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『精霊機フレイリート』は「あの頃の思い出」の続きをプレイできるような、ノスタルジー2Dアクションゲーム。異世界に召喚された少年、等身低めの剣士ロボ、コックピット視点の巨大ボス戦……見覚えある景色の数々がアツい【BitSummit Drift】

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子どもの頃に好きだったアニメやゲームというのは、いつまで経っても心に残っているものだ。

でも現実には、そういったコンテンツは大体どこかで終わってしまう。それは商業的な都合だったり、続編を作るのに必要な変化が満たせなかったり、いろいろあるのだろう。この世のあらゆるものは、はじまった時点からすべて、やがて終わりを迎える運命にある。

でも、そんなコンテンツで育った人たちが、大人になってから、かつて見た夢のつづきを作るときがある。それは直接的な続編のときもあるし、自ら新たに作り出したコンテンツのときもある。いずれにせよそこには、好きだったものの世界にもう一度行きたいという執念のようなものが込められているに違いない。

今年のエイプリルフールに映像が出た架空のゲーム『精霊機(スピリットマシン)フレイリート』も、どこかそんな執念を感じさせる作品だった。

異世界に召喚された少年、等身低めの剣士ロボ、コクピット視点での巨大ボスとのバトル……ああ、なんだかどれもこれも見たことがある設定だ。

一目見て、「刺さった」

さて、そこから時は過ぎて7月19日の話だ。僕は日本最大級のインディーゲームの祭典「ビットサミット」の取材に来ていた。インディーゲームというのはどれも小規模なチームで作られることが多いが、そのぶん商業作品とはまた違った夢と希望がつまっている。

そして会場を見まわしていると、それがあった。

『精霊機フレイリート』試遊レポート:異世界に召喚された少年、等身低めの剣士ロボ、コックピット視点の巨大ボス戦…なぜか見覚えがある_001

そう、『精霊機フレイリート』だ。しかも、試遊できる状態で。

4月に出た映像は、「絶対エイプリルフールネタで終わらせる気ないだろ」というという力のかけ方だったので、いつか出てくるとは思っていたが、まさかこんなに早く再会するとは思っていなかった。
(一応告知は出ていたようなのだが、今回は完全にノーチェックだった)

いやいやこれは、やるしかないだろう……。

そんなわけで僕はさっそくコントローラを握り、この世界に入っていくことにしたのだった。

というわけで今回は、正式に展開が決まったノスタルジック2Dアクションゲーム『精霊機フレイリート』の現地試遊レポートをお送りさせていただくことにする。

取材・文/司破ダンプ


どこかに置き忘れてきた、かつての日々を感じるアクション。異世界に召喚された主人公がモンスターに立ち向かう

ゲームはまず、見下ろし型のアクションゲームのパートからスタートする。異世界に召喚された主人公の中学生・火野勇人(ひの・ゆうと)を操作して、手にした剣でモンスターを倒しながらマップを進んでいくのだ。

『精霊機フレイリート』試遊レポート:異世界に召喚された少年、等身低めの剣士ロボ、コックピット視点の巨大ボス戦…なぜか見覚えがある_002

道中ではコウモリのような魔物や、魔法弾を放つ砲台、盾を持った巨大な剣士などがたちはだかる。こちらの攻撃は最大で3連撃がくり出せ、またローリング回避で敵の攻撃をかわすことも可能だ。タイミングよく攻撃を回避した場合には、時間が一瞬スローになって、カウンター攻撃をあてるチャンスにもなる。

アクションそのものは比較的シンプルな作りで、そういえば90年代のアクションゲームってこんな感じだったなあ、というノスタルジーを刺激させられる作りだ。また回避からのカウンターは演出が小気味よく、狙って決められると気持ちがいい。

『精霊機フレイリート』試遊レポート:異世界に召喚された少年、等身低めの剣士ロボ、コックピット視点の巨大ボス戦…なぜか見覚えがある_003

このほかチャージ攻撃も存在しており、攻撃ボタンを長押ししてから離すと、剣に炎を纏っての範囲攻撃も放つことができた。大量のザコ敵に囲まれた状況でチャージ攻撃を放ち、逆に敵を一網打尽にできたときにはかなり気分爽快だった。

