2019年5月17日に10周年を迎える『マインクラフト』だが、コミュニティーではある事件が起きていた。キャラクターが死ねば全てを失う「ハードコアモード」を5年間生き延び、世界記録として登録されていたストリーマーのPhilza氏の記録がついに終了したのだ。
Philza氏の長い旅は、暗い洞窟の中で自らの剣によって炎上した金の鎧を着た子どもゾンビと、突如として後ろに現れたクモによって終わりを告げた。
死亡後、Philza氏は涙ながらに自身のことを馬鹿だと罵り、プレイヤーを死から守る「不死のトーテム」や、体力を回復し火炎への耐性を得る「エンチャントされた金のリンゴ」の使用が間に合わなかったことを悔いている。回復が間に合わなかった理由は、防具の代わりに滑空に使うためのエリトラを装備していて予想よりダメージが大きかったからだろう。
他にも水バケツを含めてさまざまなアイテムを持っており、この状況を脱することは5年間生き延びたPhilza氏には容易いものだっただろう。しかし、些細な判断ミスから小さなパニックが起き、大きな失敗となった。
『Minecraft』のハードコアモードは2011年に行われたバージョン1.0アップデートで追加された目玉機能のひとつだ。2016年のバージョン1.9になるまで、シングル・マルチ関係なくそれまで生きてきたワールドには永久に戻れなくなる。
バージョン1.9からはマルチプレイの場合、自分の生きてきたサーバーを見てまわることができるスペクテイターモードへ移行できるようになった。不幸中の幸いというにはあまりにも辛い出来事だが、Philza氏は5年間冒険してまわったワールドの思い出を見てまわる機会が残されていた。
Philza氏の偉大な記録を讃え、その終了を悲しむRedditのスレッドでは、彼の世界記録5年に次ぐ記録はどれくらいかという質問に「数週間」という答えが投稿されている。
区切りが訪れたことで、Philza氏を含む多くのハードコアプレイヤーが最長生存記録を更新する事ができるようになった。しかし、それは最短でも『マインクラフト』15周年記念の頃になるだろう。
ライター/古嶋誉幸