オープンワールドゲームは数あれど、現代都市が舞台になっているものってけっこう少なくないですか? 筆者に知識がないだけかもしれませんが、オープンワールドゲームの多くはファンタジー世界やハイテク化された近未来都市が舞台になっているように感じます。
筆者はゲームをはじめ映画でもドラマでも “生活感” を求めがちで、いま自分が生きている現実世界に近い世界が舞台であるほど心がときめいてしまうタイプ。
今回は、そんな筆者が思いっきり心を持っていかれたゲームを紹介いたします。適当に撮ったスクリーンショットからすでに “良さ” が溢れ出ちゃっているので、いったん見てください。
この景色、見たことないけど見たことある!
適当に置かれたコンテナ、各部屋に設置された室外機PR建物の造形、植え込み、電柱。どれもこれも “そのへんの路地” すぎる。見たことないけど見たことあるもん。
さらに、「空の色」と「影の動き」にも驚きました。下記画像の左と右には現実時間で数秒の時差があるのですが、ちょっと見比べてみてください。
左→右に変化(現実時間で数秒経過)
まず左の画像は朝焼けで太陽や空が黄色っぽく、正面の建物の4つの窓の中央あたりに太陽の反射を確認できます。影はまだそこそこ高く、右側のコンテナにも光が当たっていません。
いっぽう、現実時間で数秒経過した右の画像は太陽や空から黄みが消え、正面の建物の左上の窓に太陽の反射を確認できます。影はやや低くなり、右側のコンテナにも光が入りました。
……細かすぎない???
そのへん路地みたいなところで朝日がだんだん高くなっていくこの感じ、“始発で帰宅するときに見る景色” みたいで、やたら生活感があります。
筆者は、こういうゲームを待っていました。実際に遊んでみると「原付で移動する」「電車に乗り込む」といった、ひとつひとつの動作があまりにも現実世界っぽくて興奮してしまいます。

本稿では、生活感マニア(?)の筆者視点でオープンワールドRPG『NTE: Neverness to Everness』(以下、NTE)の魅力について紹介いたします。画像はすべてクローズドβテスト期間内に撮影しており、最終的な品質とは異なることをあらかじめご了承ください。
文/柳本マリエ
※この記事は『NTE: Neverness to Everness』の魅力をもっと知ってもらいたいHotta Studioさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
現実世界でもできることが、ゲームでもできる
オープンワールドゲームといえばマップが広大なので、特定の場所まで瞬時に移動できるファストトラベルを利用することが多いと思います。筆者もこれまでガンガンに使ってきたのですが、本作は移動が楽しすぎてファストトラベルを使う隙がありません。
もちろん本作にもファストトラベルがあるのですが、なにかしらの交通手段を使って移動したくなってしまいます。とくに原付は「街並み」を感じやすくておすすめ。

これ、たとえば電車移動だったら、電車に乗るためにわざわざ駅まで行って、電車を待って、最寄り駅で降りて、そこから徒歩などで目的地まで向かうんですよ。
現実世界では「ファストトラベル使いて〜」と心の底から思っているのに、現実世界っぽいゲームになると律儀になにかしらの交通手段を使って移動したくなってしまう不思議。

