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銃をぶっ放すくるみ割り人形、グラサンのアルパカ、将軍(?)──。サバイバルゲーム『Once Human』のモンスターたちが要素多すぎる、敵も敵で、異形頭、足の生えたバス、と超デカいなど個性が渋滞。モンスターを“収容”して共に戦ったり、融合して進化させたりすることも可能

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「超自然的な存在」って、やっぱり超惹かれる!

都市伝説の本から始まり、洒落怖やSCPに耽り、テレビのオカルト特集は絶対録画して何回も観る──そんな小中学生時代を過ごした私にとって、超自然的な存在は今もなおとにかく心を惹きつける。

だが、今回プレイした『Once Human』この嗜好をぶっ刺されるのは予想外であった。

というのも、『Once Human』は、マルチプレイオープンワールド“サバイバル”ゲームだからだ。ジャンルから受ける印象は、いわゆる「クラフトをしながら生き抜くやつ」。

しかし、本作の世界観には「サバイバル」というジャンルから予想されるイメージとは相反する「デビエーション」という異常物が存在しているのだ。これらは「収容」することでその力を借りることができ、蝶やアルパカ、武士を思わせるものなど、その姿はかなり個性豊かだ。

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(画像はSteam『Once Human』より)

「異常物」や「収容」の言葉にすでにワクワクが止まらないが、今回発表された新シナリオ「コードネーム:デビエーション」では、デビエーションを融合させて進化させたり、チームを組んでデビエーション同士をバトルさせることも可能とのこと。これは「デビエーション」を主軸に据えた、新たな遊び方を拡張するものとなっている。

今回の試遊では、『Once Human』らしいSFの世界観と、サバイバルクラフト、戦闘を楽しむことができた。

なお、本作はすでにPC(Steam)にて配信中となっている。さらに、基本無料にてスマートフォン向けに4月24日より配信されることが決定している。

文・取材/anymo


謎の研究機関、異能力、乱雑に散らばった資料。序盤から、もう「良い」!

プレイを始めると、主人公は謎の研究機関のような場所で目覚める。自らの異能力のせいか、周りにいる研究員が吹き飛ばされ、自由を手にした主人公。始まりから不穏ムードが漂う。彼女/彼を操作して、研究所のあちこちに落ちている資料を集めたり、敵をぶん殴ったりしながら進んでいく。

もうすでに「良い」。

謎の研究機関や、謎の力を持つ主人公というのがもう、良い。

きっとこういうのが好きな方ならお分かりいただけるだろう。いやに潔癖な空間に血が飛び散っていたり、乱雑に散らばった資料から不穏なの記録が見れたり……。そういうのがたまらないなら、間違いなくこの時点でグッと来る。

最序盤ということもあり、真実はその片鱗すら見せず、この世界の謎が次々と明示されていくフェーズだ。しかし、プレイを進めていくことでこれらの伏線が回収されていくのか……という迫力をすでに感じることができた。

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(画像はSteam『Once Human』より)

また、あわせて触れておきたいのは本作のキャラクタークリエイトの細かさだ。目や鼻、口といった印象的なパーツはもちろん、ヘアラインやこめかみといった部位までをスライダーで調節することが可能。今回は試遊時間が設定されていたため、思わず夢中になりかけたのを泣く泣く切り上げて本編へ進んだ。

『モンハン』で初めての狩りに出かけるまでに時間がかかるタイプの、こだわり派のプレイヤーであれば、ここだけでかなりの時間を溶かすことになりそうだ。

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その後、主人公は「蝶」と呼ばれるミステリアスな女性と接触し、彼女と協力していくこととなる。さらにこのタイミングで、『Once Human』の大きな要素のひとつであるサバイバルクラフトに触れることができた。

木材や石材を集めて基地や武器を作成している途中で、プレイヤーのステータスを上昇してくれるデビエーションの蝶を連れていくという、デビエーションに関するチュートリアルも挟まれる。

なお、後述のインタビューでも詳しく触れているが、デビエーショ戦闘・クラフト・探索に役立つものが存在しているとのこと。特定のデビエーションでのみクラフトできるアイテムもあるので、コンプリートするには広大な世界を隅々まで探索する必要がありそうだ。

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次々と新たな要素が登場しているが、なんとここまでプレイを始めて概ね20分ほど。印象的だったのは、最初からフルスロットルで「これからできる楽しいこと」のスケールをガンガン開示してくれる点だ。サバイバル要素、デビエーションの収容と活用、キャラクターの背景など、本シナリオのコアの部分にすぐに触れることができた。

残念ながら、自らクラフトしたボウガンでの初めてのボス戦が始まったあたりで試遊は終了となった。とはいえ、冒頭でも紹介したとおり、本作は4月24日(木)より、基本無料でスマートフォン向けに配信予定。これから明かされる世界の謎に期待しながら、配信を心待ちにしたい。

あと、キャラクリをもっと本気でやりたい……!

