボ」「ビッグブリッヂの死闘」の2曲です。

「マンボdeチョコボ」とは最初の「ウッ!」から楽しげなムードあふれる1曲。「黒チョコボ」が踊る場面が目に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。また、ブラスのサウンドが迫力満点、戦闘の高揚感を再現した「ビッグブリッヂの死闘」もあわせて動画にしています。本作の中でも特にキャッチーな二曲をチョイスしてみたので、オリジナル版あわせて『FF5』をまだ遊んだことがないという方もぜひこのアレンジ版BGMを聴いてみてください。

また、本作にはサウンドプレイヤーだけではなくギャラリーモードも搭載。こちらでは天野喜考氏の描くイラストの数々や、設定画などをじっくり楽しめちゃいます。

獲得経験値、ギル、アビリティポイントの獲得倍率変更やエンカウントのオン・オフなど快適に遊べる便利機能も多数搭載

他の『FF』ピクセルリマスターにおいても実装されている「ブースト機能」は、もちろん本作にも実装されています。本機能を活用することで、獲得経験値、ギル、アビリティポイント(各ジョブにおける熟練度のようなもの)の倍率を0~4倍の中からいつでも自由に設定して遊ぶことができます

また、エンカウントのオンオフについては、フィールドやダンジョン内で右スティックを押し込むことでいつでも切り替えることができるのも非常に便利。

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▲経験者の方なら上記の画像でお分かりいただけるかと思いますが、某所のダンジョンでこの機能が使えちゃうのはちょっとずるいけど助かりますね!

原稿の締め切りはありつつも「せっかく遊ぶなら久しぶりの『FF5』をしっかり楽しみたい!」という気持ちがあったので、今回はブースト機能の中から比較的ゲームバランスに影響を及ぼしにくそうなアビリティポイントの倍率を増やしてプレイしたのですが、これがたまらないほど快適でした。

本作のアビリティポイントを稼ぐのってそこそこ時間を要する作業なんです。「(アビリティポイントを稼いで)このジョブレベルだけ〇〇レベルまで上げようかな~」なんて遊んでいるうちに、キャラクターのレベルが上がりすぎてその後の戦闘が簡単になってしまったり──なんてことはRPGあるあるですよね。

しかし、本作のブースト機能を利用するとキャラクターたちのレベル上昇をそこそこに抑えたまま、必要なアビリティを揃えて進むことができます。難易度が落ちてしまうこともなく、程よいバランスのまま楽しく本作を遊ぶことができました。

先述した通り、本作では経験値の倍率を0に設定することも可能となっているので、設定次第ではアビリティポイントだけを稼ぐこともできるので、プレイヤーの好みの設定で最初から最後まで自由に遊べます。

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それから、本作の「モンスター図鑑」もぜひみてもらいたいのです。本作の図鑑はよく見かける、我々の想像する「図鑑」とは違っています。

なんと、遭遇したモンスターたちがワールドマップのどこに生息しているのかをジオラマ形式でダイナミックに確認することができるんです。また、まだ遭遇していないモンスターはマップ上に?マークで表示されるため、図鑑に登録されていないモンスターにどこで遭遇できるのかも一目瞭然。デザインと攻略の両方で意義のある形式となっています。

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また、インパクトは少ないながらも、とても便利な機能である「ダンジョン内でのマップ」も実装されています。宝箱の位置を一目で確認することが出来るほかに、シーフのアビリティ「かくしつうろ」を装備することでマップ上に隠し通路が表示されたりと、冒険の心強い味方になってくれます。

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ライター
幼少期にスーパーファミコンと出会い、それ以来ゲームの虜となる。 気になったタイトルはジャンルや年代を問わずに遊ぶことが多いが、特に好きなジャンルはRPG、ACT、ローグライク、メトロイドヴァニアなど。

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