このように「現実世界でもできることがゲームでもできる」という点が筆者にとっての興奮ポイントです。
ここからは少し余談ですが、この「現実世界でもできることがゲームでもできる」の基準として筆者がこの手のゲームで必ず試していることがあるので紹介させてください。
それは、そこらへんのベンチに「座る」ことです。
本作も自由に動ける状態になってすぐ、ベンチに座れるかどうかを確認しました。というのも、ベンチに座るという行為は、どんなゲームにおいても進行上ほぼぜったいに必要ないはずなんです。
それが “できる” ということは、制作陣のなかに生活感マニアの人がいる可能性が高い(筆者の求めるゲームである可能性が高い)ということ。
本作はすぐにベンチに座ることができたのでかなり早い段階から「好きだな」と感じていました。
いち市民としてルールを守りながら生活したい
先ほど「移動が楽しくてファストトラベルを使う隙がない」と書きましたが、そこには大きくふたつの楽しさがあります。どちらも熱いポイントなのでひとつひとつ説明させてください。
・移動すること自体の楽しさ
・移動することで目に入る街並みの既視感
まずは移動すること自体の楽しさについて。本作は、車・バイク・電車などさまざまな乗り物に乗ることができます。先ほども少し触れたとおり電車は街を囲うように駅があり、ホームで待っていればOK!
ドアが開いたら乗り込み、しばらくすると発進します。このとき注目すべきはやはり車窓。まるで「ゆりかもめ」に乘ったときのように景観を楽しむことができます。
車内に差し込む光もそのときの太陽の位置と周りの建物によって動きが変化していくため、本当に電車に乗っているよう。ただただ乗っているだけで楽しいです。
街並みをより感じることができるのは、原付。小回りが効くので歩道や階段も走ることができますが、事故など違反行為を繰り返してしまうと治安所から目をつけられ指名手配をされてしまうため、交通ルールは守りたいところ。
うっかりガードレールや表札などに突っ込んでしまうことはよくあるので注意が必要です。
むしろ処罰がなくても、ここまで現実世界っぽいと交通ルールを守りたくなってしまいませんか?
『グランド・セフト・オート』シリーズだと割と暴れてしまうのに、本作は「いま自分が生きている現実世界に近い街並み」だからなのか、いち市民としてルールを守りながら生活したくなってしまいます。
信号もそこそこ待たされるものの、そこはやっぱり守りたい。先ほどの電車も含め、このゲームは「待つ」ということにまったくストレスを感じません。ファストトラベルがあるのでそもそも待つ必要はないのですが、あえて自分から待ちに行ってもまったく飽きない。
その気持ちが少しでも現実世界に反映されたらいいのに!
さて、上記のようにファストトラベルを使わずに移動していると街並みの「細かさ」を発見することができます。ここからは既視感のある街並みを紹介させてください。まずはこちら。
この通り、見たことありすぎる!
具体的に「どこ」とは言い切れないのですが、逆に「どこでも当てはまる」と言えるのではないでしょうか。文京区でも千代田区でも中央区でもあり得そう。なんなら昨日この通りを歩いたまである。筆者は、こういうゲームを待っていました(2166文字ぶり2度目)。
このように本作は既視感のある場所がたくさんあるのでまとめて貼っていきますね。




建築物や道路の雰囲気など、全体的に上海と日本の要素が混ざっているような印象を受けました。どこに行っても既視感があるので国内旅行をしているような気分で探索してしまいます。
「移動が楽しすぎてファストトラベルを使う隙がない」と書いた理由をご理解いただけたでしょうか。
ちなみに緑の多いエリアもあり、都会から離れたいと思ったときは下記のような場所で過ごすのもアリ。
タワマンやアパートなど物件も購入(ハウジング)できる
マップの作り込みに関心しすぎてそればかり書いてしまいましたが、遅ればせながら本作の基本情報にも触れておきましょう。
『NTE』は、上記で紹介した都市「ヘテロシティ」が舞台のオープンワールドRPG。ここでは異象(アノマリー)と呼ばれる超常現象と人間が共存している。プレイヤーは異象ハンターとなり、仲間たちと一緒に「異能」を駆使して事件を解決していく。
以上が本筋ですが、本作はできることが本当に多いです。現在わかっている範囲でざっと下記。先ほど紹介した街の探索は、ほんの一部に過ぎません。
・街の探索
・異象討伐(異能バトル)
・パルクールアクション
・ハウジング
・車の改造
・カーレース
・カフェ経営
ちょっとさすがに言わせてください。筆者は、こういうゲームを待っていました(687文字ぶり3度目)。あまりにも筆者の好きな要素が詰まりすぎている。ハウジングや経営も本当に好きなんです。
ということで、絵空町の「メゾンVINA」を購入してみました。



この物件ならさすがに24時間ゴミ出しもできるはず(重要)。街にインテリアショップが点在しているので、さっそく「規格外」というお店でソファとスツールを調達してきました。
とりあえずリビングに配置。若干ナナメになってしまったものの、これはこれでアリな気がします。
かなりいい……!
これ、ハウジングやカフェ経営に手を出したら帰ってこれなくなるぞ。物件も今回はとりあえず買えるものを選びましたが、この街だったらぜったい高級タワマンに住みたいもん。
完全に異象はあと回しになっています。先に、テーブルとベッドを買わせてください。ちょっと行ってきますね。
筆者はもはやこのゲームの正式リリースが怖いです。ヘテロシティに住みついて日常生活に支障が出そう。
これは決してリップサービスで言っているわけではありません。過去にとあるゲームに没入しすぎた結果、毎日15~20時間ほどプレイする生活を丸3カ月間(1日も休むことなく)続けてしまい、日常生活に支障が出た経験があるからです。気をつけないといけませんね。
ゲームにおける生活感というのは、“なくてもいいことがある” ことで得られる「体験」だと筆者は考えています。本作も「ベンチに座る」や「電車を待つ」など進行上なくても支障はないはずなのに、できるようになっていました。そういうゲームが大好きです。
同じようなところに興味がある方はぜひ『NTE』をチェックしてみてください。きっと刺さるはず。