Netflixは株主向けに第4四半期(10月から12月)の決算報告書を公開し、アンドレイ・サプコフスキ氏による小説シリーズをドラマ化した『The Witcher』が、「もっとも視聴された第1シーズン」の記録を達成したことがNetflix独自の集計によって明らかになった。
決算報告書では、「配信後4週間で、およそ7600万世帯が『The Witcher』の第1シーズンを視聴した」と述べている。また、同社は「ドラマの配信によってゲームと原作小説の売上を押し上げ、口コミの拡散がヒット曲を生み出した」とも報告した。
ドラマの配信後、Steam版の『The Witcher 3: Wild Hunt』におけるピーク時の同時接続数は10万人を突破。加えて、第1シーズンのエピソード2「4マルク」に登場するドラマオリジナルの挿入歌「Toss a Coin to Your Witcher」は、YouTubeを中心にさまざまなリミックスが制作され、全英シングルチャートにも複数ランクインしている。
さらには、『The Witcher 3: Wild Hunt』で演奏シーンを再現したMODや、VR音楽ゲーム『Beat Saber』(2018)でプレイできるカスタムトラックなども登場し、多くの話題を生み出し続けている。
第4四半期にはディズニーに関連する作品や、「National Geographic」などのテレビ番組を包括的に視聴できる「Disney+」や、世界の巨匠たちによるオリジナル作品だけを提供する「Apple TV+」などの動画配信サービスが登場したことから、売上高は第1四半期時点での予想をやや下回っている。
一方、決算報告書では「ベビーヨーダ」が話題になっていたDisney+の『The Mandalorian』、ゴールデングローブ賞のテレビドラマ作品部門にノミネートされていたApple TV+の『The Morning Show』、Amazon Prime Videoで配信されているトム・クランシー氏原作の『Tom Clancy’s Jack Ryan』の3作品と、『The Witcher』をGoogleトレンドで比較したグラフ図も掲載されている。
グラフ図によると、青い線の『The Witcher』の配信が開始された12月20日付近から、ほか3作品に大きく差をつけてウェブ検索の数が増えていることがわかる。Netflix、Amazon Prime Video、およびApple TV +と違ってDisney +の配信地域は限られているが、Netflixの見込みでは「もしグローバル展開を行っていたとしても結果に大きな変化はないだろう」と説明している。
2021年からドラマの第2シーズンを配信する予定が決まっている『The Witcher』。今後もさまざまな話題でファンを楽しませてくれることだろう。
ライター/ヨシムネ