「吸血鬼」といえば、100年以上さまざまな創作に取り上げられてきた不変不朽の題材のひとつ。ゲーム、アニメ、漫画を嗜んでいる方なら、一度は吸血鬼がテーマの作品に触れたり、好きになったことがあるんじゃないでしょうか。
そして、今回紹介する『シルバー・アンド・ブラッド』(以下『シルブラ』)も、吸血鬼を題材にしたダークファンタジーRPG。
本作の特徴は、なんといっても「中二病」に全力全開なところ!!
まず、仲間になるキャラクター全員が、当然のように「二つ名」持ち。“終焉の種「神を捨てし者」”や“告死の伯爵”など強烈な異名を背負っているんです。

そして、この濃厚な世界観を本気で魅せにきてくれているのが、フルボイスで描かれるストーリーの中での声優さんたちの熱演。とくに子安武人さんの演じるイケオジ(吸血鬼を追い詰める異端審問官)のセリフがすごいんです。
──この身を以て蒼(あお)の灼き痕(やきあと)を刻み、炎の降臨を見届けるがいい!
──「契約(コベナント)」──「プロメテウス(イグニスティウス)の刑場。」
など、思春期の思い出が蘇るような決めセリフを連発。「契約」と書いて「コベナント」と読むのはまだわかる。でも「プロメテウス」と書いて「イグニスティウス」と読むのは、アクセル全開すぎる。
どうかっこいいかは、実際に聞いてみるのがいちばん早いので……。下記の動画(97秒)で、ぜひイケオジ(中二病)を熱演する子安ボイスを堪能してほしいです。
個人的に「吸血鬼もの」というジャンルの特徴は「懐の深さ」だと思っています。耽美的なロマンスから、人間と人外の戦い、ギャグまでなんでもござれの万能選手というわけです。
本作も、ボーイミーツガール、人間と吸血鬼の間でアイデンティティに苦しむ主人公、人間対怪物といった王道の展開など、このジャンルの醍醐味がギュッと詰め込まれています。
最初こそ、突き抜けた中二感に、過去を思い出し胸が疼いてしまったのですが、気がつけばストーリーに夢中になっていました。
『#シルバー・アンド・ブラッド』6月26日世界リリース決定!
— 【公式】シルバー・アンド・ブラッド(シルブラ) (@SiruburaJP) June 14, 2025
——🩸【運命の血印が、まもなく落下】🩸——
『シルバー・アンド・ブラッド』正式リリース決定、6月26日に世界各地域で配信開始。
血の彼岸で、あなたが永生の名を刻むのを待っている。… pic.twitter.com/bQXoUGesJI
今回、6月26日の正式リリースに先駆けて本作をプレイさせていただいたので、物語の序盤の展開や演出に焦点を当てながら、本作の魅力について紹介していきます。
「吸血鬼もの」が好き、あるいはこれまで一度でも好きだった、という人には刺さるものがあると思うので、最後まで読んでいただければ幸いです。
※この記事は『シルバー・アンド・ブラッド』の魅力をもっと知ってもらいたいMoontonさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
『シルブラ』には思春期の思い出が蘇るような「禁忌的なかっこよさ」が満ちている
本作の魅力として感じたのが、徹底的に作り込まれた「ダークでミステリアスな世界観」と「中二病心をくすぐる演出」。これにより「禁忌的なかっこよさ」が溢れ出る作品となっています。
題材となっている「吸血鬼」も、まさに禁忌の象徴でしょう。夜の世界を生きて、人の生き血を吸う……危険な香りに包まれた存在です。
アプリの起動画面を見ても、ほら。
血まみれの女性がふたり倒れている……。美しいイラストなのに、なにやら触れてはいけない背徳感がある気がします。
本作の主人公「ノア・ネヴァーナイト」の名前も、創世記を連想させる「ノア」という名に、「ネヴァーナイト」というなんとなくかっこいい性、しかも「銀髪の罪人」という”二つ名”持ち。中二病全開です。
この”二つ名”、驚くべきことに、主人公以外のすべてのキャラクターにも存在しているようなんです。なぜだかわからないが、胸がたぎってくる……!!

