昨今キラキラとした光に包まれた美少女、美少年たちが大量に登場する作品が多数登場している。無論、美少女や美少年は最高だ。筆者もバリバリ楽しんでいる。
しかし人間の欲望とは、個々人により大きく異なる。美少女や美少年というフォーマットだけではブチ上がれない──。そんな人もいるのではないか。
突然だが、朗報だ。
ゴリラや金剛力士、犬、猫、美中年、巨大ロボットなど、バラエティに富みすぎている60種以上のプレイアブルキャラクターが登場するゲームがある。
それが、『ブレイドアンドソウル』の3年前の世界観を引き継いだ新作RPG『護縁(ごえん)』だ。
ただ、種類が多いのではない。本作では複数のキャラクター間でレベルや装備を共有する機能も存在するほか、パーティ構成や「強化しやすさ」などにより“最もレア”なキャラクター以外も活躍しやすい設計になっているという。まさに、個性豊かなキャラクターの魅力をあますことなく堪能できる作品として期待できる。
さらに戦闘は同じ動作をただ反復するのではなく、状況に応じた選択が求められる3Dアクション形式のバトルと、気軽に楽しめるターンベースのバトルのふたつが用意されている。さまざまな楽しみ方が用意されている点も見どころのひとつだ。
このたび、『護縁』を試遊する機会を得たため、本記事では登場するキャラクターの魅力や、気になる戦闘、ターン制バトル、協力型戦闘といったゲームの概要を紹介する。
ボリューミーなコンテンツを通じて60種以上のキャラと交流できる『護縁』は2024年8月28日に配信予定で、価格は基本無料。本記事で興味を持った方は、リリースを待って実際にプレイしてみてほしい。なお、対応プラットフォームはiOS、Android、PCとなる。
取材・文/りつこ
美少女、イケメン、ゴリラ、カエル、ロボ……。個性豊かすぎる60名を超えるキャラクターが並ぶラインアップを刮目せよ
『護縁』はNCSOFTが手掛ける“ドラマティック縁バトルRPG”と銘打たれており、『ブレイドアンドソウル』の3年前の世界を描く作品だ。
物語は、主人公の「ユッシ・ユキ」が敵の襲撃により殆どの家族や仲間を失う場面から始まる。そんな悲惨なスタートを切るものの、ユキが崩壊した家門の再建を目指すポジティブなストーリーが描かれる。
さらに冒険の中ではさまざまな敵や協力者が登場し、そういった人物の中から60以上のキャラクターが仲間になるのだ。
勇猛なゴリラ、知的な趣のカエル、やたらと“艶”を感じるネコ、ガジェットを使いこなすタヌキ(犬?)、美少女が搭乗するイケメンロボ、白髪のセクシー美中年、そして沢山の美女や若々しいイケメンたち。色んなヤツが存在し、思うままに生きている素晴らしさを感じる。
また、上記の画像から伺えるように、本作のフォトモードではあらゆるキャラクターが“コチラ側”に視線をあわせてくれる。
正面はもちろん、カメラ位置を切り替えても視線が追従するので「こっち見てる」感がすごい。筆者は、最初に仲間になったイケオジ「テワン」とのスイートな撮影会を楽しんだ。
しかし、個性豊かなキャラクターがいれば気になるのはその性能・育てやすさである。パーティに組み込むのが難しかったり、育成に手間がかかってしまえば、その魅力は戦闘では活かされないケースもある
しかし、本作は「捨てキャラなし」である。各キャラクターが見た目だけでない特徴を有していることで、まんべんなく活躍の機会が設けられている。
試遊に際して実施されたプレゼンによると、キャラクターの選択をする際には例えば「敵がひとりか、多数であるか」、「属性による敵の弱点」、「自身の耐性」などといったさまざまな要素を考慮する必要がある。
キャラクターによっては敵のシールドを除去するような能力も存在しており、戦う敵の性質に応じてパーティの構成を変化させる必要があるのだ。キャラクターが個性豊かなのと同じように、求められるパーティもまた個性的なのだ。
