新しいソシャゲが配信されたら、とりあえずキャラ一覧を見に行くタイプだ。
ソシャゲはやっぱり好きなキャラで遊びたい。だからゲームを始める前に、よさげなキャラがいるかどうか目星を付けておくのだ。もちろん「遊ぶ過程で推しが生える」のも良くあることだが、欲しいキャラがいればゲームを始めるモチベも上がる。
というわけで、このたびリリース100日を迎えた『俺だけレベルアップな件:ARISE』、通称『俺アラ』の公式サイトを見に行ってみた。すると、いるじゃないですか顔の良いイケメンが! バリエーションも豊富で、これは期待が持てそう。イイネ!
しかもこのゲームでは、イケメンたちを操作してスタイリッシュアクションを体験できるときた。
そんな感じのテンションで喜び勇んでゲームを始めてみたわけなのだが、進めてみるとどうも様子がおかしい。
目を付けていたイケメンたちから、暗い過去や二面性といったクセの強い「ギャップ」が続々とお出しされてきたのだ。一通り遊んで振り返ってみたら、どのキャラも初見の時と全く印象が変わってしまっていた。
このゲームのイケメンたちは、誰もが見た目通りにはいかないクセの強さを持っている。
しかし明かされたギャップは彼らの個性を殺すことなく、むしろ顔の良さと調和して、より強い個性として昇華されているのだ。ダークな世界観に裏打ちされたクセの強さが、彼らを「よく見るイケメン」とは一線を画す存在たらしめている。
そんな『俺アラ』のイケメンたちから、今回はゲーム序盤に出会える数人をピックアップして紹介していきたいと思う。一部ストーリーの内容に触れる部分もあるため、ネタバレを気にする人は注意してほしい。
※この記事には『俺だけレベルアップな件:ARISE(俺アラ)』の諸菱賢太、道門泰星、犬飼晃、馬渕勲たちのストーリーのネタバレが含まれています。お気をつけください。
※この記事は『俺だけレベルアップな件:ARISE』の魅力をもっと知ってもらいたいネットマーブルさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
しこたまに曇らせられるワンコ系イケメン「諸菱賢太」
若干成金趣味の鎧を身に着けたイケメン・諸菱賢太は、このゲームにおける「初期配布キャラ」だ。ゲームを始めたすべてのプレイヤーが必ず出会い、長く冒険を共にしていくことになるキャラクターであるといえるだろう。
入手直後にキャラクター画面で見た際の印象は「元気な良いやつ」といった感じだった。スキルの説明に「未熟な太刀筋」や「熱い想い」という言葉が書かれているのもあり、実力は低いながらも素直さと熱意で主人公に付いていくワンコ系といったところだろうか。
とりあえず戦闘に連れ出してみたら、敵陣のど真ん中でポーションを飲み始めた。元気すぎる!
そんな彼がストーリーに登場したのはChapter3。怪しげな依頼のチームメイトとして、主人公・水篠旬と共にダンジョンに挑むことになる。案の定、裏切られた彼は「水篠旬を殺せば命を助けてやる」という取引を持ちかけられるが、諸菱賢太は迷うことなく前に立ち、水篠旬をかばってみせた。
しかしその直後、なんと本気を出した主人公が目の前で相手を殺害。金持ちのボンボンであり、ほとんど荒事の経験が無かったであろう諸菱賢太はあまりのショックに吐いてしまい、結局主人公に連れられる形でダンジョンを後にするのだった。初登場からたった8話での出来事である。
意外な流れだったとはいえ、これだけならば「元気ないいやつ」が「可哀想ないいやつ」に変わる程度だっただろう。しかし、諸菱賢太の本領発揮はここからである。
主人公の殺戮を目撃した3日後、なんと諸菱は自分から主人公に接触してきた。しかも、主人公を共にダンジョンに向かう仲間として勧誘してきたのだ。
吐くほどの光景を見せつけた相手に食いつく根性もさることながら、驚いたのは彼の交渉の進め方だ。ワンコ系らしく人柄と熱意で押し切るのかと思いきや、彼は金を必要とする主人公のニーズを理解して破格の報酬を提示。さらには、主人公を選んだ理由が彼の状況に基づいた打算であることまで明かしてきた。
このゲームでは、各キャラクターのレベルを上げると「シークレットファイル」という背景テキストが解放される。
諸菱賢太のシークレットファイルに書かれていたのは、優秀すぎる兄姉の元で育った平凡な彼の強いコンプレックスだった。「認められたい」「愛されたい」「一度だけでいいから輝きたい」……立ち絵のまぶしい笑顔に対して、書いてあることが重すぎる。
しかしそれでも、コンプレックスに抗う意志と強かさを持つ彼が第一印象の明るさを失うことはなかった。むしろ、そういった影を抱えた上でなお前に進もうとする姿こそが彼の本来の明るさなのかもしれない。
諸菱賢太を深く知った上での印象は、一周回ってやはり「元気ないいやつ」だった。
ちなみに、公式サイトにはゲーム開始報酬の説明に「あなたを傍で支えてくれる諸菱賢太」がもらえると書いてある。
もうお前がヒロインだよ!!