また今回の試遊では体験できなかったが、正式版ではここに仲間を呼び出して力を借りるといったアクションも加わるらしい。アクションとしての難易度はそれほど高くなく、見た目の印象どおりにサクサク進んでいける感じだった。

『精霊機フレイリート』試遊レポート:異世界に召喚された少年、等身低めの剣士ロボ、コックピット視点の巨大ボス戦…なぜか見覚えがある_004

その後、マップ上に配置されたカギを集めつつ探索範囲を進めていくと、いかにもなワルモノと遭遇することとなった。どうやら本作のヒロインである「まほ」のワンドを奪ったのがコイツらしい。

しばらく言い合ったのち、敵はウルトラ見覚えのある演出でぐんぐん巨大化。

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あ、そういうのもあるんだと、思わずクスッと来てしまった。

あと、なにげに巨大化した敵がフレームからはみ出す演出になってるところも、レトロゲームで特別なキャラを演出する時に使われていた手法を思い出す感じで、かなりいい。

というわけでボス戦だ。こちらも精霊の力を解放して、勇人の相棒・精霊機フレイリートを召喚!

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ノスタルジーを刺激される巨大ボスバトル。試遊終了画面の右下には「終」の文字も配置されるこだわりっぷり

ここからはコックピット視点での、巨大ボスバトルが展開していく。

このボス戦は疑似3Dシューティングとなっており、こちらの視点は固定で、画面上を動き回る敵の攻撃をさばきながら、タイミングを合わせて攻撃を与えていくステージとなっている。

ああ、しかしなんだろうこの、ある意味めちゃくちゃインパクトにあふれた絵面は……初見なのになぜかすごい見覚えがある気がする。こういうの待ってました。

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巨大バトルをやった感触としては、とにかく、とにかく忙しい。ミサイルや竜巻といった攻撃が絶え間なく飛んでくるので、状況を見極めて射撃で撃ち落としたり、ガードしていく必要がある。同時にスキを見て、敵への攻撃も当てていかなければならない。

射撃のほかには剣での攻撃もあるのだが、こちらはリーチが短かく、なかなか当てられるタイミングが合わない。思いのほか敵も固く、ジワジワとこちらのダメージも蓄積していく。

だが不意にその時はやってきた。接近戦のチャンスだ!剣による連撃がヒットし、そして必殺のフレイムセイバー!一気に敵に大ダメージが入った。

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……しかし、あいにくここで時間切れとなってしまい、今回はボスを倒した後のシーンを拝むことはできないまま試遊終了をむかえることとなった。

ちなみに今回の試遊では見られなかったが、正式版では先のような巨大ボス戦においても、仲間の力を借りて技を放つことができるとのことだ。

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以上が『精霊機フレイリート』の試遊レポートとなる。

なんだか子どもの頃に見ていたアニメやゲーム──もう少し遊んだり見ていたかったけど、続きを見ることができなくなってしまったり、あるいはみずからどこかに置いてきてしまったもの──の思い出の続きを味わっている、そんな不思議な感覚を抱くゲームだった。

『精霊機(スピリットマシン)フレイリート』は、10月24日(木)に発売を控えるインティ・クリエイツのカードバトルRPG『カルドアンシェル』のNintendo Switch版とPS5版のパッケージ版に同梱されることが決定している。

またこのほかにPS4版、Xbox Series X/S版、PC(Steam)版の開発も発表されており、こちらの発売日、価格、販売形態については現在調整中となっている。

 

 

 

ライター
85年生まれ。『勇者のくせになまいきだ。』シリーズの代表的プレイヤーとして名を馳せたツルハシの化身。 10代の頃、メックシューターゲーム『ファントムクラッシュ』とその続編『S.L.A.I.』の世界にハマり、 ディスプレイ越しに見た2071年に帰るべく日々を生きる。TCGとボードゲームも好物。
Twitter:@Dump29

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