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『スト6』日本最強チームを決める頂上決戦が、ありえんくらいの名勝負すぎた──! 格ゲーの「怖さ」が詰まりまくってるので今からでも見ろ。優勝チーム「G8S」の戦略や裏話もあわせて1万7000字でお届け

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「甲子園には魔物が棲んでいる」とは昔からよく言われるが、格ゲーの大会にも同じくらいデカい魔物が棲んでいるのかもしれない。今回、『ストリートファイター6』における日本最高峰の舞台「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2024」(以下、SFL)のグランドファイナル……言うなれば決勝戦にあたる試合を観戦する機会をいただき、そう思った。

このグランドファイナルは、半年以上をかけて続いてきたリーグ戦の最終段階であり、集まる選手はトップ中のトップたち。ゲーム内のスキルはもちろん、国内・国外を問わず無数の大会を渡り歩いてきた猛者ばかりだ。

だが、そんな強者たちでも“魔物”に喰われることはある──。

そんなイレギュラーが起こるからこそ、格ゲーの大舞台は観ていて最高に面白い。狂うほどの熱と熱がぶつかり合い、その爆風が誰も予想しなかったようなドラマを産み、ウソみたいな出来事が目の前で現実になる様を見せつけられたときにしか味わえない興奮がココにある……とまで言うと大げさかもしれないが、とにかく言いたいことはこれだけだ。

SFLのグランドファイナル、格ゲーの「怖さ」が詰まりまくったありえんくらいの名勝負だったので、みんな観ろください!!!

※YouTubeでは記事執筆時点で「1巡目オーダー発表」までを視聴できます。

というわけで、本稿では2月11日(火)に行われた「SFL グランドファイナル」の模様をお届けしていく。試合終了後、勝利チームの「Good 8 Squad」に向けて行われた合同インタビューの内容についても掲載しているので、同チームのファンの方にはぜひご一読いただきたい。

ちなみにSFLのグランドファイナルについては、先行視聴チケットを購入すれば記事執筆時点でも「ZAIKO」からすべての試合を観ることが可能だ。

※記事内の画像は現地で撮影したもの、あるいは「ZAIKO」上の配信をキャプチャしたものです。


悔しい結果に終わった昨年度のリベンジを狙う「Good 8 Squad」

さて、そもそも「SFL」というのは『ストリートファイター6』における日本最高峰のカプコン公式チームリーグ戦。2024年度はふたつのDivisionから上位3チームがプレイオフに進出し、そのプレイオフで勝ち上がってきた2チームが今回のグランドファイナルで相対するという流れとなっている。というわけで、グランドファイナルに進出した2チームについて、軽くご紹介しておきたい。

まず「Division S」の「Good 8 Squad」(以下、G8S)は、2022年に『ストリートファイターV』(以下、ストV)時代のSFLで優勝した経験を持つ名門だが、前年の2023年度はまさかの8位という結果に終わった。リベンジを掲げて挑んだ2024年度は、リーグ本節を終えた時点で僅差ながらも1位。その後のプレイオフでも「SS熊本」を破り、グランドファイナルへ進出を果たした。

2024年度も従来通り、ガチくん選手・カワノ選手・ぷげら選手の3人にくわえて“傭兵”と呼ばれるゲスト参加メンバーひとりによるチーム構成となっており、今年の傭兵枠はYHC-餅選手。過去の『ストリートファイター』シリーズ作品でも名の知られたダルシム使いであり、“島根の仙人”の異名を持つベテランだ。

リーダーのガチくん選手は『ストV』に続く形で「ラシード」を持ちキャラクターとし、リーグ本節の成績は11戦6勝とチームを引っ張った。特に粘り強さに定評のあるプレイヤーであり、メンタル面での強さも目立つ。余談だが、2024年には『スーパーマリオUSA』の実況プレイが格闘ゲーム界隈に留まらない話題を呼んだりもした。

