「このゲームシステムが凄い!」の個人的大賞ゲームが出ました。何のことかというと、10月27日に行われていたインディーゲームのイベント「東京ゲームダンジョン6」のお話です。
今回紹介するのはこちらの『ワンターンキル』というデッキ構築型のバトルゲーム。
『ワンターンキル』は、なんと「最初の1ターンで敵を倒さなければ負け」という強烈な制限をコンセプトにしたタイトルです。
ベースはカードゲームなので、1ターンで敵を倒せるだけのカードを手札に揃えることが重要である一方、あまりカードをドローしすぎても負けになってしまうというシステム。これが、すごくうまくできています。
おまけに、ピクセルアートのビジュアルも良い。
今回参加した「東京ゲームダンジョン6」はゲームを作っている人なら誰でも参加でき、多くのクリエイターが、パッションやら妄念やらがしこたま詰まった独創性あふれるゲームが集まってくるイベント。
私は「面白そうなもの」「ヘンテコなもの」「癖に刺さるもの」みたいな軸でゲームを探すのですが、本作はこのうち特に「面白そうなもの」です。というか、面白かった!
システムはシンプルなのにやりごたえがすごいんだな、これが。
ドローのジレンマを提示した、シンプルかつ歯ごたえ抜群なシステム。このゲームシステムがとにかく凄い!
『ワンターンキル』はカード20枚のデッキを使用して、最初の1ターン以内に敵のHPを減らしきることを目指すゲームだ。敵を攻撃するものから特殊な効果を発生させるものまで、様々な種類のカードが存在し、1種類につき最大4枚までデッキに組み込める。
カードゲームで敵をワンキルするには、シナジーのあるカードを適切に組み合わせた連打が不可欠。そのためには大量のカードドローを必要とする。
1ターンの間にこれを可能にするのが、「カードの使用コストが山札からのカードドロー」というゲームシステムだ。
本作では1ターン内のカード使用枚数に制限はなく、カードを使用するにはコストとしてドローを実行する必要がある。カード左上に書かれている数字のうち、下に書かれているのが攻撃力で、上に書かれているのがコスト(ドロー枚数)だ。
もちろん、山札は基本的に20枚しかないため、何も考えずにじゃんじゃかカードを切りまくってしまえば、あっという間に山札切れで負けになってしまう。カードを使うだけでカードが得られるので手札はいつでも潤沢だが、使いすぎてもダメ。
このゲームにおける山札はHP代わりであり、同時に武器の役割も果たしている。言ってみれば、自分の血を弾丸にして敵に撃っているようなもので、出血多量で死なないギリギリのラインを考えながらカードを使っていく必要がある。
システム自体はかなりシンプルながら、思考力が試される歯ごたえのあるシステムとなっているのだ。
またデッキは基本的にほぼ使い切る前提となることから、カードコンボの再現性がかなり高いことも大きな特徴といえるだろう。
常にカードを引き続けることができるので、シナジーのあるカード同士を同時に手札に揃えやすく、ピーキーなコンボシステムのデッキを組んでみるのも面白そうだ。
カードの中には手札にあるカードのコストを下げたり、一部の手札をデッキに戻したりする効果を持つものもある。こうしたサポート系カードをうまく使用することが、デッキ枚数を維持しつつダメージを与えるためのポイントになりそうだ。
くわえて各ボスに勝利すると、戦闘ごとに1度だけ使用できるスキルも獲得できた。
スキルは任意枚数のカードを引き直す「リロード」や、手札を1枚複製する「ダブル」といった効果を持ち、これらはカードとは別に蓄積される。
出現するスキル種類はおそらくランダムのようなので、こちらもその場その場でうまくデッキに合うものを考えていく必要があるようだ。
また今回の体験版で戦うことのできたボスの中には「手札の枚数分ダメージが低減」「カードを使うたびにHPが増加する」など、それぞれ異なる特殊効果を備えている相手も登場した。なので、敵の性質にあわせて細かく戦術を変える必要もあった。
今後新たなボスが追加されると、戦闘もより厳しくなっていきそうだ。
今回は試遊時間の関係もあって、遊ぶことができたのは最初からあったデッキを用いてのバトルのみ。しかしデッキの構築システム自体はすでに用意されており、少しだけ内容を確認できた。
同種のカードは最大で4枚まで入れることができるらしいので強力なカードを揃えていきたくなるが、そうしたカードは総じてコストも重め。デッキ全体でのドロー枚数がどの程度になるのかは、常に考えながら構築する必要がありそうだ。
一方で前述したように、しっかり狙えばコンボの再現度はかなり高くなりそうなので、シナジーのあるカード同士を適切に組み合わせていけば、面白い戦い方ができるだろう。
デッキは20枚のみなので、使いたいコンボにあわせてカードの使用順も予め想定しておくべきかもしれない。
現在すでに同作はSteam上にストアページを開設しており、そちらでもゲームの内容を確認できる。パブリッシャーとしてわくわくゲームズが入ることも決まり、2025年のリリースを目指して開発が進められているとのこと。
気になる方は本作をウィッシュリストなどに登録して続報を待とう。