また、キャラクターごとのレベリングや装備の収集/強化などといった要素はオンラインRPGにおいて手間の掛かる作業になりがち。この作業がめんどくさいからこそ、少数の強力なキャラのみが使用されるケースが多い。この問題を解決すべく、本作には「装備とレベルを共有する機能」が存在する。
レベルの共有はストーリーを進行するなかで「修練場」を解放すれば利用できるうえ、装備の共有に関してもメニュー画面から実行可能だ。キャラクターに関してはガチャで入手する形式であるものの、ゲーム内コンテンツを順当にこなすことで獲得する期待値を高めることもできる。
さらに、本作は主要なキャラクターだけの物語が展開される形式ではなく、各キャラクターに独自のクエストが用意されている。キャラクターごとのストーリーでは彼ら彼女らのバックグラウンドも明かされるため、好きなキャラクターを一層深く理解できる。
また、この過程でキャラクター同士の関係性も明かされていく中で「味方なのに、何故か敵キャラクターと関係性を持っている」人物が登場するのも興味深い。さまざまなキャラクターがいるからこそ、単純な敵/味方でない人間関係を眺める楽しさも味わえそうだ。
スキルのコンボと判断力が命を繋ぐ。伝統的なスタイルを踏襲しつつ、やり応えあるバトル
本作のバトルは、前述のとおり3Dアクション形式を採用している。操作するプレイアブルキャラクターはひとりで、このほかに編成する4人のキャラクターが一定時間のクールタイムを持つ「スキル」のように使用できる。
また、スキルを連続して使用することで、一部の敵の攻撃をキャンセルし隙を作れる攻撃「遮断」が使えるようになる。この「遮断」が本作の戦闘の特徴だろう。
敵が攻撃する直前に「攻撃の予告」がフィールド上に表示され、予告されたエリアにあわせた攻撃が繰り出される。
この際に、表示されている色が赤色であれば「ジャスト回避」、オレンジ色であれば「ジャスト回避」または「遮断」で攻撃をやり過ごすことができる。もちろん、相手が攻撃を放つ前に予告エリアから抜け出すことでも敵の攻撃を回避できる。
つまり、プレイヤーは戦闘をスムーズに進めるためには「いつでもスキルを2連で放てる」状況を構築する必要がある。そして同時に攻撃予告の色を確認し、予告されたエリアから抜け出すか、ジャスト回避で突破するか、「遮断」でキャンセルするかの判断が必要となる。
強敵であるほど敵の攻撃のペースも早いため、ただ同じ行動を繰り返していれば敗北してしまう。結果として戦闘はしっかりとシビアなニュアンスがあり、遊びごたえのある仕上がりになっていると感じた。
なお、本作には自動攻撃システムも搭載されている。スタッフの方によると「どのスキルを自動で使用するか」の設定を行えるので、2スキルを自動に、残り2スキルを手動に設定することで、自動攻撃により火力を出しつつ、敵の攻撃にあわせて「遮断」を打ち込むプレイスタイルが可能であるそうだ。
すべて手動でプレイした印象としてはとにかく手元が忙しいが、自動攻撃により攻撃や回避のタイミングに集中して戦闘の駆け引きを楽しむこともできるだろう。
目的を設定してシステマチックに募集できるマルチプレイが嬉しい。パーティ全員で息を合わせて立ち向かうボス戦
本作では、オンラインでのマルチプレイが楽しめる。知らない人にいきなり話しかけたり、ディスコードなどで仲間を募るのもオンラインの醍醐味だが、本作では目的を設定してパーティメンバーをシステマチックに募集できる。
他プレイヤーとの交流が苦手だったり、効率的にパーティでの戦闘を楽しみたい方には最適な機能だ。
試遊では「ネームド」と呼ばれるマルチプレイ向けのコンテンツをプレイし、強力なボス「ギーン・ウロル」との戦闘を参加者2名で行った。
