ヒリつくパーティプレイ。行ける所まで行きたくなる連帯感
『Heroes of Hammerwatch II』は、最大4人までのオンライン協力プレイにも対応している。オンラインロビーを自分でたてるか、誰かのルームに入るかというシンプルな構造。気軽にマルチプレイができるのはうれしい。
基本的な流れがわかったところで、次はマルチプレイの所感をお伝えしたい。
今回は、「ちょうど持ってます」「これからやろうと思ってました」という編集部員に協力してもらい、3人で協力プレイを実践してみる。
パーティメンバーは、「回復スキル」を持つパラディン、近接特化型のウォーリアー、トリッキーな操作を要求されるレンジャーという構成になった。
町に集まってみると、なんだか結束感がある。
最初は「Forest」のLevel 1から始まるのはソロプレイ時と変わらない。
各々、操作に慣れながら敵を倒し、先に進む。当然の話なのだが、それぞれの火力が加算されることによって、明らかに敵を殲滅するスピードが上がった。
また、ターゲットもバラけるので、油断して被弾しすぎてしまう事故死なども防げる。いいこと尽くしだ。
重視するのはソロプレイと同じく「トリンケット」の確保を最優先として、マップを隅々までチェックする。なお、宝箱の中身は金品や素材などは誰がとっても自分も貰えるほか、トリンケットは個別にドロップするのでアイテムの取り合いが発生することは少ない。
その場で取得することで回復できる果実や青い結晶は、ほかのプレイヤーが取ると消滅してしまうので、優先して取得させてやるとスムーズに進める。
「Forest」レベル2を抜けると、次のステージは「Dark Caves」のLevel 1から始まる。
このステージから、天井からの落石やワイヤートラップなど、原始的ながらも当たれば命取りになる罠が見られるようになる。ここも、丁寧に回復アイテムなども拾いながら敵を倒しつつ進む。斧をぶんぶん振り回す。
「Dark Caves」のLevel 2を抜けると、いよいよ最初のボス「Totem Pile」と対峙する。
このボスは文字通りトーテムポール型の形状をしており、一定まで体力を削ると段差が一つ下がり、全く異なる攻撃パターンを見せてくる。初回からいきなり厄介な性質を持ってやがるぜ。
その攻撃パターンは多彩で、このステージでは弾幕シューティングゲームを遊んでいるかのような感覚になる。
「Totem Pile」との激しい戦いを繰り広げ、なんとか突破した3名。
ボスを倒すと必ず武具かトリンケットが複数ドロップするため、しっかり確保しておこう。
いやぁ~~、これで張れてリザルト画面で“報酬が差し引かれることなく”、拠点でがっつり強化できる!
……と思っていた時期が、僕にもありました。
このゲーム、ボスを倒しても拠点に帰れない。
「Forest」 Level 3が始まる。なんで?
事実だけを述べると、そこに、優しさはなかった。
若干、最初の「Forest」よりも強くなった敵たちが襲いかかってくる。
マップの構造も全て変わっていて、敵のパターンも異なっているようだ。
「嫌な予感がする」……と、一行は不安を抱きながらも先に進む。
続いてたどり着いたステージは「Temple」Level 1だ。
このステージから明らかに敵の総数が増大しており、ごり押しだけでは先に進むのは難しくなる。
そして、一瞬でも油断すると即死するトラップの先に宝箱がある、といういやらしい状況が増え始めるのもこのステージからだ。
ギャアアアアアアアアアァアァァ(断末魔の叫び)
やはり、死ぬ運命(さだめ)なのか……。
ところが、じつはこのゲーム、ひとりでも味方が生きていればリカバリーが可能だ。
味方の墓石に近づいて一定時間触れると、お互いの最大体力を削った状態で復活させられる。
また、墓石は次のステージに進めば入口にワープしてくる仕組みだ。蘇生させようとしたら自分まで焼き殺されるという事態を防ぐため、一旦置いといて次のステージに進んで復活させるという手もある。
とはいえ、誰かを復活させると双方共に最大体力が減ってしまうのでこのゲームの死はわりと重い。体力が低い=それだけ死に近くなるということだ……。
2体目のボスは強力な範囲攻撃を放つ厄介なボス「Shadow Face」だ。
ネタバレになってしまうので詳細ははぶくが、とにかくとんでもない量の雑魚敵が湧いて出てくるという、これもまた厄介なステージになっている。
ここでは筆者とレンジャーが落命しつつも、ウォーリアーが残りミリ体力でボスを撃破するという奇跡の勝利を収める。正直、これで冒険は終わりだと思っていた。
……と、喜んだのも束の間だ。察しのいいお方なら、もうお気づきのことだろう。
そのままぶっ続けで「Dungeon」Level 1スタート!
ふむ……
わしにしね と いうんだな!
ここで一行は、謎の“黒いもや”を発見する。これは、取得すると防御力が著しく定価してしまう「Shadow Curse」が蓄積してしまう代わりに、強力なトリンケットを獲得できるという“諸刃の剣”的なコンテンツだ。
Shadow Curseはマップに出現する「焚き火」に触れることである程度蓄積を減らすことができるが、あまりにも多く蓄積してしまった場合は、敵の攻撃がカスっただけで爆散する。
ちなみに、レンジャーのプレイヤーはこの状況を「面白くなってきたじゃないですか」と言い放ち、全ての「Shadow Curse」をかっさらい敵の攻撃を巧みに回避しながら戦うという荒業を魅せてくれた。
そんな想定外の出来事がありつつも、一行はなんとか「Dungeon」のボスであるAristaまでたどり着く。しかし……
You died!
チクショオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!(悔)
3名は最大体力が3分の1以下になってもお互いに蘇生しあい、戦い続けた。
そこには、「ここまで来たら、一撃死する状態で行けるところまで行ってやる」という、奇妙な連帯感が生まれていた……。
この絶望感、たまんねぇな……。
さて、お待ちかねのリザルト画面だ。素材やアイテムもしっかりと獲得して帰ったため、報酬を減額されたとしてもある程度は強化できるほどの物資を持って帰れた。
結論、マルチプレイめっちゃ楽しい!
最初は丁寧にアイテムを回収しつつキャラクターを強化して、死ぬと最大体力が減っていく中で仲間たちとギリギリを攻める連帯感と絶望感がたまらない。ひとりでは行けなかったところまで行ける達成感もあいまって、率先的にプレイすべきだと感じられた。
そして、先述したように本作の強化要素は非常に多い。
がっつりと稼いだら、「お次は何を強化しようかな?」と思う存分悩める。
強化が終わったら、再びダンジョンへ挑戦する。ヒーローたちの明日が始まる。
そして、俺の生活は終わる。
その後、筆者は死→強化→死……を繰り返し、拠点を発展させながらキャラクターを強化して、レベルが20になった時点でダンジョンを踏破することができた。生還できたので、差し引きもなし!
これでようやく平和が訪れる……と思っていたのも束の間。
本作はゲームを一度クリアしても、「New Game+」モードを始めることができる。
このモードでは難度は上昇するが経験値は増加し、装備の質もよくなっていく。
無限にダンジョンに潜りたいという猛者のためのやり込み要素といったところか。
\チュン…チュンチュン……チュチュン………/
あれ……?また外が明るくなってきた。
おかしいなぁ………