そして、主人公以外にも、外連味(けれんみ)たっぷりのビジュアルを持つキャラクターが多く登場するのが本作の特徴です。
みんな「かっこいい」のはもちろん、どこか「禁忌的な雰囲気」を漂わせていて、中二病心を刺激してきます。



それに戦闘中のセリフもすごいんですよ。「死が、あなたに近づいている!」とか「さあ、この苦い禁断の果実を味わうがいい!」みたいな決めセリフを口にしながら戦っていくんです。
ちなみに本作、戦闘については基本的にオートバトル。手が空く分、ついついセリフに耳を傾けてしまうのもあって、彼らの言葉は記憶に残ります。
聞いているだけで「腕が疼く」ような感覚があるので、ぜひイヤホンをつけてこの感覚を味わってみてください。

また、本作ではプレイヤーネームを自動生成できるようになっているのですが……。
おぉ……?
このプレイヤーネーム、ゲーム的には主人公の「爵位名」という解釈がされているのもあってか、中二病っぽいネームが次々と生成されていきます。
もちろん「†(ダガー)」も使えます。

ミステリアスな世界観は謎たっぷり。気づいたら物語に没頭していた
あえて直接的な表現を避けた迂遠(うえん)な言い回し、数々の専門用語、つぎつぎと提示される謎の数々。本作のストーリーは、正直いってサクサク読み進められるタイプの展開ではありません。
ただ、それがクセになる。徐々に、徐々にハマっていくんです。ここからは、そんな本作のストーリーについてご紹介していければと思います。

本作の舞台は「ミネクサス大陸」と呼ばれる架空の世界。この世界では、一度患ってしまうと必ず死んでしまううえ、死んだ後も怪物となって他人を襲う「黒血病」という疫病が猛威を振るっています。
主人公の「ノア」はその黒血病に感染してしまい、処刑されることに。護送されているなか、護送馬車が事故で崖から転落してしまう場面から物語は始まります。
追手から逃げるノアの前に、「月の子」を名乗る少女が現れ、手を貸してくれることに。

そのあと、成り行きで一緒に行動する仲間と出会ったり、はちゃめちゃに強い追手に追いつかれてピンチになったり、かと思ったらその追手に助けられたり……。序盤から怒涛の展開が巻き起こっていきます。
ただ、正直なところプロローグで描かれている出来事には謎が多くて、ある程度ゲームを進めた現在もわからない描写が多いんです。
ただ、戦闘シーンだったり、声優さんの演技含めての中二病的なセリフだったり、とにかくかっこいい! 気づいたら物語に没入していました。序盤のうちは、恐らく伏線として散りばめられている細かい謎は気にせず、かっこよさを堪能して読み進めていくのがよさそうです。

ちなみに、このあとこのアガレスの圧倒的な力の前に主人公は投降(仲間を見逃してもらうのと引き換えに)。その後、火刑に処されて一度死んでしまいます。
このあとどんな展開が……というところでプロローグ(序章)の幕が閉じるというわけです。なお、死ぬ前に主人公は吸血鬼に首筋をかまれていました。……つまり、そういうことですね。

「吸血鬼もの」というジャンルの醍醐味をギュッと詰め込んだ展開に魅せられる
筆者としては、「吸血鬼もの」というジャンルのおもしろさは「懐の深さ」だと思っています。
というのも、中二病イズムたっぷりのボーイミーツガールといった趣の序章に対し、物語の開幕である一章ではお話の幅が広がって、さまざまな要素を網羅しだします。
序章の最後で火刑に処されたノアですが、エンプーサの眷属として復活します。ただし、代償としてノアは人間時代の記憶をほとんど失い、エンプーサも「許可なく眷属を生み出す」という一族の禁忌に触れたことで幽閉されてしまう展開に。
眷属となったことで彼女の苦しみを感知できるようになったノアは、エンプーサを救うべく戦いに臨んでいく、というのが一章前半の流れ。

エンプーサが裁判にかけられている場所に乱入する一行ですが、彼女のー家の中でも過激派の「バフォメット」(CV:飛田展男)に阻まれてしまい、彼らもまた投獄されてしまいます。
このバフォメットという人物……というか鎧?なんですが、こいつがまた悪いやつなんですよ。

じつは、ラミアはエンプーサの妹ではなく人工的に作られた存在で、しかもエンプーサになにかあったときのバックアップとして同様の複製体がかなりの数が用意されているようなんです。
その子たちを、なんと「ノアを試す」自分の目的のために操って襲わせてくるし、仲間の家族にもその魔の手は及びます。



この吐き気をもよおす邪悪っぷりに、ノアの心にも変化が訪れます。
これまでは「成り行きで生き延びるため」、復活後も「エンプーサを助けるため」に行動してきた彼ですが、バフォメットを徹底的に打ち負かすことを決意。仲間たちを鼓舞し決戦に臨みます。

主人公がヒロインと出会うボーイミーツガール的な序章から、彼女を救うために戦う騎士道物語。
そして死から蘇り人間の価値観のまま吸血鬼になった主人公が自身のアイデンティティに苦しみながらも、人外の価値観の象徴とも言える邪悪の化身に戦いを挑む。
まさに王道の展開だと思います。

