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ボールを打ち返さなくていい、異色のブロック崩しシューティング『BALL x PIT』で快感のシャワーを浴びまくった。強化しまくったボールの雨で敵をなぎ倒すの、気持ちよすぎ【TGS2025】

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「ブロック崩し」というゲームジャンルがある。非常にシンプルで明快なゲーム性を持ち、古くからさまざまなタイトルに採用されてきた。

今回紹介する『BALL x PIT』もまた、そのひとつだ。だが、本作は単なるブロック崩しとは一味違う。ズバリ言うなら、「ボールを打ち返さなくていいブロック崩し」だ。

「ブロック崩し」とは、画面内を反射しながら動くボールを下に落とさないよう、パドル(バー)を左右に動かして打ち返しながら、ブロックの塊をすべて消すことに挑むというゲームである。

ルールは単純だが、ボールの動きを常に追い、打ち返し続けることが求められる関係で、プレイヤーの集中力と動体視力が問われやすい。ブロック崩しのそういった要素に、苦手意識を持つ人もいるかもしれない。『BALL x PIT』は、そんな人にこそ遊んでみてほしいタイトルだ。

なぜならこのゲームは、ボールを打ち返す必要も、ボールの動きを追い続ける必要もない。狙いをつけて、投げまくって、迫り来る「敵」という名のブロックを崩して(倒して)いくことに集中すれば十分なのだ。

しかも、動ける範囲は左右だけでなく、上下移動も斜め移動も可能と自由自在。倒した敵が落とすジェムを集めていけばプレイヤーキャラクターも強くなるし、ボールにも特殊効果が付与され破壊力を高めることもできてしまう。

『BALL x PIT』試遊レポート:ボールを打ち返さなくていい、異色のブロック崩しローグライトシューティング_001

ただし! 敵は常にこちら側へと接近してくるうえ、最下部までの到達を許すると攻撃を受けてしまう。複数体の攻撃を受ければやがてゲームオーバーとなり、最初からやり直しだ。

そんなサバイバルでローグライトな要素もあって、油断ならない作りもしているが、ブロック崩しとしての遊びやすさは特筆すべきものがある。よく球を打ち返す時にヒヤヒヤしがちの筆者としては、打った球を拾う必要がないというだけでも嬉しさを感じてしまうほどだ。

『BALL x PIT』試遊レポート:ボールを打ち返さなくていい、異色のブロック崩しローグライトシューティング_002

TGS2025では、本作の日本語版のローカライズを担当する架け橋ゲームズのブースにてデモバージョンが出展されていた。10月16日の発売が迫りつつあるこの作品を実際に現地で体験し、分かった特徴と見所をレポートする。

取材・文/シェループ
編集/うきゅう

※試遊ではNintendo Switch 2版を体験したことから、一部の操作解説はそちらに準拠しています。


ボール投げまくりブロック崩し。上から徐々に迫りくる敵の大群を倒しながら、穴の最深部を目指す

本作は、隕石の落下によって消滅した巨大都市の跡地である「穴(ピット)」へと潜り、最深部に眠ると言われる秘宝の発見に挑む、“ブロック崩しサバイバルローグライト”だ。

プレイヤーは秘宝を求めてやってきたヒーローになって、魔力を込めた装備を武器に、内部に巣食うバケモノの大群を撃退しながら奥へと進んでいく。

『BALL x PIT』試遊レポート:ボールを打ち返さなくていい、異色のブロック崩しローグライトシューティング_003

本作のメインフィールドはブロック崩しと同じく、上空から見下ろした視点となっている。遊び方もパドルならぬプレイヤーキャラクターを動かし、その真上から現れるブロックことバケモノたちにボールを投げてはぶつけて倒していく、ブロック崩しのそれそのものだ。

本作のボールはZRボタンを押すと投げられる。投げる方向は右スティックで調節可能。また、Xボタンを押すとオートモードに切り替わり、ボールを自動的に投げ続けられるようにもなる。

オートモードに切り替えれば、基本的にはキャラクターを動かす際に用いる左スティックと、狙いを付ける右スティックの2つだけを用いて遊ぶことも可能である。

『BALL x PIT』試遊レポート:ボールを打ち返さなくていい、異色のブロック崩しローグライトシューティング_004

そして、ブロック崩しと言えば、投げたボールを打ち返す動作だが、本作でその動作を取る必要はなし。打ち返すのに失敗してしまうとダメージを受けるといったペナルティはない。

ダメージを受けるのは、敵に接近しすぎた時、敵がフィールドの下部にまで到達した時、敵が放ってくる矢などの遠距離攻撃にプレイヤーが接触した時のいずれかだ。

これもあって、遊び心地としては縦スクロールのシューティングゲームに近い感覚となっている。プレイヤーが動ける範囲も左右だけではなく、上下斜めと自由自在。ブロックこと敵の間近にまで迫ることもできてしまう。

