オーストラリアのゲームデベロッパーRoute 59は、アドベンチャーゲーム『Necrobarista』(PC版)の発売を8月9日に決定した。
本作はNintendo Switchとプレイステーション4でのリリースも予定されているが、こちらの発売日は2020年となっている。PLAYISMによって日本語ローカライズもされる予定だ。
NEW TRAILER: We're thrilled to announce that #Necrobarista will release for PC on August 8, 2019.
— ROUTE 59!!! on Switch NOW!! 💀☕ (@route59games) May 16, 2019
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『Necrobarista』は、メルボルンにあるカフェが舞台となる。カフェには普通の客だけでなく、死者も訪れる。プレイヤーはネクロマンサーでありカフェのバリスタでもあるマディとして、地上を去る最期の1日をカフェで過ごす彼らの話を聞き、コーヒーでもてなす。
アニメと映画の両方から影響を受けたという本作は、シーンごとに変わるカメラアングルやアニメーションといった3D表現を存分に使ったビジュアルノベルとなっている。カフェに訪れた人びとの話を聞きながら、時折登場するキーワードに干渉することでストーリーが進行、分岐していく。
ゲーム中には一人称視点で歩きまわることもあり、単純にテキストを読み進めて話を進めるゲームではない。カートゥーン調のグラフィックやタイポグラフィを利用した独自のアートスタイルは、ひと目で「かっこいい」と思わせる力がある。
音楽はアニメ『メイドインアビス』や、リズムゲーム『Deemo』に楽曲を提供したケビン・ペンキン氏が担当。
公式サイトでは、ゲームの特徴のひとつとしてオーストラリアの最も有名なアウトローであるネッド・ケリーの存在を挙げている。ケリーはブッシュレンジャーと呼ばれる盗賊だったが、貧しい者からは盗まず、無用な殺しはしないことで他のブッシュレンジャーとは一線を画する存在だった。生前から義賊として知られており、処刑後はすぐに伝説化した。
ケリーと『Necrobarista』との関係は不明だが、オーストラリアでは「ケリーのように勇敢に」(as game as Ned Kelly)が一般的な表現となるほどの人物であり、権力への抵抗の象徴ともなっているため、彼がどのように関わるのか気になるところだ。
『Necrobarista』は2017年に発表され、そのアートスタイルで話題を呼んだ。日本でもBitSummitに出展し、日本語版も発表されていただけに注目の作品だ。興味がある方は忘れずにSteamページでウィッシュリストに入れ、発売を見逃さないようにしてほしい。
ライター/古嶋誉幸
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