令和に現れた古き良き正統派快楽殺人鬼「道門泰星」
いいやつの話をした後は悪いやつの話がしたくなりませんか? ということで次に紹介するのは狂気を孕んだダークなイケメン・道門泰星だ。ガチャから入手できるキャラクターだが、レアリティが低いので序盤から手に入れやすい。
見るからに悪そうな表情の彼をキャラクター画面でタッチすると、笑いながらこちらにナイフを向けてくる。戦闘中は殺戮を楽しむようなセリフを話し、それ以外のシーンでも大体のセリフに楽しそうな笑い声がついてくる彼はいかにもといったヴィラン(悪人)だ。
シークレットファイルを見れば、彼は自らの殺戮願望を満たすべく、バレずに人殺しをするためにハンター協会に入った役人であるとのこと。まさか令和の時代に、ここまで完璧な「快楽殺人鬼」キャラに出会えるとは……。
そんな彼が登場するのはChapter6で、チャプター名はなんと「道門泰星」。チャプターのサムネイルには顔を影に隠して不気味に立つ彼の姿があり、チャプターの導入から彼の狂気が前面に押し出されている。
きっと印象に恥じないヴィランムーブをしてくれるだろうという期待を抱きながら、とうとう主人公と彼の対面シーンが訪れた。
めっっっちゃ普通に敬語のお役人さんが出てきた。
あらかじめ彼のことを知らなければ、ちょっと顔が濃いモブだと思うレベルだ。これ、キャラクター画面でいかにもナイフを舐めそうな笑い方をする人と本当に同一人物ですよね?
二面性のキャラクターが登場する作品で良くある「ギャップ」の見せ方は、「普通だと思っていた人物がじつは……」というパターンだ。
しかし、『俺アラ』では最初から道門泰星の「快楽殺人鬼」の部分を隠していない。そうすることで、ガチャで先に彼に出会っていた人は逆に「こいつ普段はこんなんなの?!」と感じられるようになっているのだ。どちらから食べてもおいしい、両面からギャップを味わえる隙のない作りなのである。
そんな「逆ギャップ」とでも言うべき彼の日常の姿をもっと見られるのが、「ハンター記録室」というコンテンツだ。ここではメインストーリーとは別に、キャラクターの掘り下げとなるストーリーを本人の視点から見ることができる。
「ハンター記録室」では、ハンター協会に入ったばかりの道門泰星の姿が描かれている。
内心では人を殺したくてうずうずしつつ、表面上は真面目な役員として普通に新人の挨拶をしたり、先輩と交流している彼の姿は正直かなり面白い。
ちゃんと社会人として生きる彼を見たあとに戦闘中の彼を見ると、面倒な仕事や人付き合いから解放された彼は本当に楽しそうだ。
きっと彼は普段から、脳内で気に入らない上司を滅多刺しにする妄想をしたり、気兼ねなく人殺しをするために前日残業して書類仕事を終わらせたりしているのだろう。普段の彼を見たからこそ、そういったイメージが実感を持って湧いて来る。
殺人鬼の表の顔という逆方向のギャップが見られるからこそ、道門泰星はより芯のあるヴィランの一人として際立った存在感を放つ。
悪役なので本編からは退場してしまう定めだが、『俺アラ』なら思う存分暴れさせてあげられそうだ。
硬派なエリートは苦労する定めなんだよ「犬飼晃」
とんでもない殺人鬼が所属するハンター協会だが、まっとうなイケメンも所属している。こちらのいかにも真面目そうなイケメン・犬飼晃は、7日間ログインすることで誰でもお迎えできるSSRキャラだ。
見た目の印象に違わず、キャラクター画面で彼をタッチすると仕事か任務の話をしてくる。ゴツめのスーツに格闘という戦闘スタイルも硬派な印象を抱かせ、どこを読んでも真面目なことしか書いていない。
