電撃PlayStationは、3月28日発売の書籍「電撃PlayStation Vol.686」を持って、定期刊行を終了すると発表した。電撃PlayStationのWebサイトでは、おしょうの愛称でも知られる編集長の千木良章氏から声明が出されている。
1994年の『電撃PCエンジン』からの増刊号、1995年の独立創刊号から25年、月刊誌としての役割を終えることとなった。定期刊行を終了の理由は「雑誌などのメディアを取り巻く状況の変化や、ゲーム情報発信のあり方の変化など、さまざまな要因」としている。
『電撃PlayStation』からのお知らせ https://t.co/nW3Bue56Du #dengekips pic.twitter.com/z0LnnRdJH8
— 電撃PlayStation (@dengekips) February 26, 2020
読者の皆様には突然のお知らせとなり申し訳ございません。
— おしょう(千木良 章) (@gameosho) February 26, 2020
そして明後日2/28発売のVol.685と、3/28発売のVol.686を何卒よろしくお願いいたします! #dengekips https://t.co/MtqICxCQen
『電撃PlayStation』は1994年の『電撃PCエンジン』からの増刊号、1995年の独立創刊号として発足。その当時、競合雑誌は『ザ・プレイステーション』、『PlayStation Magaine』、『HYPERプレイステーション』があった。
雑誌名に「電撃」とあるように、メディアワークス(現在はKADOKAWAグループのアスキー・メディアワークス)のブランドとなる。メディアワークスは『コンプティーク』を発刊しているように、美少女アニメを扱っていた伝統があり、『電撃PlayStation』も美少女ゲームを取り扱って独自性を出そうとした。
育成ゲーム『プリンセスメーカー ゆめみる妖精』や対戦型格闘ゲーム『闘神伝』など、プレイステーションから発売した美少女要素があるゲームにフォーカスを置くことによって、『電撃PlayStation』は独自の地位を築くこととなる。その流れの中でのちに名作と謳われる『高機動幻想ガンパレード・マーチ』に注目。他の雑誌で取り扱われなかった「ガンパレ」を発掘して、広く読者に普及させることができた。
『ファイナルファンタジーVII』でプレイステーションブームが巻き起こっているとき、美少女ゲームを扱っていた経験を活かして、『電撃PlayStation』もビジュアルを重視して見やすい紙面に少しずつ変化。特に2010年からデザインを大幅にリニューアルして、現在のスタイリッシュのデザインになっている。ただし当初からのキャラクターを重視してカラフルに紹介する路線は踏襲し続けていた。
2000以降は『モンスターハンター』シリーズを大々的に特集したり、『初音ミク -Project DIVA-』などを取り上げた。2013年には『METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES』の小島秀夫監督と、『BEYOND: Two Souls』クアンティックドリームのデヴィッド・ケイジの対談を実現。2019年11月28日に発売したvol.682号では、プレイステーション発売25周年を記念して特集記事を掲載した。
1995年から25年の歴史を持ち、日本のゲーム雑誌では『ファミ通』に次ぐ位置にあったといえるが、今回、定期刊行が終了することが発表された。以後は不定期刊行の増刊、ムック等の形では、刊行物の制作を検討しているという。
3月28日発売の「Vol.686」をもって、定期発刊は終了する。『電撃PlayStation』の名を冠したWebでの記事や「電撃PS Live」の配信、動画については、今後も変わらず電撃オンライン上で展開していくので、完全に『電撃PlayStation』なくなることはないが、豊富な読者コーナーやオシャレな紙面が見れなくなることは寂しく、今回の発表は日本のゲームメディアにおいて一つの終焉といえるような大きな出来事といえそうだ。
ライター/福山幸司