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新作インディーゲーム『FAIRY TAIL ダンジョンズ』のルーシィは、デッキ構築型ローグライトのイロハを教えてくれる“最高にいい女”だった。メイド服にドレス姿に、早着替えしながら戦ってくれるから目の保養にもなる

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真島ヒロ先生の描く女性キャラクターはめちゃくちゃかわいい。とくに『FAIRY TAIL』のルーシィは最高です! スタイル抜群だし、戦闘衣装がかわいいし。

そんなルーシィのメイド服やドレス姿に早着替えしながら戦う姿を見て「かわいい! 最高!」と狂喜乱舞できるのが、新作インディーゲーム『FAIRY TAIL ダンジョンズ』になります。

見てください! このドット絵で戦うルーシィの麗しい姿を。

『FAIRY TAIL ダンジョンズ』インプレッション:ルーシィはデッキ構築型ローグライトのイロハを教えてくれる最高にいい女_001

マジで戦っているルーシィを眺めているだけでもハッピーになれるんですが、彼女の魅力はそれだけじゃありません。

ルーシィを使っていくことで、自然とデッキ構築型ローグライトの基礎(イロハ)が学べて、このゲームの楽しさに気づかさせてくれる。ルーシィ、ものすごく「いい女」でした。

そもそも、本作『FAIRY TAIL ダンジョンズ』は、ランダム性が強い「ローグライト」に、ダンジョンを進みながらカードを手に入れてデッキと自身を強くしていく「デッキ構築」の要素が盛り込まれている作品。

このジャンルは独自の面白さがある一方で、考えなしのプレイでクリアできるほど甘い世界ではありません。確かな歯ごたえがあります。

『FAIRY TAIL ダンジョンズ』インプレッション:ルーシィはデッキ構築型ローグライトのイロハを教えてくれる最高にいい女_002

筆者は、このジャンル(デッキ構築型のローグライト)が不慣れだったこともあり、ゲーム序盤は苦戦しました。というのも、ルーシィ自身が「サポート&妨害特化」タイプのテクニカルなキャラクターだったぽくて、彼女の力をなかなか使いこなせなかったんですよね。

ただ、そんなルーシィを選んだからこそ、「マップの移動は効率的に」「デッキ構築は無駄なく」「戦闘時には手札が循環するように」など、自然とこのジャンルの基礎が身についていったし、どんどんこのゲームにハマっていきました。

ゲームをクリアした今、「ルーシィを選んでよかった」と心から思います。手取り足取り、本当にお世話になりました。やっぱりルーシィは最高の女です!

文/白熊のヨゥ
編集/竹中プレジデント

※この記事は『FAIRY TAIL ダンジョンズ』をもっと知ってもらいたい講談社クリエイターズラボさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


ルーシィを選択して1時間後、ボスに勝てなくて頭を抱える

ゲーム内でのルーシィとの出会いは、チュートリアル15分を挟んで、だいたい30分ほどプレイしたときのことでした。

本作は、漫画『FAIRY TAIL』のナツ・ルーシィ・グレイ・エルザ・ウェンディの5人のキャラクターが登場。ゲーム開始時は主人公のナツが操作可能で、ゲームを進めていくことで操作可能なキャラクターが切り替え可能に、もしくは増える仕組みです。

ルーシィは、最初から使用可能なナツでダンジョン前半パートを一度クリアすると、グレイとともに選択可能なキャラクターとして解放されます。

見た目がもうかわいいし、もうひとりは上半身裸(半裸なのにはちゃんと理由がある)の男だし、青少年のパトス(熱情)に身をゆだね、初見プレイ時は迷わずルーシィを選んだわけですが……。

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ルーシィを選択した筆者の約1時間後がこちら。何度試してもボスに勝てない。半日以上行き詰まってしまいました。

彼女は火力が低めなので1回の戦闘が長期化しやすく、普通に戦っていると、どんどん体力が減っていってしまう。考えなしに連戦しているとあっという間に体力が半分に。その状態でボスに挑むとどうなるか……ご覧の有様です。

