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「ニンテンドーミュージアムはん、看板も控えめにしてて京都をわかってはるわあ」と京都人が先行体験に行ってきた。景観条例にあわせたグレーの看板を見てまず安心、いざ館内へ入ったら、何もかもいけてる作りで任天堂イヤッフゥでした

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来たる10月2日に、任天堂の歴史を収めた資料館「ニンテンドーミュージアム」がいよいよオープンとなる。

同施設では花札からNintendo Switchにいたるまで、任天堂が世に送り出してきたさまざまな製品を通じて、同社が作り続けてきた娯楽の歴史を知り、体験できるようになっているという。

今回はそんなニンテンドーミュージアムのオープンに先駆け、9月25日に開催されたメディア向け内覧会のレポートをお送りしていく。

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文/司破ダンプ
編集/ishigenn

館内に入る前からゲームボーイソフト!マリオ!ピカチュウ!もう目が楽しい

かつてはトランプや花札を作っていたという任天堂宇治小倉工場。ニンテンドーミュージアムはその跡地を利用し、装いも新たに任天堂の資料館としてオープンする。

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現地でまず目に入るのは、「ニンテンドーミュージアム」を冠するグレーの看板だ。

昨今の任天堂ロゴといえば赤字に白文字のイメージだが、そちらと比べるとこちらはかなり控えめな色味だ。もっとも京都の看板が「屋外広告物条例」によりデザイン的な制限があることを知っている京都の民からすると、この控えめな色味にもどことなく馴染みを感じたりする。(たとえば京都では、赤いことで知られるマクドナルドの看板は茶色だったりする)

少し進むと、入館証を受け取る入場ゲートへと辿りつく。この横にはロッカールームがあるのだが、よく見るとこのロッカーもゲームボーイソフトデザインになっているものがあったりして、ちょっぴり心をくすぐられる。

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入場ゲートを通過し、外の順路を進むと、『スーパーマリオブラザーズ』の土管やブロック、ゴールするマリオの姿が目に入り、足元にはタイルで描かれたコインや敵キャラクターたちのドット絵が広がる。まだ館内へ入る前だが、なんだかもう楽しい。

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施設内に置かれている土管には後ろ側から入ることもできる

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また建物入り口の手前では、株式会社ポケモンから贈られたというピカチュウ&ゲームボーイデザインのマンホール「ポケふた」も見ることができる。このデザインはここでしか見れない、世界に1枚だけのマンホールだ。

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ではいよいよニンテンドーミュージアムの屋内へと入っていこう。

ニンテンドーミュージアムの施設はいくつかの展示棟に分かれているのだが、まずはメインとなる展示スペースのある第1展示棟へ。

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館内に入ると、まずは色とりどりのキノピオたちが出迎えてくれる。ちなみにこのキノピオたちは、触るとあの独特な声でハーモニーを奏でてくれるようになっている。思わずクスッときてしまうようなギミックなので、現地を訪れたらぜひ触っておきたい。

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キノピオたちの左手には、『スーパーマリオ』の生みの親、宮本茂氏のサインが。
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少し進んだ先には、任天堂の人気キャラクターたちが描かれたパネルもあった

第1展示棟2Fの展示フロアには、花札からNintendo Switchまで、創業から現在までの任天堂製品がギュッ!と詰まっている

第1展示棟を順路通りに進むと、まずは2階の展示フロアへと上がっていくことになる。こちらの展示フロアでは1889年の創業以来、任天堂が発売してきたさまざまな製品を見ることができる。

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現在でこそゲームメーカーとして知られる任天堂だが、創業時は花札の製造から始まり、その後はトランプやボードゲームなど、さまざまな玩具も取り扱ってきたという歴史がある。ここではそんな任天堂の歴代製品の展示とともに、その歩みを辿ることができる。

膨大な量なのですべてを紹介することはできないが、そのいくつかを紹介していこう。

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2階の天井には、任天堂の歴代ゲーム機たちの巨大コントローラの姿も。

■展示物の紹介(一部)

「ファミリーコンピュータ」コーナー
任天堂のテレビゲーム機の代表格といえば、やっぱり「ファミリーコンピュータ」こと「ファミコン」。海外ではデザインを変え、「Nintendo Entertainment System」通称「NES」として発売されたことでも知られる同製品だが、ここではそんなファミコン製品が日本版・海外版のそれぞれとともに並べられている。

その違いを見比べてみると、当時の日本向け・海外向けの販売戦略の違いなども見えてくるかもしれない。

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「ファミリーコンピュータ」コーナー。上の方にはファミコンソフトのデモも展示されており、当時のおもちゃ屋のような風景に懐かしい気持ちになるかも

