皆さんの心に最も深く刻まれている、ゲームに登場する遊園地はどこでしょうか?
筆者にとって忘れられないのは、『ニーアオートマタ』で描かれた荒廃した遊園地です。子どもの頃の憧憬であり、モチーフとしても多用される遊園地。作品ごとに独自の色彩を持ち、そのロケーションや世界設定によって、まったく異なる様相を見せてくれます。
そんな中、10月10日に発売予定の『リトルナイトメア3』に登場する、遊園地「カルネヴァーレ」は、一味も二味も違います。
なんせ、“怪物が怪物を殴り、そして楽しそうに遊具で遊んでいる”んです。(詳細は後述)
まさしく“狂気”なその遊園地は筆者の印象に強く残り、強烈なゲーム体験を与えてくれました。楽しいはずの空間で終始ビクビク。なのに、進みたい……。ゲームでしか味わえない、非日常の体験がそこにはありました。
本稿ではそんな『リトルナイトメア3』の遊園地「カルネヴァーレ」マップをメディア向けプレビューイベントで一足先にプレイしてきたので、たっぷりと紹介していきます。
なお、本文中には「カルネヴァーレ」に登場する一部ギミックのネタバレが含まれます。あらかじめご了承ください。
「カルネヴァーレ」は化け物たちが互いを傷つけあう「狂気」と「愛おしさ」に包まれた遊園地
早速ですが、みなさんに見せたいGIF画像があります。
こちらをご覧ください。

怪物が怪物を殴ってる……。
吊るされた怪物を2体の怪物が棍棒でリンチしている光景が描かれています。この理解しがたい場面を初めて目にしたとき、背筋が凍るような感覚を覚えました。
なんでこんなことになってるのか全然分からないし、攻撃の矛先が不意にこちらに向けられるのではないかという不安に襲われます。そそくさとこの場を離れましょう……。
「カルネヴァーレ」ではこのような怪物……もとい群衆が、退屈な日常から逃れたい一心で集っているとのこと。彼らは基本的にこちらからアクションを加えない限り、アクションを起こすことはありません。
しかし、捕まったら最後、抵抗する余技もなく食べられて死にます。
このような“狂気”は遊園地中に散りばめられており、例えばこちらのサーカステントでは怪物たちが「切断マジック」をした痕跡が残っています。ストーリーを進めるためには大きな足場が必要であり、仕方なくこの化け物が入った箱を動かしてみると…。
…………….。
内臓がでてきました……。
おい!マジックじゃねぇじゃん!!マジで切ってるじゃん!こえーよ!!
思わず声が出てしまいました。
しかし、この怪物ら、ちょっとかわいい(?)一面もあるんです。というのも、背景に注力してみると、普通に遊具で遊んでるんです。

こっちはリンゴ食べてるし。

このように「カルネヴァーレ」では「狂気」と「愛おしさ」が奇妙な形で共存しており、この落差が独特な雰囲気を形成しています。
『リトルナイトメア』シリーズは、まさに「子供の時にみた悪夢」を思い出させるような作風が特徴的。この遊園地は、まさしくそんな悪夢そのもの。妙に記憶に残り、本当に夢に出てきそうな気味の悪さがありました。
でももし、こんな遊園地が実在したら、絶対行きたくはありません。
遊園地らしいギミックもいろいろ
ステージ上には遊園地らしいギミックも多数盛り込まれていました。
あるステージでは巨大なタンクに怪物が吊るされており、これは「ダンクタンク」と呼ばれる海外の娯楽を模したものでした。
ダンクタンクは、ボールを的に当てると上に座っている人が落下する仕組みで、パーティーなどで親しまれ、映画などで見たことがある方も多いかも。
ゲーム内でも同様にボールを的に当てて怪物を落下させると、衝撃でフタが閉まり、先に進めるようになりました。
このようなギミックはストーリー進行と無関係の場所にも散りばめられています。例えば、この赤い筐体と謎のレバー。
一見すると、なにかを起動させるためのスイッチだと思いますが、いざレバーを下げてみると紙幣が噴き出します。「何が来るんだ…」とドキドキしながらレバーを下げた筆者は、その意外な結果に思わずニヤけました。
また、不思議なマークの売店を発見した際には、謎の力で死亡してしまうといったハプニングも。
このような遊園地らしいけど、ちょっぴり怖いギミックも「カルネヴァーレ」の魅力のひとつです。もしかしたら怖いことがおこるかもしれないけど……ついつい触りたくなっちゃう……。
今では忘れてしまった、子どもの頃に感じた“好奇心”を思い出せた気がします。
ほかにも「カルネヴァーレ」で印象に残ったのはその移動方法です。ジップラインをはじめ、ジェットコースターでマップを移動。疾走感のあるその移動方法は、ホラーゲームで遊んでいることを忘れさせ、これから先に待ち受ける脅威に対する不安と、未知のロケーションを探索するワクワク感を増幅させました。
これらのギミックはやはり遊園地マップならではの仕様でしょう。次項ではこれらの筆者の感じた感情についてもう少し深堀していきます。
猟奇的で恐怖で満ち溢れた世界観で終始ワクワク。内心ビクビク
本作、めちゃくちゃ面白かったです!今回の先行プレイを通して製品版を購入することを心に決めました。
しかし筆者は、実はホラーゲームはめちゃくちゃ苦手。これまでさまざまなホラーゲームを触ってきましたが、そのほとんどを途中でプレイを中断し、ライブラリに積んでしまっています。怖いモチーフは好きだけど、実際自分が怖い目に遭うと……(泣)
一方で、『リトルナイトメア3』は「もっと遊びたい!」というプラスの感情の方が大きかったんです。
今回の先行プレイでは1時間程度遊ぶことが出来たのですが、筆者は時間内に「カルネヴァーレ」をクリアすることは出来ず、正直遊び足りませんでした。もっと遊びたかった……!
そんな紹介の仕方をすると「本作は怖くないの?」と思う方がいるかもしれませんが、ぜんぜんそんなことはないです。
めっちゃ怖いです。
従来の『リトルナイトメア』シリーズで感じるような、恐怖や不気味さは、しっかりと継承されていました。とはいえ、やはり本作ではマルチプレイに対応しているため、心のよりどころがある点が恐怖を緩和してくれているように思います。
それぞれのキャラクターが固有のアクションを駆使して、ステージ上の謎を解いていくことから生まれる楽しさ。不気味で不思議な世界観からくる怖さ。『リトルナイトメア3』はこのふたつが上手く両立した作品になっていると感じました。
そのため、本作をプレイする際は友達を誘ってふたりでプレイすることを筆者は推奨したいです。絶対楽しいから!!! (もちろん、ひとりで恐怖に浸るプレイも可能です!)
なお、今回のメディア向けプレビューイベントではさまざまな『リトルナイトメア3』に関する展示や軽食が提供されました。
最後に少し紹介しましょう。



また、『リトルナイトメア3』は本日から、Nintendo Switch、Nintendo Switch 2,PS4,PS5,Xbox Series X/S,Xbox One,PC(Steam)を含む全プラットフォームで無料体験版の配信を開始しました。
本稿をキッカケにゲームに興味を持った方は、ぜひともチェックしてください。
Little Nightmares™III & ©Bandai Namco Entertainment Europe S.A.S.