まさに「吸血鬼もの」というジャンルの美味しい部分をギュッと詰め込んでいて、この辺りから本作がただ中二病全開なだけの作品ではないと感じ始めました。しかもこれ、まだ物語の一章でしかないというからすごい。
ストーリーを読んでいて、制作陣の「吸血鬼もの」に対するこだわりや愛情が伝わってくるようでした。

ゲームシステムやUIも含めて、独特な世界観を作り上げている
ここまで、本作の世界観やストーリーを中心に触れてきましたが、ここからはゲームのシステム面について画像を多めに交えながら紹介していきたいと思います。
戦闘システムとしては「オート進行の戦略RPG」というのがしっくりくる表現。プレイヤーは戦闘前に出撃するユニットとその配置の選択、戦闘中はゲージ消費で発動する「奥義」を使用するという方法で戦況に介入します。
オート戦闘や倍速機能も搭載。手軽に遊べる仕組みがしっかり搭載されているのは嬉しいところ。とはいえ、味方ユニットの性質や敵の配置にあわせて準備をしたり、うまくバフ効果が発動するように奥義の発動順を考えたり、駆け引きはしっかり存在しています。

また、いわゆる「放置ゲーム」的な要素もあり、時間経過(ログインしていない間も含む)によってキャラクターの育成素材を獲得できます。その素材を使って、キャラを強化し、さらにステージを進めていく方式になっています。




また、本作の戦闘では味方キャラクターは配置した位置から移動はせず、進行してくる敵を迎撃するというのが基本的な動き。
戦力の数値にさえ気をかけていれば、オート戦闘でも十分勝利はできるくらいの難度。ただ、進行すると「特定のNPCを守り切る」「敵のリーダーを集中して倒す」など特殊な勝利条件が設定されることもあります。
また、キャラクターは、前衛で戦う「歴戦者」や、同じく前衛で敵の攻撃に耐える「守護者」、後衛から遠距離攻撃を行う「巫術師」といった「ロール」に分類されています。
序盤は、前衛職で敵の攻撃をしのぎ、後ろからの遠距離攻撃でせん滅していくパターンでだいたいなんとかなった印象です。
でも、キャラクターが増えていくごとに編成や配置など、プレイヤーのできることが増えていって、ひと筋縄ではいかないように……。戦術を考えるのが楽しくなっていきました。
たとえば、下記画像の一番下の段にいる「ハティ」(CV:ファイルーズあい)は「奇襲者」というロール。これは敵の前衛をくぐり抜けて後衛に直接攻撃を仕掛けることができる能力を持っています。

彼女をどこに配置すればスムーズに敵の後衛を倒せるか考えるのはおもしろかったですし、その配置や奥義発動のタイミングを工夫すれば、多少推奨戦力を下回っていてもクリアすることもできました。
数の不利を、配置やタイミングといった戦略で覆す。これってRPGのなかでも、シュミレーションRPGやストラテジー、戦略ゲーム特有の楽しさだと思うので、こういうジャンルが好きな人にもおすすめです。

今回『シルブラ』をプレイして感じたのは、「吸血鬼もの」やダークファンタジーに対する開発陣の熱い想いです。
物語のなかでは、「吸血鬼もの」ならではのおもしろさが詰め込まれていましたし、豪華声優陣の演技でその物語を彩っているのも魅力的でした。『OCTOPATH TRAVELER』などでお馴染みの西木康智さん作曲のBGMも非常に世界観とマッチしていてよかったです。
筆者自身、本作の中二病全開っぷりに、かつての黒歴史を思い出して少しこそばゆく感じていたのですが、最終的には夢中になってストーリーを堪能していました。
くり返しにはなりますが、「吸血鬼もの」が好きになった経験がある人には刺さるものがある作品だと思います!
中世ゴシックヴァンパイアRPG『シルバー・アンド・ブラッド』は、6月26日からスマートフォン(Android、iOS、PC)向けに配信中。血の彼岸で、あなたが永生の名を刻むのを待っている……。
🎺『シルバー・アンド・ブラッド』音楽プロデューサー インタビュー公開!
— 【公式】シルバー・アンド・ブラッド(シルブラ) (@SiruburaJP) June 12, 2025
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新たな創作領域への扉を開く機会
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『シルバー・アンド・ブラッド』の舞台裏に迫るスペシャルインタビューへようこそ。
今回は特別に、西木康智さん@yasunorinishiki… pic.twitter.com/ndf09xX4Ho
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