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「美少女ソウルライク」こと『AI LIMIT 無限機兵』では、「攻撃」でスタミナが上昇し、スタミナを上げると火力が上昇。ユニークなシステムで「ガンガン攻められる」作品に【BitSummit Drift】

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今回紹介するのは、中国のSense Gamesが開発を務める「美少女ソウルライク」こと『AI LIMIT 無限機兵』だ。

本作は、ファーストトレーラー公開時から日本で大きな注目を集めた。フォトリアルではなく全体的にアニメ風なデザインのキャラクターたち、サイバー世界かつアポカリプスモノを突き詰めた退廃的な世界観など、従来の「ソウルライク」ゲームでは、あまり見られなかった要素が採用されている。

しかし、本作の最も魅力的かつ特徴的なポイントは、何といっても攻撃によって変動する「シンクロ率」を用いたユニークなバトルだ。

この記事ではそんな面白いバトルシステムに着目しつつ、本作の序盤を試遊した感想をお伝えしよう。試遊は全体で30分ほどだったが、非常に濃密な体験が楽しめた。

文/植田亮平

『AI LIMIT 無限機兵』プレイレポート。美少女ソウルライク_001

美少女だけど、しっかり「ソウルライク」の伝統を踏襲

まずは本作の基本的なゲーム体験についてざっくりと紹介していこう。

本作は「美少女ソウルライク」と言われている通り、ゲーム全体を通じてソウルライクの「作法」を押さえている(公式のプロモーションが言及しているかは不明だが)。

『AI LIMIT 無限機兵』プレイレポート。美少女ソウルライク_002

画面左上に体力ゲージ等のUI、右上に経験値となるポイント、右下、左下に武器とアイテムのUIという構図を採用。それぞれがあまり装飾のないシンプルなデザインとなっているのもソウルライクの様式美を忠実になぞっている。

UIだけでなく、操作性やゲームシステムも同様だ。コントローラーのR1(PSの場合)ボタンで攻撃、R2で強攻撃といった攻撃方法は言わずもがな、回数制限のある回復やステータスを配分する成長システム、チェックポイントとなる晶枝(篝火)など、こちらも根本的な部分ではソウルライクのお約束を徹底している。

また、多くのソウルライクと同様に、ゲーム進行に関しては広いマップを移動する『ELDEN RING』方式ではなく、入り組んだダンジョンを進行していく昔ながらのスタイルが採用されている。といっても今回遊ばせていただいたのは序盤だけなので、展開によっては広いマップを移動することになるかもしれない。

シンクロ率が重要な戦闘システム

さて、ここからは本作の独自の要素を紹介していこう。

『AI LIMIT 無限機兵』プレイレポート。美少女ソウルライク_003

まず特筆すべき点として、本作の「シンクロ率」というユニークなシステムを紹介する。

「シンクロ率」は体力バーの下に表示されているゲージで表現され、これはソウルシリーズにおけるスタミナゲージとほとんど同じ役割を果たす。具体的には、パリィやスペル(魔法)、特殊攻撃など各種アクションを行うたびに消費される。

しかし、このシンクロ率が他のソウルシリーズと違うのは、このゲージが「攻撃」と密接に紐づけられている点だ。

まず、このシンクロ率はスタミナのように時間経過で回復しない。それはもっぱら、プレイヤーの攻撃によって回復するのだ。

反対に、シンクロ率が時間経過で減少するということもなく、敵からの被弾やローリングを除く各種アクションのみによってこのゲージは消費される。

『AI LIMIT 無限機兵』プレイレポート。美少女ソウルライク_004

面白いのは、このシンクロ率の値によってプレイヤーの基本的な攻撃力が変化することだ。

従来のソウルライクゲームであれば、いわゆる“筋力”等のステータスで攻撃力が変動する。しかし、本作ではシンクロ率が高いほど攻撃力が上昇。この仕様により、本作の戦闘スタイルおよびステータス振りはかなり異質なものとなっている。

