Game*Spark Publishingより、2025年1月30日にリリースされる予定のNintendo Switch版『ウィザードリィ外伝 五つの試練』。本作は、2006年にWindows向けに発売されたタイトルをベースに、最新のゲーム機向けにカスタマイズした作品だ。
アナログゲームで手数を考えながら1枚1枚カードを選んで切っていくような繊細なプレイが楽しめる感覚で、該当する世代ではあるものの筆者にとっては、かなり新鮮に感じることができた。
すでにSteam版が配信済みとなっているが、リリースに先駆けてNintendo Switch版の最新ビルドをプレイする機会がもらえた。あくまでも初心者目線ではあるが、こちらの記事ではそこからわかったゲーム特徴についてレポートしていきたいと思う。
シナリオごとに異なる設定の冒険が楽しめる
本作は、ベースとなるゲームシステム自体に独特な特徴を持っているので、まずはそちらについて触れておこう。本作では、「メインシナリオ」や「サブシナリオ」といった作りになっているというよりも、ゲームシステム自体はプラットフォームのようなものだ。
まず最初にシナリオを選んでから冒険に出かけていくことになるのだが、そのシナリオごとに異なる物語やマップが用意されているだけではなく、登場する魔法などもシナリオによって異なるものが用意されている。
読み込むシナリオによって、新しい冒険が楽しめるようになっているのである。そして、そのシナリオ自体が膨大な数存在しており、それぞれで異なる冒険が楽しめる……というのが本作の最大の特徴だ。
本作に公式として収録されているシナリオは、全部で6本。オリジナル版と同じ「旅人の財産」と「満月王の子供達」、「欠けた大地」、「ガルヴァンの酢漬け男」、「灼熱の車輪」の5本に、Steam版がリリースされるタイミングで新たに追加された初心者向けのチュートリアル的なシナリオ「偽りの代償」が収録されている。
さらにユーザーが作ったシナリオも多数配信されており、プレイすることが可能。そのため、まさに無限にゲームを遊び続けられるような作品となっているのだ。
シナリオはゲーム内に表示されているリストから選ぶことで、ダウンロードとインストールがスムーズにできるところもポイントだ。なお、それぞれのシナリオごとに繋がりはないため別のゲームとして遊べるようになっており、セーブデータもシナリオごとに保存される。お手軽に様々なシナリオをつまみ食いしながら遊ぶといった楽しみ方も可能だ。
冒険に出かけるための準備をしよう
ということで、今回の試遊会で主にメインでプレイしたのは先述の「偽りの代償」だ。シナリオを読み込んだ後ゲームを開始すると、お城のような画面が表示される。ここを拠点として、冒険に出かけていくことになる。
なにはともあれ、パーティを作らないと冒険は始まらない。そこで「志願の酒場」に行き、冒険に出かける仲間を集めることに。ここでは簡易的に「仲間を入れる」を選んでプリセットのキャラクターでパーティを組んで出かけていることもできるほか、自分でキャラクターを作って仲間にしていくことも可能だ。
自分でキャラクターを作るときは、町外れの「訓練所」に行けばOKだ。ここで、種族や性別、性格、職業などを選んでからボーナスポイントを割り当てて作ることができる。こちらで選べる職業はパラメーターによって変化するため、何度も自分が作りたい職業が選べるようになるまで作り直すことも可能。
さらに、「キャラクタの作成」で職業優先にすることで、キャラクターを何度も作り直さずに職業を選択できる機能も搭載(デフォルトではボーナスポイント優先)。必ず自分が作りたい職業のキャラクターを作成できるのは大きなメリットではあるが、ボーナスポイントの最大値が低くなり、初期年齢も若干高めになってしまうというデメリットも持っているので注意が必要である。
冒険に出かける仲間を集めたら、次は装備。それぞれのキャラクターは、初期状態では手ぶら状態になっているため、最低限の武器や装備は持たせておく必要がある。このゲームでは、主に前衛の3人が攻撃を加えたりダメージを受けたりする役割を果たすため、その3人の装備は最低限用意したほうがいいだろう。
本作では、「エル商店」という場所で、武器や防具を購入することができる。お金はパーティで共有しているわけではなく、それぞれのキャラクターごとに所持している。そのため、どうしても買いたいアイテムがあるもののお金が足りないというときは、仲間が持っているお金を集めて購入することも可能だ。装備は購入しただけではなく必ず装備する必要があるので、忘れないようにしよう。
装備を購入するときの参考になるのが、右側に表示されている項目だ。こちらは、どの職業のキャラクターが装備できるのか確認することができる。ちなみに、このゲームにおける「AC」というパラメーターはダメージ軽減率ではなく、回避率になっている。こうした情報も参考にしながら、徐々に装備も調えていこう。
さっそくダンジョンへ出かけていってもいいのだが……。冒険の目的を確認するためにお城にいくことをオススメする。たとえばこの「偽りの代償」の場合は、ネル坑道と呼ばれるダンジョンで後進の指導を行っている英雄ゼルクに会い、王命を伝えるというのが目的となるといった感じだ。
いざ、初めてのダンジョン探索へ!