ルーシィのかわいさを「より長く満喫してほしい」という制作陣のメッセージなのかもしれませんが、何度も負け続けていると悔しさが募ります。

それに、ルーシィの得意分野である妨害は、効果が確率で付与されるので安定感がないんです。それに、妨害効果は敵の特定の攻撃に対してのものなので、扱いが難しい。深く考えずデッキを組んでしまうと、うまく手札を回せずに「床とこんにちは」となってしまうわけです。

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本作では敵がそのターンに行う行動を予告する。それに合わせて使うことで真価を発揮するカード

ルーシィの弱みについては早い段階で気付いていたつもりだったのですが、それをどうカバーすればいいか、なかなか答えが見つかりませんでした。結果、ドツボにハマり始めます

戦闘をしすぎると体力が削れてボスに勝てない。でも戦闘を避けるとデッキやステータスの強化ができず、これまたボスに勝てない。

たまに何かが噛み合ってデッキの構築がうまくいっても、敵の攻撃を妨害しきれずに倒されてしまう。そうなると、「ローグライト」の特性上、せっかくうまくいっていたデッキが消えちゃうんですよね……。そんな感じで、プレイしては倒され、休んでは再挑戦してを半日くり返すも、なかなか攻略の糸口が見つからず。

ただ、これも「ローグライト」の特徴のひとつなのですが、くり返し遊んでいくなかで「プレイヤーが何かに気付いて」「プレイヤー自身のスキルが上がる」ことで、攻略できるようになっていきます。そこが楽しいんですよね。

そう、苦戦を強いられてきたんですが、何度も挑戦するなかで、ようやく光明が見えてきたのでした。

ルーシィを選んだからこそ学べたこのゲームのイロハ(基礎)

敗戦続きだった大きな原因のひとつ。それは何も考えずにマップの移動をして闇雲に雑魚との戦闘を繰り返したから。これに尽きます。

ダンジョン攻略の流れとしては、すごろくの盤面のようなマップを移動しながらキャラクターの強化や戦闘を行って、最終的にフロアのボスとの戦闘で勝利を目指す。というものになっています。

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左下にある数字が移動可能な回数

最初のうちは、攻撃力の高いナツの感覚のまま戦闘をくり返していたのですが、ルーシィはサポートと妨害に特化したキャラクター。火力もナツに比べたら低いので、同じように戦っていては戦闘は長期化して体力が持たないのは当然でした。

そこで、マップの進みかたや、戦闘と休息のバランスというのが大事になってくるわけです。戦闘せずアイテムを獲得できる「宝箱」や、HPの回復などができる「焚き火」のマスを活用できる移動経路を意識して考えるようになりました。

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ちなみに全容が見えないマップもある。見える範囲での最適解を考えて進むべし

さらに、戦闘中の手札の使いかたもルーシィのおかげで徐々に勘所がわかっていきました。

というのも、ナツでプレイしているときはあまり気にしてなかったのですが、本作の戦闘では敵の次の行動が予告されるんです。

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敵HPの横にあるアイコンで判断可能で、これは次のターンに「13ダメージ」の攻撃を仕掛けてくるという意味

ルーシィの妨害カードを活かそうと思うと、自然とこの行動予告を考えての立ち回りを意識するようになります。

手札のカードのどれを早めに切ってしまうか、保持しておくか。このあたりを感覚で覚えていくことになるんですが、これはルーシィ以外のキャラクターでも同じ。彼女を選んで苦労したからこそ、早めに気づかせてもらえたポイントです。

そして最後に、このゲームで一番悩ましいポイントである「デッキ構築」についても、ルーシィを使っていることで学びを得られました。

このデッキ構築、なにが難しいって「取得できるカードもランダムである」という点。それがこのジャンルの楽しさの根幹でもありますが、セオリーがわからないうちは悩んでしまうポイント。

シナジーを期待して獲得したカードが持ち腐れになるなんてことは茶飯事。あらゆる状況を見越して取捨選択をする柔軟性とアドリブ力、加えて効果的にカードを使うために不要なカードを排除するデッキの圧縮などが求められるわけなんですが……これ、無限に考えられちゃんですよね