『AI LIMIT 無限機兵』プレイレポート。美少女ソウルライク_005

これは本作のステ振り画面だが、STR/DEXの値は基礎攻撃力に影響する。そして、VITと呼ばれるステータスは、攻撃力ではなくシンクロ率の上昇率に影響を及ぼす。この値が大きいほど敵に攻撃した際に、得られるシンクロ率が増えるのだ。

実際のダメージはSTR/DEXの値を元にした基礎攻撃力をベースに、VITの値によってシンクロ率に応じた攻撃力が加算される。ダメージは必ずしも筋力の値に依存していないので、プレイヤーはある程度自由な戦闘スタイルを採用しやすいと感じる。

たとえば本作には魔法と同じ役割を果たす「スペル」が存在し、シンクロ率を消費することで敵に強力な攻撃を叩き込める。

一般的なソウルライクでは、いわゆる「筋力重視ビルド」を構築していれば、魔法などの攻撃手段は採用できない。しかし、本作では「スペル」も通常の攻撃と同様のゲージを使用するため、「筋力重視ビルド」でありながら「スペル」を活用することも可能となっている。

『AI LIMIT 無限機兵』プレイレポート。美少女ソウルライク_006

以上を総括すると、本作はかなり攻撃特化のゲームデザインとなっている印象を受けた。

攻撃によってシンクロ率を溜めるところからスタートし、そこからシンクロ率を維持して高い攻撃力を維持するか、はたまたスペルをどんどん撃ってシンクロ率の回転率を上げるか、というのが本作の基本的な戦闘の流れだろう。

これは、ガンガン攻めるタイプのプレイヤーにとってはメリットとなる仕様だ。ジリジリと間合いを詰めたい慎重派のプレイヤーはシンクロ率を貯めるのに少し苦労するかもしれない。けれども、幸いなことに回避にはシンクロ率を消費しないので、敵の攻撃を捌く楽しみも味わえるようになっている。

機械文明と戦うスタイリッシュな世界観

本作の世界観についても、少しだけ紹介しよう。

ある種伝統と言えるかもしれないが、本作の世界観もどこか退廃的で暗ーいソウルライクの質感を受け継いでいる。しかし、世界観にガッツリ「SF」が関わっているという点は、本作のユニークな魅力だ。

『AI LIMIT 無限機兵』プレイレポート。美少女ソウルライク_007

本作のストーリーは、人類がほとんど滅亡した未来の世界を舞台に、主人公である機兵「アリサ」が人類の痕跡や歴史を探す様を描く。道中に現れる敵はほとんどが機械であり、おどろおどろしいと言うよりはどこかカッコいいデザインが多い。

『AI LIMIT 無限機兵』プレイレポート。美少女ソウルライク_008

いい意味で「怖くない」というのが本作の世界観に抱いた感想だ。主人公のデザインもアニメテイストであり、尚且つ過度な流血やゴア表現も控えめであるので、「ソウルライクはやってみたいけど世界観が怖い」といったゲーマーでも楽しめる仕上がりだ。

また、冒頭で述べた通り「アニメ調デザイン」そのものがソウルライクではかなり珍しい。特に日本のソウルライク好きにとっては「これこそ欲しかったものだ」と思った方も少なくないだろう。

『ELDEN RING』のDLCが配信されて再びソウルライクに触れるゲーマーが増えている今、死にゲージャンキーが次に遊ぶソウルライクとしては最適な選択肢になるかもしれない。

『AI LIMIT 無限機兵』は現在Steamでストアページが公開中だ。

ライター
大阪在住のゲーマー。ゲームに限らずアニメ、映画など気になったものは何でも取り込む雑食系。オープンワールドのゲームやウォーキングシミュレーターなどが大好き。最近はオンラインゲーム『League of Legends』にドハマりしているが、プレイの腕はイマイチ。

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