職業ごとに用意された能力を活かして冒険を有利に進めていこう
しかし、ここまではほんの序の口。冒険といっても安全な場所を移動していただけにすぎない。むしろ、この先から徐々に『ウィザードリィ』というゲームの本質を体験していくことになる。
たとえば、戦闘終了後、宝箱が戦利品として出現することがある。これを何も考えずに開けると罠に引っかかってしまい、パーティのうち半数が死んでしまうなんてこともあるのだ。特にゲーム序盤はキャラクターの能力も低く、1回戦闘を行っただけでもかなり消耗してしまう。注意深い行動が必要だ。
ちなみに、盗賊は宝箱に罠が掛かっていないか調べることが可能。罠が掛かっていた場合は、100パーセントの確率では無いものの、他の職業のキャラクターよりはずっと高い確率で外すこともできるのだ。
もうひとつ、こうした3Dダンジョンの探索に欠かせないのがマップ作りだ。方眼紙を使って自分でマップを書いていくというアナログスタイルも有効な手段だが、本作ではより便利なオートマッピングの機能が用意されている。
なお、オートマッピングされたものはいつでも見られるというわけではなく、魔法使いが「ウィザードアイ」の呪文を唱えることで確認が可能だ。このマップを表示したときに、チップを好きな場所に配置して目印にしておくこともできるので、そちらも合わせて活用していくといいだろう。
見た目も名前も個性豊かなモンスターたちが出現!
今回は、「偽りの代償」のシナリオを少し体験した後で、別のシナリオも少しだけプレイすることができた。そこで登場したのが、個性豊かなモンスターたちだ。「正体不明の存在」と書かれている霊的な見た目のモンスターもいるかと思えば、フードラムやフォーチュンテラーなど、いかにも手強そうなモンスターとも出会うこともある。もちろん、これは勝てないと思ったときは逃げてしまうというのもひとつの手である。
そうした中で、はたしてこれは敵なのか……? と迷ってしまうようなモンスターにも遭遇することがあった。たとえば、「ドランカード」はもしかしてモンスターというよりもただの酔っ払いなのかもしれない。「げろ」に至っては、まさにそのままという感じだ。こうした、個性豊かなモンスターたちと出会うことができるのも『ウィザードリィ』の楽しいところである。
好みに合わせて3種類のUIを変更可能
このたび、Switchでリリースされることで、グラフィックの向上やコントローラーに対応したほか、先ほど触れたオートマッピング機能や倉庫機能の「アイテムボックス」など、遊びやすくなる機能もいくつか盛り込まれている。
中でも印象的であったのは「UI」だ。今回のSwitch版では3種類のUIが用意されており、自分の好みで切り替えながらプレイすることができるようになっていた。
デフォルトのUIは「TVモードA」だが、「TVモードB」にすると画面左側にメニューが並んだスッキリとした見た目になる。やや懐かしい雰囲気の画面になっており、シンプルで遊びやすい印象だ。
それとは別に、「携帯モード」と呼ばれるUIも用意されている。こちらはフォントもかなり大きく表示され、小さい文字を読むのがしんどくなってきた大人でも見やすい。どのUIを選んでもゲーム性に大きな影響はないので、好きなものを選んでプレイするといいだろう。
本作にはDLCとしてシナリオの「慈悲の不在」が用意されており、パッケージ版のコレクターズエディションを購入することで入手することができる。また、2006年にPS2で発売された「戦闘の監獄」のシナリオもDLCで本体と同時にリリースされる予定とのこと。
大量のシナリオが用意された『ウィザードリィ』を、Nintendo Switchでいつでもどこでも遊べるようになるのはとても魅力的だ。もしかしたら、これ1本持って旅行に出かけても、遊び尽くせないボリュームかもしれない。すこしでも興味を持ったならば、この機会に『ウィザードリィ』デビューを果たしてみるのがおすすめだ。