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ゲームの中で出会う椅子やコップといったオブジェクトのすべてが、「デビエーション」かもしれない。世界のあちこちに存在するそれらを「収容」して活用する

今回の試遊では、実際のプレイとあわせて開発チームの方々にインタビューも敢行。「デビエーション」などの世界観についてはもちろんのこと、PCとモバイル版での違い、カスタムサーバーについてなど、今後予定されている追加要素についても伺うことができた。

──シナリオ「コードネーム:デビエーション」では、最初に研究所のような場所からストーリーが始まり、屋外のロケーションでクラフトもできました。「異常存在」のようなSFチックなものと、サバイバル・自然のものを集めて自分でクラフトしていくという、サバイバルとSFの部分はどういうふうに融合していきますか?

開発チーム:
まさに『Once Human』の特徴ですね。サバイバルクラフトとSFチックないわゆる「収容」という概念がコンセプトとして融合しています。

みなさんがゲームの中で出会う椅子やコップといったオブジェクトのすべてが、「異常物」である可能性があります。それを発見して収容することによって、それらが機能を発揮して自分のステータスをアップしたり、クラフト中のサポートをしてくれたりします。冒険に一緒に連れて行くことも可能です。発見し、自分の生活に役立つものとして考えてください。

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(画像はSteam『Once Human』より)

──「デビエーション」についてより詳しく教えてください。これらは捕まえることで、どんな効果を持ちますか?

開発チーム:
まず、「デビエーション」のコンセプトについて最初にご紹介いたします。

私たち、制作チームメンバーも全員、都市伝説や超自然的なものが好きです。日常の中にある非日常な部分を生み出す神秘的な力というコンセプトに引き込まれています。 例えばふたつの違うデビエーションを融合して新たに進化させたり、これらでチームを組んで相手チームと戦うなど、デビエーションを主軸に据えた新たな遊び方をいま、研究・開発をしています。

また、デビエーションは非常にバリエーションが豊富です。今日一日使っても紹介しきれないぐらい、個々に特殊な能力を持っています。

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大きくわけて紹介すると、戦闘・探索・クラフトの3つの部分で役立ってくれることが多いです。例えば、戦闘では盾を作ったり治療したり、一緒に戦闘してくれるデビエーションがいる一方で、戦闘ステータスや走るスピードをアップしてくれるものもいます。

探索では、木材を収集したり、釣りをしたり、デビエーションの特徴を活かすことでサバイバルの効率をアップすることができます。 クラフトでは、特定のデビエーションじゃないと作れないアイテムがあったりもします。このほかにも、時間短縮や、 品質をアップしてくれたり、いろんな使い方ができます。

──デビエーションはそもそも、どういう場所で収容できるのですか?オープンワールドの中なのでしょうか、特定のダンジョンへ赴かなきゃいけなかったりしますか?

開発チーム:
皆さんの、ゲームの中での「行為」によって得られるものとして考えていただければと思います。

デビエーションの収容方法はさまざまなものがあります。戦闘して収容することもあれば、特定のダンジョン・特定のミッションで収容することもあります。釣りをすれば釣りに関するデビエーションに出会えるかもしれませんし、ショッピングしたら買い物に関するものに出会えるかもしれません。確定ではない、出会いっていう形で考えています。

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(画像はSteam『Once Human』より)

例えば、釣りをしているとために「バッテリーで出来ているうなぎ」という特性を持ったデビエーションが出現します。それを釣ったあとに自分の基地に連れ帰ると、給電システムとしてプレイヤーを手伝ってくれます。そういったいろんな発見といろんな使い方について、プレイヤーさんの方で考えるのも楽しんでほしいです。

──「デビエーション」はゲームを始めてから、どのぐらいで触れるようになりますか?別のモードを数時間遊んでから、シナリオというモードが解放されるのでしょうか?「デビエーション」に興味を持ったユーザーがすぐに本シナリオに触れることはできますか?