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とくにルーシィの場合、火力が低めで戦闘回数を稼ぎづらくカード取得のタイミングも限られるのに、コンセプトの関係で出来ることがすごく多い。しっかり考えてデッキを構築していかないと器用貧乏なデッキになりがちで、性能をちゃんと活かすことができないこともありました。

ただ、おかげで「マジックチェイン」がデッキ構築するうえで大事な指標であることに気づかせてくれました

「マジックチェイン」とは、特定のカードを順番に選択することで性能が強化される機能。「マジックチェイン」の発動に必要なカードを軸に、その時点のデッキに不足しているカードを集めていく、という考えかたが身についてくると円滑にデッキを構築することができるようになりました。

それになにより、ルーシィの器用貧乏になりがちだったデッキが、一気にできることが多くなって、見た目のかわいさだけじゃなくその強さにも惹かれていきました。

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必ずしも「マジックチェイン」に関するカードが出るわけではないので、結局は悩ましいのですが

ルーシィ以外の『FAIRY TAIL』キャラクターも大活躍

と、ここまでルーシィに焦点を当てて取り上げてきたのですが、じつは彼女の強さが発揮されるのは、ソロで挑むダンジョン前半戦ではなく、3人チームで挑むダンジョン後半戦だったりしました。

たとえば、ルーシィの「アリエスフォーム」には味方全体にブロックを付与する効果があるのですが、そこでグレイが持つブロックの半分を威力に加えるカードを使うことで火力の底上げをする……といったように、チームならではのシナジーを体験できます。

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それに、他のキャラクターたちも独自の特性を持っていて、使用キャラを変えればプレイ感もガラリと変わるのも、本作の魅力。

高火力バランスタイプのナツ
ブロック&妨害特化タイプのグレイ
高火力クリティカル特化タイプのエルザ
サポート特化タイプのウェンディ

キャラによってデッキ構築のセオリーも立ち回りも異なってきますが、ルーシィと学んだこのジャンルの基礎のおかげでスムーズにダンジョン攻略ができるように。プレイヤー自身の成長を感じやすいのは、このジャンルの醍醐味でもあります。

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ナツのHPは「2」、対する敵のHPは3分の1ほどなんですが、ここから勝ちます。使いやすくて強い。さすが主人公

また、プレイアブルキャラクター以外にも『FAIRY TAIL』のキャラクターたちが登場するのは、原作ファンにとっては嬉しいところ。

マップ上の「!」マークで表記される「イベントマス」では「妖精の尻尾」以外のギルドに所属するキャラクターも登場し、さまざまな形で冒険の手助けをしてくれることもあります。どのキャラが登場するかはランダムなので、原作ファンのみなさんはそこも楽しみな点になりそうですね。

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そしてそして、本作のラスボスは原作者である真島ヒロ先生が本作のためにデザインを描き下ろしたもの。ビジュアルもさることながら、演出といいストーリーの展開といいラスボスの風格たっぷり。ぜひご自身の目でその「風格」を堪能してほしいです。

本作は、真島ヒロ先生が自腹で3000万出した『FAIRY TAIL』オリジナルゲームプロジェクトの3作のうちの1作。PC(Steam)にて 2024年8月27日に発売予定。現在ウィッシュリスト受付中なので、気になった方はぜひウィッシュリストへ。

また、8月19日より体験版が公開されています。ゲームの魅力をチラっと味わえるので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

ライター
アクションゲームとアメコミ映画を愛する三十路ゲーマーで、前職は某ゲーム機のカスタマーサポートとのウワサ。一人用ゲームを好むが、人が好きなものの話を聞くのはもっと好きなので「誘われればどんなゲームでもやる」がモットー。そんなこんなで始めた「スプラトゥーン3」を気づけば1000時間遊んでいたチョロいやつでもありますが、私が書いた文章をきっかけに誰かが「好きなもの」を見つけてくれたらいいなと思っています。
サブデスク
美少女ゲームとアニメが好きです。「課金額は食費以下」が人生の目標。 本サイトではおもにインタビュー記事や特集記事の編集を担当。
Twitter:@takepresident

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