Googleがゲームプラットフォーム「STADIA」正式発表。YouTubeで視聴中の『アサクリ』を5秒でブラウザにて起動、スマホやテレビへ中断無しで切り替え可能

 Googleはゲーム開発者向けカンファレンス「GDC 2019」にて、ゲームプラットフォーム「STADIA」を正式発表した。先日から公表されてきたゲームストリーミング技術テスト「Project Stream」にYouTubeなどを統合したサービスで、コントローラー「STADIA Controller」も発表されている。

(画像はGoogle GDC 2019 Gaming Announcementより)

 「STADIA」はゲームストリーミングプラットフォームとなっており、ユーザーはデスクトップPCやノートパソコン、テレビ、タブレット、そしてスマートフォンを問わずに最新のハイエンドゲームをプレイすることができる。Googleの19リージョン、58ゾーン、200以上の国・地域に設置したデータセンター上でゲームが動作し、映像や音声、入力信号はインターネット上を通じてデバイスとやり取りされるため、ハードウェアの性能にはとらわれない。

 講演では、YouTube上で視聴していた『アサシン クリード オデッセイ』のトレイラーから購入ボタンを押すと、5秒ほどでゲームがブラウザのGoogle Chrome上で起動しプレイできるという映像も披露された。このほか、YouTubeでストリーム中の対戦マルチプレイヤーゲームへボタンひとつで参加する「Crowd Play」も存在する。ゲームストリーミングサービスである「STADIA」では、ゲームデータのダウンロードやインストール、パッチのアップデートなどは不要となっているため、ゲームの購入を思い立ってから起きうる障害はできる限り排除されている。

 「STADIA」でもっとも驚異的なのは、プレイ中のゲームを数秒で別のハードへと移行できる点だろう。たとえばスマートフォンでプレイしていた『アサシン クリード オデッセイ』を、大画面でプレイしたいからとテレビに繋がれた「Chrome Cast HDMI」へと、プレイを中断することなく少し待つだけで移行することができる。「YouTubeで見ていたゲーム映像からゲームを起動し、好きなデバイスで切り替えつつプレイを続け、その映像をYouTubeへアップロードする」、この新たなゲームのサイクルにGoogleの狙い所がひとつあるのは明確だろう。

(画像はGoogle GDC 2019 Gaming Announcementより)

 ハードウェアにとらわれないというのが「STADIA」のコンセプトにもなっている模様で、ユーザーはすでに所持しているコントローラーやデバイスでゲームをプレイできるようになる。一方で、YouTubeへの映像アップロードやストリーミングの機能を集約したキャプチャボタンなどが搭載された「STADIA Controller」も発表されている。あわせて搭載されているシステムボタンでは、押すことでコントローラーに搭載されたマイクロフォンを通じてさまざまな機能にアクセスできるという。

(画像はGoogle GDC 2019 Gaming Announcementより)

 また「STADIA」ではゲームのHD 4K、60fps動作を約束しており、さらには8K、120fpsでの動作も将来的に目指している。Googoleはこの講演会にて、「STADIA」のGPU Teraflopsが、PS4 Proの4.2とXbox One Xの6.0の合計値よりも高い「10.7」であると公表。また既存のLinux、Valkan、Unreal Engine、Unity、havokといったエンジンや技術にも対応すると公表した。

  実際に講演では、id Softwareが手がけるVulkanをサポートした『DOOM Eternal』の対応がお披露目され、4K HDRの60fpsで動作することが明らかにされている。同作はマルチプラットフォーム作品となるが、登壇したJade Raymond氏によればプラットフォーム独占の作品もリリース予定となっているようだ。ローンチ時には100以上のタイトルに対応するという。

(画像はGoogle GDC 2019 Gaming Announcementより)

 ほかにも講演では、Googleアシスタントを声で呼び出してゲームの難所の攻略映像をYouTubeから即座に再生したり、プレイヤーのゲームの進行状況をURLとして保存しほかのプレイヤーと共有できる「State Share」なども披露された。ゲーム開発すらもクラウドサーバー上で一元管理するという考え方で、すでに開発者向けの公式ブログも開設されている。

 「コンソールはないよ」(No Console.)や「データセンターがあなたのプラットフォームです」(Date center is your platform.)といった発言も飛び出すなど、既存のハードウェアのサイクルを大きく逸脱した可能性を秘めている「STADIA」。ゲームストリーミングサービスでは通常、回線速度やラグなどの問題が指摘されるものだが、そこはGoogleのデータセンターと最新技術が担保するところとなる。逆にゲームデータをデータセンター上で処理するゲームストリーミングであるがゆえに、チートやハックといった問題に悩まされることもないと強調されている。

 なお残念ながら、「STADIA」は2019年に展開予定となっているものの、アジア地域はローンチ時にサービス対象とならないことが明らかにされている。ローンチ時に対象となるのはアメリカ、カナダ、イギリス、ヨーロッパの4地域。今後の続報に期待したい。

文/ishigenn

編集
ニュースから企画まで幅広く執筆予定の編集部デスク。ペーペーのフリーライター時代からゲーム情報サイト「AUTOMATON」の二代目編集長を経て電ファミニコゲーマーにたどり着く。「インディーとか洋ゲーばっかりやってるんでしょ?」とよく言われるが、和ゲーもソシャゲもレトロも楽しくたしなむ雑食派。
Twitter:@ishigenn
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