すべての準備が整ったら町外れから「迷宮に入る」を選び、冒険へ旅立とう。
本作ではマップは3Dのダンジョンで描かれているものの、方角などは全く表示されない。シナリオによってはミニマップも表示されることもあるが、「偽りの代償」ではそれもない。ゲームを始めたばかりのプレイヤーは、狭い範囲から徐々に慣れていくのがいいだろう。
とはいえ、このシナリオでは序盤はそれほど敵も出現しないため、あまり心配する必要はない。また、通常は体力が減ってしまったり、魔法の回数を使い切ってしまったりしたときは1度地上に戻って宿屋で休む必要があるのだが、このシナリオに関してはHPやMPを回復してくれる泉が1Fに設置されており、そちらを利用することができる。
入り口からまっすぐ進んだ先のドアを開けようとしたときに、「ゼルク塾」の塾生以外は先に進むことができないと言われてしまう。そこで、まずはこの先に進む方法を探っていくことになった。「ゼルク塾」の塾生を示す何かしらの証拠を持ってこなければ先に進めないようだ。
マップを移動しながらひとつひとつの部屋を調べていくと、そこには賢者のような人物たちがおり、ゲームに関する様々なTipsを教えてくれるようになっていた。特にこのゲームを始めたばかりのプレイヤーにとっては有益な情報が多い。こうした部屋がいくつも用意されており、それぞれで異なる情報を得ることができるようになっていた。
その後、道なりにダンジョン内を移動していくと、ふたたびドアが現れる。入り口付近には「ゼルク塾:基礎コース 終了試験会場」と書かれており、中に入ろうとするとふたたび先ほどと同じ見た目の若者が現れ、ふたたび文句を言われてしまう。そこで仕方がなく立ち去ろうとしたときに……なんと、このゲームで初の戦闘に突入することになってしまった。
初めて戦うことになった敵は、「どろどろしたもの」と書かれている。実はこれはモンスターの名前というわけではなく、この時点ではその正体が明らかになっていないことを表したもの。
バトルはターン制になっており、前衛のキャラクターから順番にコマンドを選んでいくというオーソドックスな方式だ。後衛のキャラクターは、身を守ったり呪文を唱えたりしながら戦っていくことになる。敵をすべて倒して戦闘が終了するとリザルト画面が表示され、経験値やお金などの獲得した報酬をチェックすることができる……といった流れだ。
今回の戦闘では、それに加えて「?カード」と書かれた謎の戦利品も手に入れることができた。これが最初の謎解きのキーアイテムとなるのである。
こうした謎のアイテムは、鑑定することで識別することができる。今回のパーティではビショップが鑑定できるのだが、数回試行した結果、それが「冒険者資格証」であることが判明。これにより、入り口付近で足止めをくらっていた場所の先にも進めるようになったのである。