開発チーム:
デビエーションという要素自体は、ゲームの根本的な遊び方のひとつです。なので、初心者の方でもログインしたらすぐ触れる内容になっています。「コードネーム:デビエーション」シナリオに関しては、メインストーリーを進行するのか、シナリオをプレイするのか、というのは個々の選択なので、特に邪魔はしていません。

特に日本と韓国のユーザーが興味を示した「デビエーション」。「世界中のファンの声を聞きながら開発を進めたい」

──PC版が2024年7月にリリースされていますが、サービス開始から半年ほどが経過した今のユーザーの反応はどのようなものですか?

開発チーム:
ありがたいことに、リリース当初から世界各地のたくさんのユーザーの方に支えられています。本当に光栄です。今までたくさんの方から意見をいただいて、それについてもフィードバックして修正しています。

開発の進捗でいいますと、 今日皆さんにプレイしていただいた要素は、リリース当初のタイミングからある程度形になっていたものになります。「作り置き」ができているような感じです。

それらが、ちゃんと市場でいい結果を出しているというに捉えていますので、引き続き今後のコンテンツ開発も頑張りたいと考えています。

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実際の市場での評価についてですが、直近日本でリリースした新しいシナリオも、日本のユーザーさんに好評いただいていて、すごく嬉しく思います。 シナリオに関しても、今後は単純にPvP、PvEだけではなく、いろんなコンテンツ、いろんな遊び方というのを用意していきたいです。

モバイル版が配信されることによって、いろんな端末で、いろんな遊び方で本作を楽しんでいただけることになると思います。

今日発表したふたつのシナリオも、予定ではこのタイミングで実装するはずじゃなかったんです。特に日本と韓国のユーザーの方から「デビエーション」というシステムについて興味を持っていただきました。「これをメインテーマとしたシナリオを作ってほしい!」という声をいただいたので、この要素を拡張して、実装しています。

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(画像はSteam『Once Human』より)

──ユーザーの声が開発に届いて、それが作品に反映されているということですね。

開発チーム:
はい。毎週、いろんな言語での意見をみんなで議論しています。皆さんのアドバイスで「この機能、楽しそう!」っていう新しい発見もあります。世界のファンの皆さんの声を聞いた上で、今後のストーリーやコンテンツの開発をしていきたいです。

──カスタムサーバー機能について質問です。将来的にさらに自由度の高い遊びができるようになるかと思います。開発者の方の目線から、どのような使い方、遊び方を想定していますか?

開発チーム:
日本のユーザーは、本当にクリエイティブに満ちています。なので、私たちの想像を超えてくると信じています。

我々にできることは、なるべく高い自由度の体験を提供することです。日本のユーザーが何を作ってくれるのか、私たちも楽しみにしています。

──カスタムサーバーは、プレイヤーがカスタムしたサーバーを立てることができますよね。レンタルサーバーなのか、公式にそういう場所が用意されているのですか?サーバーの具体的な作り方はどんなものになりますか?別途費用は必要ですか?

開発チーム:
「なるべくたくさんの方に体験していただきたい」と思っています。実際、どのようにサーバーを作っていただくのか、どのようなユーザーがサーバーを作れるのかという点に関しては、後日発表させていただきます。楽しみにしていてください。

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『Once Human』モバイル版はオープンワールド・MMO・サバイバルクラフト・FPSのすべてがプレイできる、気軽な窓口のような作品にしたい

──モバイル版をリリースするにあたって、どんなプレイヤー層に届いてほしいですか?

開発チーム:
もちろん、今までPCで遊んでいただいた方に、新しい遊び方を提供するのもひとつの目的です。

特に日本に関しては、オープンワールド・MMO・サバイバルクラフト・FPSという4つのジャンルが人気ですよね。『Once Human』はこの4つすべての遊び方ができます。そういったジャンルが好きな方たちが気軽に触れるような窓口として、モバイル版を体験していただきたいなというふうに思って作りました。

──モバイル版ならではの便利な機能はどんなものがありますか?