「NINTENDO 64」コーナー
任天堂初の64ビットゲーム機として発売された「NINTENDO 64」を取り扱ったコーナー。ここではトイザらス限定カラーとして登場したゴールドver.の本体など、多種多様なカラーリングの本体やコントローラのバリエーションのほか、『ピカチュウげんきでちゅう』で登場したヘッドセット型マイクなどの、ユニークな周辺機器の数々なども見ることができる。

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「体を動かすあそび」コーナー
こちらは体を動かすあそびをテーマに、さまざまな任天堂製品が集められているコーナー。1966年に販売されたという任天堂製『ツイスターゲーム』や、目隠しをしながらリングにボールを入れていくゲーム『チャレンジボール』にはじまり、大ヒットした『Wii Fit』『リングフィット アドベンチャー』の姿も。

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「ハテナブロック」コーナー
『スーパーマリオ』シリーズでおなじみのハテナブロックのデザインの変遷を見ることができるコーナー。ファミコンからNintendo Switchまで、変わっていそうで変わっていない、けれどちょっと変わっている、そのデザインの変化を追ってみよう。

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「挑戦の時代」コーナー
ここでは任天堂がファミコンを作る以前の時代の製品を展示している。花札やトランプ、ボードゲームになどに加え、簡易コピー機『コピラス』やベビーカーといったものも。

任天堂がゲームセンターなどのゲーム機を作る転機となったという「光線銃」や、任天堂初のテレビゲーム機『カラーテレビゲーム6』、『カラーテレビゲーム15』といった製品も要注目だ。

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ゲームグラフィックの歴史を辿れるコーナー
ここでは『スーパーマリオ』『ゼルダの伝説』といったゲームの、グラフィックの進化の歴史を一望できるようになっている。ゲーム画面がハードの進化とともにどのように変化し、現代のクオリティへと繋がってきたのかを確かめてみよう。

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第1展示棟1Fの体験展示フロアには、巨大なファミコンコントローラでのゲームなど、懐かしくて新しい体験が盛りだくさん

1階では「任天堂が過去に作ってきたさまざまな製品を現代によみがえらせると、どのような遊びになるのか」などのテーマで作られた、さまざまな展示を体験できるインタラクティブなフロアが展開している。

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こちらの体験展示を楽しむには、入館の際に渡される「入館証」に付与される「コイン」が必要となる。入館証には1人あたり10コインが付与されており、それぞれの展示で何枚かのコインを消費して体験を行う仕組みだ。

なお、10コインですべての展示を体験することはできないとのことなので、どの展示を体験するかは慎重に選びたいところだ。

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入館証に付与されているコインを使うときは、専用の機器にタッチする

■体験展示の紹介(※記載している必要コイン数はメディア内覧会時のものとなります)

しぐれでんSP(必要コイン数:2コイン)
百人一首『時雨殿(しぐれでん)』をモデルとした展示。

体験時に貸し出される専用スマートフォンが読み手となり、足元のディスプレイに広がる札から、下の句が書かれた札を探し、スマートフォンをかざしてタッチすることで取っていく。はやく札を取るほど高得点が獲得でき、最大20人で点数を競っていく。

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しぐれでんSP。なお日本語がわからない方は、絵合わせで遊ぶこともできるようになっているとのこと。
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「しぐれでんSP」の体験時に貸し出される、専用のスマートフォン

ザップ&スコープSP(必要コイン数:4コイン)
1970年代に任天堂が展開していた「レーザークレー」というシューティング場をモデルとした展示。

ここでは巨大なスクリーンに広がるスーパーマリオの世界でガンシューティングが楽しめるようになっており、往年のゲーム周辺機器であるNESの光線銃「ザッパー」か、スーパーファミコンのバズーカ「スーパースコープ」からひとつを選んでプレイすることができる。

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「ザッパー」は連射しやすく、「スーパースコープ」は照準器があるため狙いがつけやすい。どちらを選ぶかは、お好みで。

ウルトラマシンSP(必要コイン数:2コイン)
1968年に発売された室内用ピッチングマシン『ウルトラマシン』を再現した展示。当時の家庭を再現した雰囲気の部屋のなかで、速球やカーブなど、次々に放たれる球をバットで打ち返していく。

打ち返した球が部屋の中の家具などにあたると、棚が傾いたり、簡易コピー機『コピラス』が紙を排出したりと、さまざまな反応が返ってくる。また部屋のギミックを起動できると残り球数がアップするというボーナスも。