『BALL x PIT』試遊レポート:ボールを打ち返さなくていい、異色のブロック崩しローグライトシューティング_005

この自由自在かつ、細かいことを気にせず動き回れる体験には不思議な嬉しさがあり、特にブロック崩しに苦手意識を持っている人ならばその開放感の凄さに驚きと戸惑い、そして喜びを抱いてしまうだろう。

なお、前述したように敵は徐々に下側に向けて迫ってくる。もし、倒し切れずに複数の敵が一定ラインまで到達してしまうと、一斉攻撃を受け体力が減少する。もちろん、体力が無くなってしまうとゲームオーバーである。

特殊なボールを手に入れ、時に異なる2種を融合(合成)しながら過激な一手を編み出す

本作の敵は倒すことによって「ジェム」を落とす。これを回収すると画面左側にある経験値のゲージが溜まっていき、満タンに達するとレベルアップ。プレイヤーのステータスが強化されたり、特殊なパッシブ(アップグレード)を獲得できる。

パッシブはサバイバー系ローグライトに多く見られる3択式で、都度、プレイヤーが好きなものを選ぶ形だ。

『BALL x PIT』試遊レポート:ボールを打ち返さなくていい、異色のブロック崩しローグライトシューティング_006

アップグレードの選択肢の中には、新たなボールを獲得できるものも存在する。一例としては命中した時に毒を付与したり、凍結させたり、周囲複数の敵に稲光を落とすといったものまでさまざま。

こうしたアップグレードを組み合わせることで、ボールに2つの効果を持たせたり、新たなボールに進化させられる。

主に耐久力の高い敵が落とす虹色のジェムを取れば、チャンス到来。より強力かつ効率的な攻撃を繰り出せるようになるのだ。

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毒と雷の同時攻撃を加えるようにしたり、放射線状のレーザーを放てるようにするなど、鬼に金棒な効果を備えたボールで敵を容赦なく倒していく快感は格別。

強化が極まると、ほとんど無双に近い状態となって、画面内がエフェクトの嵐となり、とんでもなくうるさくなったりもする(※褒め言葉)。インフレこそ、この手のゲームの華だ。

同様の光景はサバイバー系ローグライトでもお馴染みの光景だが、「ブロック崩し」で描かれるというのはなかなかに新鮮。融合の仕組みも分かりやすく、「次はこれとこれを試してみよう」とか「これを組み合わせればさらに凶悪化するのでは?」など、あれこれ考えては実行する楽しさがあったのも印象的だ。

ブロック崩しだけでなく、街づくりも楽しめる……らしい。一粒で二度おいしい

本作にはブロック崩しの本編以外にも、手に入れたお金などを資源に、隕石落下で消滅した巨大都市を再興していく街づくり要素も存在する……らしい。

というのも、この部分に関しては今回のデモバージョンでは体験できなかったのだ。筆者が帰り際に他の試遊台をチラ見したところ、街づくり部分を体験できるデモも存在したので、もしブロック崩し以外の要素も確かめたいのであれば、試遊ブースでトライしてみることをおススメする。

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ほかにも本作には、プレイヤーキャラクターたちのステータスを永続強化できるレベルアップの要素も存在し、繰り返しプレイするほど大胆な戦術が駆使できるようになるローグライト系ゲームの醍醐味もしっかりおさえている。

ステージの進展に応じて動ける範囲が拡大したり、中ボスが現れたりといった変化を付ける要素もあり、ゲームプレイにメリハリをつけた作りになっている部分も興味深い。

1976年にアタリより発売された『Breakout』以来、実に50年近い歴史を誇るブロック崩しとローグライトを組み合わせると同時に、ブロック崩しのお約束を覆す試みも成された意欲作。

繰り返しになるが、特にブロック崩しに苦手意識を持っている人にこそオススメしたい。思いもしない遊びやすさと、敵を壊しまくる快感に浸ってみよう。

本作のSteamストアページでは、無料の体験版も配信されている。TGSには参加しないが本作がどんなゲームなのか気になっている人もぜひお試しいただき、ブロック崩しの新境地を目撃してほしい。

『BALL x PIT』はPC(Steam)、Nintendo Switch 2およびNintendo Switch、PlayStation 5、Xbox Series X|S向けに10月16日発売予定だ。

ライター
新旧構わず、色々ゲームに手を伸ばしては積み上げるひよっこライター。アクションゲーム(特に『メトロイド』、『ロックマン』)とストラテジーが大好物。フリーゲーム、VRゲームの動向もひっそり追いかけ続けている。
Twitter:@shelloop
編集者
小説の虜だった子供がソードワールドの洗礼を受けて以来、TRPGを遊び続けて20年。途中FEZとLoLで対人要素の光と闇を学び、steamの格安タイトルからジャンルの多様性を味わいつつ、ゲームの奥深さを日々勉強中。最近はオープンワールドの面白さに目覚めつつある。
Twitter:@reUQest

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