大事を成し遂げるために必要不可欠なものとはなんでしょうか。
夢を抱くための野心? 目標を見定める分析力? 問題を解決するための発想力?
どれも重要ですが、あえてひとつあげるならば、私は「土台」だと答えることでしょう。どんなに立派な夢も、綿密に書き上げられたロードマップも、基礎が緩んでいては砂上の楼閣にすぎません。
土台、基礎、根幹……すなわち、「ファウンデーション」です。
来たる11月15日(金)、カードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』(『MtG』)の最新拡張セット「ファウンデーションズ」が発売されます。(マジック:ザ・ギャザリング公認店舗では11月8日(金)より先行販売予定)
通常3年のスパンでローテーションしていくスタンダード・フォーマットにおいて、2024年から少なくとも2029年まで使用可能という、まさにその名のとおり環境における土台、基礎となるべく開発されたのがこの「ファウンデーションズ」です。
このたび電ファミニコゲーマーでは、なんとウィザーズ・オブ・ザ・コースト(WotC)社さんからのお誘いを受け、最新拡張セット「ファウンデーションズ」に収録されるカードの先行公開という貴重な機会をいただきました。
ということで、本記事ではWotC社さんからお預かりした3枚のカード(うち2枚は新規、1枚が再録)を、世界最速で独占公開させていただきます!
《運命の管理者》
記念すべき1枚目のカードである《運命の管理者》は青のダブルシンボルを含む6マナで、5/5飛行のスフィンクスです。
なんとこのクリーチャー、あの有名カード《噓か真か》の亜種能力を内蔵。戦場に出た時に自身のライブラリーを上から5枚見た上でそれをふたつの束に分け、対戦相手が選んだ束を手札に、もう一方を墓地に送るという強力な手札補充能力を誘発させます。
ただ《噓か真か》のように「相手に分けさせたうえで自分が選択できる」わけではないのがウィークポイントかもしれません。
ですが、束をふたつに分ける際、ひとつの束は裏向きにしておくので、見えている脅威と見えていない脅威のどちらを選ぶかという、非対称な価値判断を相手は迫られることになります。「相手に選択権のあるカードは弱い」というのは『MtG』における偉大な経験則ではありますが、カードの隠し方によっては相手を見事に出し抜けるかもしれません。
アドを稼ぐフィニッシャーという強烈な存在感をさらに引き立たせるのが「この呪文は打ち消されない。」という一文です。どんなに強力なカードとでも一対一交換をしてしまえる打ち消し呪文の頼もしさと恐ろしさは『MtG』プレイヤーなら誰もが知るところでしょう。そんな打ち消し呪文を無効化するこの一文のありがたさと忌々しさにも、多くの『MtG』プレイヤーは覚えがあるはずです。
そんな《運命の管理者》の、威厳たっぷりなボーダレス版イラストも同時にお披露目しましょう。手前に掲げる光の玉と背景の窓から差し込む光の両方を受けてグラデーションする羽の色合いが美しいですね。Foil映えしそうです。
《悪戯な神秘家》
2枚目は《悪戯な神秘家》。青シングルシンボル2マナの軽量クリーチャーとしては十分な2/1飛行というサイズにくわえ、自身の各ターン2枚目のドローに誘発して、1/1飛行のフェアリー・トークンを生成するという能力を持ちます。
普段リミテッドをメインにプレイしている私としては、シンプルに「強い」という感想です。2マナ2/1飛行というのは、序盤に出てきて無視できない量のライフを削っていくだけでなく、終盤の消耗戦や地上の睨み合いのなかでデッキトップから叩きつけられてゲームを決めていくことも少なくないサイズ感です。
また誘発能力で出てくるトークンに飛行がついてるのも偉いですよね。リミテッドにおける序中盤はドロー呪文にマナを使うと盤面に展開するマナが不足しやすく、なかなか悩ましい判断が求められることも多いです。
しかし、この能力によって最低限のブロッカーを立たせることもできますし、相手の盤面に飛行や到達持ちのクリーチャーがいない場合は一転して攻勢をかけることもできます。
唯一の難点をあげるとすればタフネスが1ということ。3マナによくいる1/3とか1/4とかの飛行持ちクリーチャー相手にもじもじしてしまうケースもありそうですが、じゃあ《悪戯な神秘家》が2マナ2/2飛行だったら満足かと言われたら対面したくないです。
そもそもこれアンコモンですからね。リミテッドで複数枚デッキに投入され、序盤から飛行を並べてライフを削り取るような動きも、ドラフトのアーキタイプ次第ではあり得そうな注目の一枚です。
《月への封印》
今回紹介する最後のカードは、《月への封印》です。
2016年に発売された拡張セット「異界月」ではレアカードとして収録され、2023年にデジタル版である『MtGアリーナ』向けに登場した限定セット「イニストラードを覆う影リマスター」ではレアリティがコモンに変更されたうえで再録された本カード。今回はアンコモンとしての再録になりました。
青シングルシンボルを含む3マナのエンチャントで、クリーチャー/土地/プレインズウォーカーのいずれかを対象として、エンチャントされているパーマネントを「タップ:無色マナ1点を加える」という起動型能力を持つ無色の土地に変えてしまい、ほかの能力やカードタイプをすべて失わせるオーラ呪文です。
アートやフレーバーは『MtG』のストーリーのなかで、次元「イニストラード」へ襲来した強大なエルドラージであるエムラクールが月に封印される場面を描いたものになっています。フレーバー・カード名・効果のすべてが「対象を月に封じ込める」様子を表現しているというなんともドラマチックな一枚です。
能力としても、相手のフィニッシャーや放置しておけないプレインズウォーカー、アクションの要となっている特殊地形などを無色土地に変えてしまうので、汎用性が高く状況に応じた使い分けができるナイスな除去となっています。
ただし、序盤にクリーチャーへ打った際、相手の使えるマナが1マナ増えたことで思いがけないビッグアクションを取られる危険性もあるので、注意して使っていきたいですね。
今回のカード紹介は以上となります。上記の3枚のほかにも、あっと驚く新規カードや思わず懐かしさのこみ上げる再録カードなど、長きにわたってスタンダード・フォーマットの土台として活躍するであろう様々なカードが収録された最新拡張セット「ファウンデーションズ」は11月15日より発売される予定となっています。
興味のある方はぜひ公式サイトのコラムやカードギャラリーなどをチェックしつつ、新たなデッキの構想を練ってみてはいかがでしょうか。
ちなみに、弊誌ではこれまでにも『MtG』のカードに関する記事やイベントレポートなどを掲載していますので、よければこちらの記事もチェックしていただければ幸いです。