「終わり」があるっていいですよね!
今回遊ぶ『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』(以下、『エンダーリリーズ』)は、呪いにより生きる屍となってしまった「穢者(けもの)」と戦い「浄化」していくことで不死の呪いを終わらせることができます。
実際のところ不死は不死で悪くないとは思うんだけど、穢者たちは苦しそう。
本作は「エンディングがあるゲーム」です。最近はPvPのゲームやスマホゲーなどの運営型ゲームを延々とやり続けることが増えてきた結果、「ちゃんとエンディングがあるゲームをやるよさ」みたいなのを改めて感じられるようになってきた。
もちろん、運営型ゲームにも「やり続けることで出るよさ」がある。連載漫画や継ぎ足し続けるタレみたいな味があるのだが、やはりそういうのに浸り続けているとエンディングがあるゲームの「はじめから終わりまでの体験がしっかりと設計されたよさ」が沁みてくるところがあるんですよね。
本作はボリュームも適度で、最初のエンディングを見るのに8時間くらい。その後すべてのエンディングを見るまで合計18時間くらいで要素を網羅できました。ちょうどいいボリュームでたいへんよかったぜ。これよこれ。
2021年に発売された本作の続編となる『ENDER MAGNOLIA: Bloom in the Mist』(以下、『エンダーマグノリア』)が1月23日発売ということで、これを機会に『エンダーリリーズ』から遊んでみてはいかがでしょうか。20時間弱のボリュームで「ゲーム遊んだな〜〜」という満足感がしっかり詰まった良作でしたわよ。
※この記事は『エンダーリリーズ』の魅力をもっと知ってもらいたいBinary Haze Interactiveさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
「ソウルライク+メトロイドヴァニア」のもっと短い呼び方とかってないんでしょうか(もうある?)
本作はちょい辛口のアクション+探索ゲーとなっており……みんなにわかりやすくひと言で言えば「ソウルライク+メトロイドヴァニア」って感じだ。ジャンル名って便利だね。
本作はこのふたつのジャンルの要素の摘出の仕方がなかなかうめーなと思った。いや、といっても正直なところそんなに良ジャンルに詳しくはないんですけどね……。
メトロイドヴァニアは本家たる『メトロイド』各種と『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』(探索型悪魔城はこれしかやったことないんスよ……)を除けば片手で数えられるくらいしかやったことないし……、ソウルライクにいたってはマジでクリアしたことあるのって『Bloodborne』くらいかもしれない。『エルデンリング』もやってないし『SEKIRO』はクリア挫折したし……。
どうでもいいけど本家シリーズを「ソウルライク」って呼ぶのちょっと抵抗あるな。「ソウル系」とかって呼ぶべき? まあいいや。
とはいえ語ってる私自身がそんな感じの粒度なのはあらかじめご了承ください。でもこのゲーム、マジでそのへんの塩梅がちょうどいいと思うのよ!
なんでも快適であるべき。快適って……うれしい!
本作でまず「オッ」と思うのは「探索の快適さ」だ。具体的にいうと、「いまいるエリアの探索を完璧に終わらせられたかどうか」をチェックできるんだよ!
「うお〜、これ頭いいな!」となった。だってこの手のゲームって「この新しい能力を使えば新しい道が開けるんじゃないか!?」と、来た道を戻っていろいろ試してみるけど「なにも見つからなかったな……」「けっこうな時間を無駄にしたな……」という空振りがあるからね。
でも本作は「まだ黄色くなってないエリアがあるからここに戻ったらなにかあるんじゃないか?」と具体的なアタリがつけられるのがデカい。
また、別のエリアにつながる通路も赤丸でほんのりと示唆されている。代わりにエリア内の詳細なマップは用意されていないのだが、こういう探索のアタリがあることで快適かつ適度に閃きの余地が残されていてこれがすごく楽しい。
ソウルライクだけどパリィしなくていい。……うれしい!
本作はアクション要素も完成度が高い。2Dながら「退がるよりむしろ前に出るほうが勝利につながる」とういうソウルライクあるある(だよね?)(私はそう思っている)な要素がしっかりある。
緊急回避はなかなか高性能なんだけど、敵の攻撃が熾烈なこともあり後方に退がるとかえって複数回ダメージを受けてしまったりするためじつは悪手。主人公の儚さに惑わされずにガンガン前に出ることが勝利の鍵です。
あと地味にうれしいのが「パリィあるけど使う必要はあんまりない」という点。
反射神経がないからパリィ苦手なんですよ。でもこのゲームはそもそもパリィが追加能力であるうえに回避が高性能なので使う必要がない。「好きで得意な人だけやればいい」というシステムになっていたのでこれはマジで助かりました……。
また本作を象徴するのが豊富なスキルとそのアセンブルだ。本作では主人公のリリィが自ら攻撃することはなく、すべて倒したボス(初期能力である黒騎士を除く)を呼び出して能力を行使させることで行う。
スキルはどれも個性豊かで、メトロイドやソウル系の各種武器やビルドの違いというよりは、『ロックマン』の特殊武器のような風合いがある。また、道中には回復手段も豊富にあるので割とバンバン使えるのもいいところ。
こうしたスキルは全部で30種ほどあり、3種を1セットとして2セットまで設定可能。スキルの大半を占めるサブスキル(取得がクリアの必須条件でないもの)のほとんどは発生保証つき、かつ持続時間も長く、硬直が解けたら即別のスキルも発動できるので3種のスキルをつぎつぎと発動することで大きなダメージを与えることができる。
これを踏まえて「どういう組み合わせならいい感じのシナジーがあるのか?」「いま苦戦してるボスに有効なのはどれか?」を考えながら組み合わせるのがとても楽しい。
もちろん使い勝手のいい悪いはあるんだけども、基本的にどのスキルにも独自の強みがあって「これは……完全に死んでるやろ!」というスキルはないように感じた。お気に入りのスキルを見つけて贔屓して使うのもまた楽しからずやです。
個人的には最初期に手に入る「シーグリッド」がとくにお気に入り。
じっくり長時間滞在してくれる地上版と、斜め前方に素早く発生してくれる対空の空中版とで使い勝手が異なりつつ、双方ともに体幹の減りが強くてほぼ最初から最後まで黒衣の騎士とセットで使ってたよ。
あと、毒ガススキル2種「菌の魔術師」と「腐竜の孤児」にもお世話になった。
このふたつは正直「用途が……被ってるだろ!!」と思ってたんだけど、終盤はガードが硬い雑魚も多いし、ボスキャラ相手にも出しつつ逃げに徹する時間が作れたりして便利すぎたのでずっと使っていました。