勝負の流れが大きく動いたのは2巡目大将戦の「カワノvsLeShar」。SFLにはやはり“魔物”がいるのか
★1巡目
・先鋒 カワノ:豪鬼 vs ときど:ケン
2-0
・中堅 ガチくん:ラシード vs あきら:キャミィ
2-0
・大将 ぷげら:ディージェイ vs LeShar:エド
0-3※操作タイプは全選手がクラシック操作、以下同様
1巡目終了時点のポイント:20-20
いよいよ試合開始が近づくなか、まず会場がどよめいたのはアウェイ側「G8S」のオーダーだった。なんと大将にぷげら選手の「ディージェイ」を起用。ぷげら選手は過去にディージェイを使用していた時期はありながらも、リーグ本節はおもにベガを使用しており、プレイオフのジュリに続く意外なキャラクターピックに会場が沸く。
試合の流れを大きく左右する1巡目の先鋒戦は、カワノ選手の豪鬼に対し、リーダー・ときど選手が出場。しかし序盤からカワノ選手が体力有利を築く展開が続き、さらに不意を突いたドライブインパクトも通して2-0で「G8S」が先制する。続く中堅戦も「G8S」リーダー・ガチくん選手があきら選手を制し、アウェイながらポイントは「20-0」と「G8S」が先行した。
そして重要な大将戦、「REJECT」は本節でも幾度となく大将戦を制してきたLeShar選手のエドを投入。チームがポイントで劣勢のなか、「僕が勝ってこの雰囲気を変えたい」と語って試合に臨む。
その言葉通り、LeShar選手は持ち味のすさまじい精密さを発揮。ディージェイの攻めの起点のひとつ「ODエアスラッシャー」を華麗に2連続のジャストパリィでしのぐ、会場から思わず笑いが漏れるほど圧倒的な精度のプレイングをみせ、ストレートで大将戦を制した。これにより、1巡目終了時点でポイントは「20-20」と同点で2巡目を迎えることとなる。
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★2巡目
・先鋒 ぷげら:ディージェイ vs あきら:キャミィ
0-2
・中堅 ガチくん:ラシード vs ときど ケン
1-2
・大将 カワノ:豪鬼 vs LeShar:エド
3-22巡目終了時点のポイント:40-40
2巡目、アウェイ側「REJECT」の先鋒・あきら選手には、ぷげら選手がディージェイで出場。実はこのふたり、チームは異なるものの親交は深く、SFL開幕前の質問コーナーにおける「仲良しの選手は?」という質問に、お互いがお互いの名前をあげる両想いっぷり。試合前のインタビューでも、ぷげら選手から「あきらああ!」との呼びかけ(?)があり、それにあきら選手が手を上げて応える一幕があった。
友人対決の1戦目は、あきら選手が果敢な踏み込みを交えた攻めを通して勝利。実況のアール氏をして「お手本のような溜めキャラ【※】戦の崩し方」と言わしめる内容を見せた。
※一定時間、特定の方向を入力してから別方向を入力し、攻撃ボタンを押すことで発動する「溜めコマンド」の必殺技をもつキャラクター。ディージェイの場合は対空に用いられる「ジャックナイフマキシマム」などが溜めコマンドに該当する。
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続く中堅戦、「REJECT」リーダー・ときど選手に向き合うのは、「G8S」リーダー・ガチくん選手。このふたりも過去のSFLをはじめ、数々の大きな大会で競い合ってきた仲であり、言うなれば「みんなが見たかった組み合わせ」が実現した形だ。試合前のインタビューでは、ときど選手の「やりますか」のひと言に対し、ガチくん選手も「やりますか」のひと言で応える。“言葉は不要”と言わんばかりの展開に会場も沸き立った。
試合は一進一退の展開を見せるが、両者1本ずつを取って迎えた最終ラウンドは、ときど選手が高速で画面端まで相手を追い込み、ケンの強みである端の攻めを通し続けて勝利。合計ポイント「20-40」のリードを築いて、大将・LeShar選手へつないだ。
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LeShar選手に立ち向かうのは、1巡目の大将・ぷげら選手から変わってカワノ選手。このふたりも、プレイオフの段階まではしばしば一緒に練習する間柄だったという。そうして始まった2巡目大将戦は、1本目と3本目をカワノ選手、2本目と4本目をLeShar選手が勝利する一進一退の攻防となった。
フルセットフルラウンド、勝てば大きな大きな20ポイントが入る試合の終盤……残り30カウントを迎えるころ、事件は起こった。LeShar選手の通常技がヒット、順当にコンボを繋げば勝利が確定するというタイミングで、必殺技からキャンセルしたエドのCA「サイコチェンバー」がヒットせず、空を切る。文字通りの極限状態のなか、まさかのコンボミスが生まれてしまい、悲鳴にも似たような声で会場が揺れる。「まさかあのLeSharがコンボミス……!?」と思ったのは、筆者だけではなかっただろう。