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「ウルトラマシンSP」を体験できる部屋にさまざまなバリエーションがある。なかにはこんな部屋も…

ウルトラハンドSP(必要コイン数:1コイン)
1967年に発売された玩具『ウルトラハンド』を再現した展示。

持ち手を閉じると伸びるウルトラハンドを駆使して、離れたレーンに流れていくボールをつかみ、落とさないように運んで土管の中へ入れていく。

今回訪れた際にはボールのデザインが『ポケットモンスター』のモンスターボールやビリリダマなどとなっており、土管にボールを入れるとポケモン絵柄の花火の演出をみることができた。

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ラブテスターSP(今回は体験しそこねたため、必要コイン数は不明)
1969年に発売された愛情度チェックができるという玩具『ラブテスター』をモデルとした展示。

二人一組でビッグになったラブテスターの前に立ち、手をつないだふたりの「ラブ度」を測定できる。さらに「ラブ度」をあげるために、旗上げゲームなどのさまざまなテストに挑戦していく。

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「ラブテスターSP」。おひとりさまでは体験できないのでご注意を。

ゲーム&ウオッチSP(必要コイン数:1コイン)
1980年に第一作が発売された「ゲーム&ウオッチ」をモデルとした展示。

ポケットサイズだった『ゲーム&ウオッチ』の画面が巨大な画面に再現されており、映し出された自分の影を使って操作していく。制限時間は60秒間で、ゲームは「ボール」と「マンホール」の2種類を体験することができる。

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『マンホール』では影の動きにあわせて道を塞ぐマンホールの位置が移動する。『ボール』、『マンホール』は体験を開始してから選ぶのではなく、最初からそれぞれ別のゲームとして設置されているので間違えないよう注意しておきたい

ニンテンドークラシック(必要コイン数:1コイン)
「ファミコン」、「スーパーファミコン」、「NINTENDO 64」といった昔懐かしいハードで発売されたさまざまな任天堂のタイトルを7分間にわたってプレイできる展示。手にするコントローラは当時を再現しており、対応しているタイトルについては2人プレイで遊ぶこともできる。

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ニンテンドークラシック。今回は遊んだことのなかった『ゼルダの伝説 時のオカリナ』を選んだのですが、オープニングのデモシーンだけで体験がほとんど終わってしまいちょっぴりショックでした。体験するならシンプルなアクションゲームの方が向いているかも
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ニンテンドークラシックのエリアには「ファミコンチャレンジ」という、ファミコンで発売されたのゲームの5連続プレイにチャレンジできるコーナーも

ビッグコントローラー (必要コイン数:2コイン)
巨大なファミコンコントローラや巨大なWiiリモコンなど、ビッグになったコントローラをふたりで使用して「ファミコン」から「Wii」に至るまでのさまざまなゲームをプレイできる展示。ステージをクリアするには、ふたりの息の合ったコンビネーションが必要になる。

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ビッグコントローラー。『ファミコンロッキー』や『ゲームウルフ隼人』といった少年漫画でみられたような、巨大なコントローラでのゲームを実際に体験できてしまう。
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WIIのビッグコントローラーは、ふたりがそれぞれ巨大なWIIリモコンを持ってバランスをとるゲームと、ふたりでひとつのWiiリモコンを抱えて操作するゲームの2種類が用意されている。それぞれのコーナーは別となっているので、並ぶときには間違えないよう注意しておきたい

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NINTENDO 64のビッグコントローラーは、コーナー内でもひときわ大きな画面でプレイできるようになっていて迫力満点。ちなみにコントローラーの裏側にあるZトリガーは直接押すことも、足元のボタンを踏んで操作することも可能だ

1階でできるインタラクションな体験はいずれも魅力的なもので、入館時に渡される10コインではすべての展示を体験できないというのがなかなか悩ましい。しっかりと選び抜いて、気になった展示を体験したいところだ。

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こちらは第一展示棟の出口前にある、1930年代の花札ラベル保管棚。任天堂旧社屋に保管されていたものを移設したものだとのこと
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昔は花札が一組完成するたびに、このラベルを貼っていたそうだ
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同じく第一展示棟の出口前で見られる「任天」の書。書家・津村枕石氏による書で、1971年の本社新築に伴い受贈したのだという

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ライター
85年生まれ。『勇者のくせになまいきだ。』シリーズの代表的プレイヤーとして名を馳せたツルハシの化身。 10代の頃、メックシューターゲーム『ファントムクラッシュ』とその続編『S.L.A.I.』の世界にハマり、 ディスプレイ越しに見た2071年に帰るべく日々を生きる。TCGとボードゲームも好物。
Twitter:@Dump29

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