開発チーム:
自動照準や自動攻撃が搭載されています。プレイヤーが移動に集中できるなど、そういった点でストレスを減らせると考えています。

また、「素材を拾う」という動きではPCだと一回一回クリックが必要ですが、モバイル版ではそのまま拾うことが可能ですし、そういった設定が可能です。 より、皆さんが便利に遊べるようになっているはずです。

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──PvPの要素もありますが、PCとモバイル版は同じサーバー上で戦うことになるのでしょうか?自動照準なども搭載されているとのことで、気になりました。

開発チーム:
PvPに関しては、同じサーバーで遊ぶことが必要だと考えています。FPSに関してはPCの方が照準を合わせやすく動きやすいので、先ほど言及した機能(自動照準など)で、スマホユーザーも同じく楽しめるよう、距離を縮めたいと思っています。

操作に慣れた端末で遊んでいただくことも可能ですので、どちらかというと選択肢を皆さんに増やしたいと思っています。

『Once Human』で現在提供しているPvPのシナリオも、いわゆるFPSの殺し合いだけではありません。「クラフトして基地を先に建てたユーザーが勝ち」など、オープンワールドと連動したリソース管理などの要素を含めたPvPとなっています。もちろん、今後そういったよりFPSにフォーカスしたモードを実装するかもしれません。モバイル版をリリースして、皆さんのお声をいただいて、修正していくということを考えています。

──スマホとPCで、そのあたりで衝突が起きるようなことはないんですね。

開発チーム:
おっしゃった通りです。

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(画像はSteam『Once Human』より)

──今後予定されているアップデートとかシナリオは、PC版とスマートフォン版で同時に配信されるんでしょうか?それとも少し差があるんでしょうか?

開発チーム:
基本的に同じサーバーなので、同じタイミングでの配信となります。

──「没入サバイバルモード」というUIがほとんどないモードをご紹介いただきました。このモードを作ろうと思った経緯を教えてください。

開発チーム:
まず、きっかけから紹介します。

オープンワールドでは、探索を楽しみたいユーザーの方が結構いらっしゃいますよね。モバイル版では画面がPCより小さくなりますので、UIが表示されすぎると「何をしたらいいのかわからない」という事態になってしまうかと思いますので、 最小限の操作で移動と簡単な戦闘ができるようになっています。まずは「『Once Human』の世界を楽しむ」というニーズに対してのモードになります。

また、自分の好きなように散歩したり、他のユーザーが作ったきれいな基地で写真を撮ったりといった使い方もできます。

日本に関しては、特にマルチプラットフォームでゲームを遊んでらっしゃる方が多いです。 他のプラットフォームで『Once Human』を楽しんでいただきながらも、スマホならではの体験として提供できるようにとも思っています。

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──12月にあったベータテストで多かったユーザーの意見を教えてください。あわせて、声を受けて改善を進めているところがあったら、それを教えてください。

開発チーム:
前回のベータテストでは、大きく3つの方面で皆さんにお声をいただきました。

まずは、端末の最適化。さまざまな端末を使っていらっしゃる方が多いので、「自分の端末で遊べない」という意見をいただくことがありました。リリースバージョンでは、当初より多くの端末に対応しています。

ふたつ目は操作のストレスですね。 色々な操作をスマートフォンでやらなければならないことから、「操作していて疲れる」というお声もいただきました。まさに、先ほどご紹介した「没入モード」もひとつの改善策です。それ以外にも、実際のゲーム画面のUIの配置なども、プレイヤーの皆さんがなるべく快適にプレイできるように調整中です。

最後に、チュートリアルについてです。やはりパソコンとスマホの操作方法が違いますので、スマホでも理解できるようなイントロとしての導き方を、みなさんにお声をいただいてから調整しています。

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(画像はSteam『Once Human』より)

──最後に、モバイル版のリリースを待っているプレイヤーに向けて、コメントをお願いします。

開発チーム:
日本は昔からゲーム大国ですし、私たちが尊敬しているゲームメーカーさんがたくさんいらっしゃいます。 日本ユーザーはゲームに対して干渉力が高いと私たちは思っています。そんな皆さんに満足していただけるような作品を制作しましたので、ぜひ体験していただけると嬉しいです。

また、今後『Once Human』に対するアドバイスやフィードバックがあれば、真摯に対応していくつもりです。一緒にこの作品をより遠くまで届け、一緒に作っていけたらと思っていますので、よろしくお願いします。

編集者
3D酔いに全敗の神奈川生まれ99’s。好きなゲームは『ベヨネッタ』『ロリポップチェーンソー』『RUINER』。好きな酔い止めはアネロンニスキャップとNAVAMET。
Twitter:@d0ntcry4nym0re

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