マイクロソフトは2020年末に発売予定の「Xbox Series X」の新たな特徴を発表した。
以前発表された初代Xboxからの4世代の互換性などに加え、搭載されるGPUの処理速度を表すFLOPSは12テラFLOPSに達し、可変レートシェーディング、ハードウェアアクセラレーションレイトレーシング対応、複数のゲームでのレジューム機能、スマートデリバリーといった新しい機能に対応する。
レジューム機能はゲームの進行をそのまま保存していったん終了する携帯機では一般的な機能だ。Xbox Series Xのクイックレジューム機能は複数のソフトで行うことができる。どういった挙動になるか詳しくは明かされていないが、中断した複数のゲームをロード時間ほぼ無しで瞬時に切り替えることができるようだ。
スマートデリバリーはいわゆる縦マルチのゲーム向けのクロスバイ機能だ。対応するゲームを一度購入すれば、Xbox OneでもXbox Series Xでも遊べる。『Halo Infinite』を含むXbox Game Studios開発のエクスクルーシブ作品はすべてこの機能に対応しており、サードパーティゲームでも望めば利用できる。すでにCD PROJEKT RED『Cyberpunk 2077』の対応を発表している。
期限やディスク版の対応など詳しいことはまだわからない点もあるが、Xbox Game Studiosのゲームは既存のXbox OneユーザーがXbox Series Xでも同じゲームを買わなければならないデメリットは無いようだ。
我々CDPRは、プレイヤーの皆様が同じゲームを複数回購入したり、上位版のために追加費用を支払う必要がない環境を目指します。#サイバーパンク2077 のXbox One版を購入される方は、Xbox Series X版へのアップグレードを追加購入無しでご利用頂ける予定です。対応時期については続報をお待ちください。 https://t.co/7BNcr4wQtc
— CD PROJEKT RED Japan (@CDPRJP) February 24, 2020
可変レートシェーディングとは、ゲームのグラフィックに大きな影響を与えるシェーディングを効率化し、見栄えはそのままに描画負荷を軽減させる機能だ。この機能を簡単に説明すると、見栄えに直結する部分を集中的に描写し、影や周辺視野の部分、カメラから遠い場所などを軽い処理で済ませるというものだ。これによりプレイヤーの目に付きやすい部分はしっかりと描写しながら、全体的なパフォーマンスが大きく向上する。
それぞれの機能・要素はDirect X開発ブログにて詳しく解説されている。また、ベンチマークソフトウェア開発で著名なUL Benchmarksがベンチマークソフト3DMarkを使って可変レートシェーディングが具体的にどのような処理しているかを簡単に説明している。
発売に向けて徐々に全貌が明らかになってきたXbox Series X。マイクロソフトは4世代の互換性の確保やスマートデリバリーといった、これまでのXboxユーザーの積み重ねを守る施策を発表している。次世代機は我々にどのような未来を見せてくれるか、いまから楽しみだ。
ライター/古嶋誉幸