いま読まれている記事

妥協も惰性も一切なし、フランス生まれのカッコよすぎる“JRPG”『Clair Obscur: Expedition 33』がマジで良すぎたから全人類遊んでくれ

article-thumbnail-250424d

1

2

ビジュアルがとにかく“全部ヤバい”

ここまで本作の魅力を語ってきましたが、PVを見た方ならもうご承知の通り、本作はビジュもいいです。正直なところ、ビジュアルの良さは言葉より実物を見てもらうのが一番ではあるのですが、それでも伝えたいので書かせていただきます。

ベル・エポックを思わせる特徴的なフランスらしさと、幻想的かつダークな世界観。背景、キャラクター、ユーザーインターフェースまで「見ているだけで満足できる」レベルの美しさが詰まっています。

『Clair Obscur: Expedition 33』先行プレイレビュー、評価、感想:カッコよすぎるフランス生まれのJRPG_012

とにかく背景美術が“濃い”し、敵もキャラも全員“服飾良い”……。一枚絵でも、ムービーでも、画面を止めて眺めたくなるような、動いてると「ゲームじゃなくて映像作品か?」と思う瞬間があちこちに存在する魅力の詰まったゲーム体験が出来るんです。

東京ディズニーシーの“ミステリアスアイランド”やディズニーランド・パリの“ディスカバリーランド”とか、そういう世界観が好きな人には必ずブッ刺さるはず。

ちなみに、本作は音楽もクオリティが高く必聴です。サントラが早くほしい。さすが、開発者が「音楽だけは色あせない」と語るだけのことはあります。レコードとか発売する時はこっそり編集部宛てに送ってほしい。

楽曲の一部も公開されているので聞いてみて欲しいのですが、フランス語を全くわからない身からすると超幻想的に聞こえるんですよね。もちろん、意味が分かってこその魅力もあるとは思いつつ、“わからない”からこそ嗜める味としても楽しめている気がして、満足度は高いです。

もうね、本作を遊ぶ皆さんには是非とも世界観と一緒にどっぷり浸ってほしい。まさしく「目と耳で味わってほしい」のがこの『Clair Obscur: Expedition 33』というゲームなんです。

……と言ってもストーリーが忙しすぎて、初回プレイでその余裕は取れないかもしれません。このゲームやってるとついつい生き急いでしまう自分がいます。

よく見ると端々に日本のゲームらしさ。日本人との“親和性:◎”な謎の洋ゲー

一見すると“超美麗な洋ゲー”なのに、なぜか身構えずに遊べてしまう……。本作を語る上で、忘れてはいけないのがこの不思議な親しみやすさです。

ユーザーインターフェース、演出、そしてキャラの立ち方まで。細かい部分を見れば見るほど、日本で親しまれてきたRPGの「文法」がしっかり染み込んでいる。フランス生まれのRPGなのに、手触りだけで考えると日本のゲームのようにさえ感じてしまいます。

「これ、ほんとに洋ゲーか……?」と戸惑っている間に、気づけばどっぷりハマってしまう。そんな不思議さや親しみやすさが端々から醸し出されているんですよね。

だって、戦闘画面見てくださいよ。ぜったいあのゲームじゃんこれ!!!

『Clair Obscur: Expedition 33』先行プレイレビュー、評価、感想:カッコよすぎるフランス生まれのJRPG_013
JRPGっぽさがあると言いつつも、敵の意匠などには個性の塊みたいな部分もたくさん

なかでも個人的に気に入ったのが“休息ポイント”の存在です。ステータスを割り振ったり、スキルを習得したり、体力の回復もできちゃうけど……使用することで周囲の敵が復活しちゃう!

雰囲気だけでいくとBONFIREなLITを彷彿とさせますが、注意深く見てみると何やら番号が振られています。

この番号にすらストーリーが盛り込まれているというのが筆者的お気に入りポイント。本作に登場する休息ポイントは、実は過去の遠征隊が設置したものなんです。ここにあるのは第81遠征隊のもの、こっちは第48遠征隊、といった具合に各地に散りばめられており、我々は過去の遠征隊が残した支援を受けながら冒険を進めることとなります。

『デス・ストランディング』『ダークソウル』シリーズなんかに存在する、他者とゆる~く繋がる感覚。しかも、その相手は過去、自分達と同じ目標を目指して進み敗れていった無念の同志たちなのです。そんな過去の残滓を辿りながら足取りを進める我等“第33遠征隊”の行く末やいかに……!

ただの休息ポイントひとつ取っても、胸が熱くなるストーリーを秘めています。これ、たぶん全人類が好きなヤツ。


ここまで色々お話してきたわけなんですけど、本稿はあくまでも先行プレイ記事でして、お話できた内容はあくまで物語のはじまりにしかすぎないんです。

このあと、プレイヤーは自分が最後の遠征隊員かも知れないという恐怖に駆られながら、失われた仲間のこと、自分自身の立場、ペイントレスの正体すらもわからないまま、ペイントレスの生み出した敵対生物・ネヴロンの巣窟をさまようことになります。

過去の遠征隊が何を見て、何を失って、何を残していったのか。
次に待ち受けるのは誰で、何で、またも何かが失われてしまうのか。
ペイントレスってなんなんだよ! ネヴロンってなんなんだよ!! パリィのタイミングわかんねぇよ!!! などなど、いろいろな思いに包まれることでしょう。

情報は断片的にしか与えられず、遠征隊もすぐに死ぬ。出発前のイベントで感情移入をしてしまったがゆえ、イベントひとつひとつが刃物のように自分を刺してくる。それでもこのゲームをプレイする手が止められないのは、魅力的な「謎」が山ほど残されているからなのかもしれません。

『Clair Obscur: Expedition 33』はPS5/Xbox Series X|S/PC向けに2025年4月24日より発売中です。頭のてっぺんから足の先まで、妥協も惰性も一切なしなフランス生まれの“JPRG”を、ぜひ遊んでみてください。

まだ2025年は始まったばかりですが、本作にゲーム・オブ・ザ・イヤーを獲ってほしいと思う筆者は“生き急ぎ”すぎでしょうか……?

1

2

ライター
最近ゲーム業界にサメ映画ブームが来ている気が・・・え? 『スター・ウォーズ』のゲームが出すぎて手が回らない毎日。1日36時間欲しい。
編集者
小説の虜だった子供がソードワールドの洗礼を受けて以来、TRPGを遊び続けて20年。途中FEZとLoLで対人要素の光と闇を学び、steamの格安タイトルからジャンルの多様性を味わいつつ、ゲームの奥深さを日々勉強中。最近はオープンワールドの面白さに目覚めつつある。
Twitter:@reUQest

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

その他

若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