カワノ選手は、今回のリーグではシーズン2で追加された「豪鬼」をメインキャラクターとし、リーグ本節では9戦4勝。ストイックな“研究力”に定評のあるプレイヤーであり、『ストV』時代には当時はまだ主流ではなかったレバーレスタイプのコントローラをいち早く取り入れ、結果を残してきた先駆者的な一面もある。

ぷげら選手はリーグ本節ではおもに「ベガ」を使用して6戦5勝と高い勝率を記録、そしてプレイオフではまさかの「ジュリ」起用からの勝ち星もあげている。インタビュー等でのユニークな言い回しが印象的だが、たびたびコーチング企画も行っており、著名なストリーマーに分かりやすく格闘ゲームを教える姿も見られた。

「Division S」は各チームの最終ポイントが非常に僅差であり、1位の「G8S」が245ポイントに対し、2位の「IBUSHIGIN」は240ポイント、3位の「SS熊本」も235ポイントと最後までギリギリの戦いが繰り広げられてきた。しかし、その中でも「G8S」はシーズンを通して1~2位をキープし続けており、彼らの底力がうかがえる。

「ストリートファイターリーグ グランドファイナル」レポート。G8Sへのインタビューも_001
左からYHC-餅選手、ぷげら選手、ガチくん選手、カワノ選手
タイトル名:ストリートファイター6
権利表記:©CAPCOM

リーグ本節を圧倒的強さで駆け抜けた「Yogibo REJECT」

対する「Division F」の「Yogibo REJECT」(以下、REJECT)は、2024年度にはじめてSFLへ参戦したチームだ。“東大卒プロゲーマー”として知られるときど選手をリーダーに、過去のSFLへの参戦経験もあるあきら選手鶏めし選手が名を連ねる。

そして2024年度のSFLでもっとも注目を浴びたと言っても過言ではないのが、韓国のeスポーツチーム・DRXからレンタル移籍加入という形でチームに加わったLeShar選手だろう。

LeShar選手は「エド」をメインに使用し、リーグ本節では10戦8勝、かつ大将戦での出場が非常に多く、獲得ポイントは140と最高クラスの成績を残す。「Division F」においては最高勝率賞(同率)、獲得ポイント賞、新人賞を受賞するなど、圧倒的な存在感を示してきた。プレイオフでも「CR」戦で2連続の大将を務め、どちらも勝利してチームに大きく貢献している。

また、リーダーのときど選手も「ケン」一本でリーグ本節を戦い抜き、10戦8勝と好成績を残す。LeShar選手と同率で最高勝率賞を受賞、勝利数ではふたり並んでリーグ全体を通しても2位と、高い安定感でチームを引っ張ってきた。

あきら選手は過去に「名古屋OJA」でSFLに参加していたプレイヤーであり、2024年にREJECTに移籍した。攻めの巧みさが目立つプレイスタイルで、電光石火の異名をとるスピード感のある展開が見どころ。プレイの印象とはやや異なるかもしれないが、爽やかな笑顔が大きな魅力のひとつであり、試合中以外では朗らかな表情を見せることが多い。

そして鶏めし選手は、「G8S」のYHC-餅選手と並ぶ有名な「ダルシム」使い。同じことが「G8S」のYHC-餅選手にも言えるが、ダルシムというキャラクターが特に個性の強い性能をしているため、特にSFLのような長期のチーム戦では「ダルシムが出てくるかもしれない」という懸念が相手チームにとっては大きなプレッシャーとなる。

「Division F」の本節における「REJECT」は、2位の「CR」に60ポイント差をつける形で1位通過を果たした。第5節からは1位を維持し続けていたほか、プレイオフではなんと“全勝”でグランドファイナル進出を果たしており、文句なしの強豪と言えるだろう。

「ストリートファイターリーグ グランドファイナル」レポート。G8Sへのインタビューも_002
左から鶏めし選手、ときど選手、LeShar選手、あきら選手
タイトル名:ストリートファイター6
権利表記:©CAPCOM

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編集者
オーバーウォッチを遊んでいたら大学を中退しており、気づけばライターになっていました。今では格ゲーもFPSもMOBAも楽しんでいます。ブラウザはOpera

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