素顔はかなり正統派なイケメンなのだが、ゲーム中のキャラモデルはサングラスをかけていることが多く、素顔がなかなか拝めない。『俺アラ』にはロビーにランダムで現れるキャラクターと交流できる要素もあるのだが、ロビーに佇み通りがかる人をにらみつける彼の威圧感は首脳のSPばりだ。
じつは犬飼晃はこれまでに紹介したどのキャラよりもメインストーリーでの登場が早く、なんと初登場はChapter1の第1話だ。
彼は、覚悟ガン決まり状態になる前の主人公・水篠旬の前に現れると、主人公の「再覚醒」を疑い、確認のために測定装置で主人公をチェックする。
……が、測定の結果に以前と変化はなく、真面目な彼は疑ったことへの謝罪を残して去っていく。最初の出会いはこれで終了だが、この時点で彼の持つ「もう一つの属性」の片鱗が示されているので覚えておいてほしい。
次に犬飼晃が主人公の前に現れるのは、前に紹介した道門泰星の凶行の後。そう、じつはこの人、あの快楽殺人鬼の上司だったのである。
彼は道門泰星を倒した人物を突き止めようとするが、仲間が主人公をかばって「自分が倒した」と主張したため、本当に倒せるのか疑いを感じつつもうまく誤魔化されてしまう。
じつはこの2つのシーンの両方において、犬飼晃の疑いは的中していた。
主人公は確かに再覚醒をしていたし、道門泰星を倒したと主張した仲間も実際は彼に負けている。けれど、たまたまそれらとは違う結果を示す条件が揃ってしまい、犬飼晃は真面目で誠実であるがゆえに、それらを認めてしまったのだ。
役人的な立場や真面目な性格といった要素がどんどん裏目に出てしまう犬飼晃。決して能力が低いわけではなく、性格が悪いわけでもなく、ただ純粋に運と巡り合わせの悪さによって思い通りに物事が進まない……そう、彼は「苦労人」なのだ。
『俺アラ』には「絆」という、キャラクター同士の関係性や共通点を描くテキストが存在する。ハンター協会監視課に所属する2人にも絆テキストが用意されているのだが、その内容がこちら。
この人、部下にも振り回されてる……。
道門泰星が行った殺人などの証拠はダンジョンと共に消滅してしまうため、犬飼晃には彼の凶行を知るすべはない。
そもそも道門泰星と犬飼晃が上司と部下になったのはまったくの偶然だ。なので犬飼晃は何も知らないまま、真面目な上司として律儀に道門泰星を気にかけ、指導し、誠実に向き合おうとする。その裏で道門泰星がしでかしていたことを考えるとあまりに不憫である。
犬飼晃の行動はどれもこれも彼の目線からすれば理に適っているのだが、すべてを知っているプレイヤーが見るとなんとももどかしい気分になる。
本人はどこまでもまっすぐでブレることがないのに、周辺にちりばめられた情報によって「苦労人」属性が蓄積されていく男、それが犬飼晃なのだ。どうか一年くらい有給をもらって休んでほしい。
性格イケメンな隻腕未亡人おじさん「馬渕勲」
最後に、少し変わり種ではあるがこちらのイケてるおじさん・馬渕勲を紹介させてほしい。結論から言ってしまうと、彼は『俺アラ』屈指の「性格イケメン」なのだ。
もしかしたら冒頭で気付いた方もいるかもしれないが、『俺アラ』にはイケメンのみならずおじさんも多い。
しかもこちらも妙にバリエーションが豊富であり、その辺にいそうなぽっちゃりおじさんから、ヤクザ映画に出て来そうな兄弟まで各種取り揃えられているのだ。
しかし、馬渕勲には他のおじさんたちと一線を画す要素がある。
なんと、彼はチュートリアルの確定ガチャで手に入る「最初の相棒」となるキャラクターなのだ。
なぜそのポジションに57歳のおじさんを採用した???