対戦相手のカワノ選手もCAがヒットすれば負けることを理解しており、CA演出に入った時点でやや天を仰ぎながらイヤホンを外していた。が、攻撃がスカっていることに気づいて慌てて画面に向き直り、反撃を入れ、誰の予想も裏切るような形で訪れた千載一遇のチャンスを掴んで勝利を手にする。
薄氷の勝利ではあるものの、最大の壁と思われたLeShar選手に勝ち、ポイント的にも「40-40」の五分に持ち込んだ「G8S」が、ここで大きく流れを引き寄せたように見えた。
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★3巡目
・先鋒 ぷげら:ディージェイ vs あきら:キャミィ
2-1
・中堅 ガチくん:ラシード vs ときど ケン
2-1
・大将 カワノ:豪鬼 vs LeShar:エド
3-13巡目終了時点のポイント:80-40
衝撃の展開から続く3巡目、アウェイ側の「G8S」は大将に先ほど劇的な勝利を遂げたカワノ選手を置き、LeShar選手が大将で出た場合は迎え撃つ構え。ホーム&アウェイは入れ替わっているが、2巡目とほぼ同じマッチアップで試合が進む。
先鋒・ぷげら選手はここまで2連敗中ではあったものの、カワノ選手が手繰り寄せた「流れをそのまま掴ませていただきたいと思います」と宣言。試合中にはディージェイのSA2「サンライズフェスティバル」をミスしてしまうといった事態もありつつ、前ステップからの投げでフォローして勝ちを拾うなど、やはり「G8S」の勢いを感じさせる展開となる。
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続く中堅・ガチくん選手も、ときど選手にリベンジを果たす。この試合でもときど選手にコンボミスが見られたりと、大舞台ならではの異様な雰囲気が、徐々にプレイヤーの間で生まれてきているのが感じられた。
「G8S」が先鋒・中堅戦で20ポイントのリードを築き、迎えた大将戦に出てきたのは、本日3度目の大将戦に臨むLeShar選手のエド。序盤から「豪波動拳」を次々とジャストパリィする相変わらずの精密さを見せ、1本目を取る。しかし、ラッシュ中段を食らってしまったり、ヒット確認にミスがあったりと、試合が進むにつれてやや不安な要素も散見された。
対するカワノ選手は、要所で起き上がりの無敵技や早めの投げといった逆択【※】を通し、LeShar選手の意識を散らすことで楽に攻めさせない。逆にLeShar選手の放つ無敵技はガードして大ダメージの確定反撃を入れるなど鋭い勝負強さを見せ、結果的には3-1でふたたびLeShar選手を下した。
こうしてポイント差は「80-40」と、「G8S」がアウェイ側で40点の大幅リードを築く展開に持ち込む。「REJECT」としてはもう10ポイントも取られてはいけない、誰も負けられない状況に追い込まれた形となる。
※逆択:相手が有利(先に動くことができる)なため、守るのがセオリーな状況で、あえてリスクを背負いながらリターンを狙う行動を選ぶこと。
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★4巡目
・先鋒 ぷげら:ディージェイ vs あきら:キャミィ
2-190-40で「G8S」の勝利
4巡目、後がなくなったアウェイ側の「REJECT」のオーダーは先鋒・あきら選手、中堅・LeShar選手、大将にときど選手という布陣を組む。先鋒戦、「G8S」側が選んだのはぷげら選手のディージェイ。
あきら選手にこれ以上ないほどかかっているであろう、「負けたら終わり」というプレッシャー。現場ではシステムチェックの関係で試合開始までやや時間を要していたのだが、その間も心を落ち着かせるためか瞑想している姿が印象的だった。
![「ストリートファイターリーグ グランドファイナル」レポート。G8Sへのインタビューも_021](https://news.denfaminicogamer.jp/wp-content/uploads/2025/02/21.jpg)
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1戦目、あきら選手の持ち味とも言えるスピード感のある攻めが通り、鋭い下段からの崩しでダメージを重ねていく。1ラウンドを先行した2ラウンド目も前のめりに攻め続け、最後は空中からの奇襲性が高い投げ技「フェイタルレッグツイスター」という、ハイリスクでもある選択肢を通して先行する。
が、2戦目ではディージェイのドライブラッシュの速さが活き、ぷげら選手が勝ち星をあげる。1-1で迎えた運命の3戦目も、1ラウンド目を削りKOでギリギリ制したぷげら選手が勝ちきり、先鋒戦に勝利。それと同時に「G8S」が優勝を決めた。
![「ストリートファイターリーグ グランドファイナル」レポート。G8Sへのインタビューも_022](https://news.denfaminicogamer.jp/wp-content/uploads/2025/02/34.png)
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