映画の興行成績を集積、分析するウェブサイト「Box Office Mojo」は、映画『ソニック・ザ・ムービー』の北米における興行成績が1億4580万ドル(約156億円)を超えたことを明らかにした。
海外メディアForbesによれば、これは1億4400万ドル(約154億円)の興行成績をあげた映画『名探偵ピカチュウ』を超え、ビデオゲームを元にした映画としては北米で最大の売り上げだという。ただし、この比較は鑑賞券の価格上昇に対する調整が考慮されておらず、調整後は北米で1億5600万ドルを超えなければ1位にはならない。
Box Office Mojoによれば、全世界での興行成績は『名探偵ピカチュウ』が4億3300万ドル(約464億円)、『ソニック・ザ・ムービー』は3億650万ドル(約328億円)。北米での成績にもかかわらず大きく差が開いているのは、中国や日本を含む複数の国で上映が延期されたためだ。今後公開予定の国でも公開されていけば、差は縮まっていくか逆転すると考えられる。
『ソニック・ザ・ムービー』はセガのビデオゲーム『ソニック』シリーズを原作とした映画だ。主人公は音速のハリネズミこと「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」(以下、ソニック)。かつて自身の持つスーパーパワーを狙われ地球へと逃げることになったソニックだが、地球では仲間がほしいと願いながら孤独に暮らしていた。そんな彼が保安官「トムとともに、世界征服を狙う「ドクターエッグマン」と戦うことになる。
ジムキャリーがCGを使わずに扮するドクターエッグマンのビジュアルは、ビデオゲームへ登場するキャラクターがそのまま実写になったような完成度の高さでファンを驚かせた。一方で、主人公ソニックのビジュアルがあまりにも原作とかけ離れていたことが悪い意味で話題となった。最終的に映画は公開を延期し、ソニックをデザインし直すことになったが、目立った悪評はここまで。
延期してまでソニックを修正したのが功を奏したか、公開後3日間の興行成績はアナリストの予想を大きく超える5700万ドル(約62億円)をたたき出す。映画の評価集計サイトRotten Tomatoesでは、記事執筆時点でオーディエンススコアが93点と映画を見た観客から高い評価を得ている。
日本でも3月27日に公開予定だった『ソニック・ザ・ムービー』は、3月6日に公開の延期が発表された。新たな公開予定日は未定で、近日公開とされているままだ。記事では直接触れられていないが、新型コロナウイルスが原因のひとつであることは間違いないだろう。一刻も早い公開時期発表を願うばかりだ。
ライター/古嶋誉幸