「ギーン・ウロル」は即死級の攻撃を連発してきたほか、フィールド上に出現するドーム状のフィールドに入らないと防げない攻撃や、参加者全員で「遮断」を打ち込まなければキャンセルできない攻撃を使用する超強敵。
“大繩”のように参加者全員で息をあわせなければ勝てないボスに仕上がっており、しっかりとオンラインRPGならではのバトルも確認できた。「ネームド」モードのボスは複数存在し、倒すことで強力な装備などが手に入る。思う存分、協力プレイならではの緊張感を味わえるだろう。
なお、プレイヤーがダウンした際には、ゲーム内の通貨を支払うことで復活できる。参加者全員がダウンしてしまうとボスの生命力が全回復してしまうため、敗北を見越した立ち回りも時には重要かもしれない。
また、試遊ではわずかに交戦したのみだが、本作には各フィールド上に「フィールドボス」と呼ばれる巨大なモンスターが登場する。このボスは一定期間ごとに出現し、かなりの多人数で討伐を目指すボスモンスターになっている。
本来多人数で挑むべきボスに挑んでみたところ、マジで1ミリ程度しかライフが削れなかった。攻撃範囲は広いし、雑魚敵を召喚するギミックもあり到底歯が絶たない。改めて「多人数で戦うべきだな」と強力さを痛感し即撤退した。配信開始の折には、ぜひゲーム内の仲間と挑戦してみてほしい。
アクションだけでなく「ターン制バトル」も楽しめる。さらにPvPの戦闘なども搭載、とにかくコンテンツが充実
さらに本作ではアクションだけでなく、プレイアブルキャラクターたちを駆使したターン制バトルも楽しめる。本作は発表時には「スイッチングRPG」と題されており、アクションRPGとターンベースのバトルを1つの作品で楽しめる──というのも見どころのひとつだ。
ターンベースのバトルは「心象修練」と呼ばれるコンテンツをはじめ、メインストーリーの一部ボスや、「指名手配」と呼ばれるコンテンツを通じて楽しめる。クリアすることでキャラクターの強化やガチャに使用できるアイテムをそれぞれ獲得できる。
ルールはキャラクターが所持するスキルを順に使用するもの。敵の弱点と戦闘ごとに用意されたレギュレーションに応じてパーティを編成し、スキルごとに設けられたターン単位のクールタイムを意識する必要がある。かなりシンプルなゲームルールだが、編成した5人全員が一堂に会する点や、スキル毎に用意された派手な攻撃アニメーションが視覚的に楽しい。
また、アクションRPG形式で戦闘やクエストを楽しみながら、同時にターンベースの戦闘を自動進行で進めることもできる。「育成」といえば面倒で腰が重くなることも多いが、この仕様によりゆったりと楽しむだけでなく、ゴリゴリと効率的に進行することも可能だ。
さらに、本作では他プレイヤーのパーティとターンベースの戦闘で戦える「比武行」、他プレイヤーとアクション形式で戦える「比武対戦」も用意されており、自動の戦闘設定を駆使し複数の敵が蔓延るダンジョンに挑むコンテンツ「公開ダンジョン」なども存在する。
ローンチ時から豊富なサイドコンテンツが存在するということは、同じ行動の反復に陥らないことに繋がる。個性豊かなキャラクターとともに、育成すらも楽しみながらプレイを進めていくことができそうだ。
このたびの試遊で触れた要素は、あくまでも本作の一端に過ぎない。しかしながら、僅かな時間でのプレイからも、アクションゲームらしくシビアな攻撃/回避が勝敗を握るバトル、オンライン向けの作品らしいダイナミックなマルチプレイ、そして「ターン制バトル」をはじめとする充実したサイドコンテンツなど、新たなオンラインRPGとしてのポテンシャルを感じる要素がいくつも伺えた。
キャラクターのラインナップをはじめ、他の作品とは一味違うキャラクターにも出会える『護縁』。本記事を通じて興味を持って頂いた方は、ぜひゴリラやカエル、ネコ、イケオジとともに家門を再生する冒険に出かけよう。