馬渕勲は片腕を失っており、右手一本で炎の魔術を操って戦う彼のモーションはかなりカッコいい。これまでに紹介したイケメンたちと全く同じだけの労力が、おじさんにもしっかりと注ぎ込まれているのだ。
彼はプロローグで主人公に同行するハンターたちの隊長であり、ストーリー中の登場は全キャラの中でも最も早いうちに入る。プロローグの出来事は原作に比べて簡略化されているのだが、じつはプロローグの出来事を馬渕勲の視点で描いたサブストーリーが存在する。
サブストーリーで描かれるのは、隊長である馬渕勲の判断の結果窮地に追い込まれてしまったハンターたちの顛末。ダンジョンから脱出するためには誰かを生贄として差し出さなければならないという状況の中、彼は責任を取るため、祭壇へと自らの足で進んでいくのだが……なんとこのシーン、プレイヤーの手で操作ができるのだ。
自らの命を以て他のハンターたちを救おうとする彼の覚悟の重みが操作を通じて伝わってくる。
その後、馬渕勲と主人公は紆余曲折あって生還し、しばらく後に再会することになる。
再会した馬渕勲は責任を感じながらも、同じく後悔を抱えていた主人公に「私の腕なら構わない」と言ってのけ、主人公の生還をきちんと喜んでくれた。
じつは、馬渕勲は過去にダンジョン絡みの事件で妻子を失っていることが「シークレットファイル」にて語られている。一度は悲嘆に打ちのめされた彼だが、同じような悲劇が起こり続けている状況を変えるため、自らハンターとなったのだ。
仲間を死なせてしまった罪悪感を背負っても、片腕を失っても、最初から変わらない覚悟でハンターとして戦い続ける彼が善人でなくて何であるというのか。
ここまででも十分推せるおじさんなのだが、そんな彼のイケメン度が最高潮に達する、とあるシーンがある。
快楽殺人鬼・道門泰星によって追い詰められた主人公たち。馬渕勲は若者たちを守るために前に出るが、道門泰星との間には明確な実力差があるうえに、魔法特化の馬渕勲の能力は暗殺特化の道門泰星の能力と非常に相性が悪い。勝ち目がないことを指摘し、嘲笑う道門泰星。しかし、馬渕勲はこう答えた。
「今の私は、剣士だ」
まさかのジョブチェンジ発動。かっ……格好良すぎる!!!!!!!
何を隠そう、彼はS級ハンターを弟子に持つ剣道の達人だったのだ。一度は剣を置いた隻腕の剣士が若者のために剣を取るシーン、美味すぎて飯が3杯は食える。
結局彼は道門泰星に勝つことはできなかったのだが、彼がS級ハンターにすら慕われる人格者なのは疑いようもないだろう。自分より強いことが分かってもなお主人公のことを気にかけ続けてくれるこのおじさんは、もしかしたら一番信用できる味方なのかもしれない。
さまざまなイケメンが登場する『俺アラ』は、8月20日でリリース100日を達成。キャラクター追加のアップデートも継続して行われており、8月28日には新たなイケメンが登場した。
後藤清臣、87歳。新たなるイケオジの登場にして、まさかの最高齢キャラクター更新である。
後藤清臣はハンター協会の会長であり、日本で最初のS級ハンター。日本中のハンターから畏怖と尊敬を集める、まごうことなき原作最強キャラクターの一角だ。
彼は自身を強化しながら身一つで戦うゴリゴリのアタッカーなのだが、戦闘勝利時にはおちゃめな表情を見せてくれる。彼もまた、『俺アラ』のイケメンらしいギャップを兼ね備えた人物なのだ。
一見するだけでは属性のアイコンのように見えるイケメンたちだが、プレイを通じてキャラを知るほど、『俺アラ』のイケメンはその世界に生きる「人間」として作られていることが伝わってきた。
クセも悲劇も飲み込んで自分の魅力にしてしまう、そんな強さが『俺アラ』のイケメンたちには備わっているのだ。
『俺だけレベルアップな件:ARISE』はPC・スマートフォン向けに配信されている。原作にはない、ゲームならではのエピソードも満載なので、気になるイケメンがいたらとりあえずやってみてほしい。彼らのギャップにまず一度驚かされ、その後もっと好きになること間違いなしだ。